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驕った創造主
PHASE-1717【全部斬ればいい】
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「さて、どうするか……」
ベルも珍しく攻めあぐねている。回避ばかりだ。
無理矢理にゴロ太を引き離せば、無事な状態で救い出せない可能性があるからな。
「面倒くせえ相手だな! いらつくぜ! 一気に決めたいんだけどな!」
「落ち着きましょう」
攻めの姿勢でこそ輝くと自分でも思っているからか、回避一辺倒の現状に苛立つガリオン。
ジージーがそれを諫めてくれているのは有り難い。
それにしても、
「ばかすか撃ってくるわりに当てることも出来ないクソエイムだな」
「ちょこまかと!」
口角を上げて挑発すれば、俺ばかりを狙ってきてくれる。
タゲ取り成功。
天才だろうが戦いは素人、挑発しやすくていい。
完全毒耐性の俺に集中してくれるのは有り難い。
「ミルモンは無理するなよ」
「問題ないよ」
左肩にある取っ手部分を強く握る様は、俺から離れないという意思の表れ。
やばくなったらベルに任せるとして、
「どんだけ撃っても弾切れにならないのはおかしな話だ」
あれが魔法によるものだとしても限度がある。あそこまで連射が可能なのは何かしらの仕掛があると見るべきだろうな。
モーモーチャーチャーと名付けられたデッカいクラゲが有する生物としての能力だとしても、間断なく放つのは無理があるだろう。
似たような大きさで、いま相手にしているのより強いであろうリンとオムニガルが使用したエビルプラント――だったかな? あれでもここまでばかすか魔法を連発することはなかった。
「間違いなくタネがある」
毒に対応できる俺が大仰に動き回ってタゲ取りを継続。
接近すれば触手攻撃を水圧カッターから鞭打に切り替える。
鞭打を残火とマラ・ケニタルで捌き弾きつつ、デカいクラゲをぐるりと一周。
「目障りな小僧だ!」
無数の触手による全包囲攻撃が俺を狙ってくるが、ベルとジージー、ガリオンが掩護してくれる。
特にベルの浄化の炎は絶大。
「私のモーモーチャーチャーに!」
「本体の傘部分を狙わなければ良いだけだろう」
「女ぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」
美姫から荒々しい呼び方に変わる辺り、触手を灰にされたことがよほど気に入らなかったご様子。
「アホほど生えてる触手がちょこっと無くなったくらいで声を荒らげるなよ。みっともない」
「黙れ小僧! 我が最高傑作に欠損部分があるなど許されないんだよ!」
「でた、完璧主義者の思考。そんなのに限って視野が狭いのが多いよな」
「私は常に遠謀深慮の心にて世界を見ている!」
「絶対に嘘だね」
「だよな。ミルモンもそう思うよな」
「生意気な小僧と小人だ!」
バルバダイの怒りの思考に連動するかのように荒々しく触手を振り回してくる。
「パターンなんだよ。大味な攻撃ばかりでさ」
拠点制圧、防衛にはいいだろうけども、ちょこまかと動く少数の俺たちを相手にするには攻撃が大振りすぎる。
なにより触手の数は多くとも、
「視野は創造主同様に狭いようだ」
触手攻撃でピンポイントに狙ってくれば、その分、他の面子の掩護攻撃を防ぐことに対応できていない。
全体攻撃も触手の数に物を言わせての雑な攻撃だからな。
デッカいクラゲは俺たちと大差ない視野角なのかもしれない。
だから死角をつく攻撃も有効。
これを活用して傘部分に飛び込んでからゴロ太を救出するのがベストか。
だが倒すだけでなくモーモーチャーチャーから無理矢理に救うのもアウトなんだよな……。
でも対策も見えた。
「要は倒さずに相手を行動不能にすれば良いだけって事だよな。触手を全部ぶった切って戦闘不能にすればいい」
「不可能な事を」
「不可能じゃねえよ。現にベルが攻略しているだろう」
「その通りだ」
俺の横にスッと出てくれば、ショートソードを振るう。
浄化の炎を身に纏った状態のベルによる斬撃は触手を灰にする。
「やめろ!」
「と、言われて止めるわけがない」
「ええい! 触れるんじゃない!」
「ベル。下がれ!」
言われずともと俺よりも先に後退。
俺の腕を掴んで引っ張ってくれるのが有り難かった。
「なんだよ。水以外の魔法も使用できるんだな」
「当然だろう。最高傑作だぞ!」
水だけでなく風の障壁も顕現させて遮ってくる。
シャルナが使用するシルフィードに似ているっていうか、そのものか。
風の障壁シルフィードは通常のプロテクションよりも上位に位置する。
毒の水圧カッターに加えて、風系魔法。
「もちろん風魔法は障壁だけではない」
「攻撃もあるようで」
「モーモーチャーチャーよ。ブラストスマッシュだ!」
モンスター同士を戦わせるようなノリで言いやがって!
