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危険(?)な夜
P31
しおりを挟む「……彼氏……」
一輝くんが訊いたこと。
それは私に彼氏がいるのかどうか。
一輝くんの様子は不安そうな感じに見える。
そんな一輝くんのことを見ていると。
なんだか少し気の毒になってくる。
「いないよ」
気の毒、一輝くんが。
そう思った。
だから、すぐに返答した。
「本当?」
だけど。
一輝くんの不安。
それは消えていない。
そんな感じに見える。
「うん」
一輝くんが感じている不安。
それを和らげたい、少しでも。
そう思った。
なので返事をした。
はっきり『うん』と。
「ほんとに本当?」
一輝くんの不安。
それは消えた。
そう思ったけれど。
一輝くんは、まだ不安が残っているように見える。
「そんなこと噓をついてどうするの」
こう言った。
だから。
今度こそ。
伝わったよね?
「そうだけど……」
伝わる、ちゃんと一輝くんに。
そう思ったけれど。
一輝くんは、まだ引っかかっている様子。
「だって」
「だって?」
「こんなにも可愛い結菜ちゃんだよ。
男だったら、そんな結菜ちゃんのことを相手にしないわけないよ」
『こんなにも可愛い』
その言葉は嬉しい、ものすごく。
だけど。
それと同時に恥ずかしさも込み上げてくる。
「そんなことないよ、私なんか。
一輝くん、褒め過ぎだよ」
褒め過ぎ。
本当にそう思った。
だから一輝くんにそう言った。
「褒め過ぎなんかじゃない。
結菜ちゃんは誰から見ても魅力的な女性だよ」
褒められ過ぎる。
そうすると、やっぱり恥ずかしい。
一輝くんのその言葉。
それが、とてもこそばゆい感じがする。
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