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第48話 竜、宴をする
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「本日は我がクリニヒト王国を尋ねていただき、ありがとう。 ロイヤード国ギリアム殿に感謝を込めて、乾杯!」
「「「乾杯!!」」」
モルゲンロートが音頭を取り、宴が始まった。
ひとまず乾杯だけはと思っていたガルフ達は緊張の面持ちで端に座っていた。
「別室はどこへ行ったんだよ……」
ガルフは招かれたこと自体緊張しているのに、別の国の王が来ていることを先ほど知り、戦慄していた。
バーリオも『他の部屋で話をする』と言っていたが、少し遠めの丸テーブルに座らされていたりする。
そんなことは聞いておらずモルゲンロートや騎士達を見て小さくなっていた。
「乾杯だけってかと思ったのに……それにドレスなんて落ち着かないわ」
「こんなの初めて着たよね……」
「レイカもユリも似合うじゃない」
「トーニャもね! って、脱ぐと凄いわね……」
「なにが?」
もちろんパーティーなので五人は正装をさせられていた。
ガルフとヒューシはタキシード。女性陣はそれぞれ豪華なドレスを借り受けていた。
トーニャは身長の割に胸がユリより大きく、羨望の眼差しを受けていた。
「うう、腹が減った、これ食べてもいいかな」
「テーブルマナーとか知らないけど大丈夫だろうか……」
「ああ、気にしないで食べてくれ。もう少ししたら堅苦しいところから別室でいい」
「それじゃいただき……って陛下!?」
ガルフが料理に目を向けていると、モルゲンロートが笑いながら席へ来ていた。まさかその場から動くとは思っておらず、ガタガタと椅子を鳴らしながら動揺を見せていた。
「どうなされたんですか? あの、お顔を知っているとはいえ、ただの冒険者なのであまり話しかけるのは……」
「ははは、気にするな。ザミールが居ないのは残念だがな」
「村に行っているみたいですね。……それで、厄介なことと言うのはなんでしょうか」
ドラゴンを知っている同志だからと気さくに話しかけてくるモルゲンロートだが、それでも一介の冒険者には恐れ多い。
とりあえず話題を変えようとヒューシが本題を口にする。聞かれてはまずいことかもしれないため、ギリアムの動向を見ながら小声で尋ねていた。
「うむ、ひとつ情報があってな。トーニャの見たドラゴンについてだ」
「え?! 本当ですか!」
「ああ。あそこにいる、ロムガート国王のギリアムがドラゴンを目視したそうだ。それを追ってここへ来たらしい。ギリアム、少しいいか?」
モルゲンロートはトーニャへの情報として、ギリアムを呼びつけた。当の本人はお酒のグラスを手に、笑みを浮かべてからガルフ達の席へと歩いて来た。
「そんな、我々が行きますよ」
「良いのだ。押しかけてきてタダ酒を飲んでいるんだ、一仕事をしてもらうさ」
「おいおい、タダ酒とは……ま、その通りだな。俺はロムガート国の国王だ。なんだい、冒険者か? 王族と一緒にするとはなにかあるのか?」
ギリアムが片手を上げて挨拶をすると、膝をつけないガルフ達は深々と頭を下げた。
平民と貴族を区別しているギリアムのことばモルゲンロートは頭を上げさせてから話を続ける。
「このパーティと商人は少し前に知り合ったのだが、気の良い者達だ。例のドラゴンを追っているのがこの子でな。お前が見たのはピンク色のドラゴンで間違いないな?」
「お、それをわざわざ確認するために宴に呼んだのか? まあ減るもんじゃないからいいけど、確かにピンク色のドラゴンだったぞ」
「ということらしい。トーニャの仇は金色だったな?」
「あ、あーそ、そうですね! そっかぁピンク色のドラゴンかー」
「凄い汗だけど大丈夫!?」
どっと汗を拭き出したトーニャを見てユリが困惑の声を上げていた。
そんなトーニャは胸中で舌打ちをする。
「(それはあたしなのよねえ……でも、こうなると本当にパパとママを見た人は居ないみたいね。ママの特徴も言っておくべきだったかしら?)」
今さら追加で情報を口にするわけにもいかないので、この国で探すのは諦めようと決めた。
「というわけでトーニャには残念な結果だが、金色のドラゴンはここには居ないようだ」
「そうですねー、また探す旅をしますよ」
「なんか棒読みじゃない?」
「ソンナコトナイヨーレイカ」
元々そこまで期待していたわけではないため、トーニャからすればどっちでも良かった。逆にここまでしてくれたことを気の毒に感じていた。
「では、ガルフ達は別室へ連れて行きます」
「頼む、バーリオ」
「おいおい、折角こんなに可愛いお嬢さん達をひっこめるのか?」
「平民は、一緒にしない方がいいのだろう?」
「時と場合による」
くっくと笑いながらギリアムはグラスを口につけて傾けた。
モルゲンロートはため息を吐いてからバーリオに目配せをしてガルフ達を連れて行くように示唆した。
「おお、本当に連れて行くのか!?」
「ギリアム様、我々と飲んでください」
「お、ヴァールじゃないか。ローザ殿も」
「ふふ、ただでさえ王族に緊張しているのに、他国の王が居たら若い子達が委縮してしまうわ」
モルゲンロートの息子であるヴァールと妻のローザが現れ、ギリアムに話しかける。
ローザはガルフ達にウインクをして微笑んでいた。すぐに助け船を出してくれたと直感し、ホッとする一同だった。
「一理あるか。どこかであったらまたよろしくな!」
「は、はい!」
「ではあちらへ行こう。料理は運ばせるよ」
ギリアムはローザとヴァールに連れられて中心へと戻っていく。モルゲンロート肩を竦めてからガルフ達へ笑いかけた。
「すまないな。まあ態度は悪いが、不敬だと怒るような奴ではないから安心してくれ。後は君達だけで楽しんでくれ。良い酒もある」
「何にもしてないのに申し訳ないですが……いただきます」
「うむ。ではまたな」
モルゲンロートも踵を返してギリアムのところへ戻っていく。それを見送り、バーリオに連れられて別室へと移動した。
すぐに料理が運ばれ、お酒もグラスに注いでもらう。
「美味っ!? この薄切りの肉、めちゃくちゃ美味いぞ」
「ワインも芳醇な香りだ。ううむ、いいのだろうか……」
「陛下のご厚意に甘えておきましょ。断る方が失礼なことってあるしさ」
早速ガルフが料理に舌鼓を打ち、ヒューシがワインに驚きつつ悪いなと感じていた。しかしユリはモルゲンロートがいいと言っているので甘えておこうとサラダを摘まむ。
「お酒ってあたし飲んだことないわね、そういえば」
「そうなんだ? 飲める歳よね」
「機会が無かったから。折角だし、いっぱいもらおうかな」
「初めてならワインがいいだろう。ビアーは好き嫌いがあるからな」
トーニャがお酒は初めてなのはもちろん竜の里には無かったからだ。
人間の町に行っても食事だけで飲み屋に行くことが無かったのも大きい。
そんな彼女にヒューシはワインを勧めた。フルーティなワインなら最初でも大丈夫だと思ったからである。
「ふーん、パパもママも飲まなかったからあたしも別に興味が無かったのよね。香りがいいわ」
そう言ってワインを口に含むトーニャ。
すると、満面の笑みでレイカとユリに顔を向けた。
「これ、美味しい! ちょっとツンと鼻に抜けるのがいいわね!」
「これと一緒だと美味いぞ」
「チーズ? ……おおおおお」
「あはは、トーニャ可愛い!」
ガルフに渡されたチーズとワインを食して目を輝かせるトーニャにユリの顔がほころんでいた。
それぞれビアー、ワイン、果実酒などを嗜んでいく。場には五人しか居ないので気楽に食事をしていたのだが、しばらくしてトーニャがお酒に酔い始めていた。
「いやー美味しいわねお酒! あたし、好きになっっちゃたかも!」
「トーニャ、あんたそれ何杯め? そろそろ止めておかないと初めてだと明日きついかも」
「明日ぁ? なにかあるの? うふふ」
「その笑いかた誰かに似てる……って、待って!? トーニャ、あんたスカート膨らんでない?」
「スカートぉ? ありゃ、いけない尻尾が出ちゃった。あはははは!」
トーニャが笑いながら立ってスカートを持ち上げると、しっかりとした尻尾がべろんと出てきた。
「……!? 尻尾!? ちょ、ちょっと、トーニャって何者なのよ!?」
「なんかドラゴンっぽい気が……」
「すみません、料理の追加をお持ちしました」
「「「「!?」」」」
すると扉の外でメイドが声をかけてきた。
ほろ酔いだったが、一気に冷めて脳が活性化する。
「あ、も、もう、大丈夫です!」
「こ、これを食べたら帰りますので……」
「あら、そうですか? 陛下からお泊めするように言われていますので、いつでもおっしゃってくださいね」
「あー、あたしワイン追加ぁ♪」
「トーニャは黙ってなさい!」
ふにゃふにゃになったトーニャをレイカが窘めていた。メイドが離れて行ったのを確認した後、ガルフが口を開く。
「……どうするよ、これ……」
「報告するしかないが……ひとまず隠さないとパニックになるな……」
