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サフィアの一日に負けない!⑤
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肌と肌がぶつかりぱんぱんと、そしてじゅぷじゅぷと水気のある音が鳴る。
薄い水色の天蓋とカーテンで締められ切ったベッド。少年に馬乗りになって腰を弾ませる女性のシルエットだけが外側に浮かんでおり、中の様子をベッドの外から伺うことはできない。
ただ、苦しそうなレックスの声と甘いサフィアの声だけが外に響く。
「あ、う……サフィ、ア……好き、だ……大好きだ……愛してる……サフィア……」
「くすくす。私も愛していますの、お兄様。さっ、キスも交えましょう?」
ろれつの回らない愛を呟き続けるレックス。キスも交わされ、カーテンに映る2人の影が完全に重なる。
お互いに舌を絡ませ、指を絡ませ、空いた片手で頭を抱える。淫乱としか言い様のない交わりが続き、レックスの呼吸がだんだんと激しくなっていく。
ふーっ、ふーっ、という、少年の物とは思えない獣のような鼻息。サフィアが唇を離すと、その興奮がピークに達した。
やがてレックスがもう何度目かもわからない絶頂を向かえ、サフィアの腰を両手で掴むシルエットが浮かぶ。
己の全てを吐き出すかのような、長い長い放出。サフィアは嬌声を上げて蜜壺を締め、体の深い場所でそれを迎え入れる。
獣の唸り声のようなような、雄たけびのような、屈服を嬉しがるような声を上げた後、レックスは腕を離してベッドに身を投げ出した。
後悔や恐怖などなく、多幸感に包まれた全力の放出だった。サフィアに全てを捧げ、満足気である。
愛する妹に己の全てを注ぎ込み、それを食べられる幸せ。ただ彼は無意識のレベルでその快楽に酔いしれた。
しかし、それでサフィアが止まることはなかった。キスすることを止めて身を起こし、今度は臼を引くように腰を回し始める影がカーテンに浮かぶ。
レックスの硬さが戻る。また彼の体が強烈な快感でびくりと跳ねる。
「私だけを愛さないのが悪いですのよっ。私が、私がお兄様だけを愛せばいいんですのっ」
ぐちゅりぐちゅり、ぐちゃぐちゃ、ぱちゅっぱちゅっ。カーテンにサフィアの揺らめく尻尾が浮かび上がり、その先端が少年の股間に持っていかれる。
そして、濡れそぼつ皮膚をかき分けて挿入されていく様子がまたカーテンに映った。
「あっ、あああっ! お尻熱い、熱いぃ……気持ち、いい……サフィア……大好きだ……」
「作り変えてあげますの、人間からインキュバスに。尻尾から強い淫気をたくさんお尻に流し込んであげますの~。ほら、びゅくびゅく、ぴゅ~、ぴゅっぴゅ~。白いおもらしも同時にすると、大変気持ちよくなれますのよ?」
レックスの体がのけぞり、また絶頂に達する。サフィアはそんなレックスを押し戻すようにその胸板に手を当て、またリズミカルに上下に腰を振る。
「あはっ、あははっ。お兄様の全部、全てを私に捧げてっ。流し込んでくださいまし」
「あう……サフィア、好きだ、愛してる…………だから……ろ……」
微弱な変化。だが、レックスは喘ぐだけで、その言葉を上手く口にできない。
「射精を何回も繰り返して、体の中の魔力も精気も全部魔族の物と入れ替えますのよ? そうしたら、お兄様は立派な魔族であるインキュバスになれますの。過労死や服上死もしない、立派な体を手に入れられますのよ?」
「や……め、ろ……」
レックスの思考に変化が起きる、体に変化が起こる。下半身から脳に伝えられる快感が少なくなっていく。
「ふふふ、にひひっ、クヒヒヒヒヒ! 大っ嫌いですの! 私はみんな大っ嫌いですの! 私をいつも置いていって、年下の子供としか見てなくて! 大っ嫌いですの! やめてと言ってもやめてさしあげませんの!」
