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驕った創造主
PHASE-1715【モーモーチャーチャー】
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「あ、いや、無事みたいだぞベル」
「そうか……よかった」
安堵の息を漏らすベルと一緒に眼前の光景に目を向ける。
触手に包まれていたゴロ太の頭が姿を見せる。
微睡んだ目だがリラックスしているというのは分かる。
甘えるようにクルクルという鳴き声も上げ続けている。
そんなゴロ太に対して、巨大クラゲは敵意を持っていない。
触手はゴロ太を大切に扱うように優しく包み込み、そのままクラゲの傘部分へ――、
「入った……」
傘部分にゴロ太がゆっくりと沈んでいく。
「おお! 偉大なる力が私の最高傑作と一つになる」
バルバダイが感涙を流す。
「最高傑作とか言うなら名前くらいあるんだろう! そしてゴロ太は無事なんだろうな!」
「無事に決まっている。私の救世主を危険な目にさらすわけにはいかないからな! ジュニアにとってあの中こそが安寧の場所なのだ!」
あのクラゲの化け物の中が安寧の場所とは冗談としてもきついっての……。
「貴様は!」
「最高傑作とジュニア! 私を乱痴気な女から守っておくれ!」
怒りを向けてくるベルにバルバダイがクラゲの化け物へと助けを求めれば、直ぐさま触手が動き出す。
ガリオンを攻撃した時もそうだったが、ゴロ太だけでなくクラゲ自体もちゃんと意思を持っている。
主であるバルバダイを守るように、ゴロ太の時と同様、触手がバルバダイを掴めば、
「お前もかよ!」
「ハハハハハハハハハハハ――ッ!」
哄笑を上げながらバルバダイも傘の中へと入っていく。
ずっぽりと体全体が傘の中に沈んだところで、
「さあ、我らの力を見せてやろうではないか!」
普通に喋る事が出来るんだな。
口を開けばゼリー状のクラゲの体が口の中に入るかとも思ったけどそんな事はなかった。
「眼前の愚か者共に絶望を与えてやろう――モーモーチャーチャー!」
「なんだその可愛げのある言葉は」
「私が生み出した最高傑作の名! それがモーモーチャーチャーだ。貴様が名を知りたかったのだろう? 勇者」
巨大クラゲの名前はなんとも愛らしい響き。
「モーモーチャーチャーね。じゃああいつを討伐してゴロ太を救い出そう!」
全体へと伝えれば、
「必ず救い出す!」
いつもよりやる気に漲るベル。
発言からの疾駆は目で追えないもの。
瞬時に巨大クラゲであるモーモーチャーチャーの背後へとベルが回り込み、手にした剣を振るう。
ざっくりと傘部分に深い切れ目が入るが、
「その程度では意味は無いぞ美姫!」
無数の触手で迎撃してくるも、それを容易くかいくぐりながら再び斬撃。
斬ることは出来ても、斬れた部分が直ぐさま塞がる。
ベルの斬撃であってもゼリー状の傘部分には効果が見られない。
最強さんの通常斬撃に対応。最高傑作と誇るだけのことはある。
ならば俺が!
触手がベルへと向けられるところに俺が距離を詰め、残火とマラ・ケニタルによる二刀を振るう。
刀身にそれぞれ力を纏わせての斬撃ならダメージは見込める。
「無駄だ無駄!」
クラゲの内部からは余裕ある声。
言うだけあって俺が振るった二刀は届かなった。
「水の障壁か」
「最高傑作は伊達ではないのだ!」
頑丈な触手とゼリー状の傘部分だけでなく、障壁魔法もバッチリ完備。
ベルの通常の斬撃には素の状態で対応し、力を纏った俺の二刀には障壁魔法を展開してくる辺り、
「マナの力を込めれば攻撃が通ると判断していいようだな」
「対抗手段を見つけたからといって、対処が可能と判断するところが愚かなことだ」
「おう!?」
ホースサイズの触手の先端から出てくるのは液体。
躱せば床が斬れる。
「水圧カッターみてえだな」
でもって触手に触れただけで毒に冒されることから、十中八九あの液体も毒性を有していると見るべきだろう。
毒は効かないけど、床を切り裂く水は流石に喰らうわけにはいかない。
まあ――、
「喰らうことはないけどさ!」
様々な方向から襲いかかってくる触手だが問題なし!
十分に見切れる速度だ。
最高傑作とかって言う割には大したことはない。
「とろくせえよ」
「なめるなよ!」
とか言うけども、
「アンリッシュ・インパルス!」
と背後から声がすれば、俺の足元にオーラの波紋が走る。
軽く跳躍してから波紋を躱せば、そのまま波紋が巨大クラゲを襲う。
多くの触手で支えられた巨体が波紋でふらつく。
「この程度で!」
「言う割に鈍い動きが更に鈍くなってんぞ!」
至近からの斬撃。
力を纏った残火とマラ・ケニタルで下方からゼリー状の傘部分を斬り上げる。
炎と風が混ざり合い、ゼリー部分には無数の熱傷による刀傷が刻まれプスプスと煙が上がる。
「やってくれるじゃないか!」
強い語気にはまだまだ余裕がある模様。
実際、再生能力は大したもの。
残火とマラ・ケニタルによる斬撃であるのに、斬られた部分が修復していくからね。
オーガやトロールとはまた違った超速再生――というよりは、
「補っているってところか」
ゼリー状の傘部分は、ダメージを受けた部分に無傷な箇所から一部分を移動させて補填しているように見えた。
残火のような回復遅延効果を持っている攻撃を受けても対応できるだけの能力は有しているか。
「そうか……よかった」
安堵の息を漏らすベルと一緒に眼前の光景に目を向ける。
触手に包まれていたゴロ太の頭が姿を見せる。
微睡んだ目だがリラックスしているというのは分かる。
甘えるようにクルクルという鳴き声も上げ続けている。
そんなゴロ太に対して、巨大クラゲは敵意を持っていない。
触手はゴロ太を大切に扱うように優しく包み込み、そのままクラゲの傘部分へ――、
「入った……」
傘部分にゴロ太がゆっくりと沈んでいく。
「おお! 偉大なる力が私の最高傑作と一つになる」
バルバダイが感涙を流す。
「最高傑作とか言うなら名前くらいあるんだろう! そしてゴロ太は無事なんだろうな!」
「無事に決まっている。私の救世主を危険な目にさらすわけにはいかないからな! ジュニアにとってあの中こそが安寧の場所なのだ!」
あのクラゲの化け物の中が安寧の場所とは冗談としてもきついっての……。
「貴様は!」
「最高傑作とジュニア! 私を乱痴気な女から守っておくれ!」
怒りを向けてくるベルにバルバダイがクラゲの化け物へと助けを求めれば、直ぐさま触手が動き出す。
ガリオンを攻撃した時もそうだったが、ゴロ太だけでなくクラゲ自体もちゃんと意思を持っている。
主であるバルバダイを守るように、ゴロ太の時と同様、触手がバルバダイを掴めば、
「お前もかよ!」
「ハハハハハハハハハハハ――ッ!」
哄笑を上げながらバルバダイも傘の中へと入っていく。
ずっぽりと体全体が傘の中に沈んだところで、
「さあ、我らの力を見せてやろうではないか!」
普通に喋る事が出来るんだな。
口を開けばゼリー状のクラゲの体が口の中に入るかとも思ったけどそんな事はなかった。
「眼前の愚か者共に絶望を与えてやろう――モーモーチャーチャー!」
「なんだその可愛げのある言葉は」
「私が生み出した最高傑作の名! それがモーモーチャーチャーだ。貴様が名を知りたかったのだろう? 勇者」
巨大クラゲの名前はなんとも愛らしい響き。
「モーモーチャーチャーね。じゃああいつを討伐してゴロ太を救い出そう!」
全体へと伝えれば、
「必ず救い出す!」
いつもよりやる気に漲るベル。
発言からの疾駆は目で追えないもの。
瞬時に巨大クラゲであるモーモーチャーチャーの背後へとベルが回り込み、手にした剣を振るう。
ざっくりと傘部分に深い切れ目が入るが、
「その程度では意味は無いぞ美姫!」
無数の触手で迎撃してくるも、それを容易くかいくぐりながら再び斬撃。
斬ることは出来ても、斬れた部分が直ぐさま塞がる。
ベルの斬撃であってもゼリー状の傘部分には効果が見られない。
最強さんの通常斬撃に対応。最高傑作と誇るだけのことはある。
ならば俺が!
触手がベルへと向けられるところに俺が距離を詰め、残火とマラ・ケニタルによる二刀を振るう。
刀身にそれぞれ力を纏わせての斬撃ならダメージは見込める。
「無駄だ無駄!」
クラゲの内部からは余裕ある声。
言うだけあって俺が振るった二刀は届かなった。
「水の障壁か」
「最高傑作は伊達ではないのだ!」
頑丈な触手とゼリー状の傘部分だけでなく、障壁魔法もバッチリ完備。
ベルの通常の斬撃には素の状態で対応し、力を纏った俺の二刀には障壁魔法を展開してくる辺り、
「マナの力を込めれば攻撃が通ると判断していいようだな」
「対抗手段を見つけたからといって、対処が可能と判断するところが愚かなことだ」
「おう!?」
ホースサイズの触手の先端から出てくるのは液体。
躱せば床が斬れる。
「水圧カッターみてえだな」
でもって触手に触れただけで毒に冒されることから、十中八九あの液体も毒性を有していると見るべきだろう。
毒は効かないけど、床を切り裂く水は流石に喰らうわけにはいかない。
まあ――、
「喰らうことはないけどさ!」
様々な方向から襲いかかってくる触手だが問題なし!
十分に見切れる速度だ。
最高傑作とかって言う割には大したことはない。
「とろくせえよ」
「なめるなよ!」
とか言うけども、
「アンリッシュ・インパルス!」
と背後から声がすれば、俺の足元にオーラの波紋が走る。
軽く跳躍してから波紋を躱せば、そのまま波紋が巨大クラゲを襲う。
多くの触手で支えられた巨体が波紋でふらつく。
「この程度で!」
「言う割に鈍い動きが更に鈍くなってんぞ!」
至近からの斬撃。
力を纏った残火とマラ・ケニタルで下方からゼリー状の傘部分を斬り上げる。
炎と風が混ざり合い、ゼリー部分には無数の熱傷による刀傷が刻まれプスプスと煙が上がる。
「やってくれるじゃないか!」
強い語気にはまだまだ余裕がある模様。
実際、再生能力は大したもの。
残火とマラ・ケニタルによる斬撃であるのに、斬られた部分が修復していくからね。
オーガやトロールとはまた違った超速再生――というよりは、
「補っているってところか」
ゼリー状の傘部分は、ダメージを受けた部分に無傷な箇所から一部分を移動させて補填しているように見えた。
残火のような回復遅延効果を持っている攻撃を受けても対応できるだけの能力は有しているか。
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