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冒険の始まり
ハバー大陸一周の旅 36
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「モン族の中では悪目立ちするので、シーズの集落に預けたのだ。ワシが関与していることも、良いことばかりではないのでな、その辺も、伏せられておったのだ」
「それにしても、もう少し、その時の事を教えておいても良かったんじゃないの?」
タリクさんを見てると、なんか、苦労してきたんだなぁって思ってしまう。
「そうか?ワシは、正解だと思っておるが?カトリーナを娶り、クラリー達の様な子宝にも恵まれ、幸せそうではないか」
「今は、そうだけどさ。はぁー、試練を乗り越えってヤツか…」
「分かっとるではないか、ため息をつくと、幸福が逃げるのではないか?」
「誰のせいだ!神々の暇潰しの為に、俺達がいる訳じゃないんだぞ!」
「何を当たり前なことを、我らの予想なんて、及びもしないことをしでかすから、面白いのではないか」
「ん?いや、だから…」
「ワシは、お主らの始祖も知っているが、あれは凄かったぞ。手先が器用で、あれが作れぬものはないのではと思うほどいろんなモノを作り上げた。セルヴァンとは違い、不死ではなかったから、もうおらんが、良いヤツだった」
どうした?急に昔話なんて…
「ワシも、長い年月の中、気に入った娘もおったから、子が出来たりもしたが、大半は黄泉へと旅立ってしまった。じゃが、その子達の事は、ちゃんと覚えておる。最期も笑って旅立って行った。その時の笑顔も忘れてはおらんぞ。セルヴァンは、己の子の旅立ちに耐えきれずに、暫く引き込もっておったがのう…妖精属はまだ寿命が長いから、ある程度は一緒にいられるが、人属は…あっという間だ。特に、人属の獣人は早い、何故あのようになってしまったのか…魔力を持たない動物に関しては、更にだ。どうしてだと思う?」
「え?急にそんな事、言われても…神々がそういう風に創ったんじゃないのか?」
「神々が創り出したのは、我々、原初の精霊だけだ。後は、自然発生だ。そして、そんな中、寿命が短いモノが生まれるようになった。そして、竜種は、その短い寿命の者から、竜王に上り詰め、再び長い時を生きられるようになった。凄いと思わぬか?」
「凄いと思う。思うけど…突然なんだよ。何が言いたい?」
「輪廻転生の術が使える竜王に、同じ様な転生の術の継承者のミンテ、神に等しい雪の女王と繋がっているユキ、神が打った太刀として、新たに魂を得て魔獣になった地竜の剣、ワシやシスが造ったココとバレン…」
「あれ?それって、もしかして、俺やリョウ、クラリーちゃん以外って…不死?」
「いや、そうではない。リョウとクラリー以外が不死なのだ」
「んんん?はぁ?俺も?いや、なんで?聞いてないよ」
「当初、お主が、三、四百歳になったら、言うつもりでおったが、リョウやクラリーの保護者になったのでな、神々の間で、教えておいた方が良いと、昨夜決まったのだ。早いうちから、心構えが出来るようにとな」
はぁ?いや、え?
えーと、リョウの鍛練の話をして、クラリーちゃんの事から、人魚族の話をして、タリクさんの生い立ちについてはなして…そして、え?俺が、不死?
え?神と同じってこと…?
「なんで?」
「ふむ、ワシらにも、ハッキリしたことは、分からんが、ユピロー様やシスの血のせいであろうな」
「父さんに、リッジ…兄ちゃんや姉ちゃん達は?」
おっさんが、黙って首を横に振る。
「俺だけ?」
「そのようだ」
「え?でも、鑑定書には、そんな事、書かれてなかった」
「秘匿にしておったからな」
「俺だけ、シスやおっさんに預けられたりしたのは…」
「生まれた時点で、ワシらでもよくわからん状態だったのだ。お主の能力を知りたかったのと、純粋に、鍛えておきたかったのだ。あらゆる事に備えてな」
「まさか、ガランに蠱毒に投げ込められたのも?」
「いや、あれは、計算外だ。あの時は、本に焦ったぞ!ガランの酒癖の悪さは知っておったが、まさか、あのように暴走するとは、あの後、ワシも、ユピロー様に、こってりと絞られたのだ」
「ふーん」
「本当だぞ!」
「…不死か」
いきなりそんな事、言われてもな…
「まぁ、あまり気にせず、今まで通りでよい。将来的には、空か天上で暮らしてよいともユピロー様も言っておったしな」
ああ、そうだな。不死なら、世界を回りきっても生きてるな…でも、 その時、リョウ達は…
ああ、だから、ミンテだったのか…
人族のリョウの保護者になる時に、寿命の問題はちゃんと考えた。考えた上で、面倒をみると決めたのだ。だから、ある程度は、心構えが出来ていた。
しかし、不死か…
リョウの鑑定に、長寿の秘薬の事が載っていたのは、この為か?
クラリーちゃんの、体質変化なんかも…
集落の虫の事といい、本当に、ウチの神々は、過保護だなぁ…
「泣くなら、胸を貸そうか?」
「ふん!誰が、おっさんの胸で泣くか!」
「可愛くないのう…、昔は、ピーピー泣いて、すがってきたのにのう。年々、変に強がって可愛くなくなるのう。クラリーを見習え」
「うっさいは、そんな暇がないだけだ。そうと分かれば、リョウやクラリーちゃんの、希望を聞いて、目一杯、楽しめさせないと!」
「ククク、我らの、気持ちがもう理解できたか」
ハッとして、周りを見れば、おっさんと一緒に、烈震やバレンまで、頷いている…
しかし、昨夜、神について、あんな発言したばかりなのに…その、仲間入りなのか?いや、あんな発言したから、嫌がらせか?
