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新入生交流会と見知った者
学院に入学してから、早くも五日が過ぎた。
入学二日目の授業が意外だと感じたのはやはり間違っていなかったのだと改めて思ってしまうぐらいには、あれ以来訓練場での授業ばかりが続いている。
まあ、エミーリア達にスキルの取得をさせようと思えばその方がいいのだが……果たして分かった上でやっているのかどうなのか。
ザーラはその辺がいまいち読めない人物でもあった。
ともあれ、その日もまたレオン達は訓練場へと足を向けており、だが今日はいつもとは少し異なっている。
いつも向かっている訓練場とは違う訓練場へと向かっているからだ。
王立学院には幾つもの訓練場があるが、中でも最大のものであるらしい。
無論そんなところへと向かうには相応の理由があり……それは、今日そこに向かうのはレオン達だけではなく、新入生全員が向かうからだ。
以前にも少し触れた、新入生だけで集まる場――新入生交流会というものが、今日開催されるのである。
入学した直後でないのは、まずは多少でも学院に慣れないとそんな余裕はないだろうからだとか。
そんなものだろうかと思ってしまうのは、レオンには前世の記憶があるのに加え、今生の人生の半分近くを旅しているからかもしれない。
それに『学校』であるならば通うのに慣れているし、自分一人で色々やらなければならないのはむしろ基本だ。
貴族の子女に比べれば遥かに学院に慣れやすいのは当然と言えば当然ではあった。
「……まあ、子女の中にも色々いるみたいだけど」
呟きながら視線を向けるのは、共に訓練場へと向かっているエミーリアとリーゼロッテの二人だ。
レオンの見る限り、この二人は割と早々に学院に慣れていたような気がするからである。
初日こそ片付けに追われていたようだが、それ以降はそういった様子もない。
まあ、二日目以降は顔を合わせると大体スキル関係の話をするようになったので、単にそう見えているだけなのかもしれないが。
あるいは、そうして一つのことにのみ集中していればよくなったからすぐに慣れることが出来るようになったのか。
ちなみにだが、この場にはもちろんイリスの姿はない。
イリスは新入生ではないし、そもそも今日は騎士団に呼び出されているからだ。
その手際は慣れたもので、本当に頻繁に呼び出されているのだということが言われずとも理解出来た。
というか、その手際は間違いなく学院で何かをする時のそれよりも鮮やかで、下手をすればエミーリア達の方が学院には慣れている可能性すらある。
と、そんなことを考えていると、視線に気付いたらしいエミーリアが顔を向けてきた。
「……? どうかしましたの?」
「いや……何となくあんま乗り気じゃなさそうだと思ってさ」
それは咄嗟に口から出た言葉ではあったが、そう思ったのは事実でもあった。
どう見てもエミーリアはやる気がなさそうというか、今すぐ帰りたそうな顔をしていたのだ。
「……そうですわね。隠しても仕方のないことですから正直に言ってしまいますが、強制参加でなければ今すぐ帰りたいぐらいですの。いえ、正確には、このままいつもの訓練場へ行きたい、といったところですわね」
「それは、昨日の続きをやりたいから?」
「……それも一因ではありますが、どちらかと言えばあまり顔を合わせたくない方がいるから、ですわね」
「あまり顔を合わせたくない人? あなたがそういったことを口にするのは珍しい気がするのだけど……ああ、もしかして、実家関係の人かしら?」
「ええ。分家の方……従妹と叔母なのですけれど、正直あまり折り合いがよろしくないのですわ」
リーゼロッテの言葉にそう答えたエミーリアに、レオンは首を傾げた。
従妹というのは、まあそういうこともあるだろうと納得出来るのだが、何故叔母が出てくるのかが分からなかったのだ。
もしかして父親か母親の歳の離れた妹とかいうことなのだろうか、と思い、だがすぐにそうではないのだということに気付く。
「ああ……叔母って、もしかしてここで講師やってるの?」
「そういうことですわ。今日は新入生だけではなく、一学年の担任も集まりますもの。そしてわたくしの叔母は、Aクラスの担任をしているという話ですわ」
「へえ……」
当然と言うべきか、Aクラスの担任になるには、相応の能力が必要だ。
だが、だからこそかとレオンは納得する。
確かにエミーリアは王立学院に入学出来るほどの学力と身体能力があるも、それは騎士となるのに必須ではないものだ。
むしろ騎士としては無能に近く、そのせいで顔を合わせるのが面倒だと思う程度のいざこざがあった、ということなのだろう。
「まあ、その辺は僕も多少分かるかな。僕も知り合いがいるみたいだしね」
「知り合い……? って、それってもしかして――」
リーゼロッテが何かを口にしようとした、その時のことであった。
タイミング悪く、ちょうど目的地の訓練場に辿り着いたのだ。
いや……あるいは、タイミングよく、と言うべきかもしれない。
おそらくリーゼロッテが口にしようとしたのだろうその言葉は、告げる必要がなくなったからだ。
「――あっ」
ふと、目が合った。
小さな呟きを漏らし動きを止めたその人物は、見知らぬ少女だ。
少なくともレオンは、その顔を見たことはない。
しかし同時に、誰なのかは一目で分かった。
イリスもそうであったが、意外と八年前に会ったきりの人物の顔というものは分かるものらしい。
ユーリア・ヘルツォーク・フォン・ハーヴェイ。
間違いなくレオンの妹――『元』妹であった。
「……『彼女』が入学したってこと、知ってたのね。話題に出たことがなかったから、てっきり知らないのかと思ってたわ」
「いや、さすがにクラス分けの時に気付くって」
そう、あの時レオンは、ユーリアの名前があったことに気付いていたのだ。
ユーリアはレオンよりも一つ年下だが、ハーヴェイ家の当主が変わったという噂は耳にしていた。
となれば、例外的に学院への入学が許可されても不思議はなく、そのため特に驚きなどはなかったのである。
「ハーヴェイ家の現当主、ですか……実のところ、わたくしはほとんど面識がないのですわよね」
「あれ、そうなんだ?」
「ええ。軽く挨拶を交わした程度ですわ」
「あたしは家同士の関係でそこそこ面識はあるけれど……親しいとまでは言えない、といったところかしら? それでも本来なら挨拶に行くのが礼儀なんでしょうけれど……ま、別に構わないでしょ。ここはパーティー会場じゃないし、この学院の枠組みから考えれば、あたしのことなんて眼中にないでしょうしね」
「あんま自分を卑下するものじゃないと思うけど、まあ事実を言っちゃえばその通りでもある、か。僕達も特別扱いされてはいるけど、あっちは真っ当な特別扱いだしね」
王立学院における、真っ当な特別扱い。
即ち、Aクラス。
それが、ユーリアの属しているクラスであった。
「……それにしても、言われて初めて気付きましたけれど、わたくし達は意外と共通点が多かったみたいですわね」
「うん? それって……」
どういうことかとエミーリアに尋ねようとした、その時のことだ。
まるで会話を遮るかのように、大きな声が聞こえたのである。
「あらぁ~、そこになるのはエミーリア様ではないですかぁ~? お久しぶりですねえ~」
声に視線を向ければ、そこにいたのは完全に見知らぬ少女であった。
ただ、何となく何者なのかが理解出来たのは、今の言葉とどことなくエミーリアに似た顔立ち、それと言葉面の割にエミーリアを馬鹿にしたような雰囲気を感じたからだ。
「……ええ、久しぶりですわね、マルガレータ。およそ一年ぶりといったところでしょうか?」
「そうですねえ~。わたくしは度々遊びに行っていたのですがぁ、エミーリア様はいっつも忙しそうにしてましたからねえ~。顔を見せてすらもらえず、寂しかったですよぉ~?」
相変わらず言葉面だけは親しそうだが、その目には嗜虐の色が浮かんでいる。
まあ、事情を聞いてはいないが、何となく想像出来ることではあった。
とりあえずこの少女は、先ほど言っていたエミーリアの従妹なのであろうことは間違いなく、そして先ほどの話の流れから考えるに、おそらくこの少女もまたAクラスに所属しているのだ。
つまりはそれだけ優秀だということで……くだらないことがあったのだろうということを想像するのは容易であった。
と、そんなことを考えていると、不意に少女の視線がレオン達の方へと向けられる。
その目と口元に、嗜虐を浮かべたまま、だ。
「ところでぇ~、その方々はもしかしてエミーリア様のお友達ですかぁ~?」
お友達と言いつつも、その目は同類なのだろうと告げている。
どう考えても失礼極まりない態度だが、Aクラスなのだろうことを考えればそれだけ自分に自信があるということなのだろう。
もっとも、それにレオンが付き合う理由はない。
「エミーリア、その人と話すのを止めはしないけど、とりあえず僕達は移動していいかな? ここに立ってると邪魔になりそうだし」
「ああ……確かにそうね。あなた達も出来れば移動した方がいいわよ? 邪魔になりたくはないでしょうし」
レオンが何を考えてそんなことを言ったのかはリーゼロッテも即座に理解したらしく、続けてそんな言葉を口にした。
そしてどうやらその意図は、少女にもしっかり伝わったらしい。
「っ……あなた達、わたくしを馬鹿にしているんですかぁ~?」
要するにレオン達は、その少女へと相手をするつもりはないと態度で告げたのだ。
馬鹿にしているのかと言われれば、その通りだと頷くしかない。
だが先に馬鹿にするような態度を取ってきたのは少女の方である。
いや、正直レオンは自分がどんな目で見られようと、何を言われようとどうでもいいのだが……さすがに知人が馬鹿にされているのを笑って見過ごせるほど人が出来てはいないのだ。
とはいえ、正面からやりあうほどにやる気があるわけでもないので、睨みつけてくる少女を前にどうしたものかと思う。
リーゼロッテはリーゼロッテで割とやる気があるようなのだが、むしろエミーリアが一番この状況に戸惑っているようであり……だが、その少女とそれ以上の何かが発生することはなかった。
「まあ! そこで一体何をしていますの!?」
そんな金切り声が、割り込んできたからだ。
入学二日目の授業が意外だと感じたのはやはり間違っていなかったのだと改めて思ってしまうぐらいには、あれ以来訓練場での授業ばかりが続いている。
まあ、エミーリア達にスキルの取得をさせようと思えばその方がいいのだが……果たして分かった上でやっているのかどうなのか。
ザーラはその辺がいまいち読めない人物でもあった。
ともあれ、その日もまたレオン達は訓練場へと足を向けており、だが今日はいつもとは少し異なっている。
いつも向かっている訓練場とは違う訓練場へと向かっているからだ。
王立学院には幾つもの訓練場があるが、中でも最大のものであるらしい。
無論そんなところへと向かうには相応の理由があり……それは、今日そこに向かうのはレオン達だけではなく、新入生全員が向かうからだ。
以前にも少し触れた、新入生だけで集まる場――新入生交流会というものが、今日開催されるのである。
入学した直後でないのは、まずは多少でも学院に慣れないとそんな余裕はないだろうからだとか。
そんなものだろうかと思ってしまうのは、レオンには前世の記憶があるのに加え、今生の人生の半分近くを旅しているからかもしれない。
それに『学校』であるならば通うのに慣れているし、自分一人で色々やらなければならないのはむしろ基本だ。
貴族の子女に比べれば遥かに学院に慣れやすいのは当然と言えば当然ではあった。
「……まあ、子女の中にも色々いるみたいだけど」
呟きながら視線を向けるのは、共に訓練場へと向かっているエミーリアとリーゼロッテの二人だ。
レオンの見る限り、この二人は割と早々に学院に慣れていたような気がするからである。
初日こそ片付けに追われていたようだが、それ以降はそういった様子もない。
まあ、二日目以降は顔を合わせると大体スキル関係の話をするようになったので、単にそう見えているだけなのかもしれないが。
あるいは、そうして一つのことにのみ集中していればよくなったからすぐに慣れることが出来るようになったのか。
