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噂なんてぶっ壊せ!
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人質救出作戦は前もって静哉くんには報告していた。急な連絡だったので仕事中の静哉くんから返事を聞く前に行動しちゃったけれど、細かい報連相は大事。それでも1人で複数人と対峙したことについては怒られた。
今回の誘拐事件だが、警察を介入することはやめておいた。その代わり各人物の保護者に藤堂の名前で抗議をすることになった。だってボクは藤堂の婚約者だし。
取り巻き3人は立場的に逆らえない状況と、直接手を出さなかったことを考慮され、1週間の停学とボクと雅への慰謝料で示談された。
話し合いは藤堂家の本館で行われたのだが、彼らの親が死にそうな顔になっていて気の毒だった。知らないところで左遷の可能性があったなんて恐怖だよね。しかも嫌がらせしていた相手が藤堂財閥の婚約者だなんてぶったまげただろうな。
無くなった物も無事に戻ってきた。取り巻きABCは盗ったはいいが捨てることもできずに持て余していたらしい。ちなみに授業中に盗んだ方法は、トイレだと言って教室から退室してこっそり忍び込んだとのこと。クラスが近いことと防犯カメラは設置されていないと確信しているからこその犯行だった。
京橋くんは慰謝料はもちろんのこと、思考が悪質だと判断され性格矯正のため規律に厳しいカトリック系の学校に転校することになった。クラスから男オメガが1人減ってしまって残念だ。
このことは大事にしたくなかったので校内では周知されなかったが、普段からボクに対して態度が悪いグループが一斉に粛清されたので何かしら感づくことがあるのか、周りの人から少し遠巻きにされるようになった。
そして取り巻きABCへの処罰に納得できなかったのか、3人は宮永先輩から1ヶ月間の風紀委員付きの雑用を命じられた。きっとボロ雑巾のようになるまでこき使われるんだろうな。
後日、誘拐事件のときに先輩にお持ち帰りされた雅は真っ赤な顔をしながら「先輩とお付き合いすることになりました」とオメガ会で報告してくれた。正直オメガ会全員が「まだ付き合ってなかったんかい」と思ったけれど表には出さずに「オメデトー」と言っておいた。
そして2年生アルファと順調にお付き合いを進めている木村さんが雅にBL漫画をそっと手渡していた。チラッと見えた表紙は雅と先輩にそっくりな登場人物だったけれどよくそんなの見つけてくるね。え?不良と可愛い子ちゃんのBLは腐るほどある?そっかー。
あ、でもその手に持っている不良受けの漫画は先輩に怒られると思うから渡さない方がいいと思うよ。
*****************************
さて、ボクには確認しなければならない重要なことがあるので、家のリビングソファで寛いでいる一華ちゃんを捕まえた。
「ねーねー。静哉くんと一華ちゃんの恋人説が流れていたみたいだけどなんで?」
「えー!まだそんな馬鹿なこと信じる人がいたんだ。ごめん小太郎~。実はさー⋯」
一華ちゃんは語った。学生時代ずっと同じ学校だった2人はいつも「付き合ってるの?」と何度も何度も何度も聞かれてうんざりしていたらしい。毎回否定しても定期的に聞かれるので肯定も否定もしないことにしたらなぜか「付き合っている」と解釈された。
否定すれば良いのだが、付き合ってる説が流れている間は他の人からのアプローチが明らかに減って快適だったらしい。なので噂をずっと放置していたのでボクと静哉くんの婚約が発表されたときは反動でめちゃくちゃ囲まれたらしい。
「そもそも裏取りもせずに噂を真実だと思い込むような無能とは関わりたくなかったから人付き合いの選別に利用させてもらったわ。ふふ。」
なるほど、そこから選ばれた人たちが一華ちゃんの会社を支えているわけですね。
「ただ静哉もあっちはあっちで噂を放置していたのよ?私よりもアプローチが激しかった訳だし都合が良いと思ったんじゃないかしら?」
なんだとぅ?それは初耳だ。静哉くんがモテないわけがないとは思っていたがまさか直接迫る人がいたなんて初耳だ。
というわけで
「静哉くん!デートしよう!」
「いいよ、どこまで行こうか?」
学校帰りに藤堂家別館で待ち構えて、帰ってきた静哉くんにボクは体ごと突撃していった。
静哉くんはそれを物ともしないでひょいっとボクを抱き上げる。
「ボクたちのラブラブっぷりを見せつけられるところ!」
「いったい誰に?」
世の中全ての人に!!
一華ちゃんとの噂が霞むくらいにボクらのラブラブをアピールするんだ!
「うーん、ちょうど市内のショッピングモールの視察があるから一緒に行く?」
「でもお仕事なんでしょう?邪魔はしたくないよ。」
静哉くんはあまり仕事のことをボクに話さない。「将来嫌でも関わることになるんだから今は学生生活を思い切り楽しんで」と言ってくれる。好き!
「それなんだけど、ショッピングモールの視察は全体が対象だけれど、最上階はアルファ立ち入り禁止エリアだから僕は入れないんだよ。だからコタが代わりに見てきてくれない?」
「ボクが?いいの?」
「もちろん。それに実際に利用しながらじゃないと分からないこともあるからデートのついでに視察する心構えで大丈夫だよ。」
やったー!デートだー!
今回の誘拐事件だが、警察を介入することはやめておいた。その代わり各人物の保護者に藤堂の名前で抗議をすることになった。だってボクは藤堂の婚約者だし。
取り巻き3人は立場的に逆らえない状況と、直接手を出さなかったことを考慮され、1週間の停学とボクと雅への慰謝料で示談された。
話し合いは藤堂家の本館で行われたのだが、彼らの親が死にそうな顔になっていて気の毒だった。知らないところで左遷の可能性があったなんて恐怖だよね。しかも嫌がらせしていた相手が藤堂財閥の婚約者だなんてぶったまげただろうな。
無くなった物も無事に戻ってきた。取り巻きABCは盗ったはいいが捨てることもできずに持て余していたらしい。ちなみに授業中に盗んだ方法は、トイレだと言って教室から退室してこっそり忍び込んだとのこと。クラスが近いことと防犯カメラは設置されていないと確信しているからこその犯行だった。
京橋くんは慰謝料はもちろんのこと、思考が悪質だと判断され性格矯正のため規律に厳しいカトリック系の学校に転校することになった。クラスから男オメガが1人減ってしまって残念だ。
このことは大事にしたくなかったので校内では周知されなかったが、普段からボクに対して態度が悪いグループが一斉に粛清されたので何かしら感づくことがあるのか、周りの人から少し遠巻きにされるようになった。
そして取り巻きABCへの処罰に納得できなかったのか、3人は宮永先輩から1ヶ月間の風紀委員付きの雑用を命じられた。きっとボロ雑巾のようになるまでこき使われるんだろうな。
後日、誘拐事件のときに先輩にお持ち帰りされた雅は真っ赤な顔をしながら「先輩とお付き合いすることになりました」とオメガ会で報告してくれた。正直オメガ会全員が「まだ付き合ってなかったんかい」と思ったけれど表には出さずに「オメデトー」と言っておいた。
そして2年生アルファと順調にお付き合いを進めている木村さんが雅にBL漫画をそっと手渡していた。チラッと見えた表紙は雅と先輩にそっくりな登場人物だったけれどよくそんなの見つけてくるね。え?不良と可愛い子ちゃんのBLは腐るほどある?そっかー。
あ、でもその手に持っている不良受けの漫画は先輩に怒られると思うから渡さない方がいいと思うよ。
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さて、ボクには確認しなければならない重要なことがあるので、家のリビングソファで寛いでいる一華ちゃんを捕まえた。
「ねーねー。静哉くんと一華ちゃんの恋人説が流れていたみたいだけどなんで?」
「えー!まだそんな馬鹿なこと信じる人がいたんだ。ごめん小太郎~。実はさー⋯」
一華ちゃんは語った。学生時代ずっと同じ学校だった2人はいつも「付き合ってるの?」と何度も何度も何度も聞かれてうんざりしていたらしい。毎回否定しても定期的に聞かれるので肯定も否定もしないことにしたらなぜか「付き合っている」と解釈された。
否定すれば良いのだが、付き合ってる説が流れている間は他の人からのアプローチが明らかに減って快適だったらしい。なので噂をずっと放置していたのでボクと静哉くんの婚約が発表されたときは反動でめちゃくちゃ囲まれたらしい。
「そもそも裏取りもせずに噂を真実だと思い込むような無能とは関わりたくなかったから人付き合いの選別に利用させてもらったわ。ふふ。」
なるほど、そこから選ばれた人たちが一華ちゃんの会社を支えているわけですね。
「ただ静哉もあっちはあっちで噂を放置していたのよ?私よりもアプローチが激しかった訳だし都合が良いと思ったんじゃないかしら?」
なんだとぅ?それは初耳だ。静哉くんがモテないわけがないとは思っていたがまさか直接迫る人がいたなんて初耳だ。
というわけで
「静哉くん!デートしよう!」
「いいよ、どこまで行こうか?」
学校帰りに藤堂家別館で待ち構えて、帰ってきた静哉くんにボクは体ごと突撃していった。
静哉くんはそれを物ともしないでひょいっとボクを抱き上げる。
「ボクたちのラブラブっぷりを見せつけられるところ!」
「いったい誰に?」
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「うーん、ちょうど市内のショッピングモールの視察があるから一緒に行く?」
「でもお仕事なんでしょう?邪魔はしたくないよ。」
静哉くんはあまり仕事のことをボクに話さない。「将来嫌でも関わることになるんだから今は学生生活を思い切り楽しんで」と言ってくれる。好き!
「それなんだけど、ショッピングモールの視察は全体が対象だけれど、最上階はアルファ立ち入り禁止エリアだから僕は入れないんだよ。だからコタが代わりに見てきてくれない?」
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「もちろん。それに実際に利用しながらじゃないと分からないこともあるからデートのついでに視察する心構えで大丈夫だよ。」
やったー!デートだー!
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