「お主…本に、可愛くないのう…」
「それにしても、もう少し、その時の事を教えておいても良かったんじゃないの?」
タリクさんを見てると、なんか、苦労してきたんだなぁって思ってしまう。
「そうか?ワシは、正解だと思っておるが?カトリーナを娶り、クラリー達の様な子宝にも恵まれ、幸せそうではないか」
「今は、そうだけどさ。はぁー、試練を乗り越えってヤツか…」
「分かっとるではないか、ため息をつくと、幸福が逃げるのではないか?」
「誰のせいだ!神々の暇潰しの為に、俺達がいる訳じゃないんだぞ!」
「何を当たり前なことを、我らの予想なんて、及びもしないことをしでかすから、面白いのではないか」
「ん?いや、だから…」
「ワシは、お主らの始祖も知っているが、あれは凄かったぞ。手先が器用で、あれが作れぬものはないのではと思うほどいろんなモノを作り上げた。セルヴァンとは違い、不死ではなかったから、もうおらんが、良いヤツだった」
どうした?急に昔話なんて…
「ワシも、長い年月の中、気に入った娘もおったから、子が出来たりもしたが、大半は黄泉へと旅立ってしまった。じゃが、その子達の事は、ちゃんと覚えておる。最期も笑って旅立って行った。その時の笑顔も忘れてはおらんぞ。セルヴァンは、己の子の旅立ちに耐えきれずに、暫く引き込もっておったがのう…妖精属はまだ寿命が長いから、ある程度は一緒にいられるが、人属は…あっという間だ。特に、人属の獣人は早い、何故あのようになってしまったのか…魔力を持たない動物に関しては、更にだ。どうしてだと思う?」
「え?急にそんな事、言われても…神々がそういう風に創ったんじゃないのか?」
「神々が創り出したのは、我々、原初の精霊だけだ。後は、自然発生だ。そして、そんな中、寿命が短いモノが生まれるようになった。そして、竜種は、その短い寿命の者から、竜王に上り詰め、再び長い時を生きられるようになった。凄いと思わぬか?」
「凄いと思う。思うけど…突然なんだよ。何が言いたい?」
「輪廻転生の術が使える竜王に、同じ様な転生の術の継承者のミンテ、神に等しい雪の女王と繋がっているユキ、神が打った太刀として、新たに魂を得て魔獣になった地竜の剣、ワシやシスが造ったココとバレン…」
「あれ?それって、もしかして、俺やリョウ、クラリーちゃん以外って…不死?」
「いや、そうではない。リョウとクラリー以外が不死なのだ」
「んんん?はぁ?俺も?いや、なんで?聞いてないよ」
「当初、お主が、三、四百歳になったら、言うつもりでおったが、リョウやクラリーの保護者になったのでな、神々の間で、教えておいた方が良いと、昨夜決まったのだ。早いうちから、心構えが出来るようにとな」
はぁ?いや、え?
えーと、リョウの鍛練の話をして、クラリーちゃんの事から、人魚族の話をして、タリクさんの生い立ちについてはなして…そして、え?俺が、不死?
え?神と同じってこと…?
「なんで?」
「ふむ、ワシらにも、ハッキリしたことは、分からんが、ユピロー様やシスの血のせいであろうな」
「父さんに、リッジ…兄ちゃんや姉ちゃん達は?」
おっさんが、黙って首を横に振る。
「俺だけ?」
「そのようだ」
「え?でも、鑑定書には、そんな事、書かれてなかった」
「秘匿にしておったからな」
「俺だけ、シスやおっさんに預けられたりしたのは…」
「生まれた時点で、ワシらでもよくわからん状態だったのだ。お主の能力を知りたかったのと、純粋に、鍛えておきたかったのだ。あらゆる事に備えてな」
「まさか、ガランに蠱毒に投げ込められたのも?」
「いや、あれは、計算外だ。あの時は、本に焦ったぞ!ガランの酒癖の悪さは知っておったが、まさか、あのように暴走するとは、あの後、ワシも、ユピロー様に、こってりと絞られたのだ」
「ふーん」
「本当だぞ!」
「…不死か」
いきなりそんな事、言われてもな…
「まぁ、あまり気にせず、今まで通りでよい。将来的には、空か天上で暮らしてよいともユピロー様も言っておったしな」
ああ、そうだな。不死なら、世界を回りきっても生きてるな…でも、 その時、リョウ達は…
ああ、だから、ミンテだったのか…
人族のリョウの保護者になる時に、寿命の問題はちゃんと考えた。考えた上で、面倒をみると決めたのだ。だから、ある程度は、心構えが出来ていた。
しかし、不死か…
リョウの鑑定に、長寿の秘薬の事が載っていたのは、この為か?
クラリーちゃんの、体質変化なんかも…
集落の虫の事といい、本当に、ウチの神々は、過保護だなぁ…
「泣くなら、胸を貸そうか?」
「ふん!誰が、おっさんの胸で泣くか!」
「可愛くないのう…、昔は、ピーピー泣いて、すがってきたのにのう。年々、変に強がって可愛くなくなるのう。クラリーを見習え」
「うっさいは、そんな暇がないだけだ。そうと分かれば、リョウやクラリーちゃんの、希望を聞いて、目一杯、楽しめさせないと!」
「ククク、我らの、気持ちがもう理解できたか」
ハッとして、周りを見れば、おっさんと一緒に、烈震やバレンまで、頷いている…
しかし、昨夜、神について、あんな発言したばかりなのに…その、仲間入りなのか?いや、あんな発言したから、嫌がらせか?
「お主…本に、可愛くないのう…」
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