聖女が始める新生活!

Nekomouhu

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第一章 ベテルギウス

第2話 ベテルギウス

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一通の手紙には『○月✕日、ギルド本部へお越しください』のたった一文しか書かれていなかった。
 「せせせ、先輩!ここ、これは完全に、呼び出しですね…」
「さささ、流石に一文だと、ねねね、ねぇ?」
来い!という圧力が込められた手紙を見ながら二人は震えて会話をしていた。
「仕方ない、行くとするか。」
そう言ってリアはギルド本部へと足を運ぶのだった。

          ◆ ◆ ◆

「うわぁ、でかいなぁ。」
ねじったビルのようなデカい建物にリアは驚いていた。
こんなすごい建物なんてリアにとってはとても珍しい。
入口はしっかりと自動ドアになっていて、近代化を感じる。
 「ようこそ。ギルド本部へ。どのようなご用件でしょうか?」
受付の人が受付嬢に負けないぐらいの笑顔で聞いてくる。
「ギルド本部から呼び出されて…」
そう言って、来いという圧力がかけられた手紙を渡した。
 「承知いたしました。それではこのカードをエレベーターのスキャナにかざしてください。」
なんだか会話の内容から近代化をものすごく感じる。
リアは言われた通り、エレベーターに乗り、中にあったスキャナにカードをかざすと、ギルドマスターがいる階層まで上がっていった。
ギルド本部は大切な情報を扱っているのでセキュリティは高いと思ったが、まさか受付で認証されないと、一階から移動できないとは思わなかった。

そして、ギルドマスターのいる階層、100階に到着した。
エレベーターの扉が開いた瞬間、そこにはギルドマスターの部屋が広がっており、ギルドマスターは大きなソファに腰を掛けていた。
 「リア・カップさんですね?どうぞ、お掛けになってください。」
二人しかいないこの階層。シーンとした重い空気の中、リアはソファに腰を掛けた。
「えっと…なんのご用件で…?」
リアの心臓の鼓動が早くなる。私はこれからどうなるのだろうか。

 「私があなたを呼んだのは先日のことについてと、お願いだ。」
先日のことを言われるのは承知の上だが、お願いとはなんだろうか。
 「先日のことについては十分話は聞いた。受付嬢の被害を少なくしてくれて、感謝する。」
「えっ?」
まさかあの騒動で暴れたのに対し、感謝がもらえるとはさすがに思っていなかった。
 「ハッハッハ。私が感謝をしないような奴に見えるか?」
「いえ、そうではなく、暴力を用いてしまったのでてっきり怒られるかと…」
考えていたことを伝えるとギルドマスターは笑い出した。
 「さ、堅苦しい会話はもうおしまいだ!ここからは仕事には関係ないお願いだから気軽に話そう。」
そういうと、奥にあった部屋から執事のような人が出てきた。
 「お茶をお持ちいたしました。」
そう言ってリアの前に紅茶とお菓子が置かれる。
「それで、その…お願いというのは?」
 「そんなにかしこまらなくていいよ。実は君の力を見込んでお願いがあるんだ。」

そういわれると一つ疑問がわいてくる。
「あの人を倒しただけで私の力を見込まれても…」
そういうと、ギルドマスターはしっかりと説明をしてくれた。
 「あの人はね、冒険者の一人、ギア・カタロスという奴なんだ。あの人は剣術がとても強くてね、Aランクの人間でさえも手でアレに敵うやつはいないんだよ。」
ギア・カタロス。リアにとって聞いたことのある名前だった。
基本素手で戦い、稀に剣を使って戦う。さらに魔獣を従えることもできるA+ランク冒険者だとか。
そう説明されると納得がいってしまう。
Aランクの人間が勝てない冒険者に勝てたのだから、力があると思われて当然だ。

 「それで本題だけどね。君に冒険者になってほしいんだ。」
一瞬リアの思考が止まった。
「えっと…聞き間違いではなければ冒険者になってほしいと…?」
 「ああ、そうだよ。」
うそでしょ?と思って聞いた答えが一瞬にして返ってきた。
「ちょ、ちょっと待ってください!受付嬢の仕事はどうするんですか?」
 「受付嬢に加えて、冒険者もやってほしいんだ。君が冒険者として活躍している間に仕事をする人はすでに雇ってあるから、問題ないよ。」
「まさか私が是認する前提で呼んだのではないですよね?」
リアの質問にギルドマスターは言葉を詰まらせる。
リアは、はぁとため息をつき、「わかりました、やりましょう」と言った。
 「そうか!やってくれるか!」
数秒前のギルドマスターとは人が違うかのように急に目をキラキラと輝かせて言った。

ギルドの目的は、現在、活発化に加えて狂暴化してきている魔獣の調査、冒険者の育成である。
 「それじゃあ、君におすすめのパーティを紹介するよ。」
そういわれて、ギルドマスターの勧めるパーティとの面談が始まる…

          ◇ ◇ ◇

「はじめまして。私はリア・カップと言います。よろしくお願いします。」
 「やぁ!君が僕たちのパーティに新しく入ってくれるリアさんだね!よろしく!」
初めから距離の近い奴が元気よく挨拶してくる。
最初から気まずいパーティよりかは、まだいいか、と思う。
 「じゃあ自己紹介をするよ!僕はレッド・バーン!パーティ『ベテルギウス』の剣士だ!よろしくぅ!」
レッドはリアの手をつかんで上下に振り、握手を交わす。
 「私は魔法使いのクラ・レミス。よろしくなのよ。」
体は少し小さめだが、魔力は十分感じ取れる。なんなら魔力の排出で少し攻撃されているような…?
 「私、回復術師、ジェル・ミアール。よろしく。」
少し大人っぽい感じがあるが、見た目はクラと同じく子供っぽい。
レッド、もしかしてロリコ…?いや、ロリ集め体質なのかもしれない。
私も大人のような見た目ではない感じがする。胸も全然成長してないし。

 「さて、自己紹介が終わったところで、とりあえずパーティのバランスを見ないとね。」
 「リアの実力もしりたいわね。ギルドマスターが認めた実力、見せてもらうのよ。」
 「頑張って、期待、してる。」
そういわれてなんだかやる気があふれてくる。
「わかった。頑張ってみるよ。」
リアの言葉に全員がうなずく。
 「それじゃ、初クエストを受けにいくぞ!」
「「おー!」」

「あ、とりあえず着替えだけしてきていい?」
 「「今?」」
「いや、せめて武器だけでも取りに行きたいし…」

こうしてリアはパーティ『ベテルギウス』に加わり、新しい冒険者の生活が、始まる―
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