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ちょっぴりイジワルな君だけど……。
P139
しおりを挟む一輝くん。
いつの間に。
こんなにも頼もしくなったのだろう。
二・三年前までの一輝くんは。
お世辞にも頼もしいとは言えなかった。
だけど。
違う、今は。
なっている、すっかり。
頼りになる男の人に。
想う、一輝くんのことを。
その想い。
募らせていく、日に日に。
わかる、はっきりと。
そのことが。
一昨日よりも昨日。
昨日よりも今日。
一輝くんへの想い。
その想いは募るばかり。
これ以上、想いを募らせたら。
どうにかなってしまいそうなくらいに。
そう思い感じながら。
しがみつく、よりぎゅっと。
一輝くんに。
「結菜ちゃん、ほんと可愛い」
一輝くんはそう言い。
一輝くんの部屋に入っていく。
一輝くんは、私をそっとベッドに下した。
そのあと一輝くんもベッドに上がり。
私のことを覆いかぶさる。
私の真上にいる一輝くん。
消えている、部屋の照明は。
だけど。
見える、よく。
思ったよりも。
一輝くんの顔が。
月明かりで。
やさしい月明かりの光。
それによって見える一輝くんの顔。
美し過ぎてまぶしいくらい。
そんな一輝くん。
見つめている、じっと。
私のことを。
高鳴る胸の鼓動。
あまりにも高鳴り過ぎて。
心配なる。
心臓がもつかどうか。
感じたい、近くに。
一輝くんのことを。
だけど。
感じ過ぎる、近くに。
そうすると。
心臓がとんでもないことになりそうで。
それなら一体どうすればいいのだろう。
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