298 / 385
第298話 人、訝しむ
しおりを挟む
「これでどうだ……!!」
「グェァァァ!!」
「こっちもいくぞ!」
サラマンダーとの戦いは続いており、お互いダメージが蓄積されていた。
ウェリスの大剣とバルドのバトルアックス、そしてドワーフ冒険者とシスの魔法は確実にサラマンダーへの攻撃がヒットしていた。
二本足で立つ大きなトカゲという印象だが、炎のブレスは直撃すれば火傷は必至で、油断できない。
鋭い爪を持つ足は木々をなぎ倒せるほどの強靭さがあり、数人の防具がひしゃげたりしている。
「ゴガァァァ……!!」
「馬鹿の一つ覚えみたいだぜ! 頼むシス!」
「<アースウォール>」
「うひゃあ!? よ、よし、回り込むぞ!」
魔法使いのバックアップが一人でもいると戦いやすさが格段に上がる。特にシスはいくつか上級魔法も覚えているため、ウェリス達が三人で戦っていける理由にもなっていた。
「……それにしてもタフだな、こいつ」
「ああ、以前戦った個体よりも明らかに強い。どうする?」
「そうだな……」
アースウォールの陰でウェリスとバルドが話をする。
そこでこのまま戦うかもう少し冒険者を引き連れて再討伐をするか検討を始める。
「……よし、一度引き上げるか。ドラゴンのおっさんに報告する方がいいだろう」
「いいのか? 倒そうと思えば倒せるが」
「なーんか嫌な予感がする。原因が分かったならやりようもあるだろ」
ウェリスはそう呟いた後、うなずき、ドワーフ冒険者達へ声をかけた。
「おーい、撤退するぞ! 一度、ドラゴンのおっさんに報告だ。準備を整えてから再挑戦といこうぜ!」
「む、確かにこのままだと被害が増えるか」
「あえて逃がして巣を見つけておけばいいかもな。下がるぞ」
ウェリスの言葉にグルザフは理解を示した。そのまますれ違いざまに背中を切り裂くと距離を取った。
「さて、どうでる? ……む?」
「グガ……ガガァァァァ……!」
「なんだ?」
距離を取って様子をうかがっていると、サラマンダーは急にガクガクと震えだし、咆哮をあげた。
先ほどまでとは違い、口から大量の涎を流しながらその場で暴れだす。目は赤く染まり、正気ではないというのが明らかに見て取れた。
「こりゃ、まずいな……! おい、速やかに――」
「ウェリス! <アクアシュート>!」
すぐに逃げろと言おうとしたウェリスにサラマンダーが襲い掛かる。あっという間に距離を詰めたことに驚きながらも、シスはそれを止めるため魔法を放った。
「グガ……!」
「あぶねえ……!? そりゃあああ!」
「ガァァァァ!」
「ふん、威力があがったな……!」
シスの魔法がヒットし、サラマンダーの腕は空を切った。ウェリスはすかさず身をひるがえして大剣を振り回す。
爪とかち合い激しい金属音が響き渡るとウェリスは鼻を鳴らす。
本当に先ほどまでと同じ個体なのか、と。
「おい、グルザフ達は引け! 町から援軍を呼ぶんだ!」
「し、しかし今でも厄介なのに人数を減らすわけにはいかんだろう!」
「くぅ、やるな! 金は貰っているから気にすんな! シス、お前も行け」
「馬鹿言わないでよ。私達はパーティなんだからあんたが残るなら徹底的にやるわよ」
「そういうことだ」
「はっ、気が強いことで! こいつは異常だ、逃がす気もないらしい……ぜ!」
「ギャォォォァ!」
「わ、分かった、すぐに戻るぞ!」
ウェリス達ヴァンダールストがこの場に残って耐えると口にした。サラマンダーの様子を考えても誰かが報告へ戻らなければならないのは明白だった。
「俺達も残るぜ。グルザフ、お前だけでも戻ってくれ」
「よし……!」
他のドワーフは手数は多い方がいいだろうと残ることにしたらしい。グルザフはそれならと踵を返す。
だが、その時――
「大丈夫じゃ。ウェリスじゃったか? こいつを使え」
「なに……!」
「グギャァァァ……!?」
――どこからともなく声が聞こえてきた。その瞬間、サラマンダーの眉間に何かが刺さり、絶叫を上げる。
「……」
「む、どうした? 使わんのか?」
そこで呆然と立ち尽くすウェリス達一行。すぐ後にディランが姿を現した。
そしてサラマンダーは大きな音を立てて倒れた。
