1,770 / 1,861
視線は南へ
PHASE-1770【久方ぶりのメール音】
しおりを挟む
王城地下の通路を歩きつつ、
「まずは最大兵力を有する蹂躙王ですね」
「そうです。そしてエーンザームなる御仁を見つけ出して味方へと引き入れ、彼の者が所有するフライングダッチマンなる船にて溟海王が拠点とする深海都市ノチラートへと進行、捕らえられている風龍を救い出す。これにより翼幻王殿が正式に我々のお味方となるのですからね」
ミルディからその辺りの説明はしてもらっているみたいだな。
バタバタとロイル領に行く事になったから、その辺の引き継ぎは出来てなかったけど、問題はないね。
「後は――貴男にも励んでもらわないとね」
「ひぃ!」
通路を歩いているところで先生が足を止めてからの一言に、ミルトンのおっさんが小さな悲鳴を上げ、またもや隅の方へと逃げ出す。
「何かしらの活躍をしてもらうわけですね」
「愚者であろうとも使いようによっては価値がありますからね。と、これはここへと来る時にも言いましたね。期待してますよ」
冷たい言い様。だからこそ先生は頼りになるんだけどね。
「頑張りなよ。出っ歯のおじさん」
俺の左肩から離れれば、小さな体が飛翔して牢屋の中へと入り込み、ミルトンのおっさんへと一言。
「はっはひぃい!」
愛らしい小悪魔に恐怖を混じらせた返事。
「無様なおじさんだね~」
「嘲弄もいいですが、あまり圧を与えると気を失ってしまいますよ。ミルモン殿」
「はいはい」
ミルモンが近づいただけであの焦りよう。
「とても活躍できるようには思えませんけど」
「させますとも」
適材適所の神様である先生が胸を張って言うんだから間違いないんだよな。
「何をするかはまだ分からないけども、期待させてもらうよ。裏切りは非常に辛い末路を迎えることになるからね。まだお宅は救いがあるかもしれない。今後の働き次第ではね」
先ほどまでいた一室のことを思い返しながらの発言だったからか、俺の真剣さが伝わってくれたようで、ミルトンのおっさんは激しく頭を縦に振る。
「兄ちゃんの期待を裏切ればどうなるか分かってるよね? 裏切りに次ぐ裏切りはオイラが許さないからね」
「ミルモン殿。そんなに脅しては恐怖で思考が回らず、聞こえていたとしても記憶には残りません。期待を裏切れば次はないというのはミルトン殿も十二分に理解しておりますよ――ねえ」
「はいぃぃぃぃぃぃい!!」
怖いよ先生……。
酷薄すぎる声に当てられ、ミルトンのおっさんは気を失うどころか焦りから憤死しそうな勢いだった。
「まったく、オイラと名前がちょっと似ているだけでも気に入らないってのにさ」
ブツブツと文句を言いつつ俺の左肩に戻ってくる。
このおっさんにどういった役割を持たせるのかは分からないが、先生が扱うとなれば間違いなく局面を動かす時なんだろうね。
ミルトンのおっさん、責任重大な立場になりそうだな。
――。
「ふぃ~」
まだ日は高いが、拷問を見たことで気が滅入ってしまった。
王城から戻ってからは自室のベットでずっと横になって天井を眺めている。
今もバルバダイは苦しんでいるんだろうな。
大罪を犯した存在がどうなろうが知ったことではないけども、ベッドで目を閉じれば、絶望と恐怖に歪んだ顔が瞼にこびりついている……。
退室時に耳朶に届いた悲鳴も中々に離れてくれない。
一人になったら余計にだ。
「あ~やだやだ……」
天井を眺めつつ独白。
ミルモンはまだまだ活動したいからと、一階でギムロンに相手をしてもらっていることだろう。
得物であるクロモジのメンテナンスをしてもらいたいとも言っていたな。
――久しぶりに完全なる一人なんだけども、こんな時に一人になるのは嫌なもんだ。
俺も一階に――、
ピローン♪
「おっと、良いタイミングだな。やっぱり俺のことを覗き見てんのか?」
一人になったところ、そして一人でいるのが嫌だと思っていたところで都合よくポシェットに入っているプレイギアから音がする。
セラからのメール通知音。
うつ伏せになり、枕を胸に当ててからプレイギアのディスプレイへと目を向ければ、
{大いに励んでくれているようで何よりです。三幹部の一角を倒し、味方になる約束も取り付けましたね。非道な行いをしていた者達の討伐もお見事でした。その世界へと送った私も誇らしいです}
――は?
