1,165 / 1,861
トール師になる
PHASE-1165【勝つなら正面からでありたい】
しおりを挟む
「こそく……な……手……を……」
家から外へと出る中、弱々しい声音ながらもこちらを蔑む発言をするデミタスの口からは、寒冷な夜気による白息――ではなく煙が上がる。
体内に直接ダメージを与える炎を纏った残火の一突き。
かなりのダメージを与えているようで、抵抗する余裕もなくひたすらに押されていくだけ。
四尾も力なく垂れ下がっている。
とんでもない膂力だけども、膂力からは考えられない程に体は軽量。
故に押していくのに苦労はない。
「このまま!」
突き刺していた残火を横に薙ぎる。
「がぅあぁぁ……」
煙と一緒になってデミタスの口から血が噴き出す。
灰色の煙とは別に飛散する吐血は血煙となり、背後に立つ俺にもかかる。
「ハァァァァァァァッ!」
横への薙ぎから手首を返し、得意の上段に構えての振り下ろしは……後ろ袈裟によるもの。
血煙とは違う色が月夜に新たに加わる。
美しい金色の髪と尻尾の毛が血煙、鮮血と共に舞えば、月光に照らされてキラキラと輝いていた。
攻撃を加える俺は気迫には漲っているが、裏腹、心の中では情けなさが広がる。
なんとも恰好の悪い攻め方だ……。
デミタスのような強者に対して俺が一人で相手をするとなると、こういった手段しかないのが現状。
それが何とも情けない……。
点検口で隠れ潜んでいる時、見つからないように祈っている姿を客観的に見れば恰好の悪いことだろう。
運否天賦に身をまかせるとかじゃなく、正面から堂々と渡り合う強さが欲しい。
――それを得るには、目の前の難敵を倒さなければならない。
じゃないと次の成長へと繋げられないから……。
倒さなければならないと思う中で、心の中に引っかかるモノがどうしても取れない。
魚の小骨が喉に刺さった時のような、チクチクとした鬱陶しさが心底に存在している。
抜かないと自然と抜けるまで煩わしい痛みがあるヤツだ。
しかも喉と違って精神面となれば、この煩わしさは小骨と違って抜けにくいんだろうな……。
勝てば良かろうという思考の持ち主なら、勝利すれば全てが晴れやかってなるんだろうが……。
小心者の俺はそういった切り替えが出来ない……。
攻撃をしながらも葛藤がぶつかり合い、俺の動きに躊躇を生み出すことになる。
強敵相手にこの逡巡は戦う者としてはあってはならない。
トドメを刺す決意が固まらない中で、ふらつく足取りにてデミタスが俺から離れていく。
致命傷であるはずなのに、未だに両足で立つ事も出来れば歩く事も出来るのは凄い。
が、魔法を使用するための集中力はないようで、回復を行うという事はなく、とにかく俺から離れるために、白い軍服を鮮血で染め上げながら弱い足取りで距離を取っていく。
一定の距離を取れば体を反転。俺の顔をしっかりと見て口を開くも――声は出ない。
何かを言いたげではあるが、口の中の血が邪魔をしているのか言葉をうまく発する事は出来ないでいる。
体は弱々しいが、眼光は鋭く生気があった。
生気はあるも体力は限界だったようで、俺に向けていた体が仰臥の姿勢で倒れていく。
倒れる先は――、
「ああもう!」
デミタスの体が崖から落ちていく。
それを見た瞬間、俺の体は勝手に動いていた。
――……なんでこんな事をしているのか……。
強敵であり、コイツのせいでこの国は掻き乱された。
魔王軍の中でも上位に入るであろう脅威対象なのだから、このまま崖へと落として仕留めればいいだけなのに……。
後悔するものの、それ以上の後悔が勝った結果の動きだったのかもしれない。
「お……お、お前はやはり……ば、馬鹿なのだな」
「でしょうね」
落ちていくデミタスの手をしっかりと掴む姿をこの戦いを最初から見ていた第三者がいるなら、間違いなくデミタスと同じような考えに至るだろうさ。
「戦い方も……あまい。大魔法の時も含めると……これで、に、二度目。好機である背後からをちゅう……ちょする……とは」
「もう喋るな。ああ、くそ! 力が入らない……」
長めのブーステッドだった。
瞬間的に出すだけなら何とか扱えるレベルにはなったけども、流石に今回は俺の有する使用限界を超えていたようだ。
「恥辱……は、なせ」
「お断りだ! あんな卑怯な不意打ちで勝ってしまえば勇者でもないし、弟子二人の師としても失格なんだよ。弟子達がどこに出しても恥ずかしくない師匠にならないといけない男が、強敵だったからコソコソと隠れて背後からとかクソじゃねえか! こんなんで勝っても成長なんてしない。むしろ退化だ。一生モノの後悔だよ。それにこんな勝ち方をすればスパルタ二人――特にベルに知られたら殺される……」
「面倒くさい……かん、がえだ……」
「敵であっても尊敬した相手はそうだったからな」
デミタスのベレー帽を見つつの発言。
「お前ごときが司令を語るな」
流石の忠誠心と言うべきか、ここでの声音は強く、言葉が詰まることがなかった。
「あ、やべ……」
手に力が入らない。
それにデミタスの手には血がベッタリとついており、それが原因で滑る……。
「再戦は……無しだ……な」
「ふざけんなよ」
滑る手を強く握って根性で引き上げようとするも……、ブーステッドの反動はやはり大きい。
必死に掴んで引き上げようとするも、
「もう……」
無理とは絶対に口にしたくないが……、
「クソが……」
弱音を吐き出したところで体が急に軽くなる。
――支えられている!?
「え!? 誰に!」
「ギャ、ギャア!」
けたたましい鳴き声のような声は何度か耳にしている。
その声に合わせてゴブリン達が俺の体を引き、上がってくるデミタスの腕を数人で掴むと一気に引き上げてくれた。
家から外へと出る中、弱々しい声音ながらもこちらを蔑む発言をするデミタスの口からは、寒冷な夜気による白息――ではなく煙が上がる。
体内に直接ダメージを与える炎を纏った残火の一突き。
かなりのダメージを与えているようで、抵抗する余裕もなくひたすらに押されていくだけ。
四尾も力なく垂れ下がっている。
とんでもない膂力だけども、膂力からは考えられない程に体は軽量。
故に押していくのに苦労はない。
「このまま!」
突き刺していた残火を横に薙ぎる。
「がぅあぁぁ……」
煙と一緒になってデミタスの口から血が噴き出す。
灰色の煙とは別に飛散する吐血は血煙となり、背後に立つ俺にもかかる。
「ハァァァァァァァッ!」
横への薙ぎから手首を返し、得意の上段に構えての振り下ろしは……後ろ袈裟によるもの。
血煙とは違う色が月夜に新たに加わる。
美しい金色の髪と尻尾の毛が血煙、鮮血と共に舞えば、月光に照らされてキラキラと輝いていた。
攻撃を加える俺は気迫には漲っているが、裏腹、心の中では情けなさが広がる。
なんとも恰好の悪い攻め方だ……。
デミタスのような強者に対して俺が一人で相手をするとなると、こういった手段しかないのが現状。
それが何とも情けない……。
点検口で隠れ潜んでいる時、見つからないように祈っている姿を客観的に見れば恰好の悪いことだろう。
運否天賦に身をまかせるとかじゃなく、正面から堂々と渡り合う強さが欲しい。
――それを得るには、目の前の難敵を倒さなければならない。
じゃないと次の成長へと繋げられないから……。
倒さなければならないと思う中で、心の中に引っかかるモノがどうしても取れない。
魚の小骨が喉に刺さった時のような、チクチクとした鬱陶しさが心底に存在している。
抜かないと自然と抜けるまで煩わしい痛みがあるヤツだ。
しかも喉と違って精神面となれば、この煩わしさは小骨と違って抜けにくいんだろうな……。
勝てば良かろうという思考の持ち主なら、勝利すれば全てが晴れやかってなるんだろうが……。
小心者の俺はそういった切り替えが出来ない……。
攻撃をしながらも葛藤がぶつかり合い、俺の動きに躊躇を生み出すことになる。
強敵相手にこの逡巡は戦う者としてはあってはならない。
トドメを刺す決意が固まらない中で、ふらつく足取りにてデミタスが俺から離れていく。
致命傷であるはずなのに、未だに両足で立つ事も出来れば歩く事も出来るのは凄い。
が、魔法を使用するための集中力はないようで、回復を行うという事はなく、とにかく俺から離れるために、白い軍服を鮮血で染め上げながら弱い足取りで距離を取っていく。
一定の距離を取れば体を反転。俺の顔をしっかりと見て口を開くも――声は出ない。
何かを言いたげではあるが、口の中の血が邪魔をしているのか言葉をうまく発する事は出来ないでいる。