「いや、というか……今の一撃で死んだ」
「ふむ」
「ええー……」
動かなくなったサラマンダーを見下ろしてウェリスがぽつりとつぶやき、ディランは顎に手を当ててうなずく。ドワーフ冒険者達は呆れた様子で見守っていた。
「あーい?」
「あら、倒しちゃったみたいね?」
「あうー」
「わほぉん」
そこへトワイト達も登場した。
ひとまず話を聞こうということでサラマンダーの遺体を囲む。
「まあ、爪の痕と火傷を考えてコイツの仕業で間違いねえと思うぜ」
「そうじゃのう。こいつはまた大きいわい」
「ひとまず事態は収束した、ってことでいいのかねえ……」
「恐らく。まあ、警戒するに越したことはないから、山に入る者には注意が必要じゃな」
ウェリスの判断にディランが同意する。
サラマンダーでしかもこの個体ならワニの背中を引き裂くのは容易であろうと思ったからだ。
それでも警戒を促すべきだと口にする。
「承知した。しかし、なんだったんだこいつ……」
「突然変異種、ってやつだろうか」
グルザフはホッとしながらも困惑の表情を浮かべていた。それにバルドが腕組みをして答えていた。
「こいつを持って町へ帰るか。疲れたしな」
「あい」
「なんだ坊主、労ってくれんのか?」
「あーい!」
ウェリスが背伸びをすると、リヒトはでんでん太鼓を鳴らした。
苦笑しながら指を向けると、元気よく返事をする。
「うふふ、顔は覚えたみたいね」
「ふん、別に嬉しくはねえよ。それにしてもこの爪はなんだよ、一撃はやばいだろ」
「ワシが爪切りをした後の爪じゃ。というかドラゴンを倒すと意気込んでおきながらこの程度もあっさり倒せんとは情けないのう」
「うるせえよ……!? くそ、絶対倒してやる……」
ウェリスは肩をすくめて爪をディランへと渡していた。
そのままサラマンダーを持って町へと戻るのだった――
◆ ◇ ◆
「……一撃。力をつけてやった個体があそこまで簡単に絶命するとは」
ディラン達の様子を頂上付近から見ている者が居た。それは黒い鱗に覆われたドラゴンであった。
「あのおっさんもドラゴンのようだが……まさか、アークドラゴンのディランか……? 追放した後に行方が分からなくなっていたがまさかこんなところに居るとは」
黒いドラゴンは目を細めて考える。
「……報告は必要か。とりあえず移動しよう――」
そう呟いた後、人型になってから歩き出す。
「グェァァァ!!」
「こっちもいくぞ!」
サラマンダーとの戦いは続いており、お互いダメージが蓄積されていた。
ウェリスの大剣とバルドのバトルアックス、そしてドワーフ冒険者とシスの魔法は確実にサラマンダーへの攻撃がヒットしていた。
二本足で立つ大きなトカゲという印象だが、炎のブレスは直撃すれば火傷は必至で、油断できない。
鋭い爪を持つ足は木々をなぎ倒せるほどの強靭さがあり、数人の防具がひしゃげたりしている。
「ゴガァァァ……!!」
「馬鹿の一つ覚えみたいだぜ! 頼むシス!」
「<アースウォール>」
「うひゃあ!? よ、よし、回り込むぞ!」
魔法使いのバックアップが一人でもいると戦いやすさが格段に上がる。特にシスはいくつか上級魔法も覚えているため、ウェリス達が三人で戦っていける理由にもなっていた。
「……それにしてもタフだな、こいつ」
「ああ、以前戦った個体よりも明らかに強い。どうする?」
「そうだな……」
アースウォールの陰でウェリスとバルドが話をする。
そこでこのまま戦うかもう少し冒険者を引き連れて再討伐をするか検討を始める。
「……よし、一度引き上げるか。ドラゴンのおっさんに報告する方がいいだろう」
「いいのか? 倒そうと思えば倒せるが」
「なーんか嫌な予感がする。原因が分かったならやりようもあるだろ」
ウェリスはそう呟いた後、うなずき、ドワーフ冒険者達へ声をかけた。
「おーい、撤退するぞ! 一度、ドラゴンのおっさんに報告だ。準備を整えてから再挑戦といこうぜ!」
「む、確かにこのままだと被害が増えるか」
「あえて逃がして巣を見つけておけばいいかもな。下がるぞ」
ウェリスの言葉にグルザフは理解を示した。そのまますれ違いざまに背中を切り裂くと距離を取った。
「さて、どうでる? ……む?」