{なんで敬語なんだよ? 気持ちの悪い}
{ちょっと! 気持ち悪いって何よ!}
あ、戻った。でもって相変わらずの素早い返事。
これあれだな。
{そこそこ久しぶりだったから、どう接していいか分からないってやつだろう?}
{うっさいわね! 大正解よ!}
これだからコミュ障の死神様は。
{とにかく良くやってくれたわね。残りの幹部は実質二名。その後に控える魔王共々フルボッコだドン!}
{魔王を倒せる最強のバチを送ってほしいドン}
{そんな物はないので、現状、貴男が所有しているモノと仲間達との絆で対応して}
なんか凄く真っ当な事を書いてくるね。
仲間とかいないボッチなのに。
{仲間とかいないボッチなのに――とか思ってないわよね?}
{思ってないですとも}
{とにかく励みなさい}
{アイサー}
――セラとのやり取りは手短なものだった。
ここからゲームでも? と、誘ってくるのかと思っていたけど、誘ってこなかったな。
しかもメールのみのやり取りだけ。
今はセラでも良いから話し相手が欲しかったのにな。
素っ気なかったな。
もしかして、またチヤホヤされてオタサーの姫みたいになってたりする?
同じ過ちを繰り返す事だけはやめていただきたい。
死神という神様なんだからな。覆轍を踏むなんてないよね。
「まずは最大兵力を有する蹂躙王ですね」
「そうです。そしてエーンザームなる御仁を見つけ出して味方へと引き入れ、彼の者が所有するフライングダッチマンなる船にて溟海王が拠点とする深海都市ノチラートへと進行、捕らえられている風龍を救い出す。これにより翼幻王殿が正式に我々のお味方となるのですからね」
ミルディからその辺りの説明はしてもらっているみたいだな。
バタバタとロイル領に行く事になったから、その辺の引き継ぎは出来てなかったけど、問題はないね。
「後は――貴男にも励んでもらわないとね」
「ひぃ!」
通路を歩いているところで先生が足を止めてからの一言に、ミルトンのおっさんが小さな悲鳴を上げ、またもや隅の方へと逃げ出す。
「何かしらの活躍をしてもらうわけですね」
「愚者であろうとも使いようによっては価値がありますからね。と、これはここへと来る時にも言いましたね。期待してますよ」
冷たい言い様。だからこそ先生は頼りになるんだけどね。
「頑張りなよ。出っ歯のおじさん」
俺の左肩から離れれば、小さな体が飛翔して牢屋の中へと入り込み、ミルトンのおっさんへと一言。
「はっはひぃい!」
愛らしい小悪魔に恐怖を混じらせた返事。
「無様なおじさんだね~」
「嘲弄もいいですが、あまり圧を与えると気を失ってしまいますよ。ミルモン殿」
「はいはい」
ミルモンが近づいただけであの焦りよう。
「とても活躍できるようには思えませんけど」
「させますとも」
適材適所の神様である先生が胸を張って言うんだから間違いないんだよな。
「何をするかはまだ分からないけども、期待させてもらうよ。裏切りは非常に辛い末路を迎えることになるからね。まだお宅は救いがあるかもしれない。今後の働き次第ではね」
先ほどまでいた一室のことを思い返しながらの発言だったからか、俺の真剣さが伝わってくれたようで、ミルトンのおっさんは激しく頭を縦に振る。
「兄ちゃんの期待を裏切ればどうなるか分かってるよね? 裏切りに次ぐ裏切りはオイラが許さないからね」
「ミルモン殿。そんなに脅しては恐怖で思考が回らず、聞こえていたとしても記憶には残りません。期待を裏切れば次はないというのはミルトン殿も十二分に理解しておりますよ――ねえ」
「はいぃぃぃぃぃぃい!!」
怖いよ先生……。
酷薄すぎる声に当てられ、ミルトンのおっさんは気を失うどころか焦りから憤死しそうな勢いだった。
「まったく、オイラと名前がちょっと似ているだけでも気に入らないってのにさ」
ブツブツと文句を言いつつ俺の左肩に戻ってくる。
このおっさんにどういった役割を持たせるのかは分からないが、先生が扱うとなれば間違いなく局面を動かす時なんだろうね。
ミルトンのおっさん、責任重大な立場になりそうだな。
――。
「ふぃ~」
まだ日は高いが、拷問を見たことで気が滅入ってしまった。
