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第二章 四大精霊
四十七話
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神様の話が出たからというわけではないけれど、今日は、ばあちゃんが、祭りの時によく作っていた筑前煮。鳥むね肉を買っておいたので、一口大に切り、根菜類も大きめの乱切りにし、よく油で炒めてから、だし汁で煮ていく、蒟蒻も大きめにちぎって、下茹でしたものを入れ、砂糖と醤油を入れて煮込んでおく。
後は、ご飯と、人参の糠漬けと、大根の味噌汁…んー、緑がない…瑞樹に小松菜を取ってきてもらいゴマ和えにして、夕飯の完成だ。
「で、どうなったの?」
瑞樹やファラム、妖精さん達に、手伝ってもらい、テーブルに並べて、正兄達に声をかけ、話し合いがどうなったのか聞く。
「神棚は、作らないことにしたけど、宝石を入れる箱は用意することになった。後、上下関係なく、もっと、フランクに話そうということで、落ち着いた」
「あっ、いや、それもだけど…ダリルくん達は、神様でいいの?」
「えっ?ああ、さっきも言っていたけど、日本だと、神様になるな、地の神、水の神、風の神、火の神、というところかな」
「僕達は、そうですけど、キルが火の神というのは、少し違うような…」
[そうね。キルは火の精霊ではないものね]
「違うの?四大精霊って、地と水と風と火じゃないの?」
「それは、人間が言い出したのであって、自然界で、僕達が代表という訳ではないですよ。精霊は、色々な所にいますし、力もまちまちですから、ただ、僕達と火の精霊は、あまり相性がよくないんですよ」
「そう、正也の回りにいる子達なら、火の精霊と仲良く出来そうだけど、あたしだと、直ぐに消滅させちゃうから、力の加減が難しくて、一緒にいられないわ」
今日は、こちらのテーブルで、瑞樹に給仕させていたアルフさんの言葉に、里芋を頬張っていたファラムが、コクコクと頷きだした。
「ファラムもそうだね。僕も、火の精霊は苦手なんですよ。樹木の精霊と仲の良い僕の仲間なら、火の精霊とも上手くやっていけるのですが、僕は、どちらかというと、地の底にあるモノ達と相性が良いので、火の精霊を消滅させてしまう方が多いんですよね」
「ファラムは、水だから分かるけど…地の底って、ああ、火は酸素が必要だからか」
「ファンタジーだと、イフリートとか、上位の精霊として、凄い力を持っているように書かれているけど違うの?」
「イフリートですか…」
ダリルくんが、少し困ったように、顔をしかめめ、アルフさんは、ため息をついた。
「キルが、人形になってから力を使ったら、イフリートって、言われたけど、キルは、イフリートの仲間でもないわ、イフリートの炎は、人間には脅威かもしれないけど、あたし達じゃねー」
「相性が悪すぎるんですよ。正也さんが言ったように、僕達の力は、無酸素状態になってしまうので、イフリートでは、僕達と一緒にいても、力が半減どころか、無くなってしまいますからね。その点、キルなら、僕達の力を、乗数で増幅させることが出来るので、僕達にとっても、キル自信も、力の使い道が広がって、いい関係でいられるのです」
「キルさんって、そもそも、何の精霊なの?」
「そうですねー、種族としては、僕と同じ、地の精霊に近いような感じですかね。でも、生まれを考えると大気の精霊なのかな?」
「ん?どういうこと?なんの精霊か知らないの?」
「ええ、キルは、噴火した火山の熱溜りから生まれた精霊なんですよ。山頂の岩場に適したモノの形を模していたら、サラマンドラとか、サラマンダーなんて言われて、火の近くにいたから、火の精霊に間違われただけで、キルの力自体は、僕らの下、マグマの力を有しています」
「「「はぁ?」」」
たっ 確かに、熱を司っているとかなんとか言っていたけれど…マグマって…
「マグマって…熱でとけた岩石だっけ?」
「そうですね」
「岩石が熔ける温度って…」
「何千度?」
「分からん、そもそも、そんな膨大な熱量を制御出来るのか?それに…なんか、恐ろしい考えが、浮かんで来たけど…考えない、考えない…」
正兄が、なんか一人で、ぶつぶつ言い出した。ちょっと、危ない人みたいだから、やめて欲しいけど、恐ろしい考えって?
