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Another Future
6th 鬼神の1人
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俺たちが目を開けた時、そこは学校だった。わけも分からず周りを見渡すと、早霧さんと陽星はもう起きていた。教師達やクラスメイトも何人か集まっていた。
「由季!!大丈夫か!?」
陽星が慌てた様子で駆け寄ってきた。さっきまでの豹変ぶりが嘘のように、いつもの陽星だ。
「陽星…それよりお前は大丈夫なのか?」
怒りの感情もなくはなかったが、心配する気持ちの方が強かった。
「迷惑かけてほんとすまん!!自分でも制御できなくて、由季どころか友達にまで迷惑かけちゃったな…」
聞くなり陽星はすごい勢いで謝ってきた。先程までとはうって変わって、もう俺には怒りの感情はほとんどなかった。
話を聞くと、どうやら俺たちは【尾行】の能力で移動するのに失敗して、学校の校庭に投げ出されたらしい。早霧さんいわく、この能力の成功率は100%じゃないそうで…これが【尾行】のデメリットらしい。
校庭に投げ出されて、ちょうどそこにいた教師が能力を使って助けてくれたんだとか。どんな能力を使ってあの陽星を止めたのだろう。陽星を見る限り傷はついていなさそうなので、攻撃的なもので止めたということはないだろう。
「おやおや、大丈夫かな?御島君」
声のした方を見ると、柔和な笑みを浮かべた温厚そうな男の人がいた。
「天叢先生…」
そう呟いたのは早霧さんだった。どうやら2組の担任らしい。
「僕の能力がたまたま使えたから良かったものの、あと一歩で命を落とすところだったんだ。まず発見したところで、職員室にきなさい。」
優しいので怒られた気がしない。ただ、今回の件は俺にも非があったと思う。だから陽星にとやかく言うことはできない。
「ごめんなさい…怪我人はいましたか?」
そう聞いたが、おそらく怪我人が出てもこの学校にいる治癒系の能力者が治してくれるのだ。あまり心配はしていない。
「大丈夫、誰も怪我はしていないよ。今回は怪我人無しということで、浜村君に過剰な謹慎などは与えない。だが、今後日食の日は職員室に登校するように!」
天叢先生が優しく諭してくれる。だが、俺はこの人のことがあまり好きではない。なぜならこの人には怖い噂があって…
「おい御島!!授業もう始まってるぞ、早く来い!」
流石は能力者の学校といったところか。こんなことは日常茶飯事と言わんばかりにみんな黙々と授業を受けている。慌てて俺も授業に戻った。
教室に戻って恒例の痛い目線を受けたあと、俺は大人しく授業を受けた。そして放課後になり、いつも通り部室に行った。
「早霧さん!!今日はありがとうございましたそしてごめんなさい!!」
部室に入って俺が最初に放った言葉はそれだった。だが運の悪いことに、そこに早霧さんの姿はなかった。代わりにそこにいたのは…
「あら御島くん。今日は色々とお疲れでしたね。フフッ」
最後に嘲笑しているあたり、本当にこいつは性格が悪いのだと思う。あまり話さないからか、こいつが口を開くときはいつも悪口のような気がする。
「瀧川さん、今日のこと知ってたの?」
「知ってたも何もあんな大きい音で騒がれたら否が応でも耳に入るじゃない…」
ということは必然的に全校生徒が今日の騒動を知っているということか。最悪の目立ち方じゃないか…。
「それから、もう一つ」
瀧川さんが席を立った。ゆっくりと俺のそばに近づいてくる。ほのかなお吸いものの匂いが漂ってきた。ん?お吸いもの!?
