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第186話 夏の宿題バスターズ at 1995/8/21
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新しい週のはじまりだ。
早いもので、今週そして来週が終わってしまえば、九月四日からは二学期のスタートである。
そんな今日、月曜日なのだが、
「えええー……!? マジでやんの? 文化祭の準備もしないで? うへぇ……」
「おいおいおい。主にお前のためにやってやってるんだぞ、ロコ? 文句言うなって」
午後から集まった僕ら『電算論理研究部』、総勢八名の部員たちは、ロコの言葉どおり作業の手を止め、休み前に配布された大量のプリントを前に頭を悩ませ、悪戦苦闘していた。
「あー! もー! ……ね? ね? いっそあたしの分も書いてくんない、かえでちゃん?」
「ダ、ダメですよぅ。丸写しはなし、って最初に決めたじゃないですかー」
「ちぇー。けちー」
佐倉君のすげない返事に、ロコは頬をふくらませると、手にしたシャープペンを放り投げ、どさり、と仰向けに寝転がった。僕らの『電算論理研究部』には、机らしい机といったらちゃぶ台と壁側の文机二つきりしかないので、まるで満員電車で宿題をするようなもんである。
「おい、ロコ……やたらと放り投げるなって……。まったくもう……」
ぶつぶつと文句を言いつつも、ちゃぶ台の反対側に座る僕のところまで転がってきたシャープペンを拾おうと、身を屈めてなにげなく下を覗き込んだ僕だったのだが――。
う、うおっ!?
こ、これは……マズい……!
「なんでさー。よりにもよって、あたしとスミがわざわざあっちの部活休んだ時にやんのよー」
薄暗がりの中の、制服のスカートに隠されていた妙になまめかしく浅黒く日焼けしたロコの足がもぞもぞとすり合わされ、そのさらに奥にある白い布切れがうねるようによじれる。
「そ、それは……そうでもしないと、夏休みの宿題をやるヒマも……ないだろうとだな……」
――ごくり。
いかんいかん、と思いつつ、どうしても僕の目は釘付けになってしまっていた。唾を飲み込んだ音がいやに大きく響いた気がする。ロコが駄々をこねるように姿勢を変えるたび、ついつい目で追ってしまう。その上、肝心なシャープペンを拾い損ねて指先で弾いてしまった有様だ。
ころころ……。
「でも、よかったよね、ロコちゃん。このままだと最終日に徹夜だって言ってた――ひゃん!」
「? どしたの、スミ?」
「な、なんでもないなんでもない……あはははー……」
――きっ!
ち、違う違うんです、スミちゃん!
ぼ、僕はころがっていったシャープペンを追って手を伸ばしただけで、わざと触ろうだとかそんなことは決して思ってなかったというか、いや、触れたのはそれはそれでラッキーと――。
んんっ!?
僕は不測の事態に目を白黒させつつ純美子の目を見つめて、半泣きの表情でいやいやと首を振った。どうなってるの、と聞きたいのは僕の方だ。やばい、触っちゃった! と思って手を引っ込めようとしたら逆に純美子に掴まれて。ぎゅっ、と僕の手は純美子の両膝の間に挟まれてしまい。
「……あれー? どーしたのかなー、ケ・ン・タ・君?」
悪戯っぽく尋ねてくる純美子の頬がほんのり上気している。あ、あれ? 純美子ってこんなSっ気ある子だったっけ!? それに、こんなダイタンなことヘーキでする子だったっけ? と、ともかく、他のみんなにバレる前に僕の手を放して……ああ、温かくて……じゃねえ!?
「な、なんでもないなんでもない……です。………………あの、ごめ……ちょ――っ」
「んー? なんでそんなに慌ててるのかなー? それとも、みんなには言えないことなのー?」
解放された!
