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驕った創造主
PHASE-1676【ロイルの野郎達】
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え、もしかして……。
「え、もしかして……」
心の呟きがそのまま声になって出てしまう。
「はい。自分が提案をしました」
少しでも戦ってくれている面々の負担を和らげる為に協力してほしいと頼み込んだとルーフェンスさん。
素人連中が戦いの場に出れば、そっちを気にしなければならないから、余計に負担がかかると思うけども……。
「やってやるぞ冒険者!」
と、気合いに満ちた声。
恐怖で表情が強張っていたのではなく、覚悟を決めていた表情だったようだ。
「シミット殿も男を見せたからな!」
「おう! 我々も見せてやりましょう!」
「あの舞姫も戦っているという話」
活躍すれば自分たちの名前と顔を覚えてもらえることだろう!
舞姫を起爆剤として、自分たちを奮い立たせているご様子。
このやる気……。
「無理だけはしないようにしてくださいね」
「無理をしないためにも冒険者には頑張ってもらわないとな!」
「いいところをお目にかけましょう。それをきっかけとして皆様とは良い関係を築きたいですね」
活躍すれば自分たちに出来る範囲で何でもしてやると口約束をもらう。
何でもしてやる――じゃなく、頭に出来る範囲ってつけるのがいいね。
前者だけだと胡散臭いからな。
「では行きましょうか!」
普段の装備となる。
正体がばれないように六花のマントだけは羽織らず、先頭に立って外へと出る。
「おお! 押してるようじゃないか。ここの私兵達も男を見せているな! 流石はロイルの男よ!」
「見ろ! 本当に舞姫が戦っているぞ!」
あのような不気味な存在と戦っているとは!
不気味な存在に美しい舞姫は相応しくない! 我らロイルの男の意地を見せよ! と、成金おっさん連中は石、建物内にあった調度品の皿や壺なんかを手にし、一斉にアローンガットへと投げつける。
タゲ取り役とばかりのその行動。
効果はあるようで、投げつけられた側はおっさん連中に狙いを定める。
そこを、
「横から狙え!」
モーリスのおっさんの指示のもと、各班が波状の打撃にて一体、そしてまた一体と仕留めていく。
俺が着替えている短い間に戦い方が熟れてきている。
勢いもあれば攻撃に躊躇もない。
恐れを抱くことなく打ち込みが出来ているから威力も上がっているようだし、心に余裕が生まれているから周囲の状況把握もよく出来ている。
声をかけ合いながら互いを守り合う動きに隙はなかった。
それを可能としてくれたのは、もちろん頼れる俺の仲間たち。
ベルは言わずものがな。
ジージーの膂力から繰り出される一矢は直撃すれば受けた部分から飛散するし、弓をロングソードへと持ち替えて振り下ろせば、両断にてアローンガットは斬られた部分を接合することなく活動を停止。
斬るというイメージよりも、打撃武器を叩き付けているような豪快な一撃により内部の核が破壊されたようだ。
で、そうなると強いのが、
「なんだぁ! 数だけで大したことねえな!」
オーラアーマーを纏って繰り出す拳打と蹴撃。
速くて重い徒手空拳は正に一撃必殺。
俺のボドキンよりも遙かに高威力なガリオンの技。
かなりの数を相手にしながらも無双状態のガリオンは悪そうに口角を上げ、哄笑しながら敵を叩きつぶしていく。
楽しそうでなにより。
頼れる強者の働きに触発されれば、私兵達の動きが良くなるのも頷けるというもの。
触発が伝播し、成金おっさん連中が私兵に協力してタゲ取りを担当し、それに反応して隙を見せたアローンガットを私兵の面々が倒していく。
即席でありながら息の合った連携だ。
「ロイル領の面々は兵だけでなく、商人も勇ましい事で」
「自慢の人々です」
と、ルーフェンスさん。
「では、皆さんが作ってくれた道を進ませて頂きます」
「宜しくお願いします」
言いつつルーフェンスさんは軽快にアローンガットへと接近し、手にしたブロードソードで一撃を入れ、怯ませたところで詰所へと向かって全速力。
反撃の触手が伸びるもそれを上手く切り落とし、追撃を阻むために俺たちが立ち塞がる。
「今までとは違う俺を見せてやろう」
ロングソードと違い、手に馴染む赤と黒からなる柄を握る。
光沢ある真紅の鞘に施された緑色の宝石を押せば、鞘と刀身を固定していた蕾のような形からなる鍔が開き、六花へと変化する。
「なんとも凝った工法だな」
と、近くにいた成金のおっさんが興味を持ち、
「素晴らしいでしょう。作り手がこの世界で随一ですからね」
戦闘に参加はしていないけど、後方でポーションの入った鞄を肩にかけて待機しているワックを見れば、柔和な笑みを返してくれる。
「クボッタさんはこの方々の近くで全体の回復サポートをお願いします」
「任せておくれ!」
柔らかくも力強い返事をもらってから、
「ラピッド」
後方から一気に前線へと移動。
からの――、
「ブレイズ!」
抜刀して直ぐに刀身へと炎を纏わせる。
「どっせいや!」
この地で炎を纏った残火による犠牲者第一号と定めたアローンガットを跳躍から唐竹割り。
三メートルサイズまで成長していた球体を縦から切り開いてやれば――、
「流石は残火だ」
炎を纏った一刀による斬撃なら余裕で倒せる。
反面、並の刀剣で戦えば確実に倒せないってのが俺の技量。
まだまだだと痛感させられる。
ベルは浄化の炎を使用もしなければ、得物であるレイピアでもないのに一振りで仕留めている。
「もっと励まなければ!」
理想の斬撃への道のりは遠い。
「え、もしかして……」
心の呟きがそのまま声になって出てしまう。
「はい。自分が提案をしました」
少しでも戦ってくれている面々の負担を和らげる為に協力してほしいと頼み込んだとルーフェンスさん。
素人連中が戦いの場に出れば、そっちを気にしなければならないから、余計に負担がかかると思うけども……。
「やってやるぞ冒険者!」
と、気合いに満ちた声。
恐怖で表情が強張っていたのではなく、覚悟を決めていた表情だったようだ。
「シミット殿も男を見せたからな!」
「おう! 我々も見せてやりましょう!」
「あの舞姫も戦っているという話」
活躍すれば自分たちの名前と顔を覚えてもらえることだろう!
舞姫を起爆剤として、自分たちを奮い立たせているご様子。
このやる気……。
「無理だけはしないようにしてくださいね」
「無理をしないためにも冒険者には頑張ってもらわないとな!」
「いいところをお目にかけましょう。それをきっかけとして皆様とは良い関係を築きたいですね」
活躍すれば自分たちに出来る範囲で何でもしてやると口約束をもらう。
何でもしてやる――じゃなく、頭に出来る範囲ってつけるのがいいね。
前者だけだと胡散臭いからな。
「では行きましょうか!」
普段の装備となる。
正体がばれないように六花のマントだけは羽織らず、先頭に立って外へと出る。
「おお! 押してるようじゃないか。ここの私兵達も男を見せているな! 流石はロイルの男よ!」
「見ろ! 本当に舞姫が戦っているぞ!」
あのような不気味な存在と戦っているとは!
不気味な存在に美しい舞姫は相応しくない! 我らロイルの男の意地を見せよ! と、成金おっさん連中は石、建物内にあった調度品の皿や壺なんかを手にし、一斉にアローンガットへと投げつける。
タゲ取り役とばかりのその行動。
効果はあるようで、投げつけられた側はおっさん連中に狙いを定める。
そこを、
「横から狙え!」
モーリスのおっさんの指示のもと、各班が波状の打撃にて一体、そしてまた一体と仕留めていく。
俺が着替えている短い間に戦い方が熟れてきている。
勢いもあれば攻撃に躊躇もない。
恐れを抱くことなく打ち込みが出来ているから威力も上がっているようだし、心に余裕が生まれているから周囲の状況把握もよく出来ている。
声をかけ合いながら互いを守り合う動きに隙はなかった。
それを可能としてくれたのは、もちろん頼れる俺の仲間たち。
ベルは言わずものがな。
ジージーの膂力から繰り出される一矢は直撃すれば受けた部分から飛散するし、弓をロングソードへと持ち替えて振り下ろせば、両断にてアローンガットは斬られた部分を接合することなく活動を停止。
斬るというイメージよりも、打撃武器を叩き付けているような豪快な一撃により内部の核が破壊されたようだ。
で、そうなると強いのが、
「なんだぁ! 数だけで大したことねえな!」
オーラアーマーを纏って繰り出す拳打と蹴撃。
速くて重い徒手空拳は正に一撃必殺。
俺のボドキンよりも遙かに高威力なガリオンの技。
かなりの数を相手にしながらも無双状態のガリオンは悪そうに口角を上げ、哄笑しながら敵を叩きつぶしていく。
楽しそうでなにより。
頼れる強者の働きに触発されれば、私兵達の動きが良くなるのも頷けるというもの。
触発が伝播し、成金おっさん連中が私兵に協力してタゲ取りを担当し、それに反応して隙を見せたアローンガットを私兵の面々が倒していく。
即席でありながら息の合った連携だ。
「ロイル領の面々は兵だけでなく、商人も勇ましい事で」
「自慢の人々です」
と、ルーフェンスさん。
「では、皆さんが作ってくれた道を進ませて頂きます」
「宜しくお願いします」
言いつつルーフェンスさんは軽快にアローンガットへと接近し、手にしたブロードソードで一撃を入れ、怯ませたところで詰所へと向かって全速力。
反撃の触手が伸びるもそれを上手く切り落とし、追撃を阻むために俺たちが立ち塞がる。
「今までとは違う俺を見せてやろう」
ロングソードと違い、手に馴染む赤と黒からなる柄を握る。
光沢ある真紅の鞘に施された緑色の宝石を押せば、鞘と刀身を固定していた蕾のような形からなる鍔が開き、六花へと変化する。
「なんとも凝った工法だな」
と、近くにいた成金のおっさんが興味を持ち、
「素晴らしいでしょう。作り手がこの世界で随一ですからね」
戦闘に参加はしていないけど、後方でポーションの入った鞄を肩にかけて待機しているワックを見れば、柔和な笑みを返してくれる。
「クボッタさんはこの方々の近くで全体の回復サポートをお願いします」
「任せておくれ!」
柔らかくも力強い返事をもらってから、
「ラピッド」
後方から一気に前線へと移動。
からの――、
「ブレイズ!」
抜刀して直ぐに刀身へと炎を纏わせる。
「どっせいや!」
この地で炎を纏った残火による犠牲者第一号と定めたアローンガットを跳躍から唐竹割り。
三メートルサイズまで成長していた球体を縦から切り開いてやれば――、
「流石は残火だ」
炎を纏った一刀による斬撃なら余裕で倒せる。
反面、並の刀剣で戦えば確実に倒せないってのが俺の技量。
まだまだだと痛感させられる。
ベルは浄化の炎を使用もしなければ、得物であるレイピアでもないのに一振りで仕留めている。
「もっと励まなければ!」
理想の斬撃への道のりは遠い。
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