「このお吸いものが先ほど真島先生から届いたので早速作ってみたわ。お一つどうぞ」
自分でも何を期待していたのかわからないが、すごく微妙な気持ちになった。
「その中にはある隠し味が入ってます。当てられたら、特別にいいことしてあげるわよ?」
瀧川さんが料理下手ならこの中に入っているものは大体予想がつく。だが、彼女のことをよく知らない俺は当てようがない。
「んと…血とか?」
わからないのでふざけた回答をしてみた。
「あら、正解よ。じゃあお礼に…」
嘘だろ!?俺はお吸いものを吹き出した。上着を掴んで急いでドアの方に向かったが、引いても開かなくなっていた。振り向くと瀧川さんの手が俺の頬に触れていた。
「うわ、やめて、やめてくれぇぇっ!」
と、叫んだ瞬間にドアが開いた。ドアにもたれかかる形になっていた俺はなす術なく倒れた。見上げると視界が白で埋まっていた。死んだのかと思い、手を開いて閉じてを繰り返す。だが次の瞬間に俺の下腹部に飛んできた強烈なパンチによって、俺は生きていることを実感させられた。
「由季くん、これはちょっとダメだよ…」
視界が開けて、完全に状況を把握した。ドアを開けたのは早霧さんで、倒れ込んだ俺につまずいて俺の顔面に座ったと…。死にたくなってきた。咄嗟に俺に腹パンを喰らわせた瀧川さんは楽しそうな顔で微笑んでいた。より一層死にたくなってきた。
「由季くんは罰として今日課された活動報告書を一人で全部まとめること!!」
そう言って早霧さんは来て早々帰っていった。一緒に帰るのだろう、瀧川さんも帰る準備をして出ていく。彼女は一体何をしたかったのだろう。さっぱりわからないまま俺は机につこうとした。しかし彼女の吐息がその行動を停止させた。
「今日したことは、早霧さんには秘密ね」
ふわりと桃の香りがして、俺の顔も桃のように熟れていった。
今の行動も含め、彼女は何をしたかったのか、さっぱりわからなかった。
「今日は1日疲れたなぁ…」
報告書を書き上げ、軽くのびをして帰る準備を始めた。部室を出ようとしたとき、またも異変に気づいた。
「あれ?開かない」
ガチャガチャとやってみたが、全く動く気配がない。思いっきり引いてみても反応がない。だが10分くらいたった頃、俺はまた顔を桃のように染め、部室を後にした。
引いてダメなら押してみるのもいいかもしれない。
その後帰宅途中にお腹がすいたので、近くのコンビニに立ち寄った。適当にサンドイッチなどを買って店を出た。それほど経っていないはずだが、雨がポツポツ降ってきていた。傘も雨合羽も持ってきていない俺は、仕方なく止むのを待つことにした。
「お、御島君じゃないか」
見ると、天叢先生が立っていた。
「こんばんは、今日はお世話になりました」
社交辞令のような挨拶を交わし、すぐに会話を終わらせようと思ったが相手側にその気はなかったようだ。
「何してるんだい?こんなところで」
「傘とか持ってなくて、雨が止むのを待ってるんですよ」
出来るだけ無愛想に返したつもりだったが、相手はお構いなしに絡んでくる。
「先生の能力で助けてあげよう」
あぁもう…と思いながらも、実はこの先生の能力は俺も知らないため、少し興味があった。そうして、相手の言う通りにしてみると。
「【天司】!!」
途端に空は満点の星空になった。流石にこれは俺もびっくりした。
「どう?すごいだろう?」
「ありがとうございます」
確かに能力はすごいが、あまりこの先生と関わらない方がいいと感じた。校長の【虫の知らせ】ではないが、何か危ないものを感じる。
「なんかさっきから無愛想すぎないかな?そんなに僕って話しにくいかな?」
そう言われると言いづらい。なんと言えばいいかわからず、お辞儀だけしてその場を去ろうとしたがそれは許されなかった。
「それとも、鬼神だからかな?」
先生の目が青く光り、剣のようなものが周りにでき始めた。これはまずいと思い、咄嗟に一歩後ずさる。それとほぼ同時に、大粒の雨が俺の頭上から降ってきた。黒い雲が浮かび上がり、雷の音が鳴った。
「鬼神の力、見たいのかな?」
天叢 弦気は、昼の温厚そうな微笑みとは違い、見るものを取り込むような眼差しで真っ直ぐ俺を見つめた。
「由季!!大丈夫か!?」
陽星が慌てた様子で駆け寄ってきた。さっきまでの豹変ぶりが嘘のように、いつもの陽星だ。
「陽星…それよりお前は大丈夫なのか?」
怒りの感情もなくはなかったが、心配する気持ちの方が強かった。
「迷惑かけてほんとすまん!!自分でも制御できなくて、由季どころか友達にまで迷惑かけちゃったな…」
聞くなり陽星はすごい勢いで謝ってきた。先程までとはうって変わって、もう俺には怒りの感情はほとんどなかった。
話を聞くと、どうやら俺たちは【尾行】の能力で移動するのに失敗して、学校の校庭に投げ出されたらしい。早霧さんいわく、この能力の成功率は100%じゃないそうで…これが【尾行】のデメリットらしい。
校庭に投げ出されて、ちょうどそこにいた教師が能力を使って助けてくれたんだとか。どんな能力を使ってあの陽星を止めたのだろう。陽星を見る限り傷はついていなさそうなので、攻撃的なもので止めたということはないだろう。
「おやおや、大丈夫かな?御島君」
声のした方を見ると、柔和な笑みを浮かべた温厚そうな男の人がいた。
「天叢先生…」
そう呟いたのは早霧さんだった。どうやら2組の担任らしい。
「僕の能力がたまたま使えたから良かったものの、あと一歩で命を落とすところだったんだ。まず発見したところで、職員室にきなさい。」
優しいので怒られた気がしない。ただ、今回の件は俺にも非があったと思う。だから陽星にとやかく言うことはできない。
「ごめんなさい…怪我人はいましたか?」
そう聞いたが、おそらく怪我人が出てもこの学校にいる治癒系の能力者が治してくれるのだ。あまり心配はしていない。
「大丈夫、誰も怪我はしていないよ。今回は怪我人無しということで、浜村君に過剰な謹慎などは与えない。だが、今後日食の日は職員室に登校するように!」
天叢先生が優しく諭してくれる。だが、俺はこの人のことがあまり好きではない。なぜならこの人には怖い噂があって…
「おい御島!!授業もう始まってるぞ、早く来い!」
流石は能力者の学校といったところか。こんなことは日常茶飯事と言わんばかりにみんな黙々と授業を受けている。慌てて俺も授業に戻った。
教室に戻って恒例の痛い目線を受けたあと、俺は大人しく授業を受けた。そして放課後になり、いつも通り部室に行った。
「早霧さん!!今日はありがとうございましたそしてごめんなさい!!」
部室に入って俺が最初に放った言葉はそれだった。だが運の悪いことに、そこに早霧さんの姿はなかった。代わりにそこにいたのは…
「あら御島くん。今日は色々とお疲れでしたね。フフッ」
最後に嘲笑しているあたり、本当にこいつは性格が悪いのだと思う。あまり話さないからか、こいつが口を開くときはいつも悪口のような気がする。
「瀧川さん、今日のこと知ってたの?」
「知ってたも何もあんな大きい音で騒がれたら否が応でも耳に入るじゃない…」
ということは必然的に全校生徒が今日の騒動を知っているということか。最悪の目立ち方じゃないか…。
「それから、もう一つ」
瀧川さんが席を立った。ゆっくりと俺のそばに近づいてくる。ほのかなお吸いものの匂いが漂ってきた。ん?お吸いもの!?
「このお吸いものが先ほど真島先生から届いたので早速作ってみたわ。お一つどうぞ」
自分でも何を期待していたのかわからないが、すごく微妙な気持ちになった。
「その中にはある隠し味が入ってます。当てられたら、特別にいいことしてあげるわよ?」
瀧川さんが料理下手ならこの中に入っているものは大体予想がつく。だが、彼女のことをよく知らない俺は当てようがない。
「んと…血とか?」
わからないのでふざけた回答をしてみた。
「あら、正解よ。じゃあお礼に…」
嘘だろ!?俺はお吸いものを吹き出した。上着を掴んで急いでドアの方に向かったが、引いても開かなくなっていた。振り向くと瀧川さんの手が俺の頬に触れていた。
「うわ、やめて、やめてくれぇぇっ!」
と、叫んだ瞬間にドアが開いた。ドアにもたれかかる形になっていた俺はなす術なく倒れた。見上げると視界が白で埋まっていた。死んだのかと思い、手を開いて閉じてを繰り返す。だが次の瞬間に俺の下腹部に飛んできた強烈なパンチによって、俺は生きていることを実感させられた。
「由季くん、これはちょっとダメだよ…」
視界が開けて、完全に状況を把握した。ドアを開けたのは早霧さんで、倒れ込んだ俺につまずいて俺の顔面に座ったと…。死にたくなってきた。咄嗟に俺に腹パンを喰らわせた瀧川さんは楽しそうな顔で微笑んでいた。より一層死にたくなってきた。
「由季くんは罰として今日課された活動報告書を一人で全部まとめること!!」
そう言って早霧さんは来て早々帰っていった。一緒に帰るのだろう、瀧川さんも帰る準備をして出ていく。彼女は一体何をしたかったのだろう。さっぱりわからないまま俺は机につこうとした。しかし彼女の吐息がその行動を停止させた。
「今日したことは、早霧さんには秘密ね」
ふわりと桃の香りがして、俺の顔も桃のように熟れていった。
今の行動も含め、彼女は何をしたかったのか、さっぱりわからなかった。
「今日は1日疲れたなぁ…」
報告書を書き上げ、軽くのびをして帰る準備を始めた。部室を出ようとしたとき、またも異変に気づいた。
「あれ?開かない」
ガチャガチャとやってみたが、全く動く気配がない。思いっきり引いてみても反応がない。だが10分くらいたった頃、俺はまた顔を桃のように染め、部室を後にした。
引いてダメなら押してみるのもいいかもしれない。
その後帰宅途中にお腹がすいたので、近くのコンビニに立ち寄った。適当にサンドイッチなどを買って店を出た。それほど経っていないはずだが、雨がポツポツ降ってきていた。傘も雨合羽も持ってきていない俺は、仕方なく止むのを待つことにした。
「お、御島君じゃないか」
見ると、天叢先生が立っていた。
「こんばんは、今日はお世話になりました」
社交辞令のような挨拶を交わし、すぐに会話を終わらせようと思ったが相手側にその気はなかったようだ。
「何してるんだい?こんなところで」
「傘とか持ってなくて、雨が止むのを待ってるんですよ」
出来るだけ無愛想に返したつもりだったが、相手はお構いなしに絡んでくる。
「先生の能力で助けてあげよう」
あぁもう…と思いながらも、実はこの先生の能力は俺も知らないため、少し興味があった。そうして、相手の言う通りにしてみると。
「【天司】!!」
途端に空は満点の星空になった。流石にこれは俺もびっくりした。
「どう?すごいだろう?」
「ありがとうございます」
確かに能力はすごいが、あまりこの先生と関わらない方がいいと感じた。校長の【虫の知らせ】ではないが、何か危ないものを感じる。
「なんかさっきから無愛想すぎないかな?そんなに僕って話しにくいかな?」
そう言われると言いづらい。なんと言えばいいかわからず、お辞儀だけしてその場を去ろうとしたがそれは許されなかった。
「それとも、鬼神だからかな?」
先生の目が青く光り、剣のようなものが周りにでき始めた。これはまずいと思い、咄嗟に一歩後ずさる。それとほぼ同時に、大粒の雨が俺の頭上から降ってきた。黒い雲が浮かび上がり、雷の音が鳴った。
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