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転生から開拓へ

004話 電気はないと現代人つらいよね

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村を上げての葬儀も終わり、新たな守護者として俺はこの村の住人に受け入れられた。

しかし、前任者は3000年も生きた人物。 その影響は大きいようで私はまだこの村に来て1ヶ月もたっていない。
2週間くらい過ごしてきて感じるのは、やはり電気がほしい・・・
発電機というのも考えたが、内燃機関をもつ発電機はうるさそうだし、この広大な丘を利用するなら太陽光発電だろう。

しかし、これが本当に大変な作業であることが分かった。
家の中に電気網を入れるというのは大変である。

太陽光パネルをポチる、蓄電池をポチる、取り付ける工具をポチる、銅線をポチる、タップをポチる、パワーコンディショナーをポチって他に、電気取りつけの為に足らない物を次から次へとぽちる。
村人は、俺が何か作っていると最初は感心していたが、一向に作業も進まずにだんだん飽きたようだ。

村の会議にたまに出席もするが、魔物情報や島から近い国の情報、どっかの地域で戦争が起きただの色々だ
前任者が、戦争などの調停も行っていたようなので、そういう人物がいなくなった影響だろう。
じゃあ、引き継いだ俺が!って思うかもしれないが俺にはまだまだ力がない 

たしかに身体能力は凄まじい物があるが、特に何かできるわけでもない。 前任者は、どこかで紛争が起きれば1日で現地に赴き調停を行っていたが、俺が現地に行こうとしても近い国で数日、遠い国なら数年かかるだろう。

ジェニファーは、現れた時に俺を疑った第1人者なので、責任を感じているのか毎日のように俺の元に来ている。
この村では15歳で女性は大人になり彼女は16歳で子供達の教育をする仕事をしている、この丘は子供達の散歩コースというわけだ。 しかし彼女は美人になるだろう。まさに聖母の片鱗を見せる、将来この子の旦那になるものは果報者だ。

村の食事は、パンが中心で、硬くボソッとしている、おかずも質素で、食事レベルは低いと言える、美食の国の生まれですから私は我慢が出来ないです。

ただ島なので魚は新鮮で美味しい、しかし、醤油がない、醤油もポチっとする。
刺身文化は無いようだ、毒のある魚もいそうなので、俺も刺身は我慢しよう、魚捌けないしね。

私はまず米をポチった、しかし炊飯器もなければガスもない、まあキャンプが好きだった俺は半合をポチれば解決した。
そして畑を作った、野菜の苗をポチって召喚する、今は春くらいだから、苗植えにナス科が最適だ。
トマト・茄子・唐辛子・ピーマン・ししとう。それに水はけのいい土地に育つ野菜 ウリ科のキュウリ とスイカ。水はけのいい土地を好むくせに、水を沢山上げなくてはいけないめんどくさい野菜だ。
ただ日当たりと水やりをキチンとやれば勝手に育つ頼もしい野菜だ。

それと丘の上は水がない、まあ前任者は水魔法で水を作っていたのであろう。俺も水魔法を使い毎日ちょっとずつ水甕に水をためている、だから水魔法の上達が早い、魔法の勉強は楽しい物だ。

おかずもポチポチした、ネットは何でも買える。 納豆でも何でもね、ただ数が多すぎるのがつらい、最低ロッドが多いので、まだ冷蔵庫がおけない環境では非常に困る。 余った食材は村人にあげるが、納豆は誰も喜ばなかった。

まあ主食がパンだし、醤油がないと仕方ないな・・・

電気工事を少しずつ進めながら、色々なものを揃えていく。 

ちなみに俺がポチる食べ物で一番人気はウメエ棒だ、子供がジェニファーとよく来るので、来るたびに一本ずつあげていた。 その味はだんだんと村に浸透していって、あのドラ○モンみたいなマークのお菓子は村に出ると高く売られているらしい。 子供が持ち帰ったウメエ棒を親が取り上げ売っているということだ・・けしからん

最初はジャンジャンあげていたが、村人がそれをもらいに行列を作る状態になり
俺も商売にするようにした。
駄菓子屋さんだ!二人の町人を雇った、ララさんとミミさんだ、1本30グラスで販売した、これは安すぎるとララさんに言われたが、こんなもんだ!ウメエ棒なんて、これでも高いんだぜ!と思ったくらいだ。

最初は仕入れた物はすぐに売れてしまった・・・が何日かすれば、売れ残る日も出てきた、これなら普通のお店として成り立つ、そしてこの国のお金を手に入れる事が出来た。

あまり元の世界からの商品をこの世界で売るのは、流通を確保する上で面倒になる、俺が死ねばそれも立ち行かなくなるので、それをするのはウメエ棒のみにした。
まあ作り方は勉強済みなので、いずれトウモロコシを育て自分で作って自給自足をしてみよう。

お店の名前はツユキ商店、みんな?マークを顔に受けべていたがウメエ棒が買える店として定着した。

さて電気工事を始めて3ヶ月 やっと完成した 今日は点灯実験だ
天井にはLED照明、こんな物は自給自足できないだろうから後々の為に白熱電球もポチっていた
壁の電気残量計は十分な電力をためている。
さてカチっと・・・

まあ!明るい!これが文明の明かり!
ランプになれると、それでも生活できるが電気の明るさは別次元だ!

これで生活が華やかになる、電子レンジに冷蔵庫、洗濯機に扇風機、クーラーだっておける、ちょうど季節は夏、少し暑い時期が来た、といってもこの世界は温暖化などない30度を超えるのは月に2.3回ほどだ、冬でも使える冷暖房のエアコンは付けよう

まあ、余り付け加えると電力がすぐに無くなってしまうが

それと来た時に作った畑からトマト・茄子・唐辛子・ピーマン・パプリカ・など茄子科の野菜の収穫が始まったこの辺は土がやせてても育つ、収穫後の残滓も米ぬかを混ぜ堆肥を作る材料とする、それと仔山羊をポチった。生き物も配送できるなんてすばらしい。

番いの山羊で大きくなれば増やせるかもしれない、オスはシロ、雌はクロと名付けた、まあ 毛の色で決めた、安直だが・・・

自分の糞を肥料にするのはなんか気が引けるが、家畜のふんを肥料にするのは抵抗がない、というのも人間のおかしなものだ・・・ちなみに自分の糞は長ーい穴を掘り、ぼっとん便所を使っている。
今度浄化槽システムを作ろう、いや浄化槽にしてもいずれ回収しなくてはいけないので他の方がいいのか・・・前任者のトイレがボットンで残っている、落ちれば死ぬだろうという深い穴だ!いずれ作りなおそうと思うが今は前任者のトイレを使う

しかし電気のある生活は素晴らしい、これが文明の力か、村長のザックは俺をほめたたえる

「グラスさんほどの魔法が使えないと思ったら凄い物を作っていた・・・
魔道具製作者だったのですねと・・・」
この世界には魔道具という物もあるようだ、どういった物があるのか今度探してみよう。

それと好評だったのがトマトだ、パンにも合う野菜で、余った分を露木商店で売っていたが瞬く間に売れた。
まあ品種もF1種ではないので、その種からも作れる。いずれ村での野菜になるだろう。

村で作られている野菜は大根、人参、よくわからない葉っぱ(味はホウレンソウ)よくわからない野菜だ、所変われば品変わる、みた事のない野菜も多い。

果物もリンゴはあるがそれくらいだ。 さみしい、苺の苗とかも植えておるので来年楽しみだ
そしてこの夏の楽しみの果物が西瓜だ、ウリ科も水はけのよい土をこのむが水分は必要とする 毎日水魔法で水をまきまきしたかいもあり、もうすぐ収穫である。

だんだんと色々なものが揃っていく。
畑仕事はジェニファーも手伝ってくれている、一緒にいると楽しいが彼女を縛るのもよくない。
しかしジェニファーは毎日のように来てくれる、それをとがめる勇気もなく俺は受け入れている
来ない日は寂しくもなる、ノックがして出ていくとザックさんだと、がっかりしてしまう状態だ。

村人もジェニファーと俺をくっつけようとしている
伴侶にしようと・・・しかし、使命がある俺はいずれ魔王と戦いこの世界の平和の為に戦わないといけない
俺が死ねばジェニファーも消失する、前任者のヘレンさんの様に・・・ おいそれと巻き込むことはできない、そんな理性が働いている。

さて!お楽しみのスイカの収穫だ!大きく重く育ったスイカだ。

村長も見に来た、 新しい作物の収穫には村長も興味心身である

スイカといえばスイカ割り 
ジェニファーが子供達を連れてきた、数人の村人と共にスイカ割りを楽しむ
目隠しをしてくるくるまわって・・・・

ふらふらしながら子供が西瓜を叩こうとする、4人目で一個目が割れた
さて食べよう、う~ん美味い、やっぱり果物は美味しい、といっても何回かポチっていたが自給自足で果物を初収穫なので美味さ倍増だ

村人にスイカの種を渡し、春に植えてみてくれるように頼んだ 新しい食べ物が増えればみんな幸せだ。
こうして夏が過ぎ、秋になり村中が麦の収穫にいそしむ中、俺は次の工程を考える



次はガスかな・・・・
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