エレメント

kaoru

文字の大きさ
120 / 125
第五章 貯め活開始…

百一話

しおりを挟む
「姉さんの話の前に、光輝、食洗機使ったのか?」

「え?うん、バイトで使ったよ」

「マジか、俺の時は、まだ入れてなかったから、全部、手洗いだった」

「えっ、あの量全部…そうか、そうだよね。スゴいね」

 あの量を全部、手洗いで回してたんだ…飲食店に食洗機があるのが当たり前な感じがしてたけど、機械がなかった時代は全部人がやっていたわけで…でも、精霊達がいれば、食洗機より、早い上に冷ましてももらえて、すぐ盛り付けられるなぁ…

「外観は変わってないけど、やっぱり、十年以上たてば、変化はあるか…機械で楽になった上に時給も上がってるんだから、良いなぁ」

  俺が、機械と精霊達の能力比べてると、正兄が羨まし気にグチり出した。正兄の時は、時給六百円、今は、八百五十円になっている。

「何、言っているのよ。時給が上がったって、物価が上がっていたんじゃ、同じでしょ。」

「えー、まぁ、そうか?そうだな…消費税も上がってるし、数字を見れば多くなっている気になるけど、消費の方も上がっていれば、同じか」

「そうよ。それに、私達が子供の頃なんて、消費税自体なかったじゃない。バスだって、家から駅まで、六百円位で行けたわよ」

「「えっ?ウソ!!」」

 瑞樹とハモってしまった。

 消費税がなかった…なかったんだ…良いなぁ。それに、母さんが『家から』っていうことは、じいちゃん家ってことだろ、今なんて、あそこから駅まで、千円以上掛かる…殆ど倍近く値上げされてたんだ…ということは、昔だったら、五百円以下で保ん家まで行けたのか?

「そういえば、そうだ。俺の時は、八百円代だったけ。たしか、兄貴達の高校時代なんて、毎年、ストライキとかあったって言ってたな」

「ストライキって?」

「え?ああ、あれ何月だった?確か九月?十月とかだったかな?バス会社の社員がストライキ起こしてたんだ。給料アップとか言ってさ、で、その度に、運賃が二、三十円ずつ上がっていったんだよ。だからかな、段々と、親、兄弟が、高校の送り迎えするのが増えたんだよな」

 ストライキか…今は、聞かないなぁ…でも、そうか、そうやって、値上げされてたんだ。
 そういえば、保達も、バス利用者少ないから、ほぼ貸し切り状態とか言っていたことあったなぁ。定期代より、ガソリン代の方が安いから、時間的に余裕のある家は、送り迎えしてくれているんだよなぁー
 
 確かに、給料上げる為には、運賃や運行量上げないと回らない訳で…運行量増やすにしても、バスや運転手が必要で…そうなると、経費や人件費が増えて…でも、運賃高いから、利用者が減っているのが、問題で…利用者がいなければ、回収も出来ないわけで…

「うー、また、難しい話題に持ってくぅ」

  瑞樹も同じような、考えしてたらしい…眉間にしわ寄せて唸った。

「ふふ、バス会社の事まで考える必要ないわよ。それより、私の編み針は?」

「ああ、確かとってあったよ。母さんの裁縫道具と一緒に…どこしまったかなぁ?」

「あっ、それなら、俺のクローゼットの棚にあげておいたハズ、見てくるよ」

 俺がそう言って、自室に向かう。自然とキルさんとファラムがついてくる。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完】お兄ちゃんは私を甘く戴く

Bu-cha
恋愛
親同士の再婚予定により、社宅の隣の部屋でほぼ一緒に暮らしていた。 血が繋がっていないから、結婚出来る。 私はお兄ちゃんと妹で結婚がしたい。 お兄ちゃん、私を戴いて・・・? ※妹が暴走しておりますので、ラブシーン多めになりそうです。 苦手な方はご注意くださいませ。 関連物語 『可愛くて美味しい真理姉』 エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高13位 『拳に愛を込めて』 ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高29位 『秋の夜長に見る恋の夢』 ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高17位 『交際0日で結婚!指輪ゲットを目指しラスボスを攻略してゲームをクリア』 ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高13位 『幼馴染みの小太郎君が、今日も私の眼鏡を外す』 ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高8位 『女社長紅葉(32)の雷は稲妻を光らせる』 ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高 44位 『女神達が愛した弟』 エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高66位 『ムラムラムラムラモヤモヤモヤモヤ今日も秘書は止まらない』 エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高32位 私の物語は全てがシリーズになっておりますが、どれを先に読んでも楽しめるかと思います。 伏線のようなものを回収していく物語ばかりなので、途中まではよく分からない内容となっております。 物語が進むにつれてその意味が分かっていくかと思います。

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

処理中です...