20 / 45
第2章 最初の開拓
始まりの路上ライブ
しおりを挟む
もともと闇ギルドとこの国で評されている場所があった跡地。
昨日の経験を考えて見るとあの場所が『闇ギルド』なんて言われていたことも何かとわかってしまうものだった。
自分たちを捕縛した赤髪の女ジルを筆頭にした集団の人相の悪さと世紀末のような恰好をした姿はどことなく悪目立つ。なによりもあの場所にあった地下で見た光景は暗く人を監禁しておくような環境がしっかりとあるなんて悪さをするような施設としか思えない。
彼女たちも言っていた『闇ギルド』は悪の巣窟であり、非合法的活動をする輩の請負所だという説明も納得できてしまった内容。
この世界の闇ともいえる場所に召喚されて真っ先に触れさせられたからこそこの悲しい世界のことを変えることに勇気を持って行動を起こせるのだろうとさえ思えた。
今はその闇ギルドの崩落跡地にいる俺らに観衆の注目が集まっている。
「なんだ?」
「勇者様だ」
「何かを始めるのか?」
「昨日のようなことでもするのかぁ」
俺らのネームバリューとその知れた顔でどんどんと人は集まっていた。
復興作業中のところに押しかけるなんて非常識なんてことも思えてしまうが種村さんはこの場所をそれでも指定した意図を俺は彼女の傍に立っていてなおわからない。
「あの、こんな場所でマジでするんですか?」
「ココだからいいの。ここで私たちは決意した。この国を変えると。そして、悲劇の場所ともなった場所をまずは光に変える。良い思い出に変えるの。さあ、盛り上げてよね」
なんて無茶ぶりを振られて俺も意志を決め込んで大きく息を吸って叫んだ。
「さぁ、みなさんこれから始まるのはアイドル声優、種村雪菜の異世界初の路上ライブです! これは貴重ですよ!」
大きな声で叫んでアピールする。
周囲の観衆には『ライブ』という意味がわかっていないのだろう。
それをわからせるようにして種村さんが歌い始めてくれた。
すると、みんなが驚きながらも昨日のことを思い出したかのように顔に喜びの表情を見せ、明るさを見出していった。
復興作業中の騎士たちも手を止めてこちらに意識を向けている。
「さあ、みんなで盛り上がっていきましょう!」
種村さんが歌いだしたのはまさに元気を与えるようなパワフルポップな曲。
俺はサビから一人コールを始めた。
「FuFUU!」
周囲は次第に同じように盛り上がって俺と同じ挙動や掛け声をし始めた。
中には追いかけきれてなくても自分独自のアレンジでやり始めている人たちも出てきた。
子供たちにいたっては一緒になって歌い始める。
「はい、はいっ!」
なるべく抑えめで周囲にわかりやすいようなコールで統一化させていくのも中々にライバー魂としては悔しさがあったがそれでも周りを楽しめるように必死で頑張った。
曲も2曲、3曲と続く。
周囲の観衆の数もいつのまにか大勢がいた。
幕間に入った段階で、種村さんに呼び出された。
そのまま崩落地に集まった観衆からなるべく離れていき声の聞こえないところまで来ると彼女に耳打ちされる。
憧れのアイドルに近づかれてもはや真っ先に口からは感想が出ていた。
「いやぁー最高の曲です! やっぱりあなたは素晴らしいです」
「はいはい、ありがとう。それよりもあなたのスタミナと盛り上がりようには驚き。それはともかくとしてちょっと相談あるの」
「なんですか?」
「この状況を見て思いついたのよ。この場所で歌ってこれだけ人も集まって、ここはちょうど街の中心部に近い。さらに立地も平坦な更地。ステージにいいと思わないかしら?」
「え」
俺は彼女が何を言わんとしているかなんとなく察することはできてしまう。
「そんなこと可能なんですか!? 王女が許可するでしょうか?」
「させるのよ。だいたいあの王女は契約したのよ。私たちの思うようにしてい言って。今は復興って言っても瓦礫を撤去しているだけでしょう。それなら――」
「あまりいい案とは思えないんですけど。予算とかかかりそうですし」
「そ・こ・で、あなたよ」
「え」
「私のマネージャー兼プロデューサーになりなさい。そうこの異世界であなたは私専属のマネージャー兼プロデューサーとして仕事をするのよ」
「えええええええええええええええええ」
とんでもない申し出をされて俺の叫びは観衆の人たちにまで響いてどよめきを与えるのだった。
昨日の経験を考えて見るとあの場所が『闇ギルド』なんて言われていたことも何かとわかってしまうものだった。
自分たちを捕縛した赤髪の女ジルを筆頭にした集団の人相の悪さと世紀末のような恰好をした姿はどことなく悪目立つ。なによりもあの場所にあった地下で見た光景は暗く人を監禁しておくような環境がしっかりとあるなんて悪さをするような施設としか思えない。
彼女たちも言っていた『闇ギルド』は悪の巣窟であり、非合法的活動をする輩の請負所だという説明も納得できてしまった内容。
この世界の闇ともいえる場所に召喚されて真っ先に触れさせられたからこそこの悲しい世界のことを変えることに勇気を持って行動を起こせるのだろうとさえ思えた。
今はその闇ギルドの崩落跡地にいる俺らに観衆の注目が集まっている。
「なんだ?」
「勇者様だ」
「何かを始めるのか?」
「昨日のようなことでもするのかぁ」
俺らのネームバリューとその知れた顔でどんどんと人は集まっていた。
復興作業中のところに押しかけるなんて非常識なんてことも思えてしまうが種村さんはこの場所をそれでも指定した意図を俺は彼女の傍に立っていてなおわからない。
「あの、こんな場所でマジでするんですか?」
「ココだからいいの。ここで私たちは決意した。この国を変えると。そして、悲劇の場所ともなった場所をまずは光に変える。良い思い出に変えるの。さあ、盛り上げてよね」
なんて無茶ぶりを振られて俺も意志を決め込んで大きく息を吸って叫んだ。
「さぁ、みなさんこれから始まるのはアイドル声優、種村雪菜の異世界初の路上ライブです! これは貴重ですよ!」
大きな声で叫んでアピールする。
周囲の観衆には『ライブ』という意味がわかっていないのだろう。
それをわからせるようにして種村さんが歌い始めてくれた。
すると、みんなが驚きながらも昨日のことを思い出したかのように顔に喜びの表情を見せ、明るさを見出していった。
復興作業中の騎士たちも手を止めてこちらに意識を向けている。
「さあ、みんなで盛り上がっていきましょう!」
種村さんが歌いだしたのはまさに元気を与えるようなパワフルポップな曲。
俺はサビから一人コールを始めた。
「FuFUU!」
周囲は次第に同じように盛り上がって俺と同じ挙動や掛け声をし始めた。
中には追いかけきれてなくても自分独自のアレンジでやり始めている人たちも出てきた。
子供たちにいたっては一緒になって歌い始める。
「はい、はいっ!」
なるべく抑えめで周囲にわかりやすいようなコールで統一化させていくのも中々にライバー魂としては悔しさがあったがそれでも周りを楽しめるように必死で頑張った。
曲も2曲、3曲と続く。
周囲の観衆の数もいつのまにか大勢がいた。
幕間に入った段階で、種村さんに呼び出された。
そのまま崩落地に集まった観衆からなるべく離れていき声の聞こえないところまで来ると彼女に耳打ちされる。
憧れのアイドルに近づかれてもはや真っ先に口からは感想が出ていた。
「いやぁー最高の曲です! やっぱりあなたは素晴らしいです」
「はいはい、ありがとう。それよりもあなたのスタミナと盛り上がりようには驚き。それはともかくとしてちょっと相談あるの」
「なんですか?」
「この状況を見て思いついたのよ。この場所で歌ってこれだけ人も集まって、ここはちょうど街の中心部に近い。さらに立地も平坦な更地。ステージにいいと思わないかしら?」
「え」
俺は彼女が何を言わんとしているかなんとなく察することはできてしまう。
「そんなこと可能なんですか!? 王女が許可するでしょうか?」
「させるのよ。だいたいあの王女は契約したのよ。私たちの思うようにしてい言って。今は復興って言っても瓦礫を撤去しているだけでしょう。それなら――」
「あまりいい案とは思えないんですけど。予算とかかかりそうですし」
「そ・こ・で、あなたよ」
「え」
「私のマネージャー兼プロデューサーになりなさい。そうこの異世界であなたは私専属のマネージャー兼プロデューサーとして仕事をするのよ」
「えええええええええええええええええ」
とんでもない申し出をされて俺の叫びは観衆の人たちにまで響いてどよめきを与えるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる