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がんばりましょうか。
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「リーシャ、リーシャ………」
なんかずっと私を呼ぶ声がする。
あー、うるさいなぁ。そんな大声で呼ばなくても聞こえるっつーの。
「………ふわぁ、い………」
おお。なんか自分の声じゃないみたいに掠れてる。
なんだなんだ。
自分の声に驚いて目を開けた。
目の前に神々しくて眩しい生き物がいた。神様?大天使?死んだの私?
………あ、なんだダークだわ。
「ダーク………?」
「ああリーシャ、目が覚めたか?」
心配そうな顔のダークがパッと笑顔になった。私はどうやら寝室のベッドで寝ていたようだ。
「ん?私………?」
「ルーシーの話だと、話をしていて急に倒れたらしい。もうすぐバートン先生が到着するからな」
「………大袈裟ね。夏バテで貧血起こしただけでしょ。え、仕事は?」
「早急に片付ける必要があるものだけ処理して帰ってきた」
「ダメじゃない!大ケガとかならともかく家族がちょっと具合悪くしたぐらいで早退なんかしたら」
夏に弱いだけでヒッキーの割に私は結構丈夫なのである。
「俺にはリーシャと子供たち以上に大事なモノなんてない。
連絡を受けた時は本当に、本当に驚いたんだ。俺の方が死ぬかと思った」
私の手を握るダークの手が少し震えていた。
「………ダークって、結構私に依存してるわよね」
「依存したらダメか?もうリーシャがいないと生きていける自信がない」
「いや、まあ私としては願ったり叶ったりなんだけど。当分浮気もないだろうし、ひとまず離婚の心配もしなくて済みそうだし」
「当分ってな。浮気しようにもリーシャ以外勃たないしその気にもならんと言っただろうが。
離婚なんかお前が他に好きな男が出来て、どうしてもと言われるまでは絶対にしない」
「はあ。私が離婚したいと言ったらする訳ね」
「………ほんとはしたくないが、無理にオッサンに縛り付けてリーシャの幸せを奪うのはもっと嫌だからな」
「本当に困ったオッサンよねぇ」
いい加減、ダークの側にいるのが一番幸せなんだと分かって欲しいものだけど。
くしゅくしゅと癖のない髪をいじる。
「ああ、俺は困ったオッサンなんだ。だから俺から離れないでくれると嬉しい」
「じゃあダークもこの先好きな人が出来たら正直に言うのよ?私もダークが幸せでないと嫌だから」
「分かった。万が一にもないけど分かった!」
キリッとした眼差しで頷くと、私の手に頬をあてすりすりしてきた。
「旦那様、バートン先生がいらっしゃいました」
扉の外からルーシーの声がした。
「ああ。………リーシャ、またあとでな」
部屋を出るダークと入れ違いに、
「リーシャ様、お久し振りでございますなぁ」
と、シャインベック家の主治医のバートンが助手の女性と一緒にニコニコと入ってきた。お爺ちゃんと言えるぐらいの年齢だが、いつも元気で動きも軽快である。
「お久しぶりですバートン先生。お元気でしたか?」
「私よりリーシャ様の方でございますよ。はい失礼して」
下瞼をグイッと押して裏側の方を見て、
「あぁ、やはり貧血を起こしてますな。白くなってますわい」
「夏に弱くて………夏バテでございましょうか」
「ふむふむ………今は目眩などはないですかな?」
頷くと、暫く手首の脈を見たり触診をしたりしたあと、
「夏バテもありますでしょうが………」
「………でしょうが?まさか別の大病が見つかりましたか?」
やばい。ダークに側にいると約束したばかりなのに。
「見つかったと言えば見つかりましたなぁ。………お子達が」
「………は?」
「おめでたでございますよリーシャ様」
「おめでた………、ってあの子供が?え、でも『達』って」
「双子のようですな。もう五か月目に入っておられますが、気づきませんでしたかの?月のモノが来ないとか」
「私はかなり生理不順でして、特に悪阻などもありませんでしたから………」
まだお腹も殆ど変わらない。
便秘かなーお腹が少し張るなー、とは一度か二度思った位。言われてみれば夏バテが酷いなあとか、なんかお腹回りが太ったかも、と少し思いましたけどもね。
いやー、マジですか。
冬には家族が更に二人増えるんだわね。
嬉しいなあ。
うーん、でも双子か………体力つけないとまずいわ。
「はっはっは。相変わらずリーシャ様はぼん………、おっとりしておられますな」
おい今ボンヤリと言いかけたなジー様。
でも、確かにボンヤリしてた。
やることはやってたものねそう言えば。
ブレナンが生まれてから、避妊もしてないのに2年も出来なかったからなあ。
立て続けに子供出来たし、しばらく妊娠しないのかもと勝手に思ってたわ。
「バートン先生、家族には私から話しますので内緒にして下さいね」
