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ラッキースケベ
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「水問題はなんとかなる。住民もドワーフを誘えばなんとかなる。だが、その為には酒が必要……あぁー……厳しいなぁ……」
考えること一時間弱。
今の状況を打開することのできる力を持っていないことに俺は気がついた。
「酒を造る施設なんてないしなぁ……ドワーフは諦めて、別の住民を探した方が早いか」
情報を教えてくれたフリードリーフには申し訳ないが、俺には酒を用意できそうにないので、この件に関しては諦めるしかなさそうだ。
「ゲイル! できたよっ!」
今後の行動や食料事情について一人で練っていると、突然勢いよく扉が開かれて、そこからユルメルが入ってきた。
ユルメルはほくほくとした表情をしており、髪もほんのりと湿っている。
「ん? もう完成したのか?」
「うん! すぐに完成したよ! それにしてもニーフェって凄いんだね! 水分であればなんでも出せるんだよ! 水もお湯も、それこそなんでもだよ! ゲイルのほうはどう? 何か進展はあった?」
ユルメルは身振り手振りで様々な感情を表現しながら言っていたが、それ以上に俺には気になった事があった。
「ん? 待て。聞き間違いが? ニーフェが水分であればなんでもってのは本当か?」
「う、うん。本当になんでもだよ。ジュースも水もお湯もお酒だって出せるみたい。エルフの僕からすれば、ニーフェの魔法は魔法の域を超えすぎてて怖くなっちゃうくらいだよ」
床から尻を離して詰め寄った俺に対して、ユルメルは若干引き気味に答えた。
ため息混じりのその言葉は、魔法が得意なことで有名なエルフとしての尊厳を失ったと自虐しているようにも見える。
「酒もか! 酒も造れるんだな!?」
俺はより一層詰め寄った。
今にも鼻と鼻が触れてしまいそうな距離感だ。
「う、うん。本人は下戸だし、僕もお酒は飲まないし、使い道は全くないって言ってたけどね……って、どこいくの!? 今はニーフェが——」
「——ニーフェ!」
俺はユルメルが真っ赤な顔で頷いたことを確認してから、急いで外へ出た。
何か言い残したことでもありそうな様子だったが、その話は後で聞くとしよう。今優先すべきはこっちだからな。
「っと、すぐ隣か!」
外へ出た俺はキョロキョロと首を振って、完成したばかりだという建物を探すと、元の家から二十メートルほど離れた地点に、ドーム状でかなりの大きさがある建物があった。
目指すのはニーフェのところだ。
ユルメルの言っていることが正しいのなら、名も無き領地は大きく進展することが可能となるだろう。
「ニーフェ! どこだ!!」
俺は施錠されていなかった扉を勢いよく開けて建物の中に侵入した。
建物の中には二つの入り口が設置されており、それぞれの入り口には暖簾がかかっていたので、俺は瞬時に気配を探り、ニーフェがいる赤色の暖簾が掛かった部屋に突入した
中には濃い湯気がモワモワと立ち込めており、耳障りの良い水音が聞こえる。
「——ニーフェ! 酒を造れるってのは本当か!? 手を貸して……あ……」
俺は転がり込むようにしてニーフェのもとへ向かって走っていったが、そこには思いもよらぬ光景が広がっていた。
「……え?」
「あ……」
ニーフェが訳が分からないと言ったような声を上げると同時に、開かれたままの扉から立ち込めていた湯気が外へ逃げていくと、気がついた時には、俺の目の前には生まれたままの姿で浴槽に使っているニーフェがいた。
「ゲイルさん……私、まだ心の準備が……」
ニーフェさんがうっとりとした恍惚の表情を作ると、お湯の中に顔をつけてぶくぶくと泡を作っていた。
「——ぁ……ごめん……」
俺は扉を閉めてすぐに我に返った。
自分がやった過ちを即座に頭の中で整理し、「なんてことをしたんだ」と、思わず言葉が漏れる。
「あっ……もう遅かったかな……?」
少し遅れてユルメルがやってきたが、時既に遅しだ。
「……ああ……手遅れだ」
「はぁぁぁ……後で謝りなよ?」
ユルメルは首を横に振って大きなため息をつくと、心底呆れたように言った。
