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晩餐会の幽霊
晩餐会の幽霊 11 隠された薔薇の香
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ステラは視線を、広間のあちらこちらへと泳がせていた。いつもの彼女より、落ち着きがなく見えたシュベルアンが、ステラに囁いた。
「ステラ?どうした?」
「ううん。テーブルの上にも、部屋にも薔薇が飾られて無いから、どこから香ってきたのかしら?って思っただけ」
「庭に、咲いてるんじゃない?」
ルシアスの言葉に一斉にそれぞれが、広間に点在している磨き上げられた窓の方へ視線をやる。そこには、人が行き交える幅程の小道、奥には成人男性の背丈程の深緑の垣根、その更に奥には色とりどりの低木や、小さな花壇がチラリと見えた。見る限り、薔薇が植わってる様子は無い。
「そんなに、薔薇の香りがきになるのかい?」
ステラの顔を覗き込んだルシアスが、悪戯っ子みたいに楽しそうに目を光らせる。
「気になるというか。だって変でしょう? 晩餐会だもの。マナー的に、過剰に香水をつけて来る人は居ないわ。それに、美食の侯爵よ? 飾る花にも気を使うでしょ。香りの強い花を、使うとは思えないし。……私が気にしすぎなのかしら」
シュベルアンが、ステラの話に「そう言う事か。視点がステラらしいな」と、微笑みつつも腕を組む。
「それは確かに不思議だね。料理に使われていた薔薇の塩も、いつまでも香りが残るものでもなかった」
何度も頷き「なるほど、なるほど」と繰り返すルシアス。
「本当ならそうなの。いつまでも香る方が変なの。でもお料理で薔薇の塩が出てたから。その後、薔薇が香って来ても、気にしなかったのかも。でも……塩の香りが残っていたのかしら……」
ステラの視線がバンケットテーブルに落ちる。等間隔で置かれていた燭台を飾るセンターピースの花々が、どこか瑞々しさを失い萎れ、色はくすんで影が落ち沈むように置かれていた。
「ここにも薔薇は飾られて無いものね……」
ステラがテーブルの花に近づいた瞬間「あっ」と声を漏らす。
シュベルアンは鋭い目でステラの動きを捉え「どうした?」と、落ち着いた声を向けた。
「ここ。薔薇の香りがするの」
ルシアスは「どれだい?」と言ったかと思うと、ステラの横に並び、顔をセンターピースに寄せる。
「本当だ。薔薇のような香りがするね。でもやっぱり薔薇は無いよなぁ……別のものからか?」
ルシアスが言ったことにピクリと眉を動かしたシュベルアンは、腕を組み直して考え込み、やがてセンターピースの燭台に顔を寄せた。そして、火を灯すことも忘れられ、ただの飾りと化した光沢のある蝋燭を1本手に取る。それを楽しそうに手元でくるりと一度回し、蝋燭の芯を指で撫でた。
「わかったぞ。香りの正体はこいつだ」
ついに原因を突き止めたと言わんばかりに、彼は満足そうに口角をニヤリと上げた。
薔薇の香りの正体がわかり、全ての蝋燭が薔薇の香りがするのか?と話していると
「おいおい! ルシ! ようやく来たな? 待ちくたびれたぜ」
明るくよく通る声が、ひっそりとした空間の緊張を解いた。声に振り返ると、ヴィクトルが近づいて来ていた。彼の足音は、静かな広間に小さな波紋のように響き、そのあとに明るさを運んできた。
「スティ! シュベルも一緒だったのか」
ヴィクトルは思わぬ訪問者に顔を綻ばせ、シュベルアンの胸を右拳で軽く叩くと、親しみを込めた笑顔を向けた。同時に楽しそうに、ステラの頭を優しく撫でる。