「やめろ……」
サフィアの顔が歪む。周りを恨むその表情に、レックスの意識が戻る。
「お兄様もみんなも大っ嫌いですの! だったら、この私がお兄様を内側から作り変えて――」
サフィアの頬を伝う一筋の涙。それを見て、レックスは完全に覚醒した。
「やめろサフィア! こんなことしてなんになるんだ!? 嘘をついてでもボクを堕としたいのかよ!?」
起き上がり、自分の上で腰を振っていたサフィアを傷つけないようにしながらも全力で押しのける。サフィアは焦ってまた繋がろうとしたが、レックスはそれを拒否した。
「ん……っ!? 未来のためになりますのよ? 私もお兄様も、お姉様たちもみんなみーんなで幸せに」
「嘘だ! じゃあ、じゃあなんでお前は今、泣いているんだよ!」
「私が、泣いて?」
サフィアは己の頬を拭い、指を見る。確かに指が濡れている。一度それを認識すると、ぼろぼろと目からどんどん涙が零れ落ちていく。とめどなくあふれ出る涙が、彼女の内なる苦しみを表していた。
「あれ、あれ?」
「サフィアは自分が放っておかれたり無視されたりすることが悔しくて泣く子じゃない! ……アイヴィやヴァネッサ、そしてみんなのために泣く子だ。ずっと見てきたからわかる、一緒にいたからわかる。人一倍感がいいから、誰かの分まで悲しんでしまうんだ」
レックスは一呼吸整え、涙を探すサフィアの手を取る。
「だから、サフィアが泣くのは誰かのための時だ。正直に言ってくれ、本当はこんな乱暴で無理矢理なことしたくないんだろう?」
「お兄ちゃん……うっ……!? あれ、夢が壊れますの! どうして!?」
夢の空間にひびが入り、砕けていく。2人の影を映していたベッドのカーテンや、水色の淡い光で照らされた部屋ごと。
元の空間に戻ってきた。それを認識したレックスはすぐにはっきりと目を開ける。その目の前には、レックスから離れて自分の震える手をわなわなと見るサフィアがいた。
現実の体には今までの行為は問題ないらしく、そのことにまずレックスは一息ついた。
薄い水色の天蓋とカーテンで締められ切ったベッド。少年に馬乗りになって腰を弾ませる女性のシルエットだけが外側に浮かんでおり、中の様子をベッドの外から伺うことはできない。
ただ、苦しそうなレックスの声と甘いサフィアの声だけが外に響く。
「あ、う……サフィ、ア……好き、だ……大好きだ……愛してる……サフィア……」
「くすくす。私も愛していますの、お兄様。さっ、キスも交えましょう?」
ろれつの回らない愛を呟き続けるレックス。キスも交わされ、カーテンに映る2人の影が完全に重なる。
お互いに舌を絡ませ、指を絡ませ、空いた片手で頭を抱える。淫乱としか言い様のない交わりが続き、レックスの呼吸がだんだんと激しくなっていく。
ふーっ、ふーっ、という、少年の物とは思えない獣のような鼻息。サフィアが唇を離すと、その興奮がピークに達した。
やがてレックスがもう何度目かもわからない絶頂を向かえ、サフィアの腰を両手で掴むシルエットが浮かぶ。
己の全てを吐き出すかのような、長い長い放出。サフィアは嬌声を上げて蜜壺を締め、体の深い場所でそれを迎え入れる。
獣の唸り声のようなような、雄たけびのような、屈服を嬉しがるような声を上げた後、レックスは腕を離してベッドに身を投げ出した。
後悔や恐怖などなく、多幸感に包まれた全力の放出だった。サフィアに全てを捧げ、満足気である。
愛する妹に己の全てを注ぎ込み、それを食べられる幸せ。ただ彼は無意識のレベルでその快楽に酔いしれた。
しかし、それでサフィアが止まることはなかった。キスすることを止めて身を起こし、今度は臼を引くように腰を回し始める影がカーテンに浮かぶ。
レックスの硬さが戻る。また彼の体が強烈な快感でびくりと跳ねる。
「私だけを愛さないのが悪いですのよっ。私が、私がお兄様だけを愛せばいいんですのっ」
