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第一章 黒猫の夢?
十話
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[お前、もしかして昨日、ここで何が起きたのか、知っているのか?]
[ああ、全部見ていたから知ってるよ。でも、聞きたいなら、ワシを放せ]
[そう言って、逃げる気だろ。知っているなら、話せ、それが、役立つ情報なら、放してやる]
[チッ]
[やはり、知らないのか]
[違う。知ってるワイ、そこに寝てるヤツが、今の人間にしては、少しばかり妖力がありおったのよ、それで、その異国の妖術書に作用して、闇妖怪を、呼びよった。ただし、力が半端なせいで、闇妖怪達は、傷ついておった。だから、怒って、ヤツの妖力を食ろうておるのよ]
[闇妖怪?]
[アヤツの上の影を見てみよ。お主なら、見れるだろ]
俺は、本を持ったまま、彼女達の間を通り、大沢先輩に、近づいた。
先輩のところには、窓と窓の間にある柱の影が伸びていて、その影の中をよく見ると、先輩のみぞおち辺りに、二匹…いや、三匹?三人?大きな透き通る羽を持って、黒に近いグレーの髪をした五センチ程の…妖怪?
俺の知識で言うと、妖精が固まってなにかをしている。
[もしかして、こいつらを、退かせば先輩は、目が覚めるのか?]
[ああ、それでも、目が覚めるな]
[他に、何かあるのか?]
[そいつの、妖力を、食べ尽くせば、自然と離れよる。それほど、多くはないから、じきじゃろ]
[その後、あいつらは、どうするんだ?先輩に、何か後遺症は?]
[そんな事、ワシは知らん、アヤツらに聞け]
妖怪、妖精…どうする?
余計な事は、考えずに、シンプルに…今、俺がほしいのは、情報だ。
瑞樹が、猫になったのはどうしてか?そして、人間に戻るには、どうすればいいのか?
右手の中のモノも、そこで固まっている黒い妖精も、その情報を、持っている可能性がある。だったら、こいつらを連れて帰って、情報を、手に入れよう。
本に挟まれたコピー用紙と瑞樹の髪の毛を、更に、小さく畳んで、自分の胸ポケットに入れ、本は穂高さんに、返して、俺は屈んで黒い妖精をまとめて左手で掴みとる。
「えっ、何?」
後ろから、誰かの声がした。
「光輝くん、佐紀ちゃんに、何かした?」
「いや、ちょっと、様子を見ただけだよ」
振り向いて言う俺の後ろで「うっ、うーん」と言う声と、動く気配がした。
「えっ?佐紀ちゃん、気がついた」
「「先輩!」」
「何?どうしたの?」
「佐紀ちゃん、昨日―…」
皆、 先輩に走りより、膝を付いて抱き合っている。訳が分からなくて戸惑う先輩と、安心して泣きながら先輩に抱きついてる子、そして、先輩に、昨日の事を説明し出す穂高さん達を、置いて、俺は、教室を出た。
両手で掴んでるモノ達をどうすればいいのか分からずに、掴んだまま、玄関に向かい、少し苦労して靴を履き替え、ダッシュで家に向かう。
走りながら、昨日も、こんな感じで、全速力で走って帰った事を、思い出し、少し脱力してしまった。
早く終わりにしてしまいたい…
[ああ、全部見ていたから知ってるよ。でも、聞きたいなら、ワシを放せ]
[そう言って、逃げる気だろ。知っているなら、話せ、それが、役立つ情報なら、放してやる]
[チッ]
[やはり、知らないのか]
[違う。知ってるワイ、そこに寝てるヤツが、今の人間にしては、少しばかり妖力がありおったのよ、それで、その異国の妖術書に作用して、闇妖怪を、呼びよった。ただし、力が半端なせいで、闇妖怪達は、傷ついておった。だから、怒って、ヤツの妖力を食ろうておるのよ]
[闇妖怪?]
[アヤツの上の影を見てみよ。お主なら、見れるだろ]
俺は、本を持ったまま、彼女達の間を通り、大沢先輩に、近づいた。
先輩のところには、窓と窓の間にある柱の影が伸びていて、その影の中をよく見ると、先輩のみぞおち辺りに、二匹…いや、三匹?三人?大きな透き通る羽を持って、黒に近いグレーの髪をした五センチ程の…妖怪?
俺の知識で言うと、妖精が固まってなにかをしている。
[もしかして、こいつらを、退かせば先輩は、目が覚めるのか?]
[ああ、それでも、目が覚めるな]
[他に、何かあるのか?]
[そいつの、妖力を、食べ尽くせば、自然と離れよる。それほど、多くはないから、じきじゃろ]
[その後、あいつらは、どうするんだ?先輩に、何か後遺症は?]
[そんな事、ワシは知らん、アヤツらに聞け]
妖怪、妖精…どうする?
余計な事は、考えずに、シンプルに…今、俺がほしいのは、情報だ。
瑞樹が、猫になったのはどうしてか?そして、人間に戻るには、どうすればいいのか?
右手の中のモノも、そこで固まっている黒い妖精も、その情報を、持っている可能性がある。だったら、こいつらを連れて帰って、情報を、手に入れよう。
本に挟まれたコピー用紙と瑞樹の髪の毛を、更に、小さく畳んで、自分の胸ポケットに入れ、本は穂高さんに、返して、俺は屈んで黒い妖精をまとめて左手で掴みとる。
「えっ、何?」
後ろから、誰かの声がした。
「光輝くん、佐紀ちゃんに、何かした?」
「いや、ちょっと、様子を見ただけだよ」
振り向いて言う俺の後ろで「うっ、うーん」と言う声と、動く気配がした。
「えっ?佐紀ちゃん、気がついた」
「「先輩!」」
「何?どうしたの?」
「佐紀ちゃん、昨日―…」
皆、 先輩に走りより、膝を付いて抱き合っている。訳が分からなくて戸惑う先輩と、安心して泣きながら先輩に抱きついてる子、そして、先輩に、昨日の事を説明し出す穂高さん達を、置いて、俺は、教室を出た。
両手で掴んでるモノ達をどうすればいいのか分からずに、掴んだまま、玄関に向かい、少し苦労して靴を履き替え、ダッシュで家に向かう。
走りながら、昨日も、こんな感じで、全速力で走って帰った事を、思い出し、少し脱力してしまった。
早く終わりにしてしまいたい…
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