可愛くもない巨大クラゲの化け物は、展開していたシルフィードを無駄にしないとばかりに、障壁をそのまま攻撃へと転用してくる。
壁となった風を圧縮させ、視認できる密度からなる風を球体へと変化させて放ってくる。
「目にしたことのある魔法には対応できるってもんだ」
ガグとなったハイエルフのポルパロングも使用してきた風の攻撃魔法。
威力、速度ともにガグの方が格段に上。
「スクワッドリーバ―」
風には風で対抗してやる。
マラ・ケニタルに宿らせた風の刃による連撃で蹴散らしてやった。
「余裕だな」
「ならばもう一度だ!」
ムキになるバルバダイが指示を出す。
二度目の風の球体を放てば、
「コイツもくれてやる!」
「いやらしい攻撃だな」
風の球体に合わせての水圧カッター。
しかもブラストスマッシュに向けて水圧カッターを放つ。
風の球体に水圧カッターが触れれば、進行方向の広範囲に毒水をばらまいていく。
「ビームコンフィーズみたいな芸当だな」
ベルも珍しく攻めあぐねている。回避ばかりだ。
無理矢理にゴロ太を引き離せば、無事な状態で救い出せない可能性があるからな。
「面倒くせえ相手だな! いらつくぜ! 一気に決めたいんだけどな!」
「落ち着きましょう」
攻めの姿勢でこそ輝くと自分でも思っているからか、回避一辺倒の現状に苛立つガリオン。
ジージーがそれを諫めてくれているのは有り難い。
それにしても、
「ばかすか撃ってくるわりに当てることも出来ないクソエイムだな」
「ちょこまかと!」
口角を上げて挑発すれば、俺ばかりを狙ってきてくれる。
タゲ取り成功。
天才だろうが戦いは素人、挑発しやすくていい。
完全毒耐性の俺に集中してくれるのは有り難い。
「ミルモンは無理するなよ」
「問題ないよ」
左肩にある取っ手部分を強く握る様は、俺から離れないという意思の表れ。
やばくなったらベルに任せるとして、
「どんだけ撃っても弾切れにならないのはおかしな話だ」
あれが魔法によるものだとしても限度がある。あそこまで連射が可能なのは何かしらの仕掛があると見るべきだろうな。
モーモーチャーチャーと名付けられたデッカいクラゲが有する生物としての能力だとしても、間断なく放つのは無理があるだろう。
似たような大きさで、いま相手にしているのより強いであろうリンとオムニガルが使用したエビルプラント――だったかな? あれでもここまでばかすか魔法を連発することはなかった。
「間違いなくタネがある」
毒に対応できる俺が大仰に動き回ってタゲ取りを継続。
接近すれば触手攻撃を水圧カッターから鞭打に切り替える。
鞭打を残火とマラ・ケニタルで捌き弾きつつ、デカいクラゲをぐるりと一周。
「目障りな小僧だ!」
無数の触手による全包囲攻撃が俺を狙ってくるが、ベルとジージー、ガリオンが掩護してくれる。
特にベルの浄化の炎は絶大。
「私のモーモーチャーチャーに!」
「本体の傘部分を狙わなければ良いだけだろう」
「女ぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」
美姫から荒々しい呼び方に変わる辺り、触手を灰にされたことがよほど気に入らなかったご様子。
「アホほど生えてる触手がちょこっと無くなったくらいで声を荒らげるなよ。みっともない」
「黙れ小僧! 我が最高傑作に欠損部分があるなど許されないんだよ!」