王城から戻ってからは自室のベットでずっと横になって天井を眺めている。
今もバルバダイは苦しんでいるんだろうな。
大罪を犯した存在がどうなろうが知ったことではないけども、ベッドで目を閉じれば、絶望と恐怖に歪んだ顔が瞼にこびりついている……。
退室時に耳朶に届いた悲鳴も中々に離れてくれない。
一人になったら余計にだ。
「あ~やだやだ……」
天井を眺めつつ独白。
ミルモンはまだまだ活動したいからと、一階でギムロンに相手をしてもらっていることだろう。
得物であるクロモジのメンテナンスをしてもらいたいとも言っていたな。
――久しぶりに完全なる一人なんだけども、こんな時に一人になるのは嫌なもんだ。
俺も一階に――、
ピローン♪
「おっと、良いタイミングだな。やっぱり俺のことを覗き見てんのか?」
一人になったところ、そして一人でいるのが嫌だと思っていたところで都合よくポシェットに入っているプレイギアから音がする。
セラからのメール通知音。
うつ伏せになり、枕を胸に当ててからプレイギアのディスプレイへと目を向ければ、
{大いに励んでくれているようで何よりです。三幹部の一角を倒し、味方になる約束も取り付けましたね。非道な行いをしていた者達の討伐もお見事でした。その世界へと送った私も誇らしいです}
――は?
{なんで敬語なんだよ? 気持ちの悪い}
{ちょっと! 気持ち悪いって何よ!}
あ、戻った。でもって相変わらずの素早い返事。
これあれだな。
{そこそこ久しぶりだったから、どう接していいか分からないってやつだろう?}
{うっさいわね! 大正解よ!}
これだからコミュ障の死神様は。
{とにかく良くやってくれたわね。残りの幹部は実質二名。その後に控える魔王共々フルボッコだドン!}
{魔王を倒せる最強のバチを送ってほしいドン}
{そんな物はないので、現状、貴男が所有しているモノと仲間達との絆で対応して}
なんか凄く真っ当な事を書いてくるね。
仲間とかいないボッチなのに。
{仲間とかいないボッチなのに――とか思ってないわよね?}
{思ってないですとも}
{とにかく励みなさい}
{アイサー}
――セラとのやり取りは手短なものだった。
ここからゲームでも? と、誘ってくるのかと思っていたけど、誘ってこなかったな。
しかもメールのみのやり取りだけ。
今はセラでも良いから話し相手が欲しかったのにな。
素っ気なかったな。
もしかして、またチヤホヤされてオタサーの姫みたいになってたりする?
同じ過ちを繰り返す事だけはやめていただきたい。
死神という神様なんだからな。覆轍を踏むなんてないよね。
2
あなたにおすすめの小説
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
サバイバル能力に全振りした男の半端仙人道
コアラ太
ファンタジー
年齢(3000歳)特技(逃げ足)趣味(採取)。半仙人やってます。
主人公は都会の生活に疲れて脱サラし、山暮らしを始めた。
こじんまりとした生活の中で、自然に触れていくと、瞑想にハマり始める。
そんなある日、森の中で見知らぬ老人から声をかけられたことがきっかけとなり、その老人に弟子入りすることになった。
修行する中で、仙人の道へ足を踏み入れるが、師匠から仙人にはなれないと言われてしまった。それでも良いやと気楽に修行を続け、正式な仙人にはなれずとも。足掛け程度は認められることになる。
それから何年も何年も何年も過ぎ、いつものように没頭していた瞑想を終えて目開けると、視界に映るのは密林。仕方なく周辺を探索していると、二足歩行の獣に捕まってしまう。言葉の通じないモフモフ達の言語から覚えなければ……。
不死になれなかった半端な仙人が起こす珍道中。
記憶力の無い男が、日記を探して旅をする。
メサメサメサ
メサ メサ
メサ メサ
メサ メサ
メサメサメサメサメサ
メ サ メ サ サ
メ サ メ サ サ サ
メ サ メ サ ササ
他サイトにも掲載しています。
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる