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極東
PHASE-449【イケメンさんを交えて】
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「つまりは、君たちサキュバスの主は――――、廃された魔王と考えるべきかな? この話の流れだと」
「その通りですゲッコー様。我らが主は前魔王様です」
おっと、聞いたことがないですよ。そんな情報。
仕方がないだろうと、ベルとゲッコーさんの軍人二人が初耳である事に理解を示す。
そもそも俺たちの得られる情報は、人間サイドの情勢だけだったからな。
内部の情報を知らせてくれる存在がいないわけだから、魔王軍の実態を知らなくて当然。
現在、王都で生活を営むコボルト達は、魔王軍にとって人足の奴隷あつかいだった。末端の立ち位置だから情報を有していないのは当たり前。
ここでようやく、俺たちは魔王軍の内部を知る面々から、情報を聞くとこが出来るというわけだ。
まさか魔王軍所属の方々とこうやって向かい合い、お茶を飲むことになるとは、王都を出立した時には想像すらしていなかった。
これは中々に入り組んだ話になるのかな? シンプルなら助かるんだが、側に知者が欲しい。
ゲッコーさんやベルでも問題はないが、国の舵取りをしてくれるクラスの知者が欲しい。
――――試してみるか。
怒られるかもしれないが、それを覚悟してプレイギアを取り出し、
「荀彧先生」
王都にいる先生を呼び出すことは可能なのか? ――――という心配は無用とばかりに、プレイギアは光り輝く。
「おや?」
久しぶりに聞く声だ。
遠隔召喚も可能なんだな。
「これは主」
「すみません急に」
「まったくです。先ほどまでカンファレスルームにて、王都近郊に出没した大量のアンデッド討伐のためのクエストを話し合っていたのですよ。カイル君をリーダーとした大規模人員によるミッションだったのですが、私が消えてさぞ驚いているでしょう」
やはり急に呼び出したからご立腹だ。
話の内容に横文字がバンバン出て来るあたり、先生もこの世界に馴染んできている。
カイル君たちは優秀だから、自分が急にいなくなっても対処するから問題はないですが。と言ってくれるのは助かる。
わざわざ自分を呼ばないといけない状況だったのだろうという事に重きを置いてくれたようだ――――。
「――――ふむふむ。これはありがたい」
相手側から得られる情報は貴重だと、ややご立腹だった先生だったが、一転して上機嫌になってくれる。
「ですが――――地龍だけを救い、前魔王殿は救い出さずにそのまま放置という考えを我々が抱いたらどうします?」
中々に酷薄な声で先生は無慈悲なことを口にする。
コトネさん達の表情が一気に悲哀に歪んでしまう。
自分たちが出来るのは頼むことのみ。
ここでもし無理矢理にでも。と、力を行使したところで、ゼノを倒している俺たち勝てるわけもなく、結局は願いが叶わず、絶望を受け入れるだけということになるだろう。
「……地龍様を救い出すためには、我々の主を救うことは必須です」
一縷の望みとばかりに、コトネさんは悲哀を振り払い、悲壮な姿に変わる。
悲しみを背負ってでも、それに負けないといった姿だった。
「なるほど」
と、先生。
理解したとばかりに鷹揚に頷く。
前魔王が地龍を救い出すのに必須となるなら、前魔王の力が何かしら地龍に作用されていると先生が推測すれば、コトネさんは頷き、
「地龍様は結界によって封じられております」
それは理解できる。
火龍の時も黒いクリスタルによって体を封じられていたし、埋め込まれたクリスタルに操られて、俺たちに襲いかかっても来たからな。
火龍の時の経験を俺が述べれば、黒いクリスタルとは別に、更に前魔王の力が無理矢理に使用されて結界が展開されているそうだ。
黒いクリスタルによる結界を破壊するためにも、まずは前魔王の結界を解かなければならない。
「さながら前魔王殿は鍵のようなものですね。所持しなければ地龍までたどり着けない」
「その通りです」
「虚偽では無く?」
「嘘偽りありません。頼る事しか出来ない我々には偽りを発する事は出来ません。これでも聞き入れられないのならば、我々は……」
ここでわずかな間を作るコトネさん。続けて口を開くという流れから、俺たちはコトネさんの言葉を待つ。
待っている合間に、再びコトネさんは他のメイドさん達に目を向ける。
皆さんからは意を決したように、強い頷きが返ってきていた。
それを確認したコトネさんは、大きく深呼吸を一度行って、
「――――この体を愛玩、慰み者として使ってくださっても構いません!」
「ふぁ!?」
頬を紅潮させて何を言っているの。
ある意味、最高の発言だったような気もするが……。
美人サキュバスさん達に囲まれた、異世界ハーレム編に突入とか最高でしかないが……。
――……まあそうならないのが俺の異世界なのだが…………。
「その通りですゲッコー様。我らが主は前魔王様です」
おっと、聞いたことがないですよ。そんな情報。
仕方がないだろうと、ベルとゲッコーさんの軍人二人が初耳である事に理解を示す。
そもそも俺たちの得られる情報は、人間サイドの情勢だけだったからな。
内部の情報を知らせてくれる存在がいないわけだから、魔王軍の実態を知らなくて当然。
現在、王都で生活を営むコボルト達は、魔王軍にとって人足の奴隷あつかいだった。末端の立ち位置だから情報を有していないのは当たり前。
ここでようやく、俺たちは魔王軍の内部を知る面々から、情報を聞くとこが出来るというわけだ。
まさか魔王軍所属の方々とこうやって向かい合い、お茶を飲むことになるとは、王都を出立した時には想像すらしていなかった。
これは中々に入り組んだ話になるのかな? シンプルなら助かるんだが、側に知者が欲しい。
ゲッコーさんやベルでも問題はないが、国の舵取りをしてくれるクラスの知者が欲しい。
――――試してみるか。
怒られるかもしれないが、それを覚悟してプレイギアを取り出し、
「荀彧先生」
王都にいる先生を呼び出すことは可能なのか? ――――という心配は無用とばかりに、プレイギアは光り輝く。
「おや?」
久しぶりに聞く声だ。
遠隔召喚も可能なんだな。
「これは主」
「すみません急に」
「まったくです。先ほどまでカンファレスルームにて、王都近郊に出没した大量のアンデッド討伐のためのクエストを話し合っていたのですよ。カイル君をリーダーとした大規模人員によるミッションだったのですが、私が消えてさぞ驚いているでしょう」
やはり急に呼び出したからご立腹だ。
話の内容に横文字がバンバン出て来るあたり、先生もこの世界に馴染んできている。
カイル君たちは優秀だから、自分が急にいなくなっても対処するから問題はないですが。と言ってくれるのは助かる。
わざわざ自分を呼ばないといけない状況だったのだろうという事に重きを置いてくれたようだ――――。
「――――ふむふむ。これはありがたい」
相手側から得られる情報は貴重だと、ややご立腹だった先生だったが、一転して上機嫌になってくれる。
「ですが――――地龍だけを救い、前魔王殿は救い出さずにそのまま放置という考えを我々が抱いたらどうします?」
中々に酷薄な声で先生は無慈悲なことを口にする。
コトネさん達の表情が一気に悲哀に歪んでしまう。
自分たちが出来るのは頼むことのみ。
ここでもし無理矢理にでも。と、力を行使したところで、ゼノを倒している俺たち勝てるわけもなく、結局は願いが叶わず、絶望を受け入れるだけということになるだろう。
「……地龍様を救い出すためには、我々の主を救うことは必須です」
一縷の望みとばかりに、コトネさんは悲哀を振り払い、悲壮な姿に変わる。
悲しみを背負ってでも、それに負けないといった姿だった。
「なるほど」
と、先生。
理解したとばかりに鷹揚に頷く。
前魔王が地龍を救い出すのに必須となるなら、前魔王の力が何かしら地龍に作用されていると先生が推測すれば、コトネさんは頷き、
「地龍様は結界によって封じられております」
それは理解できる。
火龍の時も黒いクリスタルによって体を封じられていたし、埋め込まれたクリスタルに操られて、俺たちに襲いかかっても来たからな。
火龍の時の経験を俺が述べれば、黒いクリスタルとは別に、更に前魔王の力が無理矢理に使用されて結界が展開されているそうだ。
黒いクリスタルによる結界を破壊するためにも、まずは前魔王の結界を解かなければならない。
「さながら前魔王殿は鍵のようなものですね。所持しなければ地龍までたどり着けない」
「その通りです」
「虚偽では無く?」
「嘘偽りありません。頼る事しか出来ない我々には偽りを発する事は出来ません。これでも聞き入れられないのならば、我々は……」
ここでわずかな間を作るコトネさん。続けて口を開くという流れから、俺たちはコトネさんの言葉を待つ。
待っている合間に、再びコトネさんは他のメイドさん達に目を向ける。
皆さんからは意を決したように、強い頷きが返ってきていた。
それを確認したコトネさんは、大きく深呼吸を一度行って、
「――――この体を愛玩、慰み者として使ってくださっても構いません!」
「ふぁ!?」
頬を紅潮させて何を言っているの。
ある意味、最高の発言だったような気もするが……。
美人サキュバスさん達に囲まれた、異世界ハーレム編に突入とか最高でしかないが……。
――……まあそうならないのが俺の異世界なのだが…………。
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