「でた、完璧主義者の思考。そんなのに限って視野が狭いのが多いよな」
「私は常に遠謀深慮の心にて世界を見ている!」
「絶対に嘘だね」
「だよな。ミルモンもそう思うよな」
「生意気な小僧と小人だ!」
バルバダイの怒りの思考に連動するかのように荒々しく触手を振り回してくる。
「パターンなんだよ。大味な攻撃ばかりでさ」
拠点制圧、防衛にはいいだろうけども、ちょこまかと動く少数の俺たちを相手にするには攻撃が大振りすぎる。
なにより触手の数は多くとも、
「視野は創造主同様に狭いようだ」
触手攻撃でピンポイントに狙ってくれば、その分、他の面子の掩護攻撃を防ぐことに対応できていない。
全体攻撃も触手の数に物を言わせての雑な攻撃だからな。
デッカいクラゲは俺たちと大差ない視野角なのかもしれない。
だから死角をつく攻撃も有効。
これを活用して傘部分に飛び込んでからゴロ太を救出するのがベストか。
だが倒すだけでなくモーモーチャーチャーから無理矢理に救うのもアウトなんだよな……。
でも対策も見えた。
「要は倒さずに相手を行動不能にすれば良いだけって事だよな。触手を全部ぶった切って戦闘不能にすればいい」
「不可能な事を」
「不可能じゃねえよ。現にベルが攻略しているだろう」
「その通りだ」
俺の横にスッと出てくれば、ショートソードを振るう。
浄化の炎を身に纏った状態のベルによる斬撃は触手を灰にする。
「やめろ!」
「と、言われて止めるわけがない」
「ええい! 触れるんじゃない!」
「ベル。下がれ!」
言われずともと俺よりも先に後退。
俺の腕を掴んで引っ張ってくれるのが有り難かった。
「なんだよ。水以外の魔法も使用できるんだな」
「当然だろう。最高傑作だぞ!」
水だけでなく風の障壁も顕現させて遮ってくる。
シャルナが使用するシルフィードに似ているっていうか、そのものか。
風の障壁シルフィードは通常のプロテクションよりも上位に位置する。
毒の水圧カッターに加えて、風系魔法。
「もちろん風魔法は障壁だけではない」
「攻撃もあるようで」
「モーモーチャーチャーよ。ブラストスマッシュだ!」
モンスター同士を戦わせるようなノリで言いやがって!
可愛くもない巨大クラゲの化け物は、展開していたシルフィードを無駄にしないとばかりに、障壁をそのまま攻撃へと転用してくる。
壁となった風を圧縮させ、視認できる密度からなる風を球体へと変化させて放ってくる。
「目にしたことのある魔法には対応できるってもんだ」
ガグとなったハイエルフのポルパロングも使用してきた風の攻撃魔法。
威力、速度ともにガグの方が格段に上。
「スクワッドリーバ―」
風には風で対抗してやる。
マラ・ケニタルに宿らせた風の刃による連撃で蹴散らしてやった。
「余裕だな」
「ならばもう一度だ!」
ムキになるバルバダイが指示を出す。
二度目の風の球体を放てば、
「コイツもくれてやる!」
「いやらしい攻撃だな」
風の球体に合わせての水圧カッター。
しかもブラストスマッシュに向けて水圧カッターを放つ。
風の球体に水圧カッターが触れれば、進行方向の広範囲に毒水をばらまいていく。
「ビームコンフィーズみたいな芸当だな」
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