こんなつもりはなかったんだ。
早く真実を確かめて先へ進みたいという焦る気持ちが俺をこうさせたのだ。
考えること一時間弱。
今の状況を打開することのできる力を持っていないことに俺は気がついた。
「酒を造る施設なんてないしなぁ……ドワーフは諦めて、別の住民を探した方が早いか」
情報を教えてくれたフリードリーフには申し訳ないが、俺には酒を用意できそうにないので、この件に関しては諦めるしかなさそうだ。
「ゲイル! できたよっ!」
今後の行動や食料事情について一人で練っていると、突然勢いよく扉が開かれて、そこからユルメルが入ってきた。
ユルメルはほくほくとした表情をしており、髪もほんのりと湿っている。
「ん? もう完成したのか?」
「うん! すぐに完成したよ! それにしてもニーフェって凄いんだね! 水分であればなんでも出せるんだよ! 水もお湯も、それこそなんでもだよ! ゲイルのほうはどう? 何か進展はあった?」
ユルメルは身振り手振りで様々な感情を表現しながら言っていたが、それ以上に俺には気になった事があった。
「ん? 待て。聞き間違いが? ニーフェが水分であればなんでもってのは本当か?」
「う、うん。本当になんでもだよ。ジュースも水もお湯もお酒だって出せるみたい。エルフの僕からすれば、ニーフェの魔法は魔法の域を超えすぎてて怖くなっちゃうくらいだよ」
床から尻を離して詰め寄った俺に対して、ユルメルは若干引き気味に答えた。
ため息混じりのその言葉は、魔法が得意なことで有名なエルフとしての尊厳を失ったと自虐しているようにも見える。
「酒もか! 酒も造れるんだな!?」
俺はより一層詰め寄った。
今にも鼻と鼻が触れてしまいそうな距離感だ。
「う、うん。本人は下戸だし、僕もお酒は飲まないし、使い道は全くないって言ってたけどね……って、どこいくの!? 今はニーフェが——」
「——ニーフェ!」
俺はユルメルが真っ赤な顔で頷いたことを確認してから、急いで外へ出た。
何か言い残したことでもありそうな様子だったが、その話は後で聞くとしよう。今優先すべきはこっちだからな。
「っと、すぐ隣か!」
外へ出た俺はキョロキョロと首を振って、完成したばかりだという建物を探すと、元の家から二十メートルほど離れた地点に、ドーム状でかなりの大きさがある建物があった。
目指すのはニーフェのところだ。
ユルメルの言っていることが正しいのなら、名も無き領地は大きく進展することが可能となるだろう。
「ニーフェ! どこだ!!」
俺は施錠されていなかった扉を勢いよく開けて建物の中に侵入した。
建物の中には二つの入り口が設置されており、それぞれの入り口には暖簾がかかっていたので、俺は瞬時に気配を探り、ニーフェがいる赤色の暖簾が掛かった部屋に突入した
中には濃い湯気がモワモワと立ち込めており、耳障りの良い水音が聞こえる。
「——ニーフェ! 酒を造れるってのは本当か!? 手を貸して……あ……」
俺は転がり込むようにしてニーフェのもとへ向かって走っていったが、そこには思いもよらぬ光景が広がっていた。
「……え?」
「あ……」
ニーフェが訳が分からないと言ったような声を上げると同時に、開かれたままの扉から立ち込めていた湯気が外へ逃げていくと、気がついた時には、俺の目の前には生まれたままの姿で浴槽に使っているニーフェがいた。
「ゲイルさん……私、まだ心の準備が……」
ニーフェさんがうっとりとした恍惚の表情を作ると、お湯の中に顔をつけてぶくぶくと泡を作っていた。
「——ぁ……ごめん……」
俺は扉を閉めてすぐに我に返った。
自分がやった過ちを即座に頭の中で整理し、「なんてことをしたんだ」と、思わず言葉が漏れる。
「あっ……もう遅かったかな……?」
少し遅れてユルメルがやってきたが、時既に遅しだ。
「……ああ……手遅れだ」
「はぁぁぁ……後で謝りなよ?」
ユルメルは首を横に振って大きなため息をつくと、心底呆れたように言った。
こんなつもりはなかったんだ。
早く真実を確かめて先へ進みたいという焦る気持ちが俺をこうさせたのだ。
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