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レティアラ大陸
PHASE-522【俺のこの手が真っ赤に燃える】
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元々、使用していたピリアも含めてのブーステッド発動。
体内から燃える様な力が漲ってくる。
俺は四肢に、漲る力を伝達させるようにイメージする。
しっかりと両手で鞘と柄を握り、両足でがっちりと首をホールドしながら大きく弓なりになって、床に角を向けようとする地龍の頭を無理矢理に起こす。
キャメルクラッチを脳内で想像しつつの動作。
流石にバテているのか、首を振り回すということをしない。
呼吸も苦しくなっているようで、俺のなすがままといった感じだ。
「いい加減に倒れろ!」
ギチギチと音を立てて、角をへし折る勢いで残火を自分の方に引く。
それだけで地龍は後退りをし、反撃もせずただただ俺の動きに合わせて下がる。
「ぬん!」
鞘を力一杯引けば、地龍が天を仰ぎ、眉間が俺の目の前にくる。
目標が見えたところで、大腿四頭筋に力を込めて体を固定し、鞘を左手だけで握る。
「イグニース」
右手前方に炎の盾を顕現。
集中すれば炎の盾は強度や形状、熱が増すとワックさんは言っていた。
盾のサイズだって変えようと思えば変えられるはず。
イメージが大事なのが、この世界のマナだ。
「圧縮、圧縮――――」
念仏を唱えるようにして炎の盾をコンパクトにしていくイメージ。
折りたたんでいくイメージ。
――――長方形の盾が、俺の意志に従うように圧縮され、更にイメージすれば、炎が野球ボールくらいの火球になり、右拳を覆う。
「あ、熱い!」
思いの外、熱かった。火龍装備であっても火傷するんじゃないかというくらいに、右拳には焦熱が宿る。
「唸れ! 俺の魂の右拳!」
「「おお!」」
眉間の黒いクリスタル目がけての右ストレート。
くさい台詞に歓呼の声を上げるのは、コクリコとゲッコーさん。特に前者の声が大きかった。
もれなく中二病を煩っているのが俺の台詞に反応。
他はノリについて行けないといったところだろう。
攻撃面において、肉体強化の初期ピリアであるインクリーズに加えて、禁忌のピリアであるブーステッドが付与された右ストレート。
体勢から足裏の踏ん張りが使えない、腰と腕の連動からしか生み出せない威力だけども、
「どっせい!」
かけ声と共に、現状の渾身の一撃をクリスタルに見舞えば、ピンポイントで爆発。
爆音と共に、砕けたクリスタルの破片が宙を舞い、中に封じられていたショゴスの力である黒い霧が吐き出されるようして消滅。
「よし!」
火龍の時とは違って、爆風に襲われつつも、ちゃんと着地に成功。
勇者らしく最後まで決めることが出来た。
この後が不安でしかないけど……。
俺は静かになった地龍に用心しつつ距離を取り、迫る不安に対して、準備とばかりに腰をおろす。
これでブーステッドの反動で動けなくなっても大丈夫。倒れずに三角座りで姿勢をキープだ。
問題は要塞から脱出する時、俺の体が使い物にならない事だけだ。そこは皆に頼るだけ。
とりあえず動けなくなる前に、突撃による活躍をしたT-90Aをプレイギアに戻す。
「見事な一撃だった」
「素晴らしい突きでした」
ベルとランシェルが称賛。
柔和な笑みを湛えて俺を見てくれる。二人の好感度が上がっているようだな。
まあ、一人は上がってもあれだが……。
「確かに素晴らしかったですよ」
琥珀の瞳をキラキラとさせて興奮するコクリコは、俺の技がお気に召したようだ。
「技名は何というのです」
――――そういうの必要なのかな? ――――うむ、必要だな! 必要だともさ!
ゼノだって闇の念拳って技を使用していたし、俺も格好いいのを名付けたい。
横文字がいいのかな。和名も捨てがたいが――――、
「ボルカニックナックルってどうだ」
「いいですね!」
鼻息荒くコクリコが賛成。他の皆さんも良いんじゃないかとコクリコのようにノリノリではないが、首肯してくれる。
「いや、駄目だろう」
そんな中、ゲッコーさんだけが否定。
継いで、
「アウトだ。まんまだからな」
と、バッサリ却下。
「ですよね」
うん、確実に©に怒られるよね。
「火龍の装備からの技なんだから、残火に合わせて――――烈火とかにしとけ」
「シンプルシリーズもいいですね。烈火。烈火か。烈火の――炎」
「それも駄目だ。な、な!」
「で、ですよね~……」
首を傾げながら詰め寄って来ないでいただきたい。
軍人いうより輩みたいです。
というか、どんだけ日本のサブカルチャーに精通しているの? ゲッコーさん。
ゲーム内でそこまで濃密に設定されているの?
確かに、お仲間と無線で会話をしている時、いつ終わるんだよ! ってマニアックなやり取りを延々とやる時がありますけども……。
まあ知識が豊富なのいい事だけどね。
――――よし、じゃあサブカル知識が豊富な、ゲッコーさん命名の烈火に決定。
体内から燃える様な力が漲ってくる。
俺は四肢に、漲る力を伝達させるようにイメージする。
しっかりと両手で鞘と柄を握り、両足でがっちりと首をホールドしながら大きく弓なりになって、床に角を向けようとする地龍の頭を無理矢理に起こす。
キャメルクラッチを脳内で想像しつつの動作。
流石にバテているのか、首を振り回すということをしない。
呼吸も苦しくなっているようで、俺のなすがままといった感じだ。
「いい加減に倒れろ!」
ギチギチと音を立てて、角をへし折る勢いで残火を自分の方に引く。
それだけで地龍は後退りをし、反撃もせずただただ俺の動きに合わせて下がる。
「ぬん!」
鞘を力一杯引けば、地龍が天を仰ぎ、眉間が俺の目の前にくる。
目標が見えたところで、大腿四頭筋に力を込めて体を固定し、鞘を左手だけで握る。
「イグニース」
右手前方に炎の盾を顕現。
集中すれば炎の盾は強度や形状、熱が増すとワックさんは言っていた。
盾のサイズだって変えようと思えば変えられるはず。
イメージが大事なのが、この世界のマナだ。
「圧縮、圧縮――――」
念仏を唱えるようにして炎の盾をコンパクトにしていくイメージ。
折りたたんでいくイメージ。
――――長方形の盾が、俺の意志に従うように圧縮され、更にイメージすれば、炎が野球ボールくらいの火球になり、右拳を覆う。
「あ、熱い!」
思いの外、熱かった。火龍装備であっても火傷するんじゃないかというくらいに、右拳には焦熱が宿る。
「唸れ! 俺の魂の右拳!」
「「おお!」」
眉間の黒いクリスタル目がけての右ストレート。
くさい台詞に歓呼の声を上げるのは、コクリコとゲッコーさん。特に前者の声が大きかった。
もれなく中二病を煩っているのが俺の台詞に反応。
他はノリについて行けないといったところだろう。
攻撃面において、肉体強化の初期ピリアであるインクリーズに加えて、禁忌のピリアであるブーステッドが付与された右ストレート。
体勢から足裏の踏ん張りが使えない、腰と腕の連動からしか生み出せない威力だけども、
「どっせい!」
かけ声と共に、現状の渾身の一撃をクリスタルに見舞えば、ピンポイントで爆発。
爆音と共に、砕けたクリスタルの破片が宙を舞い、中に封じられていたショゴスの力である黒い霧が吐き出されるようして消滅。
「よし!」
火龍の時とは違って、爆風に襲われつつも、ちゃんと着地に成功。
勇者らしく最後まで決めることが出来た。
この後が不安でしかないけど……。
俺は静かになった地龍に用心しつつ距離を取り、迫る不安に対して、準備とばかりに腰をおろす。
これでブーステッドの反動で動けなくなっても大丈夫。倒れずに三角座りで姿勢をキープだ。
問題は要塞から脱出する時、俺の体が使い物にならない事だけだ。そこは皆に頼るだけ。
とりあえず動けなくなる前に、突撃による活躍をしたT-90Aをプレイギアに戻す。
「見事な一撃だった」
「素晴らしい突きでした」
ベルとランシェルが称賛。
柔和な笑みを湛えて俺を見てくれる。二人の好感度が上がっているようだな。
まあ、一人は上がってもあれだが……。
「確かに素晴らしかったですよ」
琥珀の瞳をキラキラとさせて興奮するコクリコは、俺の技がお気に召したようだ。
「技名は何というのです」
――――そういうの必要なのかな? ――――うむ、必要だな! 必要だともさ!
ゼノだって闇の念拳って技を使用していたし、俺も格好いいのを名付けたい。
横文字がいいのかな。和名も捨てがたいが――――、
「ボルカニックナックルってどうだ」
「いいですね!」
鼻息荒くコクリコが賛成。他の皆さんも良いんじゃないかとコクリコのようにノリノリではないが、首肯してくれる。
「いや、駄目だろう」
そんな中、ゲッコーさんだけが否定。
継いで、
「アウトだ。まんまだからな」
と、バッサリ却下。
「ですよね」
うん、確実に©に怒られるよね。
「火龍の装備からの技なんだから、残火に合わせて――――烈火とかにしとけ」
「シンプルシリーズもいいですね。烈火。烈火か。烈火の――炎」
「それも駄目だ。な、な!」
「で、ですよね~……」
首を傾げながら詰め寄って来ないでいただきたい。
軍人いうより輩みたいです。
というか、どんだけ日本のサブカルチャーに精通しているの? ゲッコーさん。
ゲーム内でそこまで濃密に設定されているの?
確かに、お仲間と無線で会話をしている時、いつ終わるんだよ! ってマニアックなやり取りを延々とやる時がありますけども……。
まあ知識が豊富なのいい事だけどね。
――――よし、じゃあサブカル知識が豊富な、ゲッコーさん命名の烈火に決定。
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