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北伐
PHASE-834【奢侈だな】
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素晴らしい爆発だった。偽りの像なんて勘違いしている本人以外が見ても痛々しいだけだからな。
「まるで栄光の落日を表現しているようじゃないか。まあ、あいつに栄光の時代なんてなかっただろうけど」
バラバラになった彫像を端へと蹴飛ばし、
「お邪魔します」
無遠慮に以前、使用した応接室の扉に蹴りをいれての入室。
「――誰もいないか」
「ならばこの先でしょう」
ワンドを向けるのは奥へと続くであろう扉。
「行くぞ!」
「あ、おい」
ラルゴ達が走り出す。
勢いのままに扉を蹴倒せば――、
「ぐぁ!?」
元奴隷の人物が一人倒れる。
腕には楊枝が刺さっていた。
「いったん下がれ」
直ぐさまヒーターシールドを前面に出してジリジリと後退するラルゴ達の動きは悪いものではない。
初動はよくなかったけどね。
「じゃあ行きましょうか」
「だな」
傷を負った者にポーションを使用しているのを確認し、俺とコクリコが先に進む。
ヒュンといった音に対し、
「無駄ですよ」
と、格好良くコクリコがミスリルフライパンで叩き落とす。
「いい身体能力だな。小娘」
「貴男はいい肺活量ですね」
余裕を持って足を進めるコクリコ。相手に対して驚異を抱くという事はない。
コクリコと共に足を踏み入れた空間をぐるりと眺める。
――やはり謁見の間で間違いないようだな。
馬鹿息子が次の王を名乗るだけあって謁見の間は豪華絢爛。
柱の一本一本に彫刻が施され、白亜の柱を際立たせるように彫刻は金色を主に使用した塗装がされていた。
床には踝まで隠れるモコモコの絨毯。権力者を象徴するかのような玉座まである。
金や宝石なんかがふんだんに使用された玉座はとても派手。
派手が突出しすぎて下品で残念な代物になっている。
玉座だけでなく、柱も壁もそういった感想になる。
完全に間違った権力者が思い描いた、行き過ぎた絢爛さ。
あるいみ下品な連中にはお似合いな空間。
そこにゾロゾロと現れるのは、もはや見慣れた連中。
湛える笑みからして、格好だけの連中だ。
正にこの下品な謁見の間にお似合いな奴らだ。
「その他大勢ばかりですね」
相手側の不敵な笑みに負けないくらいに、琥珀の瞳を輝かせるコクリコが俺の前に立つ。
「後衛」
「この程度の相手に後衛も前衛もないですよ」
「なんだと! メチャクチャにしてやろうかお嬢ちゃん」
「ライトニングスネーク」
「ぎゃ!?」
「不快な発言なのでおしおきです」
おしおきのレベルではないな。
あれ死んでないか? ――ああ動いた。手心は加えたようだな。
胡座をかくことなく成長をするコクリコのライトニングスネークの威力は、マジックカーブに頼る魔法と違って段違い。
先ほどまで下品な笑みを湛えていた連中の表情が、途端に不安なものへと変わる。
一人を除いて。
「所詮はあの程度で気圧される程度の連中か」
と、新たな楊枝を咥えるガリオンは、楊枝は吐かないけど味方に対して毒を吐く。
流石に副団長に言われれば、恐れからか目を伏せる。
しっかりと力によって支配されているってのが分かる光景だね。
「まるで栄光の落日を表現しているようじゃないか。まあ、あいつに栄光の時代なんてなかっただろうけど」
バラバラになった彫像を端へと蹴飛ばし、
「お邪魔します」
無遠慮に以前、使用した応接室の扉に蹴りをいれての入室。
「――誰もいないか」
「ならばこの先でしょう」
ワンドを向けるのは奥へと続くであろう扉。
「行くぞ!」
「あ、おい」
ラルゴ達が走り出す。
勢いのままに扉を蹴倒せば――、
「ぐぁ!?」
元奴隷の人物が一人倒れる。
腕には楊枝が刺さっていた。
「いったん下がれ」
直ぐさまヒーターシールドを前面に出してジリジリと後退するラルゴ達の動きは悪いものではない。
初動はよくなかったけどね。
「じゃあ行きましょうか」
「だな」
傷を負った者にポーションを使用しているのを確認し、俺とコクリコが先に進む。
ヒュンといった音に対し、
「無駄ですよ」
と、格好良くコクリコがミスリルフライパンで叩き落とす。
「いい身体能力だな。小娘」
「貴男はいい肺活量ですね」
余裕を持って足を進めるコクリコ。相手に対して驚異を抱くという事はない。
コクリコと共に足を踏み入れた空間をぐるりと眺める。
――やはり謁見の間で間違いないようだな。
馬鹿息子が次の王を名乗るだけあって謁見の間は豪華絢爛。
柱の一本一本に彫刻が施され、白亜の柱を際立たせるように彫刻は金色を主に使用した塗装がされていた。
床には踝まで隠れるモコモコの絨毯。権力者を象徴するかのような玉座まである。
金や宝石なんかがふんだんに使用された玉座はとても派手。
派手が突出しすぎて下品で残念な代物になっている。
玉座だけでなく、柱も壁もそういった感想になる。
完全に間違った権力者が思い描いた、行き過ぎた絢爛さ。
あるいみ下品な連中にはお似合いな空間。
そこにゾロゾロと現れるのは、もはや見慣れた連中。
湛える笑みからして、格好だけの連中だ。
正にこの下品な謁見の間にお似合いな奴らだ。
「その他大勢ばかりですね」
相手側の不敵な笑みに負けないくらいに、琥珀の瞳を輝かせるコクリコが俺の前に立つ。
「後衛」
「この程度の相手に後衛も前衛もないですよ」
「なんだと! メチャクチャにしてやろうかお嬢ちゃん」
「ライトニングスネーク」
「ぎゃ!?」
「不快な発言なのでおしおきです」
おしおきのレベルではないな。
あれ死んでないか? ――ああ動いた。手心は加えたようだな。
胡座をかくことなく成長をするコクリコのライトニングスネークの威力は、マジックカーブに頼る魔法と違って段違い。
先ほどまで下品な笑みを湛えていた連中の表情が、途端に不安なものへと変わる。
一人を除いて。
「所詮はあの程度で気圧される程度の連中か」
と、新たな楊枝を咥えるガリオンは、楊枝は吐かないけど味方に対して毒を吐く。
流石に副団長に言われれば、恐れからか目を伏せる。
しっかりと力によって支配されているってのが分かる光景だね。
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