「もう!子供扱いしないで」
とステラも文句を言いつつ、数日ぶりに次兄の顔を見ると、じんわりとした安心感とささやかな嬉しさが胸に広がる。
ヴィクトル・ヴァーレンシュタイン。ヴァーレンシュタイン家の次男であり、若干22歳にして剣聖と呼ばれ畏れられるほどの存在。皇国第一騎士団の副団長を務め、その容姿端麗さと鍛え抜かれたしなやかな体躯は、ヴァーレンシュタイン家の血統を色濃く受け継いでいることを物語る。太陽の様に色濃く輝く金の髪は、彼の堂々とした存在感をさらに強調していた。しかし肩書や血筋に驕ることなく、人情味溢れる大らかな人柄で、周囲からの信頼も厚い。
ヴィクトルに肩を組まれたルシアスが問いかける。
「……進捗はどうだ?」
軽く肩を揺さぶりながら、ヴィクトルは苦笑する。
「正直、さっぱりだ。砂漠で水を探してるようなもんさ」
乾いた笑いと共に、ルシアスの背中を軽く叩く。
ルシアスはその手を払いのけるようにしながら、顔をしかめた。
「それでも、どこまで調べたかくらいは聞かせろよ」
「もちろん全部当たったさ。夫人に、クラリス嬢に、使用人たち。書斎も広間も。侵入者の痕跡も探した。……でも、手掛かりは一つもない」
ヴィクトルは肩を竦め、わずかに真顔に戻った。
「まるで霧の中で影を追うみたいだったな」
「それでも……少しずつだが、像は浮かび始めている」
シュベルアンが低く、静かな声で呟いた。ルシアスも深く頷く。
「そうだな。焦らず、まず状況を整理するか」
一瞬、静寂が落ちる。ルシアスとシュベルアンのやり取りを、少し面白そうに見ていたヴィクトル。彼の口から「ほぉ?」と言う声が漏れた。
その声を聞き逃さなかったステラが、何かを確認するかのように口を開いた。
「ヴィーお兄様。侯爵は誘拐されたと思ってる?」
ステラの問いに、ヴィクトルは眉をほんの僅かだけ上げた。
「スティ? いきなりどうした?」
ステラは瞳を伏せ、そしてゆっくりと答えた。
「もし本当に誘拐されていたのであれば、もっと殺気立ったものが空気に滲んでいると思うの。ヴィーお兄様からその気配がないんだもの。焦ってない、緊迫感がないの。だから、単に誘拐じゃないと思ってる。でしょう?」
しんとした空気の中で、ヴィクトルは目を細め、やがて口元に笑みを浮かべた。
「はははっ! さすが、俺の可愛い妹だな」
そう言って、誇らしげにウィンクを送った。
「なぁ? ヴィー。お前手掛かりなしっていったんじゃないのか?」
ルシアスは、胡散臭いぞと言う視線をヴィクトルに送る。
「いやいや、だってさー。なぁんも手掛かりが無いんだぜ? 逆にそれがおかしいだろ?」
他の三人、ステラ・ルシアス・シュベルアンも、大きく頷き同意する。
「多分、それぞれがバラバラなだけで、繋げたら実態が見える。って事か」
思案顔のルシアス。
「ひとつひとつに、意味があるのか無いのか……ただ、そうだな。暗闇の仕掛け? は大方分かった」
シュベルアンが、先ほど拝借した蝋燭を皆に見せて振る。
「本当か?!」「まぁ!」「暗闇って、昨日の騒動のあれか?」
と三様に、シュベルアンに迫って居た時。
少しの期待感が生まれた広間に突然、ドタドタと慌ただしい音が流れ漏れてきた。
「きゃあ!」「走らないで!」「急いで!お母様ぁ」 「走らないで頂戴ー!」
などと言う、甲高い声が流れて聞こえ近づいてくる。