「キルは、というか、僕達は、好奇心旺盛なので、新しい事をするのが好きなんですよ。なので、創造力がある人間達に興味があってずっと一緒にいたのです。でも…多分、正也さんが、考えている恐ろしい事が出来る。と気づいた者達が、後先考えず、僕達の力を欲しがり、主の性格を歪めていったのです。自我に目覚めた僕達が、気づいた時には、遅かったですけど…」
よく、分からないけど、七代目の事なんだろうな…どんな恐ろしい事をしでかしたんだ?でも…
「それなんだけどさぁ?人間なんかより、力があるんだから、人間の言うことなんて、無視できるんじゃないか?主が、気に入らなければ契約破棄とか、出来ないの?」
ちょっと、思いついた事を口にしたら、精霊達の様子がなんだかおかしくなった。
「確かに、力は強いですけど…」
「契約破棄なんて、寂しいこと言わないで下さい…」
「うっ…」
「えっ?ファラム?」
抱っこしていたファラムが、突然泣き出した。
後は、ご飯と、人参の糠漬けと、大根の味噌汁…んー、緑がない…瑞樹に小松菜を取ってきてもらいゴマ和えにして、夕飯の完成だ。
「で、どうなったの?」
瑞樹やファラム、妖精さん達に、手伝ってもらい、テーブルに並べて、正兄達に声をかけ、話し合いがどうなったのか聞く。
「神棚は、作らないことにしたけど、宝石を入れる箱は用意することになった。後、上下関係なく、もっと、フランクに話そうということで、落ち着いた」
「あっ、いや、それもだけど…ダリルくん達は、神様でいいの?」
「えっ?ああ、さっきも言っていたけど、日本だと、神様になるな、地の神、水の神、風の神、火の神、というところかな」
「僕達は、そうですけど、キルが火の神というのは、少し違うような…」
[そうね。キルは火の精霊ではないものね]
「違うの?四大精霊って、地と水と風と火じゃないの?」
「それは、人間が言い出したのであって、自然界で、僕達が代表という訳ではないですよ。精霊は、色々な所にいますし、力もまちまちですから、ただ、僕達と火の精霊は、あまり相性がよくないんですよ」
「そう、正也の回りにいる子達なら、火の精霊と仲良く出来そうだけど、あたしだと、直ぐに消滅させちゃうから、力の加減が難しくて、一緒にいられないわ」
今日は、こちらのテーブルで、瑞樹に給仕させていたアルフさんの言葉に、里芋を頬張っていたファラムが、コクコクと頷きだした。
「ファラムもそうだね。僕も、火の精霊は苦手なんですよ。樹木の精霊と仲の良い僕の仲間なら、火の精霊とも上手くやっていけるのですが、僕は、どちらかというと、地の底にあるモノ達と相性が良いので、火の精霊を消滅させてしまう方が多いんですよね」
「ファラムは、水だから分かるけど…地の底って、ああ、火は酸素が必要だからか」
「ファンタジーだと、イフリートとか、上位の精霊として、凄い力を持っているように書かれているけど違うの?」
「イフリートですか…」
ダリルくんが、少し困ったように、顔をしかめめ、アルフさんは、ため息をついた。
「キルが、人形になってから力を使ったら、イフリートって、言われたけど、キルは、イフリートの仲間でもないわ、イフリートの炎は、人間には脅威かもしれないけど、あたし達じゃねー」
「相性が悪すぎるんですよ。正也さんが言ったように、僕達の力は、無酸素状態になってしまうので、イフリートでは、僕達と一緒にいても、力が半減どころか、無くなってしまいますからね。その点、キルなら、僕達の力を、乗数で増幅させることが出来るので、僕達にとっても、キル自信も、力の使い道が広がって、いい関係でいられるのです」
「キルさんって、そもそも、何の精霊なの?」
「そうですねー、種族としては、僕と同じ、地の精霊に近いような感じですかね。でも、生まれを考えると大気の精霊なのかな?」
「ん?どういうこと?なんの精霊か知らないの?」
「ええ、キルは、噴火した火山の熱溜りから生まれた精霊なんですよ。山頂の岩場に適したモノの形を模していたら、サラマンドラとか、サラマンダーなんて言われて、火の近くにいたから、火の精霊に間違われただけで、キルの力自体は、僕らの下、マグマの力を有しています」
「「「はぁ?」」」
たっ 確かに、熱を司っているとかなんとか言っていたけれど…マグマって…
「マグマって…熱でとけた岩石だっけ?」
「そうですね」
「岩石が熔ける温度って…」
「何千度?」
「分からん、そもそも、そんな膨大な熱量を制御出来るのか?それに…なんか、恐ろしい考えが、浮かんで来たけど…考えない、考えない…」
正兄が、なんか一人で、ぶつぶつ言い出した。ちょっと、危ない人みたいだから、やめて欲しいけど、恐ろしい考えって?
「キルは、というか、僕達は、好奇心旺盛なので、新しい事をするのが好きなんですよ。なので、創造力がある人間達に興味があってずっと一緒にいたのです。でも…多分、正也さんが、考えている恐ろしい事が出来る。と気づいた者達が、後先考えず、僕達の力を欲しがり、主の性格を歪めていったのです。自我に目覚めた僕達が、気づいた時には、遅かったですけど…」
よく、分からないけど、七代目の事なんだろうな…どんな恐ろしい事をしでかしたんだ?でも…
「それなんだけどさぁ?人間なんかより、力があるんだから、人間の言うことなんて、無視できるんじゃないか?主が、気に入らなければ契約破棄とか、出来ないの?」
ちょっと、思いついた事を口にしたら、精霊達の様子がなんだかおかしくなった。
「確かに、力は強いですけど…」
「契約破棄なんて、寂しいこと言わないで下さい…」
「うっ…」
「えっ?ファラム?」
抱っこしていたファラムが、突然泣き出した。
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