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1廃墟
#8α
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[除洗棟……それは、汚れを洗い落とすための施設です。
この施設では、街に残留する霧状のものを含め異形が放出する特殊な物質「テレビル」を洗い落とします……]
「ぎゃははは、くッ、クロエさんも見てますかぁ? あーもうダメだぁ!!!こっこの動画何回見ても!!あははは!!」
「……」
壁に埋め込まれたモニタの映像を指差し笑い転げるワカ
無事(?)ゲートを通過した二人は、バンでそこから程近い駆除棟と呼ばれる箱のような外観の建物に直接乗り付け洗浄室に直行したのだ。
「おい、ワカちゃん、いくら女子同士だからって浴衣をはだけるな!そして何か履け!」
「いいんですよぉ!全身包帯でぐるぐる巻きだし。どうせメディアミックスで改変されるんですから!全然似合わない水着姿とかに!それに、やせっぽちな私より競輪選手みたいな尻のクロエさんの方が流行ります!多分……ゼエゼエ」
「わからないぜ、世の中流行り廃りがあるからな」
「そっ……そういうものですかねえ~ひゃはは」
洗浄作業の工程は大半が自動化されており、二人はスーツを脱ぎ捨て全身に付着したテレビル物質を除洗棟のマネージメントAIの指示に従い、傷と疲労回復を促す泥状物質で満たされたプール、それを洗い落とす浴槽の二段階の手順で清めた。
「なんか、お風呂上がりみたいですねえ」
「そうだな……」
クロエが浴槽に持ち込んだ入浴剤の香りを漂わせ気持ちよさそうにくつろぐ二人
今頃はクロエの使っていた装備一式も洗浄が済んでいる頃合いだろう。ちなみにクロエとワカは一応お揃いの浴衣姿だがワカは右目にアイパッチ、体の至るところには交換した新品の包帯を巻いたミイラ女(R18)という風貌だった。
「ところでワカちゃん、首から下はともかくその眼帯交換しなくていいの?右目、大丈夫!?失明……するよ?放っておくと」
「いっ、いいんですよこれで。気に入りましたこの眼帯。そっ……そんなことよりクロエさん、けほっ、けほっこの映像止めてくださいおなっ!お腹がよじれまふっ!!」
洗浄室で全身の包帯を外して真っ裸になることに何の羞じらいも見せなかったが眼帯を外すことは頑なに拒んだワカ。
終いには「外したら大声上げて泣きますよ!もし無理矢理外したら明日クロエさんは[12歳女児に暴行した病院職員]としてニュースで日本中に蔑まれネットの玩具になります!」と喚き出した。
こんだけ元気あるなら大丈夫か……
面倒臭くなったクロエはこれ以上の追及は諦めることにしたのだ。
そうこうやってているうちに現在、時刻は17時近く、休憩室は時間帯もあり人影もまばらで二人に気を留めるものは誰もいない。
[『テレビル』とは、異形が生み出す未知の物質の通称であり、それを長時間浴びると様々な異常をきたします。例えば……]
画面の中では気の強そうな政府の広報官(?)の女性が淡々と説明を続けている。クロエには見飽きた何の面白味もない映像だ。
「あはは、あー久しぶりに笑った笑った。何か10年分くらい笑った気がします……さてと、クロエさんにお尋ねします」
ひとしきり笑って満足したのか、並べた座布団から起き上がりやんわりと探りを入れてきたクロエを意に介さず質問に質問を返すワカ。
(おっと会話が成り立たないアホ娘がひとり登場~質問文に対し質問文で答えるとテスト0点なの知ってたか?~~)
昔読んだコミックの一節を頭の中で引用しつつ何だ?と問い返すクロエ
「そろそろ今夜の寝床に案内してくれませんか?クロエさんのお宅のことですよ。近いんですか?ここから」
「ここからだいたい15分くらいだけど……えっ!?もう帰るの?せっかくだから夕飯外で食べていこうよ!ね?」
目を輝かせながら、ずいっと顔を近づけてくるワカを押し退けながら答えるクロエ。
「別にいいですけど……持ち合わせが……その……あんまりないのでお安めのところでお願いします……」
「ん?私が出すから気にしなくていいよ。クロエお姉さんのおごりだ」
「ちなみに何をご馳走していただけるので……?」
「んーそうだなぁ……うどんとかどう?近所に美味しいとこがあるんだ。結構老舗で店の中で並ぶシステムじゃないから結構……」
その時だった「グーテンモルゲン、クロエ」ふいに背後から両肩をいやらしい手つきでポンと叩かれた。クロエが怪訝そうに振り向くと、そこにはタレ目で茶髪のショートボブ女が浴衣姿でクロエに視線を合わせるようにしゃがみ込んでいた。
この施設では、街に残留する霧状のものを含め異形が放出する特殊な物質「テレビル」を洗い落とします……]
「ぎゃははは、くッ、クロエさんも見てますかぁ? あーもうダメだぁ!!!こっこの動画何回見ても!!あははは!!」
「……」
壁に埋め込まれたモニタの映像を指差し笑い転げるワカ
無事(?)ゲートを通過した二人は、バンでそこから程近い駆除棟と呼ばれる箱のような外観の建物に直接乗り付け洗浄室に直行したのだ。
「おい、ワカちゃん、いくら女子同士だからって浴衣をはだけるな!そして何か履け!」
「いいんですよぉ!全身包帯でぐるぐる巻きだし。どうせメディアミックスで改変されるんですから!全然似合わない水着姿とかに!それに、やせっぽちな私より競輪選手みたいな尻のクロエさんの方が流行ります!多分……ゼエゼエ」
「わからないぜ、世の中流行り廃りがあるからな」
「そっ……そういうものですかねえ~ひゃはは」
洗浄作業の工程は大半が自動化されており、二人はスーツを脱ぎ捨て全身に付着したテレビル物質を除洗棟のマネージメントAIの指示に従い、傷と疲労回復を促す泥状物質で満たされたプール、それを洗い落とす浴槽の二段階の手順で清めた。
「なんか、お風呂上がりみたいですねえ」
「そうだな……」
クロエが浴槽に持ち込んだ入浴剤の香りを漂わせ気持ちよさそうにくつろぐ二人
今頃はクロエの使っていた装備一式も洗浄が済んでいる頃合いだろう。ちなみにクロエとワカは一応お揃いの浴衣姿だがワカは右目にアイパッチ、体の至るところには交換した新品の包帯を巻いたミイラ女(R18)という風貌だった。
「ところでワカちゃん、首から下はともかくその眼帯交換しなくていいの?右目、大丈夫!?失明……するよ?放っておくと」
「いっ、いいんですよこれで。気に入りましたこの眼帯。そっ……そんなことよりクロエさん、けほっ、けほっこの映像止めてくださいおなっ!お腹がよじれまふっ!!」
洗浄室で全身の包帯を外して真っ裸になることに何の羞じらいも見せなかったが眼帯を外すことは頑なに拒んだワカ。
終いには「外したら大声上げて泣きますよ!もし無理矢理外したら明日クロエさんは[12歳女児に暴行した病院職員]としてニュースで日本中に蔑まれネットの玩具になります!」と喚き出した。
こんだけ元気あるなら大丈夫か……
面倒臭くなったクロエはこれ以上の追及は諦めることにしたのだ。
そうこうやってているうちに現在、時刻は17時近く、休憩室は時間帯もあり人影もまばらで二人に気を留めるものは誰もいない。
[『テレビル』とは、異形が生み出す未知の物質の通称であり、それを長時間浴びると様々な異常をきたします。例えば……]
画面の中では気の強そうな政府の広報官(?)の女性が淡々と説明を続けている。クロエには見飽きた何の面白味もない映像だ。
「あはは、あー久しぶりに笑った笑った。何か10年分くらい笑った気がします……さてと、クロエさんにお尋ねします」
ひとしきり笑って満足したのか、並べた座布団から起き上がりやんわりと探りを入れてきたクロエを意に介さず質問に質問を返すワカ。
(おっと会話が成り立たないアホ娘がひとり登場~質問文に対し質問文で答えるとテスト0点なの知ってたか?~~)
昔読んだコミックの一節を頭の中で引用しつつ何だ?と問い返すクロエ
「そろそろ今夜の寝床に案内してくれませんか?クロエさんのお宅のことですよ。近いんですか?ここから」
「ここからだいたい15分くらいだけど……えっ!?もう帰るの?せっかくだから夕飯外で食べていこうよ!ね?」
目を輝かせながら、ずいっと顔を近づけてくるワカを押し退けながら答えるクロエ。
「別にいいですけど……持ち合わせが……その……あんまりないのでお安めのところでお願いします……」
「ん?私が出すから気にしなくていいよ。クロエお姉さんのおごりだ」
「ちなみに何をご馳走していただけるので……?」
「んーそうだなぁ……うどんとかどう?近所に美味しいとこがあるんだ。結構老舗で店の中で並ぶシステムじゃないから結構……」
その時だった「グーテンモルゲン、クロエ」ふいに背後から両肩をいやらしい手つきでポンと叩かれた。クロエが怪訝そうに振り向くと、そこにはタレ目で茶髪のショートボブ女が浴衣姿でクロエに視線を合わせるようにしゃがみ込んでいた。
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