廊下から響いた足音は重なり合い、まるで波が壁を叩くように広間へ押し寄せきた。その音や声に、ルシアスとシュベルアンは眉間にしわを深く刻み、ヴィクトルは面白そうに「おやおや」と呟いてニヤつき、ステラは波乱の予感を覚えつつ、小さくため息をつくように苦笑した。
「ステラ?どうした?」
「ううん。テーブルの上にも、部屋にも薔薇が飾られて無いから、どこから香ってきたのかしら?って思っただけ」
「庭に、咲いてるんじゃない?」
ルシアスの言葉に一斉にそれぞれが、広間に点在している磨き上げられた窓の方へ視線をやる。そこには、人が行き交える幅程の小道、奥には成人男性の背丈程の深緑の垣根、その更に奥には色とりどりの低木や、小さな花壇がチラリと見えた。見る限り、薔薇が植わってる様子は無い。
「そんなに、薔薇の香りがきになるのかい?」
ステラの顔を覗き込んだルシアスが、悪戯っ子みたいに楽しそうに目を光らせる。
「気になるというか。だって変でしょう? 晩餐会だもの。マナー的に、過剰に香水をつけて来る人は居ないわ。それに、美食の侯爵よ? 飾る花にも気を使うでしょ。香りの強い花を、使うとは思えないし。……私が気にしすぎなのかしら」
シュベルアンが、ステラの話に「そう言う事か。視点がステラらしいな」と、微笑みつつも腕を組む。
「それは確かに不思議だね。料理に使われていた薔薇の塩も、いつまでも香りが残るものでもなかった」
何度も頷き「なるほど、なるほど」と繰り返すルシアス。
「本当ならそうなの。いつまでも香る方が変なの。でもお料理で薔薇の塩が出てたから。その後、薔薇が香って来ても、気にしなかったのかも。でも……塩の香りが残っていたのかしら……」
ステラの視線がバンケットテーブルに落ちる。等間隔で置かれていた燭台を飾るセンターピースの花々が、どこか瑞々しさを失い萎れ、色はくすんで影が落ち沈むように置かれていた。
「ここにも薔薇は飾られて無いものね……」
ステラがテーブルの花に近づいた瞬間「あっ」と声を漏らす。
シュベルアンは鋭い目でステラの動きを捉え「どうした?」と、落ち着いた声を向けた。
「ここ。薔薇の香りがするの」
ルシアスは「どれだい?」と言ったかと思うと、ステラの横に並び、顔をセンターピースに寄せる。
「本当だ。薔薇のような香りがするね。でもやっぱり薔薇は無いよなぁ……別のものからか?」
ルシアスが言ったことにピクリと眉を動かしたシュベルアンは、腕を組み直して考え込み、やがてセンターピースの燭台に顔を寄せた。そして、火を灯すことも忘れられ、ただの飾りと化した光沢のある蝋燭を1本手に取る。それを楽しそうに手元でくるりと一度回し、蝋燭の芯を指で撫でた。
「わかったぞ。香りの正体はこいつだ」
ついに原因を突き止めたと言わんばかりに、彼は満足そうに口角をニヤリと上げた。
薔薇の香りの正体がわかり、全ての蝋燭が薔薇の香りがするのか?と話していると
「おいおい! ルシ! ようやく来たな? 待ちくたびれたぜ」
明るくよく通る声が、ひっそりとした空間の緊張を解いた。声に振り返ると、ヴィクトルが近づいて来ていた。彼の足音は、静かな広間に小さな波紋のように響き、そのあとに明るさを運んできた。
「スティ! シュベルも一緒だったのか」
ヴィクトルは思わぬ訪問者に顔を綻ばせ、シュベルアンの胸を右拳で軽く叩くと、親しみを込めた笑顔を向けた。同時に楽しそうに、ステラの頭を優しく撫でる。
「もう!子供扱いしないで」
とステラも文句を言いつつ、数日ぶりに次兄の顔を見ると、じんわりとした安心感とささやかな嬉しさが胸に広がる。
ヴィクトル・ヴァーレンシュタイン。ヴァーレンシュタイン家の次男であり、若干22歳にして剣聖と呼ばれ畏れられるほどの存在。皇国第一騎士団の副団長を務め、その容姿端麗さと鍛え抜かれたしなやかな体躯は、ヴァーレンシュタイン家の血統を色濃く受け継いでいることを物語る。太陽の様に色濃く輝く金の髪は、彼の堂々とした存在感をさらに強調していた。しかし肩書や血筋に驕ることなく、人情味溢れる大らかな人柄で、周囲からの信頼も厚い。
ヴィクトルに肩を組まれたルシアスが問いかける。
「……進捗はどうだ?」
軽く肩を揺さぶりながら、ヴィクトルは苦笑する。
「正直、さっぱりだ。砂漠で水を探してるようなもんさ」
乾いた笑いと共に、ルシアスの背中を軽く叩く。
ルシアスはその手を払いのけるようにしながら、顔をしかめた。
「それでも、どこまで調べたかくらいは聞かせろよ」
「もちろん全部当たったさ。夫人に、クラリス嬢に、使用人たち。書斎も広間も。侵入者の痕跡も探した。……でも、手掛かりは一つもない」
ヴィクトルは肩を竦め、わずかに真顔に戻った。
「まるで霧の中で影を追うみたいだったな」
「それでも……少しずつだが、像は浮かび始めている」
シュベルアンが低く、静かな声で呟いた。ルシアスも深く頷く。
「そうだな。焦らず、まず状況を整理するか」
一瞬、静寂が落ちる。ルシアスとシュベルアンのやり取りを、少し面白そうに見ていたヴィクトル。彼の口から「ほぉ?」と言う声が漏れた。
その声を聞き逃さなかったステラが、何かを確認するかのように口を開いた。
「ヴィーお兄様。侯爵は誘拐されたと思ってる?」
ステラの問いに、ヴィクトルは眉をほんの僅かだけ上げた。
「スティ? いきなりどうした?」
ステラは瞳を伏せ、そしてゆっくりと答えた。
「もし本当に誘拐されていたのであれば、もっと殺気立ったものが空気に滲んでいると思うの。ヴィーお兄様からその気配がないんだもの。焦ってない、緊迫感がないの。だから、単に誘拐じゃないと思ってる。でしょう?」
しんとした空気の中で、ヴィクトルは目を細め、やがて口元に笑みを浮かべた。
「はははっ! さすが、俺の可愛い妹だな」
そう言って、誇らしげにウィンクを送った。
「なぁ? ヴィー。お前手掛かりなしっていったんじゃないのか?」
ルシアスは、胡散臭いぞと言う視線をヴィクトルに送る。
「いやいや、だってさー。なぁんも手掛かりが無いんだぜ? 逆にそれがおかしいだろ?」
他の三人、ステラ・ルシアス・シュベルアンも、大きく頷き同意する。
「多分、それぞれがバラバラなだけで、繋げたら実態が見える。って事か」
思案顔のルシアス。
「ひとつひとつに、意味があるのか無いのか……ただ、そうだな。暗闇の仕掛け? は大方分かった」
シュベルアンが、先ほど拝借した蝋燭を皆に見せて振る。
「本当か?!」「まぁ!」「暗闇って、昨日の騒動のあれか?」
と三様に、シュベルアンに迫って居た時。
少しの期待感が生まれた広間に突然、ドタドタと慌ただしい音が流れ漏れてきた。
「きゃあ!」「走らないで!」「急いで!お母様ぁ」 「走らないで頂戴ー!」
などと言う、甲高い声が流れて聞こえ近づいてくる。
廊下から響いた足音は重なり合い、まるで波が壁を叩くように広間へ押し寄せきた。その音や声に、ルシアスとシュベルアンは眉間にしわを深く刻み、ヴィクトルは面白そうに「おやおや」と呟いてニヤつき、ステラは波乱の予感を覚えつつ、小さくため息をつくように苦笑した。
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