「グガ……ガガァァァァ……!」
「なんだ?」
距離を取って様子をうかがっていると、サラマンダーは急にガクガクと震えだし、咆哮をあげた。
先ほどまでとは違い、口から大量の涎を流しながらその場で暴れだす。目は赤く染まり、正気ではないというのが明らかに見て取れた。
「こりゃ、まずいな……! おい、速やかに――」
「ウェリス! <アクアシュート>!」
すぐに逃げろと言おうとしたウェリスにサラマンダーが襲い掛かる。あっという間に距離を詰めたことに驚きながらも、シスはそれを止めるため魔法を放った。
「グガ……!」
「あぶねえ……!? そりゃあああ!」
「ガァァァァ!」
「ふん、威力があがったな……!」
シスの魔法がヒットし、サラマンダーの腕は空を切った。ウェリスはすかさず身をひるがえして大剣を振り回す。
爪とかち合い激しい金属音が響き渡るとウェリスは鼻を鳴らす。
本当に先ほどまでと同じ個体なのか、と。
「おい、グルザフ達は引け! 町から援軍を呼ぶんだ!」
「し、しかし今でも厄介なのに人数を減らすわけにはいかんだろう!」
「くぅ、やるな! 金は貰っているから気にすんな! シス、お前も行け」
「馬鹿言わないでよ。私達はパーティなんだからあんたが残るなら徹底的にやるわよ」
「そういうことだ」
「はっ、気が強いことで! こいつは異常だ、逃がす気もないらしい……ぜ!」
「ギャォォォァ!」
「わ、分かった、すぐに戻るぞ!」
ウェリス達ヴァンダールストがこの場に残って耐えると口にした。サラマンダーの様子を考えても誰かが報告へ戻らなければならないのは明白だった。
「俺達も残るぜ。グルザフ、お前だけでも戻ってくれ」
「よし……!」
他のドワーフは手数は多い方がいいだろうと残ることにしたらしい。グルザフはそれならと踵を返す。
だが、その時――
「大丈夫じゃ。ウェリスじゃったか? こいつを使え」
「なに……!」
「グギャァァァ……!?」
――どこからともなく声が聞こえてきた。その瞬間、サラマンダーの眉間に何かが刺さり、絶叫を上げる。
「……」
「む、どうした? 使わんのか?」
そこで呆然と立ち尽くすウェリス達一行。すぐ後にディランが姿を現した。
そしてサラマンダーは大きな音を立てて倒れた。
「いや、というか……今の一撃で死んだ」
「ふむ」
「ええー……」
動かなくなったサラマンダーを見下ろしてウェリスがぽつりとつぶやき、ディランは顎に手を当ててうなずく。ドワーフ冒険者達は呆れた様子で見守っていた。
「あーい?」
「あら、倒しちゃったみたいね?」
「あうー」
「わほぉん」
そこへトワイト達も登場した。
ひとまず話を聞こうということでサラマンダーの遺体を囲む。
「まあ、爪の痕と火傷を考えてコイツの仕業で間違いねえと思うぜ」
「そうじゃのう。こいつはまた大きいわい」
「ひとまず事態は収束した、ってことでいいのかねえ……」
「恐らく。まあ、警戒するに越したことはないから、山に入る者には注意が必要じゃな」
ウェリスの判断にディランが同意する。
サラマンダーでしかもこの個体ならワニの背中を引き裂くのは容易であろうと思ったからだ。
それでも警戒を促すべきだと口にする。
「承知した。しかし、なんだったんだこいつ……」
「突然変異種、ってやつだろうか」
グルザフはホッとしながらも困惑の表情を浮かべていた。それにバルドが腕組みをして答えていた。
「こいつを持って町へ帰るか。疲れたしな」
「あい」
「なんだ坊主、労ってくれんのか?」
「あーい!」
ウェリスが背伸びをすると、リヒトはでんでん太鼓を鳴らした。
苦笑しながら指を向けると、元気よく返事をする。
「うふふ、顔は覚えたみたいね」
「ふん、別に嬉しくはねえよ。それにしてもこの爪はなんだよ、一撃はやばいだろ」
「ワシが爪切りをした後の爪じゃ。というかドラゴンを倒すと意気込んでおきながらこの程度もあっさり倒せんとは情けないのう」
「うるせえよ……!? くそ、絶対倒してやる……」
ウェリスは肩をすくめて爪をディランへと渡していた。
そのままサラマンダーを持って町へと戻るのだった――
◆ ◇ ◆
「……一撃。力をつけてやった個体があそこまで簡単に絶命するとは」
