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増やそう経験
PHASE-320【カイルには申し訳ない】
で、王様にばかり報酬を頼むのではなく、こっちサイドの者たちにもやる気を出させるために、俺も決断する時は決断しないとな。
「シャルナ」
「なに?」
「俺の独断だけど、お前、今日から黄色級な」
「え!? いいの!」
飛び跳ねて喜んでくれる。
これを聞けば他のメンバーから依怙贔屓なのでは? と、冷たい視線で俺やシャルナが見られるかもしれんが、採取をこなしてもちゃんと評価をするってのを広めたいし、何より、シャルナの実力は黒色級でも白色級でもない。
今回、一緒に同行して十分に理解できた。
弓の技術に身体能力。魔法の習熟を考えれば、現状でカイルやマイヤの青色級より上だと思うんだよね。
実力主義のギルドだ。誰もこの決定に文句は言わないだろう。
シャルナならギルド第一号の第一位階である紫色級の、え~っと……、コ、コルクラ? だったかな。うん、多分そうだな。
紫色級の認識票を近いうちに首からぶら下げることになるだろう。
それでも納得がいかないと思う者も出て来る可能性があるので、その時は第二位階のカイルと戦ってもらって、魔法有りきのガチ実戦訓練を行って、シャルナがカイルを倒すところを皆に見てもらって納得してもらおう。
カイルを当て馬にと考える俺は、悪い奴です。
そもそもカイルが負けると決めつけている俺は、極悪です。
まあ先生も、瘴気吸入の人体実験に協力させてたし、俺もいいよね。
と、正当化を図ろうとする俺はゲスです。
「シャルナの位階には誰も文句はないと思うが、筋は通さないとな」
と、酒蔵から出てきたゲッコーさんからの一言。
筋の部分はカイルに任せたいと思っております。
ピリアも習得させてもらったし、毎度お世話になるカイルには俺から何か為になる物を譲渡するんで。
「それよりも蔵元。ビール造りに熱を入れるのもいいですが、ここは順序的にもポーションを優先してくださいね」
「……同時進行で」
なんて弱々しい語気なんだろう。
そこまでしてビールが飲みたいか。
俺の発言に対して、ギムロンまで俺と目を合わせようとしない。
これだから酒好きのドワーフは!
「まったく。同時進行でもいいですけど、大量生産でお願いしますよ。もちろん、お酒じゃなくてポーションをですからね」
「「ああ!」」
息の合った酒好き達だ。
きっと作業もツーカーでこなしてくれてると信じてますよ。
「主、腫れも随分とひいたようですね」
「そうなんですよ。レッサーでコレですからね。ポーションの生産は食料と同様に最重要にしたいですね」
「そこは問題ありません」
流石は先生。
官民一体の運営はがっちりとしているご様子。
後はゲッコーさんがちゃんとやってくれれば問題はないんだろうな。
この辺は先生からも釘を刺してもらおう。
酒蔵からギルドハウスに戻れば、手痛い目あった野郎達も元気になったようで、ちらほらと一階で食事や酒を飲んでいる。
回復が済んだ者たちも、本日はゆっくりと一日を過ごすようで、明日の為のクエストに目を向けつつ、大人しく食事や酒を楽しんでいた。
あんまりはっちゃけると、風紀委員長にしばかれるという考えが大多数を占めているようだ。
カイルも回復し、先生の護衛を務めていて、現在は応接室の前で待機している。
先生の護衛という事もあり、回復が最優先だったのか、俺とは違って完全に根治していた。
偉大なるかな回復魔法。
俺と目が合えば苦笑いで返してくる。なので俺も同様の笑みを向けた。
共通の痛みを受けた者にしか分からない。何とも言えない笑みだ。
今回のカイルはただの被害者なんだよな。
薄れ行く意識の中でカイルの声を聞いたけども、こいつの場合、完全にとばっちりでベルにしばかれただけだもんな。
しかも、そんなカイルをシャルナの当て馬にしようとしているんだよな。俺……。
入り口で護衛をしてくれているカイルに、俺は応接室から椅子を運ぶ。
本当に、いつも頑張ってくれてありがとうという意味合いで椅子を設置。
後で必ずいい物をあげるから。
今はこの椅子で勘弁して。
と、心底で頭を下げる。
対してカイルは、俺の行為に、目に見える一礼で応えてくれる。
俺たちが入室し、ドアを閉める。
閉まるドアの隙間から、静かに椅子に座る姿が見えた。
海外の映画だと、要人の部屋の前でボディーガードが座って雑誌なんかを読んでるシーンがよくあるよね。
まあ、映画でそんなシーンのボディーガードは、大抵は死ぬけども……。
「南伐ですが――――」
いつものように二人して応接室の中央にある円卓にて席に着く。
先に口を開いたのは先生。
内容は、現状で南へと打って出るのは難しいとの事。
コレに関しては言われなくても分かる。
圧倒的に兵力が足りないからね。
それでも今後の南伐に備えて、足がかりとするために、リオスの町付近のトロールと戦った洞窟は、ギルドで接収したそうだ。
「シャルナ」
「なに?」
「俺の独断だけど、お前、今日から黄色級な」
「え!? いいの!」
飛び跳ねて喜んでくれる。
これを聞けば他のメンバーから依怙贔屓なのでは? と、冷たい視線で俺やシャルナが見られるかもしれんが、採取をこなしてもちゃんと評価をするってのを広めたいし、何より、シャルナの実力は黒色級でも白色級でもない。
今回、一緒に同行して十分に理解できた。
弓の技術に身体能力。魔法の習熟を考えれば、現状でカイルやマイヤの青色級より上だと思うんだよね。
実力主義のギルドだ。誰もこの決定に文句は言わないだろう。
シャルナならギルド第一号の第一位階である紫色級の、え~っと……、コ、コルクラ? だったかな。うん、多分そうだな。
紫色級の認識票を近いうちに首からぶら下げることになるだろう。
それでも納得がいかないと思う者も出て来る可能性があるので、その時は第二位階のカイルと戦ってもらって、魔法有りきのガチ実戦訓練を行って、シャルナがカイルを倒すところを皆に見てもらって納得してもらおう。
カイルを当て馬にと考える俺は、悪い奴です。
そもそもカイルが負けると決めつけている俺は、極悪です。
まあ先生も、瘴気吸入の人体実験に協力させてたし、俺もいいよね。
と、正当化を図ろうとする俺はゲスです。
「シャルナの位階には誰も文句はないと思うが、筋は通さないとな」
と、酒蔵から出てきたゲッコーさんからの一言。
筋の部分はカイルに任せたいと思っております。
ピリアも習得させてもらったし、毎度お世話になるカイルには俺から何か為になる物を譲渡するんで。
「それよりも蔵元。ビール造りに熱を入れるのもいいですが、ここは順序的にもポーションを優先してくださいね」
「……同時進行で」
なんて弱々しい語気なんだろう。
そこまでしてビールが飲みたいか。
俺の発言に対して、ギムロンまで俺と目を合わせようとしない。
これだから酒好きのドワーフは!
「まったく。同時進行でもいいですけど、大量生産でお願いしますよ。もちろん、お酒じゃなくてポーションをですからね」
「「ああ!」」
息の合った酒好き達だ。
きっと作業もツーカーでこなしてくれてると信じてますよ。
「主、腫れも随分とひいたようですね」
「そうなんですよ。レッサーでコレですからね。ポーションの生産は食料と同様に最重要にしたいですね」
「そこは問題ありません」
流石は先生。
官民一体の運営はがっちりとしているご様子。
後はゲッコーさんがちゃんとやってくれれば問題はないんだろうな。
この辺は先生からも釘を刺してもらおう。
酒蔵からギルドハウスに戻れば、手痛い目あった野郎達も元気になったようで、ちらほらと一階で食事や酒を飲んでいる。
回復が済んだ者たちも、本日はゆっくりと一日を過ごすようで、明日の為のクエストに目を向けつつ、大人しく食事や酒を楽しんでいた。
あんまりはっちゃけると、風紀委員長にしばかれるという考えが大多数を占めているようだ。
カイルも回復し、先生の護衛を務めていて、現在は応接室の前で待機している。
先生の護衛という事もあり、回復が最優先だったのか、俺とは違って完全に根治していた。
偉大なるかな回復魔法。
俺と目が合えば苦笑いで返してくる。なので俺も同様の笑みを向けた。
共通の痛みを受けた者にしか分からない。何とも言えない笑みだ。
今回のカイルはただの被害者なんだよな。
薄れ行く意識の中でカイルの声を聞いたけども、こいつの場合、完全にとばっちりでベルにしばかれただけだもんな。
しかも、そんなカイルをシャルナの当て馬にしようとしているんだよな。俺……。
入り口で護衛をしてくれているカイルに、俺は応接室から椅子を運ぶ。
本当に、いつも頑張ってくれてありがとうという意味合いで椅子を設置。
後で必ずいい物をあげるから。
今はこの椅子で勘弁して。
と、心底で頭を下げる。
対してカイルは、俺の行為に、目に見える一礼で応えてくれる。
俺たちが入室し、ドアを閉める。
閉まるドアの隙間から、静かに椅子に座る姿が見えた。
海外の映画だと、要人の部屋の前でボディーガードが座って雑誌なんかを読んでるシーンがよくあるよね。
まあ、映画でそんなシーンのボディーガードは、大抵は死ぬけども……。
「南伐ですが――――」
いつものように二人して応接室の中央にある円卓にて席に着く。
先に口を開いたのは先生。
内容は、現状で南へと打って出るのは難しいとの事。
コレに関しては言われなくても分かる。
圧倒的に兵力が足りないからね。
それでも今後の南伐に備えて、足がかりとするために、リオスの町付近のトロールと戦った洞窟は、ギルドで接収したそうだ。
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