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極東
PHASE-367【メイド・メイド・メイド】
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「一応だ」
ここはまず俺が降りるとゲッコーさん。
油断して馬車から降りたところをって事もあり得ると考えたようだ。
感知能力が図抜けているベルが警戒をしてないから問題はないようだが、念には念を入れてくれる。
――――何事もなく馬車から降りれば、
「ほほう――――」
兵舎が凄かったから、屋敷もさぞ凄いと思ったけども、間近で見ると以外とこぢんまりとしているな。
十分に大きいけど、兵舎の方が大きかった。
まあ、多くの兵士が使用するんだから大きくて当然だけども。
屋敷は、馬車同様に光沢ある黒を基調とした壁。
こういう貴族の建物は、白を基調とするのが様式美だと思っていたけど、こんな風に全体が黒いのもあるんだな。
「うん。豊臣方だな」
ダークな感じが俺の中二心をくすぐるね。家主は闇の者って感じがして格好いい。
「黒い城だからといって、豊臣方というわけではないぞ」
ドヤ顔のゲッコーさん。
家康が天下取ったくらいに黒漆から、燃えにくい白漆喰が新素材として使用され始めたから、それ以降の城が白漆喰になったんだと、豆知識をいただけた。
にしても――、
「綺麗だな~」
汚れと呼べるものは一切無い。地面には木の葉の一つも落ちておらず、壁に汚れは見受けられない。黒光りしている。
黒は汚れが目立つからな。掃除は徹底しているんだろうな。
掃除担当の人は大変そうだ……。
「現在、主はこの別邸を使用しております」
「なんでわざわざ別邸を建てたんだ?」
兵舎と近くするって事なんだろうけど、それでも元々の屋敷でよくないか。と、先ほど思っていた考えを口に出し、イリーに質問。
「本邸は姫様のために侯爵様が譲りましたので」
「へ~」
譲るもんなんだな。
一緒に住めばいいのに。って考えるのは、庶民の証拠なんだろうか?
金持ちの考えを推し量る事は俺には出来ない。
顔に出ていたようで、イリーが理由を教えてくれる。
王族の、しかも主である王様の娘と同じ屋敷に住むのは不遜だからだそうだ。
理由が理由として成立しているのか、庶民には分かりませぬ……。
兵舎に近いところにもう一軒、欲しかったからというのも、理由ではあるらしい。
姫様がよけいな遠慮をしないための後付けっぽいけどね。
それだけ侯爵が姫様を大事にしているって事だろう。
それでもポンとやって、ポンと別邸を建てられるのは凄いよな。
やはり金持ちの考えは推し量れないな。
こぢんまりしてるっていっても、俺たちのギルドハウスの三倍はあるし。
「では中へご案内します」
イリーが先頭になって歩けば、玄関前の衛兵たちが背筋を伸ばす。
最初から真っ直ぐだったのが更に伸びる。
槍を片手に二人の衛兵は、息を合わせて両開きの扉を開いてくれる。
「おおぉぉぉぉぉぉぉぉお!」
テンションの咆哮。
もちろん俺。
発して直ぐに押し黙る。全体からの目、特に女性陣からの冷ややかな目が体に刺さりまくったからだ。
「いらっしゃいませ」
「「「「いらっしゃいませ」」」」
綺麗に声がそろった涼やかな唱和。その中には婀娜っぽさを感じ取れる色気もあった。
咆哮の原因は、訪問を歓迎してくれる唱和を発してくれた方々だ。
方々とは――――、メイドだ! メイドが入り口からのびる、通路に敷かれた赤絨毯の両端に立ち、典雅に挨拶をしてくれる。
凄い! 何が凄いって、皆が皆、美人だ。
ただの美人じゃない。すっごい美人! この語彙力!
「ようこそいらっしゃいました。メイド長のコトネと申します」
唱和の先駆けであった方が、優雅な足取りで指呼の距離まで近づき一礼。
なんだろう、このメイド長のコトネさんの妖艶さは――――。
ただ一礼をしているだけなのに、もの凄く魅了されてしまう感覚に陥ってしまう。
コトネさんは俺へと接近しても、赤絨毯に自らの足は付けない。
賓客とメイドの立場をわきまえた所作だと思われる。
体を起こせば優しさの伝わってくる微笑み。
右目の下には、美人の特権である泣きぼくろ。
黒髪はポニーテールを丸めたような髪型。シニヨンだ。騎士団長のイリーがしていたら、ある意味アウトだった髪型だ。
高身長でもある。
ローヒールの黒いパンプスを履いているが、俺より若干低いくらい。
170くらいかな。
長身の美人だ。でもって――。
「おい」
小声だが、鋭利な氷の刃を思わせる声が背後からする。
もちろんベルだ。普段なら蹴りが見舞われるところだが、流石に門の時とは違って、侯爵の邸宅内となれば実力行使は出来ないから、声だけで威圧してきた。
俺の目が、コトネさんの巨乳に向けられていたのが丸わかりだったようだ。
体に沿ったメイド服は清楚なデザインだが、体のラインがしっかりと出ているからエロかった。
清楚とエロという、相反するものを同居させた素晴らしいファッションである。仕立てた人を称賛したい。
だからガン見しちゃうよね。
ベルと違ってコトネさんは、視線を受けても、笑みを湛えた表情は崩さない。
やはりメイド長。出来た人物である。
胸を見たところで怒るって事がない。
むしろ見て構わないとばかりに、背筋を伸ばして強調してくれるありがたさ。
ベルも少しは見習って、こんな風に余裕ある美人になってもらいたいね。
ここはまず俺が降りるとゲッコーさん。
油断して馬車から降りたところをって事もあり得ると考えたようだ。
感知能力が図抜けているベルが警戒をしてないから問題はないようだが、念には念を入れてくれる。
――――何事もなく馬車から降りれば、
「ほほう――――」
兵舎が凄かったから、屋敷もさぞ凄いと思ったけども、間近で見ると以外とこぢんまりとしているな。
十分に大きいけど、兵舎の方が大きかった。
まあ、多くの兵士が使用するんだから大きくて当然だけども。
屋敷は、馬車同様に光沢ある黒を基調とした壁。
こういう貴族の建物は、白を基調とするのが様式美だと思っていたけど、こんな風に全体が黒いのもあるんだな。
「うん。豊臣方だな」
ダークな感じが俺の中二心をくすぐるね。家主は闇の者って感じがして格好いい。
「黒い城だからといって、豊臣方というわけではないぞ」
ドヤ顔のゲッコーさん。
家康が天下取ったくらいに黒漆から、燃えにくい白漆喰が新素材として使用され始めたから、それ以降の城が白漆喰になったんだと、豆知識をいただけた。
にしても――、
「綺麗だな~」
汚れと呼べるものは一切無い。地面には木の葉の一つも落ちておらず、壁に汚れは見受けられない。黒光りしている。
黒は汚れが目立つからな。掃除は徹底しているんだろうな。
掃除担当の人は大変そうだ……。
「現在、主はこの別邸を使用しております」
「なんでわざわざ別邸を建てたんだ?」
兵舎と近くするって事なんだろうけど、それでも元々の屋敷でよくないか。と、先ほど思っていた考えを口に出し、イリーに質問。
「本邸は姫様のために侯爵様が譲りましたので」
「へ~」
譲るもんなんだな。
一緒に住めばいいのに。って考えるのは、庶民の証拠なんだろうか?
金持ちの考えを推し量る事は俺には出来ない。
顔に出ていたようで、イリーが理由を教えてくれる。
王族の、しかも主である王様の娘と同じ屋敷に住むのは不遜だからだそうだ。
理由が理由として成立しているのか、庶民には分かりませぬ……。
兵舎に近いところにもう一軒、欲しかったからというのも、理由ではあるらしい。
姫様がよけいな遠慮をしないための後付けっぽいけどね。
それだけ侯爵が姫様を大事にしているって事だろう。
それでもポンとやって、ポンと別邸を建てられるのは凄いよな。
やはり金持ちの考えは推し量れないな。
こぢんまりしてるっていっても、俺たちのギルドハウスの三倍はあるし。
「では中へご案内します」
イリーが先頭になって歩けば、玄関前の衛兵たちが背筋を伸ばす。
最初から真っ直ぐだったのが更に伸びる。
槍を片手に二人の衛兵は、息を合わせて両開きの扉を開いてくれる。
「おおぉぉぉぉぉぉぉぉお!」
テンションの咆哮。
もちろん俺。
発して直ぐに押し黙る。全体からの目、特に女性陣からの冷ややかな目が体に刺さりまくったからだ。
「いらっしゃいませ」
「「「「いらっしゃいませ」」」」
綺麗に声がそろった涼やかな唱和。その中には婀娜っぽさを感じ取れる色気もあった。
咆哮の原因は、訪問を歓迎してくれる唱和を発してくれた方々だ。
方々とは――――、メイドだ! メイドが入り口からのびる、通路に敷かれた赤絨毯の両端に立ち、典雅に挨拶をしてくれる。
凄い! 何が凄いって、皆が皆、美人だ。
ただの美人じゃない。すっごい美人! この語彙力!
「ようこそいらっしゃいました。メイド長のコトネと申します」
唱和の先駆けであった方が、優雅な足取りで指呼の距離まで近づき一礼。
なんだろう、このメイド長のコトネさんの妖艶さは――――。
ただ一礼をしているだけなのに、もの凄く魅了されてしまう感覚に陥ってしまう。
コトネさんは俺へと接近しても、赤絨毯に自らの足は付けない。
賓客とメイドの立場をわきまえた所作だと思われる。
体を起こせば優しさの伝わってくる微笑み。
右目の下には、美人の特権である泣きぼくろ。
黒髪はポニーテールを丸めたような髪型。シニヨンだ。騎士団長のイリーがしていたら、ある意味アウトだった髪型だ。
高身長でもある。
ローヒールの黒いパンプスを履いているが、俺より若干低いくらい。
170くらいかな。
長身の美人だ。でもって――。
「おい」
小声だが、鋭利な氷の刃を思わせる声が背後からする。
もちろんベルだ。普段なら蹴りが見舞われるところだが、流石に門の時とは違って、侯爵の邸宅内となれば実力行使は出来ないから、声だけで威圧してきた。
俺の目が、コトネさんの巨乳に向けられていたのが丸わかりだったようだ。
体に沿ったメイド服は清楚なデザインだが、体のラインがしっかりと出ているからエロかった。
清楚とエロという、相反するものを同居させた素晴らしいファッションである。仕立てた人を称賛したい。
だからガン見しちゃうよね。
ベルと違ってコトネさんは、視線を受けても、笑みを湛えた表情は崩さない。
やはりメイド長。出来た人物である。
胸を見たところで怒るって事がない。
むしろ見て構わないとばかりに、背筋を伸ばして強調してくれるありがたさ。
ベルも少しは見習って、こんな風に余裕ある美人になってもらいたいね。
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