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監視人集会
ハンターDJ
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黄色い光の束が真っ直ぐにステージの中央を目指して降り注ぎ、Mr.オズマの姿が真っ暗な空間に浮かび上がると、観客はみな騒然となった。
熱狂の波がつむじ風のように巻きおこり、あちらこちらでピューと口笛が鳴る。
バラバラだった手拍子が次第に統一されて、一本に重なっていく。
五十センチ先にいる人の声も聞き取れないほどの騒ぎだ。
Mr.オズマがやれやれといった具合に両手を肩の脇まであげて(静かに)という仕草を見せると、場内はようやく水を打ったように静かになった。
「いやっほぅ!ワォーォーッ」
ワォーッ、っと笑いながら数人の観客が返す。
ワォーッと大げさに驚いて見せる、エンターティナーらしいよくある営業トーク。
Mr.オズマのワォーッは勢いがあって、まるで獣の唸り声のように独特だ。
そのせいか今ではワォーッは、彼特有のネタとして浸透しているのだ。
実は単なる彼の口癖なだけだったのだが。
「レディース、エンド、ジェントルマン。
ドキドキわくわく、のるかそるかの大勝負!
クイズ、クラッシュハンターの館へようこそ!ワォーッ」
番組恒例の決まり文句を華麗に放ち、オズマが挨拶をした。
すると、かぶさるように躍動感溢れるテーマソングが大音量で流れ始め、やたらスタイルのいい女性コーラス部隊がそれに合わせて絶妙なハモりを入れる。
厚みのあるがっしりした胴体に、長めの金髪を撫でつけたオールバック。
スパンコールのついたスーツを着、赤い蝶ネクタイをしたMr.オズマはなんとも悪趣味丸出しないでたちだが、その奇抜さと飾らない奔放な性格で司会者として一流どころの仲間に入りつつある。
続いて彼は、身を乗り出して客席の最前列の一角に近寄り、わざとらしいほどのにっこり笑顔で語りかけた。
「ご機嫌はいかがかな?美しいお姫様。そこの、オレンジのワンピースを来た…そう、そこの貴女ですよ。ワ…ワォーォー…」
Mr.オズマは緊張するとうまくワォーッが言えなくなるらしい。
「お手をどうぞレディー」
どうやら今夜の解答者が早々と決まったらしい。
サタデーナイト。
ミラーボールがくるくる回りながら時を告げる。
いよいよショータイムの始まりだ。
生放送終了後の楽屋。
大きな鏡が張られた部屋の中で、ぐおーぐおーと耳障りな音が響いている。
テーブルに両足を投げ出し、すっかりくつろいだ様子で眠る男の姿。
騒音の元はMr.オズマのいびきだ。
衣装を丁寧にたたみ、鞄にあらかたの荷物をしまい終えたマネージャーが額の汗を拭った。
喉がカラカラだ。
収録中は集中しているから気にならないが、スタジオはかなり乾燥しているのだ。
特番を撮り終えた激務の司会者を起こさぬように…
抜き足差し足、楽屋の隅に備え付けられた小さな冷蔵庫に近づいて扉を開ける。
中には良く冷えたトマトジュースと缶コーヒーが一本ずつ。
トマトジュースはMr.オズマ、缶コーヒーは自分に。
付き人が気を利かせて収録のたびに用意してくれている。
マネージャーは一本を手に取り、音をたてないようにそっとプルタブを持ち上げた。
その瞬間、背後から
「缶のままでいいよ。ありがとさん」
朗らかな声がしてマネージャーは飛び上がった。
缶コーヒーを開ける、ポカンという微かな音でMr.オズマが目を覚ましたのだ。
「ごめんよ、起こしてしまったかなオズマ」
聞いているのかいないのか、
オズマは「ワァオー」と気持ちよく伸びをしている。
マネージャーが慌てて冷蔵庫からトマトジュースを取り出してMr.オズマに近づく。
するとオズマは…
目をつむったまま、さっとマネージャーの手から缶を奪い取りー気飲み。
「トマトジュースはいつ飲んでも美味いな」
ばたんとまた眠ってしまった。
もういびきをかいている。
「素晴らしい本能だなあ…
まるで野生のライオンみたいだよ、眠ったまま僅かな音に反応するなんて」
ソファーで爆睡しているMr.オズマをしずしずと見つめるマネージャー。
「しかし…今オズマが飲んだのは僕のコーヒーなんだけど…」
右手に残されたトマトジュースの缶を静かにテーブルの上に置いて、マネージャーは自分のコーヒーを買いに、廊下に出て行った。
熱狂の波がつむじ風のように巻きおこり、あちらこちらでピューと口笛が鳴る。
バラバラだった手拍子が次第に統一されて、一本に重なっていく。
五十センチ先にいる人の声も聞き取れないほどの騒ぎだ。
Mr.オズマがやれやれといった具合に両手を肩の脇まであげて(静かに)という仕草を見せると、場内はようやく水を打ったように静かになった。
「いやっほぅ!ワォーォーッ」
ワォーッ、っと笑いながら数人の観客が返す。
ワォーッと大げさに驚いて見せる、エンターティナーらしいよくある営業トーク。
Mr.オズマのワォーッは勢いがあって、まるで獣の唸り声のように独特だ。
そのせいか今ではワォーッは、彼特有のネタとして浸透しているのだ。
実は単なる彼の口癖なだけだったのだが。
「レディース、エンド、ジェントルマン。
ドキドキわくわく、のるかそるかの大勝負!