「分かりました。ただ双子と言うのは早産しやすいですからな、もう一月もせんうちにお腹はびっくりするぐらい大きくなりますし、7ヶ月以降は常に安静が大前提になりますよ。無理は絶対に禁物です。私もちょいちょい様子を見に参ります。
一人産む時とは全く違うと思った方が宜しいですよ」
「はい、お願いします」
今回も、血圧が上がりやすいのでのぼせたんだろうと言う事で、妊婦に影響のない血圧が下がりやすい薬草とその扱い方を教えてくれて、先生方は帰っていった。
「リーシャ、先生の見立ては?何か、奥様に聞いてくれの一点張りで………まさか何か悪い病気でも………」
先生たちとほぼ入れ違いに入ってきたダークが慌てた素振りで戻ってきた。
うん。この人のネガティブな方面の思考回路は私と似てるわ。流石私のマイダーリン。
「おめでたですって。五ヶ月入りたてみたいよ」
私が告げると、ぱーーーーーっと顔が輝いた。朝日か。眩しいっつうのよ。
「本当か!!ありがとうリーシャ!また大切な家族が増えるな」
「うん。二人ね」
「………え?双子なのか?」
「ダブルでめでたいわねぇ。ちょっと大変らしいけど頑張るわ」
ダークの笑顔がいつものような口角が上がるだけじゃなく、満面の笑みである。
サーチライトか。
神々しさがK点越えしてしまってますよダーリン。
ダメだわ、直視すると目がつぶれる。
出来るだけ目を細めて回避する。
「俺も、出来る限りの事はするから!で、いつ頃生まれるって?」
「双子は早産の可能性も高いらしいから、あと四ヶ月前後?」
ダークが口をぽかんと開けた。
「………全然時間がないじゃないか!急いで子供部屋の改装と、服と、あとなんだ………ジュリアに相談しないと!」
ガバッと立ち上がったダークに、
「ごめんね、ついでにルーシー呼んでくれる?仕事の産休の相談をしないと」
「分かった!とにかく安静に安静に、だからな」
ダークが出ていくと、私はお腹を見た。
やっぱりちょっと出ただけのお腹をポンポンと触る。
「気づかなくてごめんねぇ。
でもあなた達ももう少しアピールしてくれないとママ呑気だから分からないのよ。………でも、頑張るから元気に生まれてきてねー」
男の子かなー女の子かなー。
まーどっちでもいいか。
幸いにもうちには助けてくれる使用人もいるし、なんとかなるでしょ。
ダークだっているし、いざとなればパパンとママンにお義父様もいるし。
でも一つだけ心配がある。
一人の時でもお腹のお肉を戻すの大変だったのに、二人となると………。
私は想像して、深いため息をつくのだった。
なんかずっと私を呼ぶ声がする。
あー、うるさいなぁ。そんな大声で呼ばなくても聞こえるっつーの。
「………ふわぁ、い………」
おお。なんか自分の声じゃないみたいに掠れてる。
なんだなんだ。
自分の声に驚いて目を開けた。
目の前に神々しくて眩しい生き物がいた。神様?大天使?死んだの私?
………あ、なんだダークだわ。
「ダーク………?」
「ああリーシャ、目が覚めたか?」
心配そうな顔のダークがパッと笑顔になった。私はどうやら寝室のベッドで寝ていたようだ。
「ん?私………?」
「ルーシーの話だと、話をしていて急に倒れたらしい。もうすぐバートン先生が到着するからな」
「………大袈裟ね。夏バテで貧血起こしただけでしょ。え、仕事は?」
「早急に片付ける必要があるものだけ処理して帰ってきた」
「ダメじゃない!大ケガとかならともかく家族がちょっと具合悪くしたぐらいで早退なんかしたら」
夏に弱いだけでヒッキーの割に私は結構丈夫なのである。
「俺にはリーシャと子供たち以上に大事なモノなんてない。
連絡を受けた時は本当に、本当に驚いたんだ。俺の方が死ぬかと思った」
私の手を握るダークの手が少し震えていた。
「………ダークって、結構私に依存してるわよね」
「依存したらダメか?もうリーシャがいないと生きていける自信がない」
「いや、まあ私としては願ったり叶ったりなんだけど。当分浮気もないだろうし、ひとまず離婚の心配もしなくて済みそうだし」
「当分ってな。浮気しようにもリーシャ以外勃たないしその気にもならんと言っただろうが。
離婚なんかお前が他に好きな男が出来て、どうしてもと言われるまでは絶対にしない」
「はあ。私が離婚したいと言ったらする訳ね」
「………ほんとはしたくないが、無理にオッサンに縛り付けてリーシャの幸せを奪うのはもっと嫌だからな」
「本当に困ったオッサンよねぇ」
いい加減、ダークの側にいるのが一番幸せなんだと分かって欲しいものだけど。
くしゅくしゅと癖のない髪をいじる。
「ああ、俺は困ったオッサンなんだ。だから俺から離れないでくれると嬉しい」
「じゃあダークもこの先好きな人が出来たら正直に言うのよ?私もダークが幸せでないと嫌だから」
「分かった。万が一にもないけど分かった!」
キリッとした眼差しで頷くと、私の手に頬をあてすりすりしてきた。
「旦那様、バートン先生がいらっしゃいました」
