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26.癖のある先生
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「はい……というわけで、魔法学の先生をしている……ローテリア、です……」
「あ、はい」
「本当に先生……?」
Aクラス全員が集合し、地面に座る。先生だというローテリアを前に困惑する一同。
黒いローブに赤いカチューシャ、青い宝石が先にくっついたロッドに薄紫のマントという、どうみても「魔法使いに憧れた子供」がそこに居るからである。
「可愛いですね、先生」
「……!? フィーシアさん、先生に可愛いと言ってはいけません! 私はこれでも二十五歳ですからね……」
「おお、怒ったり沈んだり忙しいな」
最初は憤慨していたローテリアだが、年齢と容姿を口にしだしたあたりから勢いが無くなった。本人は気にしているようだ。
「うふふ……いまだにお酒を注文すると『お嬢ちゃんにはまだ早いなあ』と言われるんですよ……この間も――」
「授業、授業を始めましょう先生!」
「……そ、そうですね……では、魔法の基礎のお話からやりましょうか」
嫌な雰囲気になってきたと思い、リアムが慌てて授業をするように勧めていた。
するとハッとした顔でローテリアが正気に戻り、なんとか軌道修正ができた。
「……えっと、みんなは魔法についてどれくらい……理解があるのかな? フィーシアさん」
「あ、はい!」
差されたフィーシアが立ち上がり、基本的な四属性である火・水・風・土の話をする。攻撃魔法の多い火、補助魔法の水、攻撃と防御の両方がバランスの取れている風、守りに特化している土といった基本的なことを。
「で、人によって得意不得意があって、中々判明しないんですよね? 学院、もしくはギルドの適正試験で分かるとか」
「はい、よく知っていますね……それに加えて、光と闇、そして昔、勇者に倒された魔王の編みだした魔属性があります」
「そ、それは初めて聞いたわ」
「へえ、魔属性なんてあるんだ」
「……」
さらに別属性の光と闇、そして魔王の開発した魔属性というものがあるとローテリアが補足した。
そこでロイがリアムを見ると、口をへの字にして眉を顰めていた。
恐らく、生き残った魔族……それこそフィアームあたりがそれを伝えたのだろうと推測する。
問題はどこまで広めているか、だ。そこでローテリアが話を続けた。
「とは言っても魔属性はそこまで使える人間は居ないので覚えておく程度になるかもですね……そこの君は魔族みたいだから使えるかもしれませんね。ただ、それでも魔王がかつて使っていた強力なものはセンスと魔力が必要なので、修行しても難しい、ですが……」
「そりゃそうよね!」
「なんでリアムさんがドヤ顔をしているの?」
「な、なんでもないわ」
訝しんでいたリアムが突然うんうんと頷き、ミトラが首を傾げる。
「……」
「……!」
「……ふむ」
そこでローテリアは一瞬、リアムに視線を向けた。ロイとリアムは気付いたが、ローテリアはすぐに視線を逸らして話を続ける。
「(なるほど、さっき俺とリアムが元気なことに驚いていなかったのと、この先生の態度。多分テリアさんが俺達のことを話しているんだろうな)」
ロイは勇者と魔王の記憶があることを各教員へ伝えているのだろうと予測していた。
その件は授業が終わったあとに二人へ聞けばいいかとひとまず授業に集中することにした。
「人間では魔属性は使いにくい。しかし強力ということは魔族に勝つのはやはり難しいのでしょうか?」
ロイとリアムが確かめるようにローテリアを見ていると、ゴルドが手を上げて質問を投げかけた。
戦争時代、人間は魔族に押されていたことがあるためゴルドは気になっていたようだ。
「……研究の結果だけど、魔族は生まれつき魔力が高いことがわかって、います……だけど魔力は使うことで伸ばせるから、一概に難しいとは言えませんね」
「なるほど」
「もし、それを覆せないなら……勇者一行が魔王を倒すことはできなかったでしょう……?」
「あ、確かに」
フィーシアが手をポンと打って納得した。