「どーしたのぉ? ヒューシが三人になったぁ」
四人は深いため息を吐いて、どうするか話し合うのだった。
「「「乾杯!!」」」
モルゲンロートが音頭を取り、宴が始まった。
ひとまず乾杯だけはと思っていたガルフ達は緊張の面持ちで端に座っていた。
「別室はどこへ行ったんだよ……」
ガルフは招かれたこと自体緊張しているのに、別の国の王が来ていることを先ほど知り、戦慄していた。
バーリオも『他の部屋で話をする』と言っていたが、少し遠めの丸テーブルに座らされていたりする。
そんなことは聞いておらずモルゲンロートや騎士達を見て小さくなっていた。
「乾杯だけってかと思ったのに……それにドレスなんて落ち着かないわ」
「こんなの初めて着たよね……」
「レイカもユリも似合うじゃない」
「トーニャもね! って、脱ぐと凄いわね……」
「なにが?」
もちろんパーティーなので五人は正装をさせられていた。
ガルフとヒューシはタキシード。女性陣はそれぞれ豪華なドレスを借り受けていた。
トーニャは身長の割に胸がユリより大きく、羨望の眼差しを受けていた。
「うう、腹が減った、これ食べてもいいかな」
「テーブルマナーとか知らないけど大丈夫だろうか……」
「ああ、気にしないで食べてくれ。もう少ししたら堅苦しいところから別室でいい」
「それじゃいただき……って陛下!?」
ガルフが料理に目を向けていると、モルゲンロートが笑いながら席へ来ていた。まさかその場から動くとは思っておらず、ガタガタと椅子を鳴らしながら動揺を見せていた。
「どうなされたんですか? あの、お顔を知っているとはいえ、ただの冒険者なのであまり話しかけるのは……」
「ははは、気にするな。ザミールが居ないのは残念だがな」
「村に行っているみたいですね。……それで、厄介なことと言うのはなんでしょうか」
ドラゴンを知っている同志だからと気さくに話しかけてくるモルゲンロートだが、それでも一介の冒険者には恐れ多い。
とりあえず話題を変えようとヒューシが本題を口にする。聞かれてはまずいことかもしれないため、ギリアムの動向を見ながら小声で尋ねていた。
「うむ、ひとつ情報があってな。トーニャの見たドラゴンについてだ」
「え?! 本当ですか!」
「ああ。あそこにいる、ロムガート国王のギリアムがドラゴンを目視したそうだ。それを追ってここへ来たらしい。ギリアム、少しいいか?」
モルゲンロートはトーニャへの情報として、ギリアムを呼びつけた。当の本人はお酒のグラスを手に、笑みを浮かべてからガルフ達の席へと歩いて来た。
「そんな、我々が行きますよ」
「良いのだ。押しかけてきてタダ酒を飲んでいるんだ、一仕事をしてもらうさ」
「おいおい、タダ酒とは……ま、その通りだな。俺はロムガート国の国王だ。なんだい、冒険者か? 王族と一緒にするとはなにかあるのか?」
ギリアムが片手を上げて挨拶をすると、膝をつけないガルフ達は深々と頭を下げた。
平民と貴族を区別しているギリアムのことばモルゲンロートは頭を上げさせてから話を続ける。
「このパーティと商人は少し前に知り合ったのだが、気の良い者達だ。例のドラゴンを追っているのがこの子でな。お前が見たのはピンク色のドラゴンで間違いないな?」
「お、それをわざわざ確認するために宴に呼んだのか? まあ減るもんじゃないからいいけど、確かにピンク色のドラゴンだったぞ」
「ということらしい。トーニャの仇は金色だったな?」
「あ、あーそ、そうですね! そっかぁピンク色のドラゴンかー」
「凄い汗だけど大丈夫!?」
どっと汗を拭き出したトーニャを見てユリが困惑の声を上げていた。
そんなトーニャは胸中で舌打ちをする。
「(それはあたしなのよねえ……でも、こうなると本当にパパとママを見た人は居ないみたいね。ママの特徴も言っておくべきだったかしら?)」
今さら追加で情報を口にするわけにもいかないので、この国で探すのは諦めようと決めた。
「というわけでトーニャには残念な結果だが、金色のドラゴンはここには居ないようだ」
「そうですねー、また探す旅をしますよ」
「なんか棒読みじゃない?」
「ソンナコトナイヨーレイカ」
元々そこまで期待していたわけではないため、トーニャからすればどっちでも良かった。逆にここまでしてくれたことを気の毒に感じていた。
「では、ガルフ達は別室へ連れて行きます」
「頼む、バーリオ」
「おいおい、折角こんなに可愛いお嬢さん達をひっこめるのか?」
「平民は、一緒にしない方がいいのだろう?」
「時と場合による」
くっくと笑いながらギリアムはグラスを口につけて傾けた。
モルゲンロートはため息を吐いてからバーリオに目配せをしてガルフ達を連れて行くように示唆した。
「おお、本当に連れて行くのか!?」
「ギリアム様、我々と飲んでください」
「お、ヴァールじゃないか。ローザ殿も」
「ふふ、ただでさえ王族に緊張しているのに、他国の王が居たら若い子達が委縮してしまうわ」
モルゲンロートの息子であるヴァールと妻のローザが現れ、ギリアムに話しかける。
ローザはガルフ達にウインクをして微笑んでいた。すぐに助け船を出してくれたと直感し、ホッとする一同だった。
「一理あるか。どこかであったらまたよろしくな!」
「は、はい!」
「ではあちらへ行こう。料理は運ばせるよ」
ギリアムはローザとヴァールに連れられて中心へと戻っていく。モルゲンロート肩を竦めてからガルフ達へ笑いかけた。
「すまないな。まあ態度は悪いが、不敬だと怒るような奴ではないから安心してくれ。後は君達だけで楽しんでくれ。良い酒もある」
「何にもしてないのに申し訳ないですが……いただきます」
「うむ。ではまたな」
モルゲンロートも踵を返してギリアムのところへ戻っていく。それを見送り、バーリオに連れられて別室へと移動した。
すぐに料理が運ばれ、お酒もグラスに注いでもらう。
「美味っ!? この薄切りの肉、めちゃくちゃ美味いぞ」
「ワインも芳醇な香りだ。ううむ、いいのだろうか……」
「陛下のご厚意に甘えておきましょ。断る方が失礼なことってあるしさ」
早速ガルフが料理に舌鼓を打ち、ヒューシがワインに驚きつつ悪いなと感じていた。しかしユリはモルゲンロートがいいと言っているので甘えておこうとサラダを摘まむ。
「お酒ってあたし飲んだことないわね、そういえば」
「そうなんだ? 飲める歳よね」
「機会が無かったから。折角だし、いっぱいもらおうかな」
「初めてならワインがいいだろう。ビアーは好き嫌いがあるからな」
トーニャがお酒は初めてなのはもちろん竜の里には無かったからだ。
人間の町に行っても食事だけで飲み屋に行くことが無かったのも大きい。
そんな彼女にヒューシはワインを勧めた。フルーティなワインなら最初でも大丈夫だと思ったからである。
「ふーん、パパもママも飲まなかったからあたしも別に興味が無かったのよね。香りがいいわ」
そう言ってワインを口に含むトーニャ。
すると、満面の笑みでレイカとユリに顔を向けた。
「これ、美味しい! ちょっとツンと鼻に抜けるのがいいわね!」
「これと一緒だと美味いぞ」
「チーズ? ……おおおおお」
「あはは、トーニャ可愛い!」
ガルフに渡されたチーズとワインを食して目を輝かせるトーニャにユリの顔がほころんでいた。
それぞれビアー、ワイン、果実酒などを嗜んでいく。場には五人しか居ないので気楽に食事をしていたのだが、しばらくしてトーニャがお酒に酔い始めていた。
「いやー美味しいわねお酒! あたし、好きになっっちゃたかも!」
「トーニャ、あんたそれ何杯め? そろそろ止めておかないと初めてだと明日きついかも」
「明日ぁ? なにかあるの? うふふ」
「その笑いかた誰かに似てる……って、待って!? トーニャ、あんたスカート膨らんでない?」
「スカートぉ? ありゃ、いけない尻尾が出ちゃった。あはははは!」
トーニャが笑いながら立ってスカートを持ち上げると、しっかりとした尻尾がべろんと出てきた。
「……!? 尻尾!? ちょ、ちょっと、トーニャって何者なのよ!?」
「なんかドラゴンっぽい気が……」
「すみません、料理の追加をお持ちしました」
「「「「!?」」」」
すると扉の外でメイドが声をかけてきた。
ほろ酔いだったが、一気に冷めて脳が活性化する。
「あ、も、もう、大丈夫です!」
「こ、これを食べたら帰りますので……」
「あら、そうですか? 陛下からお泊めするように言われていますので、いつでもおっしゃってくださいね」
「あー、あたしワイン追加ぁ♪」
「トーニャは黙ってなさい!」
ふにゃふにゃになったトーニャをレイカが窘めていた。メイドが離れて行ったのを確認した後、ガルフが口を開く。
「……どうするよ、これ……」
「報告するしかないが……ひとまず隠さないとパニックになるな……」
「どーしたのぉ? ヒューシが三人になったぁ」
四人は深いため息を吐いて、どうするか話し合うのだった。
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