扉の外からルーシーの声がした。
「ああ。………リーシャ、またあとでな」
部屋を出るダークと入れ違いに、
「リーシャ様、お久し振りでございますなぁ」
と、シャインベック家の主治医のバートンが助手の女性と一緒にニコニコと入ってきた。お爺ちゃんと言えるぐらいの年齢だが、いつも元気で動きも軽快である。
「お久しぶりですバートン先生。お元気でしたか?」
「私よりリーシャ様の方でございますよ。はい失礼して」
下瞼をグイッと押して裏側の方を見て、
「あぁ、やはり貧血を起こしてますな。白くなってますわい」
「夏に弱くて………夏バテでございましょうか」
「ふむふむ………今は目眩などはないですかな?」
頷くと、暫く手首の脈を見たり触診をしたりしたあと、
「夏バテもありますでしょうが………」
「………でしょうが?まさか別の大病が見つかりましたか?」
やばい。ダークに側にいると約束したばかりなのに。
「見つかったと言えば見つかりましたなぁ。………お子達が」
「………は?」
「おめでたでございますよリーシャ様」
「おめでた………、ってあの子供が?え、でも『達』って」
「双子のようですな。もう五か月目に入っておられますが、気づきませんでしたかの?月のモノが来ないとか」
「私はかなり生理不順でして、特に悪阻などもありませんでしたから………」
まだお腹も殆ど変わらない。
便秘かなーお腹が少し張るなー、とは一度か二度思った位。言われてみれば夏バテが酷いなあとか、なんかお腹回りが太ったかも、と少し思いましたけどもね。
いやー、マジですか。
冬には家族が更に二人増えるんだわね。
嬉しいなあ。
うーん、でも双子か………体力つけないとまずいわ。
「はっはっは。相変わらずリーシャ様はぼん………、おっとりしておられますな」
おい今ボンヤリと言いかけたなジー様。
でも、確かにボンヤリしてた。
やることはやってたものねそう言えば。
ブレナンが生まれてから、避妊もしてないのに2年も出来なかったからなあ。
立て続けに子供出来たし、しばらく妊娠しないのかもと勝手に思ってたわ。
「バートン先生、家族には私から話しますので内緒にして下さいね」
「分かりました。ただ双子と言うのは早産しやすいですからな、もう一月もせんうちにお腹はびっくりするぐらい大きくなりますし、7ヶ月以降は常に安静が大前提になりますよ。無理は絶対に禁物です。私もちょいちょい様子を見に参ります。
一人産む時とは全く違うと思った方が宜しいですよ」
「はい、お願いします」
今回も、血圧が上がりやすいのでのぼせたんだろうと言う事で、妊婦に影響のない血圧が下がりやすい薬草とその扱い方を教えてくれて、先生方は帰っていった。
「リーシャ、先生の見立ては?何か、奥様に聞いてくれの一点張りで………まさか何か悪い病気でも………」
先生たちとほぼ入れ違いに入ってきたダークが慌てた素振りで戻ってきた。
うん。この人のネガティブな方面の思考回路は私と似てるわ。流石私のマイダーリン。
「おめでたですって。五ヶ月入りたてみたいよ」
私が告げると、ぱーーーーーっと顔が輝いた。朝日か。眩しいっつうのよ。
「本当か!!ありがとうリーシャ!また大切な家族が増えるな」
「うん。二人ね」
「………え?双子なのか?」
「ダブルでめでたいわねぇ。ちょっと大変らしいけど頑張るわ」
ダークの笑顔がいつものような口角が上がるだけじゃなく、満面の笑みである。
サーチライトか。
神々しさがK点越えしてしまってますよダーリン。
ダメだわ、直視すると目がつぶれる。
出来るだけ目を細めて回避する。
「俺も、出来る限りの事はするから!で、いつ頃生まれるって?」
「双子は早産の可能性も高いらしいから、あと四ヶ月前後?」
ダークが口をぽかんと開けた。
「………全然時間がないじゃないか!急いで子供部屋の改装と、服と、あとなんだ………ジュリアに相談しないと!」
ガバッと立ち上がったダークに、
「ごめんね、ついでにルーシー呼んでくれる?仕事の産休の相談をしないと」
「分かった!とにかく安静に安静に、だからな」
ダークが出ていくと、私はお腹を見た。
やっぱりちょっと出ただけのお腹をポンポンと触る。
「気づかなくてごめんねぇ。
でもあなた達ももう少しアピールしてくれないとママ呑気だから分からないのよ。………でも、頑張るから元気に生まれてきてねー」
男の子かなー女の子かなー。
まーどっちでもいいか。
幸いにもうちには助けてくれる使用人もいるし、なんとかなるでしょ。
ダークだっているし、いざとなればパパンとママンにお義父様もいるし。
でも一つだけ心配がある。
一人の時でもお腹のお肉を戻すの大変だったのに、二人となると………。
私は想像して、深いため息をつくのだった。
応援ありがとうございます!
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