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レティアラ大陸
PHASE-523【底辺からの成り上がり作品のキャラみたい】
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「命名はいいが、ブーステッドなるピリアを使用するには筋力、実力共にやはり不足しているな。それを使いこなせなければ、烈火も最大威力では使用出来ないだろう」
「だよな。必殺技にはまだまだ遠いよ」
インクリーズで肉体強化をすれば、普通の相手ならそれプラス烈火の組み合わせで問題ないだろうけど、強敵が相手となれば、威力的にはジャブ程度。
渾身のストレートやアッパーようなフィニッシュブローのポジションにするには、現状だとブーステッドがどうしても必須になってしまう。
だが使用するには、まだまだ実力不足。
ブーステッドが難しくても、せめてインクリーズの上位を覚えないと、俺の成長は行き詰まってしまう。
「は~……」
予見はしていたけども、やはり脱力に襲われてしまった……。
使用する度にこんな状態になる技なんて技じゃないからな。
ピリアの能力向上の為にも、ベルが指摘するように筋力をつけないとな。
ナイスバルクとまでは行かなくても、細マッチョ系の体には仕上げたい。
腹筋もメリハリのあるシックスパックを目指したいところ。
モテモテボディになりたいよな。男として。
「あの、大丈夫ですか。トール様」
「う~んちょっと無理……」
心配そうに俺の元へと歩み寄ってくれるリズベッド。
小柄な体を小さくして、俺を覗き込んでくる姿は尊い。
なんか小さい子を愛でる紳士達の気持ちが分かるような気がした。
「回復とか出来ないよね?」
「トール様の体は現在、多くのピリアを体外に排出した状態です」
本来なら、ブーステッドを使用するに見合った実力者は、体内にピリアを留めることで、脱力を回避するだけの実力を有しているそうだ。
そもそも、この上位ピリアに分類されるブーステッドが使用出来る時点で、他のピリアも習得しているから、留めるというより、自然とそれが出来るってのが当然とのこと。
俺みたいにオーバーヒートを起こすことはないそうだ。
でもって、マナをコントロール出来るリズベッドであっても、ピリアは体内において個人がコントロールするものだから、干渉するのは難しいという。
ショゴスに能力を奪われているから特にだそうだ。
出来る事があるとするなら、カイル達がしてくれたように、ピリアの能力を引き出すことくらい。
他者に干渉できるとなると、それはピリアではなく、外部のマナであるネイコス。
だからこそ、ネイコス――つまり魔法は味方に対して有効な付与を与えたりすることが可能なのだそうだ。
ピリアはあくまでも個人の力を高めるものと限定して考えた方が良いようだな。
と、いうことなので――、
「つまりは、俺は動けない状態が当分つづくわけだ」
「ならば私が運んでやろう」
「おん?」
聞かない声だ。
この状況ではじめて聞く声となると――、
「地龍が正気を取り戻したようだな」
「感謝するぞ人間。それに――魔王もいるとは」
「申し訳ございませんパルメニデス様」
リズベッドがカーテシーで挨拶兼謝罪を述べる。
地龍はなぜ謝罪をするのかと問えば、自身の結界によって自由を奪っていたからと返答していた。
逆らえば仲間に累が及ぶ。詮無きことと許し、そもそも自分の力が現魔王より劣っているというのが問題だったと、猛半する真面目さがある。
「しかし、この後頭部や額に走った感覚。我らが長は先に救われていると考えていいのだな?」
やはり火龍の籠手で殴ったのがしっかりと伝わっていたようだな。
同じ四大聖龍であるからこそ、支配されていても抗う心底には届いていたようだ。
そんな地龍が俺の方をじっと見て、発言を待っている。
「貴方で、二体――二柱目だ」
しっかりと火龍の鱗から出来た装備を見せれば、農耕馬みたいな太い首で鷹揚に頷く。
「理解した。後は風龍アナクシメネスと、水龍タレスか」
「そうなるね。場所とか分かると助かるんだけど」
「すまないな」
頭を左右に振って分からないと返してくる。
現魔王と戦闘をしたところまでは覚えているそうだけども、闇に呑まれて抵抗できなくなり、今に至るそうだ。
――――手短に現状を地龍へと伝えれば、自分たちがスライムによって支配されるとは情けないと、落ち込む姿を俺たちに見せる。
魔大陸、つまりはレティアラ大陸をリズベッドに任せきりだった事も反省していた。
リズベッドに頼り切っていたから、問題が発生したと知った時には、手遅れだった。
対処をする時には、すでにショゴスは四大聖龍を相手にして、勝てるまでの存在に成り上がっていたそうだ。
姿もスライムとはかけ離れていて、禍々しい存在に成長していたという。
その姿から、そもそもショゴスがスライムだったという認識もなかったそうだ。
だからスライムに支配されていたという事実を知って、落ち込んでいるわけだ。
ある意味、成り上がり系の作品なら、成功者としての立ち位置だな。ショゴス。
「だよな。必殺技にはまだまだ遠いよ」
インクリーズで肉体強化をすれば、普通の相手ならそれプラス烈火の組み合わせで問題ないだろうけど、強敵が相手となれば、威力的にはジャブ程度。
渾身のストレートやアッパーようなフィニッシュブローのポジションにするには、現状だとブーステッドがどうしても必須になってしまう。
だが使用するには、まだまだ実力不足。
ブーステッドが難しくても、せめてインクリーズの上位を覚えないと、俺の成長は行き詰まってしまう。
「は~……」
予見はしていたけども、やはり脱力に襲われてしまった……。
使用する度にこんな状態になる技なんて技じゃないからな。
ピリアの能力向上の為にも、ベルが指摘するように筋力をつけないとな。
ナイスバルクとまでは行かなくても、細マッチョ系の体には仕上げたい。
腹筋もメリハリのあるシックスパックを目指したいところ。
モテモテボディになりたいよな。男として。
「あの、大丈夫ですか。トール様」
「う~んちょっと無理……」
心配そうに俺の元へと歩み寄ってくれるリズベッド。
小柄な体を小さくして、俺を覗き込んでくる姿は尊い。
なんか小さい子を愛でる紳士達の気持ちが分かるような気がした。
「回復とか出来ないよね?」
「トール様の体は現在、多くのピリアを体外に排出した状態です」
本来なら、ブーステッドを使用するに見合った実力者は、体内にピリアを留めることで、脱力を回避するだけの実力を有しているそうだ。
そもそも、この上位ピリアに分類されるブーステッドが使用出来る時点で、他のピリアも習得しているから、留めるというより、自然とそれが出来るってのが当然とのこと。
俺みたいにオーバーヒートを起こすことはないそうだ。
でもって、マナをコントロール出来るリズベッドであっても、ピリアは体内において個人がコントロールするものだから、干渉するのは難しいという。
ショゴスに能力を奪われているから特にだそうだ。
出来る事があるとするなら、カイル達がしてくれたように、ピリアの能力を引き出すことくらい。
他者に干渉できるとなると、それはピリアではなく、外部のマナであるネイコス。
だからこそ、ネイコス――つまり魔法は味方に対して有効な付与を与えたりすることが可能なのだそうだ。
ピリアはあくまでも個人の力を高めるものと限定して考えた方が良いようだな。
と、いうことなので――、
「つまりは、俺は動けない状態が当分つづくわけだ」
「ならば私が運んでやろう」
「おん?」
聞かない声だ。
この状況ではじめて聞く声となると――、
「地龍が正気を取り戻したようだな」
「感謝するぞ人間。それに――魔王もいるとは」
「申し訳ございませんパルメニデス様」
リズベッドがカーテシーで挨拶兼謝罪を述べる。
地龍はなぜ謝罪をするのかと問えば、自身の結界によって自由を奪っていたからと返答していた。
逆らえば仲間に累が及ぶ。詮無きことと許し、そもそも自分の力が現魔王より劣っているというのが問題だったと、猛半する真面目さがある。
「しかし、この後頭部や額に走った感覚。我らが長は先に救われていると考えていいのだな?」
やはり火龍の籠手で殴ったのがしっかりと伝わっていたようだな。
同じ四大聖龍であるからこそ、支配されていても抗う心底には届いていたようだ。
そんな地龍が俺の方をじっと見て、発言を待っている。
「貴方で、二体――二柱目だ」
しっかりと火龍の鱗から出来た装備を見せれば、農耕馬みたいな太い首で鷹揚に頷く。
「理解した。後は風龍アナクシメネスと、水龍タレスか」
「そうなるね。場所とか分かると助かるんだけど」
「すまないな」
頭を左右に振って分からないと返してくる。
現魔王と戦闘をしたところまでは覚えているそうだけども、闇に呑まれて抵抗できなくなり、今に至るそうだ。
――――手短に現状を地龍へと伝えれば、自分たちがスライムによって支配されるとは情けないと、落ち込む姿を俺たちに見せる。
魔大陸、つまりはレティアラ大陸をリズベッドに任せきりだった事も反省していた。
リズベッドに頼り切っていたから、問題が発生したと知った時には、手遅れだった。
対処をする時には、すでにショゴスは四大聖龍を相手にして、勝てるまでの存在に成り上がっていたそうだ。
姿もスライムとはかけ離れていて、禍々しい存在に成長していたという。
その姿から、そもそもショゴスがスライムだったという認識もなかったそうだ。
だからスライムに支配されていたという事実を知って、落ち込んでいるわけだ。
ある意味、成り上がり系の作品なら、成功者としての立ち位置だな。ショゴス。
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