ディラン達の様子を頂上付近から見ている者が居た。それは黒い鱗に覆われたドラゴンであった。
「あのおっさんもドラゴンのようだが……まさか、アークドラゴンのディランか……? 追放した後に行方が分からなくなっていたがまさかこんなところに居るとは」
黒いドラゴンは目を細めて考える。
「……報告は必要か。とりあえず移動しよう――」
そう呟いた後、人型になってから歩き出す。
82
あなたにおすすめの小説
忘れるにも程がある
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたしが目覚めると何も覚えていなかった。
本格的な記憶喪失で、言葉が喋れる以外はすべてわからない。
ちょっとだけ菓子パンやスマホのことがよぎるくらい。
そんなわたしの以前の姿は、完璧な公爵令嬢で第二王子の婚約者だという。
えっ? 噓でしょ? とても信じられない……。
でもどうやら第二王子はとっても嫌なやつなのです。
小説家になろう様、カクヨム様にも重複投稿しています。
筆者は体調不良のため、返事をするのが難しくコメント欄などを閉じさせていただいております。
どうぞよろしくお願いいたします。
魔の森に捨てられた伯爵令嬢は、幸福になって復讐を果たす
三谷朱花
恋愛
ルーナ・メソフィスは、あの冷たく悲しい日のことを忘れはしない。
ルーナの信じてきた世界そのものが否定された日。
伯爵令嬢としての身分も、温かい我が家も奪われた。そして信じていた人たちも、それが幻想だったのだと知った。
そして、告げられた両親の死の真相。
家督を継ぐために父の異母弟である叔父が、両親の死に関わっていた。そして、メソフィス家の財産を独占するために、ルーナの存在を不要とした。
絶望しかなかった。
涙すら出なかった。人間は本当の絶望の前では涙がでないのだとルーナは初めて知った。
雪が積もる冷たい森の中で、この命が果ててしまった方がよほど幸福だとすら感じていた。
そもそも魔の森と呼ばれ恐れられている森だ。誰の助けも期待はできないし、ここに放置した人間たちは、見たこともない魔獣にルーナが食い殺されるのを期待していた。
ルーナは死を待つしか他になかった。
途切れそうになる意識の中で、ルーナは温かい温もりに包まれた夢を見ていた。
そして、ルーナがその温もりを感じた日。
ルーナ・メソフィス伯爵令嬢は亡くなったと公式に発表された。
【完結】婚約破棄され国外追放された姫は隣国で最強冒険者になる
まゆら
ファンタジー
完結しておりますが、時々閑話を更新しております!
続編も宜しくお願い致します!
聖女のアルバイトしながら花嫁修行しています!未来の夫は和菓子職人です!
婚約者である王太子から真実の愛で結ばれた女性がいるからと、いきなり婚約破棄されたミレディア。
王宮で毎日大変な王妃教育を受けている間に婚約者である王太子は魔法学園で出逢った伯爵令嬢マナが真実の愛のお相手だとか。
彼女と婚約する為に私に事実無根の罪を着せて婚約破棄し、ついでに目障りだから国外追放にすると言い渡してきた。
有り難うございます!
前からチャラチャラしていけすかない男だと思ってたからちょうど良かった!
お父様と神王から頼まれて仕方無く婚約者になっていたのに‥
ふざけてますか?
私と婚約破棄したら貴方は王太子じゃなくなりますけどね?
いいんですね?
勿論、ざまぁさせてもらいますから!
ご機嫌よう!
◇◇◇◇◇
転生もふもふのヒロインの両親の出逢いは実は‥
国外追放ざまぁから始まっていた!
アーライ神国の現アーライ神が神王になるきっかけを作ったのは‥
実は、女神ミレディアだったというお話です。
ミレディアが家出して冒険者となり、隣国ジュビアで転生者である和菓子職人デイブと出逢い、恋に落ち‥
結婚するまでの道程はどんな道程だったのか?
今語られるミレディアの可愛らしい?
侯爵令嬢時代は、女神ミレディアファン必読の価値有り?
◈◈この作品に出てくるラハルト王子は後のアーライ神になります!
追放された聖女は隣国で…にも登場しておりますのでそちらも合わせてどうぞ!
新しいミディの使い魔は白もふフェンリル様!
転生もふもふとようやくリンクしてきました!
番外編には、ミレディアのいとこであるミルティーヌがメインで登場。
家出してきたミルティーヌの真意は?
デイブとミレディアの新婚生活は?
【完結】あなたのいない世界、うふふ。
やまぐちこはる
恋愛
17歳のヨヌク子爵家令嬢アニエラは栗毛に栗色の瞳の穏やかな令嬢だった。近衛騎士で伯爵家三男、かつ騎士爵を賜るトーソルド・ロイリーと幼少から婚約しており、成人とともに政略的な結婚をした。
しかしトーソルドには恋人がおり、結婚式のあと、初夜を迎える前に出たまま戻ることもなく、一人ロイリー騎士爵家を切り盛りするはめになる。
とはいえ、アニエラにはさほどの不満はない。結婚前だって殆ど会うこともなかったのだから。
===========
感想は一件づつ個別のお返事ができなくなっておりますが、有り難く拝読しております。
4万文字ほどの作品で、最終話まで予約投稿済です。お楽しみいただけましたら幸いでございます。
試験の多い魔導王国王家
章槻雅希
ファンタジー
法律の多いことで有名なカヌーン魔導王国。
だが、実は王族に対しての試験が多いことは知られていない。
カヌーン王家に属する者は王も王妃も側室も王子も王女も定期的に試験を受けるのである。試練ではない。試験だ。ペーパーテストだ。
そして、その結果によっては追試や廃嫡、毒杯を賜ることもある。
そんな苛酷な結果を伴う試験を続けた結果、カヌーン王家は優秀で有能で一定以上の人格を保持した国王と王妃によって統治されているのである。
ネタは熱いうちに打てとばかりに勢いで書いたため、文章拙く、色々可笑しいところがあるかもしれません。そのうち書き直す可能性も大(そのまま放置する可能性はもっと大きい)。
『小説家になろう』様・『アルファポリス』様に重複投稿、自サイトにも掲載。
乙女ゲームのヒロインが純潔を重んじる聖女とか終わってません?
ララ
恋愛
私は侯爵令嬢のフレイヤ。
前世の記憶を持っている。
その記憶によるとどうやら私の生きるこの世界は乙女ゲームの世界らしい。
乙女ゲームのヒロインは聖女でさまざまな困難を乗り越えながら攻略対象と絆を深め愛し合っていくらしい。
最後には大勢から祝福を受けて結婚するハッピーエンドが待っている。
子宝にも恵まれて平民出身のヒロインが王子と身分差の恋に落ち、その恋がみのるシンデレラストーリーだ。
そして私はそんな2人を邪魔する悪役令嬢。
途中でヒロインに嫉妬に狂い危害を加えようとした罪により断罪される。
今日は断罪の日。
けれど私はヒロインに危害を加えようとしたことなんてない。
それなのに断罪は始まった。
まあそれは別にいいとして‥‥。
現実を見ましょう?
聖女たる資格は純潔無垢。
つまり恋愛はもちろん結婚なんてできないのよ?
むしろそんなことしたら資格は失われる。
ただの容姿のいい平民になるのよ?
誰も気づいていないみたいだけど‥‥。
うん、よく考えたらこの乙女ゲームの設定終わってません??
見捨ててくれてありがとうございます。あとはご勝手に。
有賀冬馬
恋愛
「君のような女は俺の格を下げる」――そう言って、侯爵家嫡男の婚約者は、わたしを社交界で公然と捨てた。
選んだのは、華やかで高慢な伯爵令嬢。
涙に暮れるわたしを慰めてくれたのは、王国最強の騎士団副団長だった。
彼に守られ、真実の愛を知ったとき、地味で陰気だったわたしは、もういなかった。
やがて、彼は新妻の悪行によって失脚。復縁を求めて縋りつく元婚約者に、わたしは冷たく告げる。
【完結】名無しの物語
ジュレヌク
恋愛
『やはり、こちらを貰おう』
父が借金の方に娘を売る。
地味で無表情な姉は、21歳
美人で華やかな異母妹は、16歳。
45歳の男は、姉ではなく妹を選んだ。
侯爵家令嬢として生まれた姉は、家族を捨てる計画を立てていた。
甘い汁を吸い付くし、次の宿主を求め、異母妹と義母は、姉の婚約者を奪った。
男は、すべてを知った上で、妹を選んだ。
登場人物に、名前はない。
それでも、彼らは、物語を奏でる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる