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第133話 夏休み初日なのに気分はユーウツ at 1995/7/22
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「たった一日だと、まだ夏休みだー! っていう実感が湧かないもんだなよなぁ」
「確かに。昨日の今日だもんね。しかも、学校にいるわけだし」
今日から夏休みだ。
だが、意外といろんな部活の生徒たちが変わらず登校していることに少し驚いていた。なにせ一周目の僕は、囲碁将棋部の、しかも、ほぼ姿を見せたことのない幽霊部員だったわけで、運動部に限らず文化部の連中までうろうろしている光景はあまり想像していなかったのである。
僕と渋田は下駄箱で上履きに履き替えると、そのまま一階の廊下を歩いていく。静かだ。
「にしても、ちょっとはりきりすぎじゃなかったかな?」
「かもね。でも、いろいろやらなきゃいけないことが一気にできちゃったからアリじゃない?」
「だな。部長、副部長の二人で、考えていけるところは早めにまとめちゃおうか」
――かちゃり。
そして職員室の前を通り過ぎ、二つ目にある扉のドアノブに手にしたカギを差し込んでひねる。
「さあ、我らが『電算論理研究部』へようこそ、だ」
やがて、ぷっ、と噴き出すと、僕らは上履きを蹴り除けるようにして部屋へと駆け上がった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「そういえばさー?」
「ん?」
「今日は誰が来られるんだっけ? えっと……モリケンと僕はもういるとして、あとは――」
僕は、荻島センセイ経由で手配してもらったホワイトボードから一歩退いて振り返った。
「佐倉君はテニスの試合で無理。五十嵐君は来るけど時間は未定。女子については、スミちゃんがテニス部の練習が早めに終われば行く、って言ってた。……咲都子は?」
「サトチンは、なんか家の用事があって来られない、ってフラれちゃったよ」
「そっか……。ま、仕方ない。んで、問題はロコとツッキーなんだけど……」
「?」
渋田が不思議そうな顔をするのも無理はない。そもそも組み合わせからして意外な印象がある。けれどロコは、はじめからやけに水無月さんのことを構いたがり、彼女の発した『あたしじゃないあたしになりたい』という願いを叶えようと躍起になっていることを僕は知っている。
「よくわからないんだけど……。逆に『絶対行くから先に帰んないでよ?』って言われててさ」
「……どゆこと?」
「だ・か・ら。わかんないんだってば」
弟子の僕としては、師匠であるロコの命令は絶対だ。
……まあ、あまりにも遅くなりそうだったなら無視してもいい程度の。
そういう絶対である。
いつ現れるか予想もつかない連中をあまりアテにしていても仕方ないので、取り急ぎ僕と渋田の二つの頭をフル回転させて、早急に決めておかないといけないことを整理することにした。
・『電算論理研究部』の年間活動予定と目標(案)
・夏期合宿の日程および計画表について(※要しおり作成)
・文化祭における『電算論理研究部』の出し物について
「大きく分けると、この三つ。で、いいよね?」
「うーん……。アレも入れといた方がいいと思うよ? ちょっと貸して――」
他に何が――と僕が首を傾げていると、渋田は意気揚々と僕の書いた隣に書き足した。
・古ノ森部長の体力強化トレーニング
・男子部員四人での騎馬戦練習
「ええぇ……。それ、部活でやることか? っていうか、何されるのかちょっと怖いんだけど」
「いいのいいの、書いとけば。真面目な誰かさんは、こうしとけばやらざるを得なくなるから」
「……なーんか、必要以上に協力的になってくれちゃいそうな女子を三人ほど知ってるんだが」
「モテる部長はツラいよね! きっと死ぬよりはギリギリマシだから、大丈夫!」
「確かに。昨日の今日だもんね。しかも、学校にいるわけだし」
今日から夏休みだ。
だが、意外といろんな部活の生徒たちが変わらず登校していることに少し驚いていた。なにせ一周目の僕は、囲碁将棋部の、しかも、ほぼ姿を見せたことのない幽霊部員だったわけで、運動部に限らず文化部の連中までうろうろしている光景はあまり想像していなかったのである。
僕と渋田は下駄箱で上履きに履き替えると、そのまま一階の廊下を歩いていく。静かだ。
「にしても、ちょっとはりきりすぎじゃなかったかな?」
「かもね。でも、いろいろやらなきゃいけないことが一気にできちゃったからアリじゃない?」
「だな。部長、副部長の二人で、考えていけるところは早めにまとめちゃおうか」
――かちゃり。
そして職員室の前を通り過ぎ、二つ目にある扉のドアノブに手にしたカギを差し込んでひねる。
「さあ、我らが『電算論理研究部』へようこそ、だ」
やがて、ぷっ、と噴き出すと、僕らは上履きを蹴り除けるようにして部屋へと駆け上がった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「そういえばさー?」
「ん?」
「今日は誰が来られるんだっけ? えっと……モリケンと僕はもういるとして、あとは――」
僕は、荻島センセイ経由で手配してもらったホワイトボードから一歩退いて振り返った。
「佐倉君はテニスの試合で無理。五十嵐君は来るけど時間は未定。女子については、スミちゃんがテニス部の練習が早めに終われば行く、って言ってた。……咲都子は?」
「サトチンは、なんか家の用事があって来られない、ってフラれちゃったよ」
「そっか……。ま、仕方ない。んで、問題はロコとツッキーなんだけど……」
「?」
渋田が不思議そうな顔をするのも無理はない。そもそも組み合わせからして意外な印象がある。けれどロコは、はじめからやけに水無月さんのことを構いたがり、彼女の発した『あたしじゃないあたしになりたい』という願いを叶えようと躍起になっていることを僕は知っている。
「よくわからないんだけど……。逆に『絶対行くから先に帰んないでよ?』って言われててさ」
「……どゆこと?」
「だ・か・ら。わかんないんだってば」
弟子の僕としては、師匠であるロコの命令は絶対だ。
……まあ、あまりにも遅くなりそうだったなら無視してもいい程度の。
そういう絶対である。
いつ現れるか予想もつかない連中をあまりアテにしていても仕方ないので、取り急ぎ僕と渋田の二つの頭をフル回転させて、早急に決めておかないといけないことを整理することにした。
・『電算論理研究部』の年間活動予定と目標(案)
・夏期合宿の日程および計画表について(※要しおり作成)
・文化祭における『電算論理研究部』の出し物について
「大きく分けると、この三つ。で、いいよね?」
「うーん……。アレも入れといた方がいいと思うよ? ちょっと貸して――」
他に何が――と僕が首を傾げていると、渋田は意気揚々と僕の書いた隣に書き足した。
・古ノ森部長の体力強化トレーニング
・男子部員四人での騎馬戦練習
「ええぇ……。それ、部活でやることか? っていうか、何されるのかちょっと怖いんだけど」
「いいのいいの、書いとけば。真面目な誰かさんは、こうしとけばやらざるを得なくなるから」
「……なーんか、必要以上に協力的になってくれちゃいそうな女子を三人ほど知ってるんだが」
「モテる部長はツラいよね! きっと死ぬよりはギリギリマシだから、大丈夫!」
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