ゴルドも訓練すればいけるのかと小さく呟く。
「そ、それじゃ実践していきましょう……」
「あ、はい」
「本当に先生……?」
Aクラス全員が集合し、地面に座る。先生だというローテリアを前に困惑する一同。
黒いローブに赤いカチューシャ、青い宝石が先にくっついたロッドに薄紫のマントという、どうみても「魔法使いに憧れた子供」がそこに居るからである。
「可愛いですね、先生」
「……!? フィーシアさん、先生に可愛いと言ってはいけません! 私はこれでも二十五歳ですからね……」
「おお、怒ったり沈んだり忙しいな」
最初は憤慨していたローテリアだが、年齢と容姿を口にしだしたあたりから勢いが無くなった。本人は気にしているようだ。
「うふふ……いまだにお酒を注文すると『お嬢ちゃんにはまだ早いなあ』と言われるんですよ……この間も――」
「授業、授業を始めましょう先生!」
「……そ、そうですね……では、魔法の基礎のお話からやりましょうか」
嫌な雰囲気になってきたと思い、リアムが慌てて授業をするように勧めていた。
するとハッとした顔でローテリアが正気に戻り、なんとか軌道修正ができた。
「……えっと、みんなは魔法についてどれくらい……理解があるのかな? フィーシアさん」
「あ、はい!」
差されたフィーシアが立ち上がり、基本的な四属性である火・水・風・土の話をする。攻撃魔法の多い火、補助魔法の水、攻撃と防御の両方がバランスの取れている風、守りに特化している土といった基本的なことを。
「で、人によって得意不得意があって、中々判明しないんですよね? 学院、もしくはギルドの適正試験で分かるとか」
「はい、よく知っていますね……それに加えて、光と闇、そして昔、勇者に倒された魔王の編みだした魔属性があります」
「そ、それは初めて聞いたわ」
「へえ、魔属性なんてあるんだ」
「……」
さらに別属性の光と闇、そして魔王の開発した魔属性というものがあるとローテリアが補足した。
そこでロイがリアムを見ると、口をへの字にして眉を顰めていた。
恐らく、生き残った魔族……それこそフィアームあたりがそれを伝えたのだろうと推測する。
問題はどこまで広めているか、だ。そこでローテリアが話を続けた。
「とは言っても魔属性はそこまで使える人間は居ないので覚えておく程度になるかもですね……そこの君は魔族みたいだから使えるかもしれませんね。ただ、それでも魔王がかつて使っていた強力なものはセンスと魔力が必要なので、修行しても難しい、ですが……」
「そりゃそうよね!」
「なんでリアムさんがドヤ顔をしているの?」
「な、なんでもないわ」
訝しんでいたリアムが突然うんうんと頷き、ミトラが首を傾げる。
「……」
「……!」
「……ふむ」
そこでローテリアは一瞬、リアムに視線を向けた。ロイとリアムは気付いたが、ローテリアはすぐに視線を逸らして話を続ける。
「(なるほど、さっき俺とリアムが元気なことに驚いていなかったのと、この先生の態度。多分テリアさんが俺達のことを話しているんだろうな)」
ロイは勇者と魔王の記憶があることを各教員へ伝えているのだろうと予測していた。
その件は授業が終わったあとに二人へ聞けばいいかとひとまず授業に集中することにした。
「人間では魔属性は使いにくい。しかし強力ということは魔族に勝つのはやはり難しいのでしょうか?」
ロイとリアムが確かめるようにローテリアを見ていると、ゴルドが手を上げて質問を投げかけた。
戦争時代、人間は魔族に押されていたことがあるためゴルドは気になっていたようだ。
「……研究の結果だけど、魔族は生まれつき魔力が高いことがわかって、います……だけど魔力は使うことで伸ばせるから、一概に難しいとは言えませんね」
「なるほど」
「もし、それを覆せないなら……勇者一行が魔王を倒すことはできなかったでしょう……?」
「あ、確かに」
フィーシアが手をポンと打って納得した。
ゴルドも訓練すればいけるのかと小さく呟く。
「そ、それじゃ実践していきましょう……」
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