ちなみにだが、この場にはもちろんイリスの姿はない。
イリスは新入生ではないし、そもそも今日は騎士団に呼び出されているからだ。
その手際は慣れたもので、本当に頻繁に呼び出されているのだということが言われずとも理解出来た。
というか、その手際は間違いなく学院で何かをする時のそれよりも鮮やかで、下手をすればエミーリア達の方が学院には慣れている可能性すらある。
と、そんなことを考えていると、視線に気付いたらしいエミーリアが顔を向けてきた。
「……? どうかしましたの?」
「いや……何となくあんま乗り気じゃなさそうだと思ってさ」
それは咄嗟に口から出た言葉ではあったが、そう思ったのは事実でもあった。
どう見てもエミーリアはやる気がなさそうというか、今すぐ帰りたそうな顔をしていたのだ。
「……そうですわね。隠しても仕方のないことですから正直に言ってしまいますが、強制参加でなければ今すぐ帰りたいぐらいですの。いえ、正確には、このままいつもの訓練場へ行きたい、といったところですわね」
「それは、昨日の続きをやりたいから?」
「……それも一因ではありますが、どちらかと言えばあまり顔を合わせたくない方がいるから、ですわね」
「あまり顔を合わせたくない人? あなたがそういったことを口にするのは珍しい気がするのだけど……ああ、もしかして、実家関係の人かしら?」
「ええ。分家の方……従妹と叔母なのですけれど、正直あまり折り合いがよろしくないのですわ」
リーゼロッテの言葉にそう答えたエミーリアに、レオンは首を傾げた。
従妹というのは、まあそういうこともあるだろうと納得出来るのだが、何故叔母が出てくるのかが分からなかったのだ。
もしかして父親か母親の歳の離れた妹とかいうことなのだろうか、と思い、だがすぐにそうではないのだということに気付く。
「ああ……叔母って、もしかしてここで講師やってるの?」
「そういうことですわ。今日は新入生だけではなく、一学年の担任も集まりますもの。そしてわたくしの叔母は、Aクラスの担任をしているという話ですわ」
「へえ……」
当然と言うべきか、Aクラスの担任になるには、相応の能力が必要だ。
だが、だからこそかとレオンは納得する。
確かにエミーリアは王立学院に入学出来るほどの学力と身体能力があるも、それは騎士となるのに必須ではないものだ。
むしろ騎士としては無能に近く、そのせいで顔を合わせるのが面倒だと思う程度のいざこざがあった、ということなのだろう。
「まあ、その辺は僕も多少分かるかな。僕も知り合いがいるみたいだしね」
「知り合い……? って、それってもしかして――」
リーゼロッテが何かを口にしようとした、その時のことであった。
タイミング悪く、ちょうど目的地の訓練場に辿り着いたのだ。
いや……あるいは、タイミングよく、と言うべきかもしれない。
おそらくリーゼロッテが口にしようとしたのだろうその言葉は、告げる必要がなくなったからだ。
「――あっ」
ふと、目が合った。
小さな呟きを漏らし動きを止めたその人物は、見知らぬ少女だ。
少なくともレオンは、その顔を見たことはない。
しかし同時に、誰なのかは一目で分かった。
イリスもそうであったが、意外と八年前に会ったきりの人物の顔というものは分かるものらしい。
ユーリア・ヘルツォーク・フォン・ハーヴェイ。
間違いなくレオンの妹――『元』妹であった。
「……『彼女』が入学したってこと、知ってたのね。話題に出たことがなかったから、てっきり知らないのかと思ってたわ」
「いや、さすがにクラス分けの時に気付くって」
そう、あの時レオンは、ユーリアの名前があったことに気付いていたのだ。
ユーリアはレオンよりも一つ年下だが、ハーヴェイ家の当主が変わったという噂は耳にしていた。
となれば、例外的に学院への入学が許可されても不思議はなく、そのため特に驚きなどはなかったのである。
「ハーヴェイ家の現当主、ですか……実のところ、わたくしはほとんど面識がないのですわよね」
「あれ、そうなんだ?」
「ええ。軽く挨拶を交わした程度ですわ」
「あたしは家同士の関係でそこそこ面識はあるけれど……親しいとまでは言えない、といったところかしら? それでも本来なら挨拶に行くのが礼儀なんでしょうけれど……ま、別に構わないでしょ。ここはパーティー会場じゃないし、この学院の枠組みから考えれば、あたしのことなんて眼中にないでしょうしね」
「あんま自分を卑下するものじゃないと思うけど、まあ事実を言っちゃえばその通りでもある、か。僕達も特別扱いされてはいるけど、あっちは真っ当な特別扱いだしね」
王立学院における、真っ当な特別扱い。
即ち、Aクラス。
それが、ユーリアの属しているクラスであった。
「……それにしても、言われて初めて気付きましたけれど、わたくし達は意外と共通点が多かったみたいですわね」
「うん? それって……」
どういうことかとエミーリアに尋ねようとした、その時のことだ。
まるで会話を遮るかのように、大きな声が聞こえたのである。
「あらぁ~、そこになるのはエミーリア様ではないですかぁ~? お久しぶりですねえ~」
声に視線を向ければ、そこにいたのは完全に見知らぬ少女であった。
ただ、何となく何者なのかが理解出来たのは、今の言葉とどことなくエミーリアに似た顔立ち、それと言葉面の割にエミーリアを馬鹿にしたような雰囲気を感じたからだ。
「……ええ、久しぶりですわね、マルガレータ。およそ一年ぶりといったところでしょうか?」
「そうですねえ~。わたくしは度々遊びに行っていたのですがぁ、エミーリア様はいっつも忙しそうにしてましたからねえ~。顔を見せてすらもらえず、寂しかったですよぉ~?」
相変わらず言葉面だけは親しそうだが、その目には嗜虐の色が浮かんでいる。
まあ、事情を聞いてはいないが、何となく想像出来ることではあった。
とりあえずこの少女は、先ほど言っていたエミーリアの従妹なのであろうことは間違いなく、そして先ほどの話の流れから考えるに、おそらくこの少女もまたAクラスに所属しているのだ。
つまりはそれだけ優秀だということで……くだらないことがあったのだろうということを想像するのは容易であった。
と、そんなことを考えていると、不意に少女の視線がレオン達の方へと向けられる。
その目と口元に、嗜虐を浮かべたまま、だ。
「ところでぇ~、その方々はもしかしてエミーリア様のお友達ですかぁ~?」
お友達と言いつつも、その目は同類なのだろうと告げている。
どう考えても失礼極まりない態度だが、Aクラスなのだろうことを考えればそれだけ自分に自信があるということなのだろう。
もっとも、それにレオンが付き合う理由はない。
「エミーリア、その人と話すのを止めはしないけど、とりあえず僕達は移動していいかな? ここに立ってると邪魔になりそうだし」
「ああ……確かにそうね。あなた達も出来れば移動した方がいいわよ? 邪魔になりたくはないでしょうし」
レオンが何を考えてそんなことを言ったのかはリーゼロッテも即座に理解したらしく、続けてそんな言葉を口にした。
そしてどうやらその意図は、少女にもしっかり伝わったらしい。
「っ……あなた達、わたくしを馬鹿にしているんですかぁ~?」
要するにレオン達は、その少女へと相手をするつもりはないと態度で告げたのだ。
馬鹿にしているのかと言われれば、その通りだと頷くしかない。
だが先に馬鹿にするような態度を取ってきたのは少女の方である。
いや、正直レオンは自分がどんな目で見られようと、何を言われようとどうでもいいのだが……さすがに知人が馬鹿にされているのを笑って見過ごせるほど人が出来てはいないのだ。
とはいえ、正面からやりあうほどにやる気があるわけでもないので、睨みつけてくる少女を前にどうしたものかと思う。
リーゼロッテはリーゼロッテで割とやる気があるようなのだが、むしろエミーリアが一番この状況に戸惑っているようであり……だが、その少女とそれ以上の何かが発生することはなかった。
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