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しおりを挟むこれはなんて答えれば正解なのか。
素直に聞いちゃいました、って言うのか。それとも何してたんですか?ってカマかけるのか。
何も無かった振りをするのか。
沢山の思考が頭を巡る。
いや、でも嘘をついたほうが後から墓穴を掘る気しかしない。
「その…見てはないんです。…けど、聞こえちゃって」
「そうか…。…すまない、変なものを」
「変なものじゃないです…っ」
慌てて訂正したとものの、この文脈では素敵なものとか言ってしまっているのと同じだ。
いや、素敵なのだが。
「そ、そうか。…いや、でもお前を許可なく使った。いや、でも許可を取るほうがおかしいか」
真剣に考え出した彼に思わず笑ってしまう。
お前を自慰のネタにしても良いか、なんて聞いてくる潤也さん。想像しただけで笑ってしまう。
「なぜ笑う」
「いえ…何でもないです。僕は気にしてませんよ、それに…少し嬉しかったですから」
ほっとしたように微笑んだ潤也さん。
可愛い。この顔を見れるのは自分だけの特権。
「透」
「はい」
笑いすぎて滲んだ涙を指で拭いながら顔を上げると、顎を上げさせられキスをされる。
突然のことに少し驚いたが、腰を引き寄せられ彼の膝に座るかたちになる。
角度を変えて何度も唇を重ね、そのうちゆっくりと彼の舌が口内に入り込んでくる。
ゆっくり、優しく口内を弄り舌を絡め合うのは気持ちが良い。彼とディープキスをしたのは初めてだろうか。
うっとりと気持ちよさに目を細め、彼の服をそっと握る。
「っは…透…愛してる」
「…ん…僕も…です」
銀糸を引いて離れた口元、見つめ合いながら吐息混じりに微笑む。
この人と結婚して良かったな、なんて改めて思う。
オメガとわかってこの方、発情期を待ち遠しく思ったことなんて1度もない。
それなのに今回の発情期は少し楽しみだ。彼とはやく結ばれたい。はしたないけれど、彼とはやく体を重ねたいなんて思ってしまう。
「ベッドを…変えようと思っててな」
「ベッドですか?」
「あぁ。…今はふたつに別れてるだろ、クイーンサイズくらいのベッドにして一緒に寝れたらと思ったんだが…もちろんお前が嫌ならいい」
「それ、僕も思ってました」
「ほんとか…?、じゃあ決まりだな」
「はい、そうしましょう。どんなのがいいですかね」
そんな会話をしながら携帯でベッドを調べ、2人で身を寄せあって見る。
今までじゃ有り得なかったこの距離と会話だ。
彼も自分もまた明日からは仕事だ。またゆっくり出来なくなる。
今日、彼と過ごせる時間を楽しもうと彼に笑顔を向けた
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