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トール師になる
PHASE-1075【俺は最低ではない】
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「よしよし。せっかくだからな。美人さん達だけでなく、ご馳走もいただこうぜ」
食い物に罪はないからな。
「見損なったよトール」
「そうですよ」
「おお~偉いじゃないか。一応はお偉いさんの前ではしっかりと堪えてたんだからな」
ポルパロングが去れば、シャルナとコクリコの怒りが俺へと向けられる。
俺のこの返しでルミナングスさんは残りの面々同様に悟ったご様子。
「とりあえず貰ったもんを食おうぜ。この酒はゲッコーさんやギムロンが飲めばいいよ。これってなんていう酒なんです?」
ルミナングスさんに聞けば、ミルヴォーレという名前の酒で、主にめでたい時に飲まれる高級酒だという。
高級酒と聞けば、ゲッコーさんもギムロンも早速いただくが――、
「「美味くはあるが、パンチが無いな」」
と、あまり口には合わなかった模様。
飲兵衛の二人は強い酒や、喉にガツンとくるビールみたいなのが好きだからな。
二人にとってはジュースみたいなものだったようだ。
「ちょっとトール!」
「なに?」
「なに? じゃないわよ! 最低だよ。ねえコクリコ」
「むぐん。うん。まったくですよ」
「おい、しっかりと食ってんじゃねえか」
「コクリコ……」
呆れるシャルナに対して、コクリコは食べ物に罪はありませんと言い、残すことこそが罪と返し、グリーンボアなる大型の猪の肉を頬ばる。
これまたおめでたい時に食す最高のジビエ料理だそうだ。
「ですが、シャルナの言うことは間違いなく正しいですからね」
しっかりと嚥下すれば、琥珀の瞳が俺を睨んでくる。
「これには高度な政治的判断があったのだよ」
「どこがですか、使えもしない下半身での判断でしょう」
「んだコラァ! 使えないとか言ってんじゃねえよ! 十四歳が下品な物言いはよしなさい!」
本当によ~。童貞を馬鹿にすんなよな。
そもそも俺はちょっと頑張れば童貞なんて捨てられるはずだし。
サキュバスメイドさん達なら俺の事を優しく手ほどきしてくれるはずだし。
サキュバスさん達の俺に対する好感度は滅茶苦茶に高いからな!
ランシェルは男だから違うけども、コトネさんやサニアさんなら間違いなく俺を男にしてくれるはずだ!
でもそこに走らないのは、ベルの好感度を下げたくないっていう俺の淡い思いがあるからなんだぞ!
「まったく興奮させやがって。喉渇いたわ!」
「ど、どうぞ」
「あ、有り難うございます」
素早く飲み物を差し出してくれるダークエルフさんにお礼。
発した瞬間に準備してくれるとか有能だな。
というか、そうせざるを得ないくらいに辛い目にあったのかもね。
「あんな変態と笑いあってどこが高度な政治的判断なんだか。コクリコの言うように邪な考えでしょ!」
テーブルをバンッと叩いて勢いよく立ち上がるシャルナ。
本気でお怒りのようだな。
「あのな――」
ここで拒否反応を起こす事はよくないと判断したからだと伝えてやる。
ポルパロング以上の存在がいる場所で、論破なり異議を申し立てるならばその存在に判断を委ねることが出来るけど、ここで言い合いになれば対等な氏族間での舌戦となるし、俺も公爵として立ち回るなら安全な牌を切りたい。
なによりこのポルパロングってのは、各氏族を裏方で支えているポジションでもある。
一見、裏方って地味なようだけど、その実、裏方というポジションは各氏族が見られたくないようなモノも把握している可能性がある。
もちろんルミナングスさんにはそんなモノはないだろうけど、他は分からない。
過半数をとれば王族の発言さえ翻すことの出来るのが氏族だ。
そいつ等を動かされるってのは面倒だからな。
動かせないような状況下で申し立てないと意味がない。
ここは懇意になりたいという相手の思いをくみ取って、早々にこの屋敷から退場してもらった方がいいと判断した。
――と、述べたところで、シャルナのご立腹は維持されたまま。
側に立つダークエルフさん達の存在が原因で、俺の発言には説得力がないようだ。
見ようによっては侍らせているように見えるもんな。
俺がこの二人をエロいこと目的で本当に貰ったと思っているようだな。
思慮が浅いぞ。約二千歳のシャルナ。
あの手のヤツがそんな簡単にお気に入りの女たちを手放すわけがないだろうに。
「どう言おうとトールには説得力がない。やり取りが物語ってる」
「どの辺だよ?」
「好きなだけ自由にさせてもらうって言ったじゃない!」
「ああ言ったさ」
「懇意になれればいいな~なんても言ったし」
「ああ言ったよ」
「最低」
「と、思っているのはシャルナだけだろ。まあコクリコもそう思っているんだろうけど、今は食事に集中ですか」
「んんっ!? ぐむ――最低です」
「うん。二人揃って浅はか。ASAHAKAってユニットを組ませてプロデュースしてやろうか? 武道館――目指すか?」
「はぁ! また訳の分からない事を言ってはぐらかそうとする!」
と、ここでシャルナの怒りも頂点に達したようで、強い足取りで俺に詰め寄ってくる。
遅れながらコクリコも同じリアクション。でも迫力はない。もはや食い物に意識を持って行かれているからな。
モシモシと自分の顔くらいある肉に食らいつきながら俺に迫ってくる姿は、滑稽でしかない。
「ちょっと!」
