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死霊魔術師
PHASE-581【防御の種類が増えた】
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「もう許さない」
おっと、流石はポルターガイストってところか。
周囲のスケルトン達が持っていた装備が宙に舞う。
「いけぇ!」
食指を俺たちへと向ければ、剣や盾などを中心とした武具が一斉に俺たちへと向かって飛んでくる。
全包囲からの同時攻撃。
「オールレンジ攻撃みたいだな。ロマンあるぜ」
「随分と余裕だな」
「見てなベル。イグニース」
両腕を左右へと広げる。
半球状の炎の盾が俺たちをしっかりと守ってくれる。
シャルナのプロテクションをイメージしてのもの。
大きなものを圧縮して烈火を作り出すことが出来る現在ならば、広げて包むってのは圧縮よりもイメージが簡単。
「いつの間にこういう防御まで覚えた」
「ぶっつけ本番だ」
「お前の悪い癖は、前もって試さないことだな」
「あ、はい……」
ベルと俺のフレンドの台詞がシンクロした。
オンラインゲームでも、アンロックしたりゲットした装備のテキストを読まないうちに使用して、性能を完全に把握してないことをよく注意されたもんだ。
まあ、でもですよ。しっかりと攻撃を防げたから良しとしましょうよ。
「おもしろくない」
頬をぷくっと膨らませる姿は可愛いけども、攻撃自体は可愛くないオムニガル。
続けてとばかりに空中で両手を掲げ、
「フロックエフェクト」
と発し――、
「パーティクルティンダー」
と続ける。
フロックエフェクトはヴァンパイアのゼノも使用した次の魔法を倍加させる魔法。
無数のマッチサイズの火が先ほどの倍。
視覚的な驚異は十分だ。
「いけ!」
ま、どんだけやっても意味は無いけどな。
俺のイグニースが全て防いでくれる。
「しかし暑いな」
「たしかに……」
ベルとシャルナが、ふぅと息を漏らす。妙に艶っぽかった。
プロテクションと違って俺の炎の盾は攻防一体型だからな。
半球状の火炎の中に入ってしまえばサウナみたいなもんだろう。いや、それ以上か。
加えて毛皮を纏っているからな。
「もう! 防がないでよ」
なんて我が儘な子供だ。
だだっ子のように手を振り回して、様々な武具を操ってこちらに打ち付けてくるけども、俺たちには届かない。
「こうなったら究極合体」
「なんですとー!」
合体という言葉にロマンを感じる俺。しかも究極とか最高じゃねえか。
大きく手を動かせば俺たちが倒したスケルトン達が一カ所に集まり始める。
これは、俺が想像していたとおり、ガシャドクロになるのでは!
想像では骨同士が勝手に集まって合体ってのだったが、目の前のは第三者の力によってのものとなりそうだ。
「――――! え~」
急に残念そうな声を上げながら、動かしていた両手が止まるオムニガル。
チラリと俺たちへと顔を向ければ、唇を尖らせて残念そうな表情。
折角これから本気を出すつもりだったのにと、楽しみを奪われた子供そのものだった。
「なんか戻ってこいって言われたから戻るね」
「おいおい。それなら俺たちの事もしっかりと伝えてくれよ。戦闘行為は偶発的なものであって故意じゃなかったからさ。話し合いを」
「私、子供だから難しい話はわかんな~い」
ケタケタと笑いながら、オムニガルの体が床へと沈んでいく。
便利な移動方法だな。流石はゴースト系のポルターガイスト。
「それとおチビのお姉ちゃん」
「おチビですって!」
誰とも言っていないのに、おチビで反応しているからね。ちゃんと自分だって分かっているんだなコクリコ。
まあここでおチビの女子ってなると、コクリコしかいないけども。
おっと、流石はポルターガイストってところか。
周囲のスケルトン達が持っていた装備が宙に舞う。
「いけぇ!」
食指を俺たちへと向ければ、剣や盾などを中心とした武具が一斉に俺たちへと向かって飛んでくる。
全包囲からの同時攻撃。
「オールレンジ攻撃みたいだな。ロマンあるぜ」
「随分と余裕だな」
「見てなベル。イグニース」
両腕を左右へと広げる。
半球状の炎の盾が俺たちをしっかりと守ってくれる。
シャルナのプロテクションをイメージしてのもの。
大きなものを圧縮して烈火を作り出すことが出来る現在ならば、広げて包むってのは圧縮よりもイメージが簡単。
「いつの間にこういう防御まで覚えた」
「ぶっつけ本番だ」
「お前の悪い癖は、前もって試さないことだな」
「あ、はい……」
ベルと俺のフレンドの台詞がシンクロした。
オンラインゲームでも、アンロックしたりゲットした装備のテキストを読まないうちに使用して、性能を完全に把握してないことをよく注意されたもんだ。
まあ、でもですよ。しっかりと攻撃を防げたから良しとしましょうよ。
「おもしろくない」
頬をぷくっと膨らませる姿は可愛いけども、攻撃自体は可愛くないオムニガル。
続けてとばかりに空中で両手を掲げ、
「フロックエフェクト」
と発し――、
「パーティクルティンダー」
と続ける。
フロックエフェクトはヴァンパイアのゼノも使用した次の魔法を倍加させる魔法。
無数のマッチサイズの火が先ほどの倍。
視覚的な驚異は十分だ。
「いけ!」
ま、どんだけやっても意味は無いけどな。
俺のイグニースが全て防いでくれる。
「しかし暑いな」
「たしかに……」
ベルとシャルナが、ふぅと息を漏らす。妙に艶っぽかった。
プロテクションと違って俺の炎の盾は攻防一体型だからな。
半球状の火炎の中に入ってしまえばサウナみたいなもんだろう。いや、それ以上か。
加えて毛皮を纏っているからな。
「もう! 防がないでよ」
なんて我が儘な子供だ。
だだっ子のように手を振り回して、様々な武具を操ってこちらに打ち付けてくるけども、俺たちには届かない。
「こうなったら究極合体」
「なんですとー!」
合体という言葉にロマンを感じる俺。しかも究極とか最高じゃねえか。
大きく手を動かせば俺たちが倒したスケルトン達が一カ所に集まり始める。
これは、俺が想像していたとおり、ガシャドクロになるのでは!
想像では骨同士が勝手に集まって合体ってのだったが、目の前のは第三者の力によってのものとなりそうだ。
「――――! え~」
急に残念そうな声を上げながら、動かしていた両手が止まるオムニガル。
チラリと俺たちへと顔を向ければ、唇を尖らせて残念そうな表情。
折角これから本気を出すつもりだったのにと、楽しみを奪われた子供そのものだった。
「なんか戻ってこいって言われたから戻るね」
「おいおい。それなら俺たちの事もしっかりと伝えてくれよ。戦闘行為は偶発的なものであって故意じゃなかったからさ。話し合いを」
「私、子供だから難しい話はわかんな~い」
ケタケタと笑いながら、オムニガルの体が床へと沈んでいく。
便利な移動方法だな。流石はゴースト系のポルターガイスト。
「それとおチビのお姉ちゃん」
「おチビですって!」
誰とも言っていないのに、おチビで反応しているからね。ちゃんと自分だって分かっているんだなコクリコ。
まあここでおチビの女子ってなると、コクリコしかいないけども。
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