ぐちゅりぐちゅり、ぐちゃぐちゃ、ぱちゅっぱちゅっ。カーテンにサフィアの揺らめく尻尾が浮かび上がり、その先端が少年の股間に持っていかれる。
そして、濡れそぼつ皮膚をかき分けて挿入されていく様子がまたカーテンに映った。
「あっ、あああっ! お尻熱い、熱いぃ……気持ち、いい……サフィア……大好きだ……」
「作り変えてあげますの、人間からインキュバスに。尻尾から強い淫気をたくさんお尻に流し込んであげますの~。ほら、びゅくびゅく、ぴゅ~、ぴゅっぴゅ~。白いおもらしも同時にすると、大変気持ちよくなれますのよ?」
レックスの体がのけぞり、また絶頂に達する。サフィアはそんなレックスを押し戻すようにその胸板に手を当て、またリズミカルに上下に腰を振る。
「あはっ、あははっ。お兄様の全部、全てを私に捧げてっ。流し込んでくださいまし」
「あう……サフィア、好きだ、愛してる…………だから……ろ……」
微弱な変化。だが、レックスは喘ぐだけで、その言葉を上手く口にできない。
「射精を何回も繰り返して、体の中の魔力も精気も全部魔族の物と入れ替えますのよ? そうしたら、お兄様は立派な魔族であるインキュバスになれますの。過労死や服上死もしない、立派な体を手に入れられますのよ?」
「や……め、ろ……」
レックスの思考に変化が起きる、体に変化が起こる。下半身から脳に伝えられる快感が少なくなっていく。
「ふふふ、にひひっ、クヒヒヒヒヒ! 大っ嫌いですの! 私はみんな大っ嫌いですの! 私をいつも置いていって、年下の子供としか見てなくて! 大っ嫌いですの! やめてと言ってもやめてさしあげませんの!」
「やめろ……」
サフィアの顔が歪む。周りを恨むその表情に、レックスの意識が戻る。
「お兄様もみんなも大っ嫌いですの! だったら、この私がお兄様を内側から作り変えて――」
サフィアの頬を伝う一筋の涙。それを見て、レックスは完全に覚醒した。
「やめろサフィア! こんなことしてなんになるんだ!? 嘘をついてでもボクを堕としたいのかよ!?」
起き上がり、自分の上で腰を振っていたサフィアを傷つけないようにしながらも全力で押しのける。サフィアは焦ってまた繋がろうとしたが、レックスはそれを拒否した。
「ん……っ!? 未来のためになりますのよ? 私もお兄様も、お姉様たちもみんなみーんなで幸せに」
「嘘だ! じゃあ、じゃあなんでお前は今、泣いているんだよ!」
「私が、泣いて?」
サフィアは己の頬を拭い、指を見る。確かに指が濡れている。一度それを認識すると、ぼろぼろと目からどんどん涙が零れ落ちていく。とめどなくあふれ出る涙が、彼女の内なる苦しみを表していた。
「あれ、あれ?」
「サフィアは自分が放っておかれたり無視されたりすることが悔しくて泣く子じゃない! ……アイヴィやヴァネッサ、そしてみんなのために泣く子だ。ずっと見てきたからわかる、一緒にいたからわかる。人一倍感がいいから、誰かの分まで悲しんでしまうんだ」
レックスは一呼吸整え、涙を探すサフィアの手を取る。
「だから、サフィアが泣くのは誰かのための時だ。正直に言ってくれ、本当はこんな乱暴で無理矢理なことしたくないんだろう?」
「お兄ちゃん……うっ……!? あれ、夢が壊れますの! どうして!?」
夢の空間にひびが入り、砕けていく。2人の影を映していたベッドのカーテンや、水色の淡い光で照らされた部屋ごと。
元の空間に戻ってきた。それを認識したレックスはすぐにはっきりと目を開ける。その目の前には、レックスから離れて自分の震える手をわなわなと見るサフィアがいた。
現実の体には今までの行為は問題ないらしく、そのことにまずレックスは一息ついた。
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