クイズ、クラッシュハンターの館へようこそ!ワォーッ」
番組恒例の決まり文句を華麗に放ち、オズマが挨拶をした。
すると、かぶさるように躍動感溢れるテーマソングが大音量で流れ始め、やたらスタイルのいい女性コーラス部隊がそれに合わせて絶妙なハモりを入れる。
厚みのあるがっしりした胴体に、長めの金髪を撫でつけたオールバック。
スパンコールのついたスーツを着、赤い蝶ネクタイをしたMr.オズマはなんとも悪趣味丸出しないでたちだが、その奇抜さと飾らない奔放な性格で司会者として一流どころの仲間に入りつつある。
続いて彼は、身を乗り出して客席の最前列の一角に近寄り、わざとらしいほどのにっこり笑顔で語りかけた。
「ご機嫌はいかがかな?美しいお姫様。そこの、オレンジのワンピースを来た…そう、そこの貴女ですよ。ワ…ワォーォー…」
Mr.オズマは緊張するとうまくワォーッが言えなくなるらしい。
「お手をどうぞレディー」
どうやら今夜の解答者が早々と決まったらしい。
サタデーナイト。
ミラーボールがくるくる回りながら時を告げる。
いよいよショータイムの始まりだ。
生放送終了後の楽屋。
大きな鏡が張られた部屋の中で、ぐおーぐおーと耳障りな音が響いている。
テーブルに両足を投げ出し、すっかりくつろいだ様子で眠る男の姿。
騒音の元はMr.オズマのいびきだ。
衣装を丁寧にたたみ、鞄にあらかたの荷物をしまい終えたマネージャーが額の汗を拭った。
喉がカラカラだ。
収録中は集中しているから気にならないが、スタジオはかなり乾燥しているのだ。
特番を撮り終えた激務の司会者を起こさぬように…
抜き足差し足、楽屋の隅に備え付けられた小さな冷蔵庫に近づいて扉を開ける。
中には良く冷えたトマトジュースと缶コーヒーが一本ずつ。
トマトジュースはMr.オズマ、缶コーヒーは自分に。
付き人が気を利かせて収録のたびに用意してくれている。
マネージャーは一本を手に取り、音をたてないようにそっとプルタブを持ち上げた。
その瞬間、背後から
「缶のままでいいよ。ありがとさん」
朗らかな声がしてマネージャーは飛び上がった。
缶コーヒーを開ける、ポカンという微かな音でMr.オズマが目を覚ましたのだ。
「ごめんよ、起こしてしまったかなオズマ」
聞いているのかいないのか、
オズマは「ワァオー」と気持ちよく伸びをしている。
マネージャーが慌てて冷蔵庫からトマトジュースを取り出してMr.オズマに近づく。
するとオズマは…
目をつむったまま、さっとマネージャーの手から缶を奪い取りー気飲み。
「トマトジュースはいつ飲んでも美味いな」
ばたんとまた眠ってしまった。
もういびきをかいている。
「素晴らしい本能だなあ…
まるで野生のライオンみたいだよ、眠ったまま僅かな音に反応するなんて」
ソファーで爆睡しているMr.オズマをしずしずと見つめるマネージャー。
「しかし…今オズマが飲んだのは僕のコーヒーなんだけど…」
右手に残されたトマトジュースの缶を静かにテーブルの上に置いて、マネージャーは自分のコーヒーを買いに、廊下に出て行った。
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