体は弱々しいが、眼光は鋭く生気があった。
生気はあるも体力は限界だったようで、俺に向けていた体が仰臥の姿勢で倒れていく。
倒れる先は――、
「ああもう!」
デミタスの体が崖から落ちていく。
それを見た瞬間、俺の体は勝手に動いていた。
――……なんでこんな事をしているのか……。
強敵であり、コイツのせいでこの国は掻き乱された。
魔王軍の中でも上位に入るであろう脅威対象なのだから、このまま崖へと落として仕留めればいいだけなのに……。
後悔するものの、それ以上の後悔が勝った結果の動きだったのかもしれない。
「お……お、お前はやはり……ば、馬鹿なのだな」
「でしょうね」
落ちていくデミタスの手をしっかりと掴む姿をこの戦いを最初から見ていた第三者がいるなら、間違いなくデミタスと同じような考えに至るだろうさ。
「戦い方も……あまい。大魔法の時も含めると……これで、に、二度目。好機である背後からをちゅう……ちょする……とは」
「もう喋るな。ああ、くそ! 力が入らない……」
長めのブーステッドだった。
瞬間的に出すだけなら何とか扱えるレベルにはなったけども、流石に今回は俺の有する使用限界を超えていたようだ。
「恥辱……は、なせ」
「お断りだ! あんな卑怯な不意打ちで勝ってしまえば勇者でもないし、弟子二人の師としても失格なんだよ。弟子達がどこに出しても恥ずかしくない師匠にならないといけない男が、強敵だったからコソコソと隠れて背後からとかクソじゃねえか! こんなんで勝っても成長なんてしない。むしろ退化だ。一生モノの後悔だよ。それにこんな勝ち方をすればスパルタ二人――特にベルに知られたら殺される……」
「面倒くさい……かん、がえだ……」
「敵であっても尊敬した相手はそうだったからな」
デミタスのベレー帽を見つつの発言。
「お前ごときが司令を語るな」
流石の忠誠心と言うべきか、ここでの声音は強く、言葉が詰まることがなかった。
「あ、やべ……」
手に力が入らない。
それにデミタスの手には血がベッタリとついており、それが原因で滑る……。
「再戦は……無しだ……な」
「ふざけんなよ」
滑る手を強く握って根性で引き上げようとするも……、ブーステッドの反動はやはり大きい。
必死に掴んで引き上げようとするも、
「もう……」
無理とは絶対に口にしたくないが……、
「クソが……」
弱音を吐き出したところで体が急に軽くなる。
――支えられている!?
「え!? 誰に!」
「ギャ、ギャア!」
けたたましい鳴き声のような声は何度か耳にしている。
その声に合わせてゴブリン達が俺の体を引き、上がってくるデミタスの腕を数人で掴むと一気に引き上げてくれた。
1
あなたにおすすめの小説
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
サバイバル能力に全振りした男の半端仙人道
コアラ太
ファンタジー
年齢(3000歳)特技(逃げ足)趣味(採取)。半仙人やってます。
主人公は都会の生活に疲れて脱サラし、山暮らしを始めた。
こじんまりとした生活の中で、自然に触れていくと、瞑想にハマり始める。
そんなある日、森の中で見知らぬ老人から声をかけられたことがきっかけとなり、その老人に弟子入りすることになった。
修行する中で、仙人の道へ足を踏み入れるが、師匠から仙人にはなれないと言われてしまった。それでも良いやと気楽に修行を続け、正式な仙人にはなれずとも。足掛け程度は認められることになる。
それから何年も何年も何年も過ぎ、いつものように没頭していた瞑想を終えて目開けると、視界に映るのは密林。仕方なく周辺を探索していると、二足歩行の獣に捕まってしまう。言葉の通じないモフモフ達の言語から覚えなければ……。
不死になれなかった半端な仙人が起こす珍道中。
記憶力の無い男が、日記を探して旅をする。
メサメサメサ
メサ メサ
メサ メサ
メサ メサ
メサメサメサメサメサ
メ サ メ サ サ
メ サ メ サ サ サ
メ サ メ サ ササ
他サイトにも掲載しています。
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる