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kaoru

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第四章 節約生活?

九十二話

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『で、本屋でなに買うの?』

 …母さんが、小さくなって右肩に座りながら聞いてきた。

 瑞樹と一緒に家を出たけど、瑞樹は、ホームセンターと苗屋に行くと言って途中で別れた。そして、母さんは、迷った末、本屋を選んで俺の方についてきた。
 因みに、妖精達は、しばらく外出はしないといって、お留守番(ルルが車にぶつかったのが、ひびいているらしい…)なので、手羽元と一緒に煮込む茹で玉子をお願いしてきた。
 精霊達は、姿を消した状態で…左肩にファラムは良いとして…ちっこいサラマンダーのキルさんは頭の上、家の中だと慣れた感じがしてたけど、外に出るとちょっと落ち着かないんだよなぁ…
 まぁ、瑞樹は、ダリルくんが左肩、アルフさんが右肩…ルフナさんを頭に乗せて、顔をひきつらせていたけど、何かヘマしないように祈ってよう…

『んっと、正兄が時間取れれば旅行しようって、言っていたから、ガイドブックを見に行こうかなぁっと思って』

『最近、正也が気になっている作家さんが、四国に居るから行きたいって言っていたけど、それの事?』

『そう、今朝食べたレモンタルトのレモンを作った農園が四国らしくて、ついでに、個人で契約出来ないか聞いてみたいからって、言ってたから』

『あら、そうだったの?あれ、美味しかったわね。そういう事なら、賛成だけど…今年は、無理じゃない?』

『ん?どうして?』

『だって、四国の徳島と言えば…』

『あっ、阿波おどり!っいつ?』

『八月中旬ぐらいよねぇ、確か、お盆辺りでしょ。その前?後?いずれにしても、かなり忙しいわよ。それに、よさこい祭りとかもあるんじゃなかった?私は、四国の方は行ったことないから、よく分からないけど、混んでそうじゃない?まぁ、夏休みなんて、どこもかしこも、混んでいるでしょうけど…皆と行くなら、ちゃんと計画しないと、楽しめないんじゃない?』

『そうか、俺達だけなら、行き当たりばったりの旅行でも良いけど…折角だから、みんなと楽しみたいしなぁ』

『そういうことなら、早めに計画して、旅館とか予約して、郷土料理とか食べれた方がいいんじゃない?その為に、費用とかも貯めないといけないかもだしね』

『うっ、確かに…そういう方がいい気がする…妖精達の食欲考えると…俺もバイトしようかな…』

『あれ、あの学校って、バイトOKだっけ?』

『一応ね。届け出は必要だけど、割りと寛大みたい、社会勉強として、やっておいた方が良いって考えの先生が多いみたい』

『ふーん、でも、人嫌いな光輝が出来るバイトって…』

『嫌いじゃないよ。ちょっと、苦手なだけ…』

『はいはい、でも、将来、お店出したいのなら、飲食店が良いわよね。まずは、皿洗いから始めて、接客もちゃんと出来る様にしておいた方が良いわよねぇ。いくら、料理人志願でも』

『えっ?厨房の中だけじゃダメかな?』

『私もどちらかというと、職人気質だから、分からなくないけど…自分の作ったものをどう扱われるのか見ておくのも勉強だと思うけどなぁ…って、これは、父さんの意見だけどね。作るのが楽しくて、それだけで良いと思っていたからねぇ、まぁ、私は、反発してその後は気にしないまま、人生終わったけどね』

『…じいちゃんの意見か…うーん、確かに、喜んで食べてくれる姿は好きだよ。また、美味しいもの作ろうって、やる気に繋がるしね』

『そうでしょ。でも、人が大勢集まれば、違う意見も出てくるからね。何事も勉強よ。人間だったときは、出来なかったけど、今は、そう思っていろんなもの見るようにしてるの、そうしたら、楽しいのよ。もっと、早く気がつけばよかったわ』

……いろんなものを見るねぇ。

 

 

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