コクリコの美少女として残念な姿を見せられれば、シャルナのエンレージが一段階ダウン。
これで少しは冷静になるかもな。
ナイス、コクリコ。
食い物に罪はないからな。
「見損なったよトール」
「そうですよ」
「おお~偉いじゃないか。一応はお偉いさんの前ではしっかりと堪えてたんだからな」
ポルパロングが去れば、シャルナとコクリコの怒りが俺へと向けられる。
俺のこの返しでルミナングスさんは残りの面々同様に悟ったご様子。
「とりあえず貰ったもんを食おうぜ。この酒はゲッコーさんやギムロンが飲めばいいよ。これってなんていう酒なんです?」
ルミナングスさんに聞けば、ミルヴォーレという名前の酒で、主にめでたい時に飲まれる高級酒だという。
高級酒と聞けば、ゲッコーさんもギムロンも早速いただくが――、
「「美味くはあるが、パンチが無いな」」
と、あまり口には合わなかった模様。
飲兵衛の二人は強い酒や、喉にガツンとくるビールみたいなのが好きだからな。
二人にとってはジュースみたいなものだったようだ。
「ちょっとトール!」
「なに?」
「なに? じゃないわよ! 最低だよ。ねえコクリコ」
「むぐん。うん。まったくですよ」
「おい、しっかりと食ってんじゃねえか」
「コクリコ……」
呆れるシャルナに対して、コクリコは食べ物に罪はありませんと言い、残すことこそが罪と返し、グリーンボアなる大型の猪の肉を頬ばる。
これまたおめでたい時に食す最高のジビエ料理だそうだ。
「ですが、シャルナの言うことは間違いなく正しいですからね」
しっかりと嚥下すれば、琥珀の瞳が俺を睨んでくる。
「これには高度な政治的判断があったのだよ」
「どこがですか、使えもしない下半身での判断でしょう」
「んだコラァ! 使えないとか言ってんじゃねえよ! 十四歳が下品な物言いはよしなさい!」
本当によ~。童貞を馬鹿にすんなよな。
そもそも俺はちょっと頑張れば童貞なんて捨てられるはずだし。
サキュバスメイドさん達なら俺の事を優しく手ほどきしてくれるはずだし。
サキュバスさん達の俺に対する好感度は滅茶苦茶に高いからな!
ランシェルは男だから違うけども、コトネさんやサニアさんなら間違いなく俺を男にしてくれるはずだ!
でもそこに走らないのは、ベルの好感度を下げたくないっていう俺の淡い思いがあるからなんだぞ!
「まったく興奮させやがって。喉渇いたわ!」
「ど、どうぞ」
「あ、有り難うございます」
素早く飲み物を差し出してくれるダークエルフさんにお礼。
発した瞬間に準備してくれるとか有能だな。
というか、そうせざるを得ないくらいに辛い目にあったのかもね。
「あんな変態と笑いあってどこが高度な政治的判断なんだか。コクリコの言うように邪な考えでしょ!」
テーブルをバンッと叩いて勢いよく立ち上がるシャルナ。
本気でお怒りのようだな。
「あのな――」
ここで拒否反応を起こす事はよくないと判断したからだと伝えてやる。
ポルパロング以上の存在がいる場所で、論破なり異議を申し立てるならばその存在に判断を委ねることが出来るけど、ここで言い合いになれば対等な氏族間での舌戦となるし、俺も公爵として立ち回るなら安全な牌を切りたい。
なによりこのポルパロングってのは、各氏族を裏方で支えているポジションでもある。
一見、裏方って地味なようだけど、その実、裏方というポジションは各氏族が見られたくないようなモノも把握している可能性がある。
もちろんルミナングスさんにはそんなモノはないだろうけど、他は分からない。
過半数をとれば王族の発言さえ翻すことの出来るのが氏族だ。
そいつ等を動かされるってのは面倒だからな。
動かせないような状況下で申し立てないと意味がない。
ここは懇意になりたいという相手の思いをくみ取って、早々にこの屋敷から退場してもらった方がいいと判断した。
――と、述べたところで、シャルナのご立腹は維持されたまま。
側に立つダークエルフさん達の存在が原因で、俺の発言には説得力がないようだ。
見ようによっては侍らせているように見えるもんな。
俺がこの二人をエロいこと目的で本当に貰ったと思っているようだな。
思慮が浅いぞ。約二千歳のシャルナ。
あの手のヤツがそんな簡単にお気に入りの女たちを手放すわけがないだろうに。
「どう言おうとトールには説得力がない。やり取りが物語ってる」
「どの辺だよ?」
「好きなだけ自由にさせてもらうって言ったじゃない!」
「ああ言ったさ」
「懇意になれればいいな~なんても言ったし」
「ああ言ったよ」
「最低」
「と、思っているのはシャルナだけだろ。まあコクリコもそう思っているんだろうけど、今は食事に集中ですか」
「んんっ!? ぐむ――最低です」
「うん。二人揃って浅はか。ASAHAKAってユニットを組ませてプロデュースしてやろうか? 武道館――目指すか?」
「はぁ! また訳の分からない事を言ってはぐらかそうとする!」
と、ここでシャルナの怒りも頂点に達したようで、強い足取りで俺に詰め寄ってくる。
遅れながらコクリコも同じリアクション。でも迫力はない。もはや食い物に意識を持って行かれているからな。
モシモシと自分の顔くらいある肉に食らいつきながら俺に迫ってくる姿は、滑稽でしかない。
「ちょっと!」
コクリコの美少女として残念な姿を見せられれば、シャルナのエンレージが一段階ダウン。
これで少しは冷静になるかもな。
ナイス、コクリコ。
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