急いでシャープペンを回収して元の体勢に戻ろうとしたとき、耳元で囁きが。
「………………ケンタ君のー、え・っ・ち・さ・ん」
早いもので、今週そして来週が終わってしまえば、九月四日からは二学期のスタートである。
そんな今日、月曜日なのだが、
「えええー……!? マジでやんの? 文化祭の準備もしないで? うへぇ……」
「おいおいおい。主にお前のためにやってやってるんだぞ、ロコ? 文句言うなって」
午後から集まった僕ら『電算論理研究部』、総勢八名の部員たちは、ロコの言葉どおり作業の手を止め、休み前に配布された大量のプリントを前に頭を悩ませ、悪戦苦闘していた。
「あー! もー! ……ね? ね? いっそあたしの分も書いてくんない、かえでちゃん?」
「ダ、ダメですよぅ。丸写しはなし、って最初に決めたじゃないですかー」
「ちぇー。けちー」
佐倉君のすげない返事に、ロコは頬をふくらませると、手にしたシャープペンを放り投げ、どさり、と仰向けに寝転がった。僕らの『電算論理研究部』には、机らしい机といったらちゃぶ台と壁側の文机二つきりしかないので、まるで満員電車で宿題をするようなもんである。
「おい、ロコ……やたらと放り投げるなって……。まったくもう……」
ぶつぶつと文句を言いつつも、ちゃぶ台の反対側に座る僕のところまで転がってきたシャープペンを拾おうと、身を屈めてなにげなく下を覗き込んだ僕だったのだが――。
う、うおっ!?
こ、これは……マズい……!
「なんでさー。よりにもよって、あたしとスミがわざわざあっちの部活休んだ時にやんのよー」
薄暗がりの中の、制服のスカートに隠されていた妙になまめかしく浅黒く日焼けしたロコの足がもぞもぞとすり合わされ、そのさらに奥にある白い布切れがうねるようによじれる。
「そ、それは……そうでもしないと、夏休みの宿題をやるヒマも……ないだろうとだな……」
――ごくり。
いかんいかん、と思いつつ、どうしても僕の目は釘付けになってしまっていた。唾を飲み込んだ音がいやに大きく響いた気がする。ロコが駄々をこねるように姿勢を変えるたび、ついつい目で追ってしまう。その上、肝心なシャープペンを拾い損ねて指先で弾いてしまった有様だ。
ころころ……。
「でも、よかったよね、ロコちゃん。このままだと最終日に徹夜だって言ってた――ひゃん!」
「? どしたの、スミ?」
「な、なんでもないなんでもない……あはははー……」
――きっ!
ち、違う違うんです、スミちゃん!
ぼ、僕はころがっていったシャープペンを追って手を伸ばしただけで、わざと触ろうだとかそんなことは決して思ってなかったというか、いや、触れたのはそれはそれでラッキーと――。
んんっ!?
僕は不測の事態に目を白黒させつつ純美子の目を見つめて、半泣きの表情でいやいやと首を振った。どうなってるの、と聞きたいのは僕の方だ。やばい、触っちゃった! と思って手を引っ込めようとしたら逆に純美子に掴まれて。ぎゅっ、と僕の手は純美子の両膝の間に挟まれてしまい。
「……あれー? どーしたのかなー、ケ・ン・タ・君?」
悪戯っぽく尋ねてくる純美子の頬がほんのり上気している。あ、あれ? 純美子ってこんなSっ気ある子だったっけ!? それに、こんなダイタンなことヘーキでする子だったっけ? と、ともかく、他のみんなにバレる前に僕の手を放して……ああ、温かくて……じゃねえ!?
「な、なんでもないなんでもない……です。………………あの、ごめ……ちょ――っ」
「んー? なんでそんなに慌ててるのかなー? それとも、みんなには言えないことなのー?」
解放された!
急いでシャープペンを回収して元の体勢に戻ろうとしたとき、耳元で囁きが。
「………………ケンタ君のー、え・っ・ち・さ・ん」
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