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出張
PHASE-10
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振り返るより先に、タンカラーのフードと外套で体全体を覆った存在が、僕の横を通り過ぎていく。
その早さは常人のものでないことは、常人の僕でも理解できた。
「さがって」
通り過ぎる時に、僕に向けられる言葉。
と、同時に外套から輝く物がちらりと見えた瞬間、それの正体が細剣であり、刺突する先端が狙っているのは不死王さんだった。
「やらせん」
ワイトのホーリー・ライムライトさんが、深紅のローブを派手になびかせて、細剣を、手にしたショートソードで払いのけた。
「ちっ」
強襲の失敗から、頭を覆うフードの奥から舌打ちが聞こえる。
「見事な攻めであったが、奇襲を仕掛けるならば、声を出すのはいただけん。覚悟という言葉は不要であったな。しかしながら、非戦闘員であるウィザースプーン殿への配慮の言葉は賞賛である」
擬音にするならピシャーンであろうか、天に真っ直ぐ伸びた姿勢で腕を組み、ワイトさんの後方で微動だにしないで、強襲を仕掛けた相手に語りかける不死王さん。
「この様な場で仕掛けてくるとは、その勇気は買ってやろう」
大公様、椅子から立ち上がり、不死王さんに負けないくらいの不動の姿勢で口を開くと、
「正体見せよ。我々は常に市井に兵を置き不審な者を探っているのだ。勇者なのだろう?」
継いで語る。
――――いや、うん。あのね……、大公様。勇者は不審者じゃないです…………。勇者は勇者です。
ばれていたかとばかりに、フード付きの外套を豪快に脱ぎ捨てる。
――ほほう、これは……、
「やっぱり、強襲なんて卑怯な手はボクには似合わないみたいだ」
快活のよい口調に似合う、活動的な亜麻色のショートカット。右手に細剣。鎧は何処の防具屋にでもあるような量産特化の革製。
お世辞にも魔王幹部に挑むような装備ではない。
だがしかし――――、
「ボクッ子か!」
「ボクッ子ですね!」
正直、装備なんて、そんな物はどうでもいい。問題なのは亜麻色の髪を持つ方が、男性ではなかったというところ。
革の鎧は胸部分で隆起しており、腰回りはヘソ出しの柳腰。
大きなアメジストカラーの瞳を持った可愛い女性であること。
そして、ボクッ子。これが重要なことなんだ。僕たちにとっては!
そんなボクッ子に対して、僕よりも早く反応した整備長に、ボクッ子って先に言われたのが正直悔しい。僕が先駆けてボクッ子って言いたかった……。
「女の勇者か……とはいえ、この古都に足を踏み入れたとなれば、覚悟の程はできていよう」
大公様が右手を勢いよく前に出すと、それを合図に兵の皆さんが壁上に集まり、槍や剣を構える。
集まった一般の人々の避難も始まり、いまにも本格的な戦いが始まろうとしている。
――――……、
しかし、である。
いくら勇者とはいえ、女の子一人にこの布陣。しかも、槍や剣を装備する兵が、人で構成されて、避難に動いてるのがアンデットって……、どうよ?
逆でしょ、逆! なんで、人間側が勇者相手にやる気満々なの。どこまで大公様は現状のままでいたいの……。
判官贔屓ってのもなんだけど、ここは可愛い勇者さんを心の中で応援したい。
「我が名はサージャス・バレンタイン。クリネアの出自」
クリネアって魔術学で有名な大きな都市じゃないか。
魔王軍との戦いを定められた者は、幼少期から魔法を教わり、才能ある者は、年齢が十になる前に、大魔法まで至るとも聞いたことがある。
卓抜な魔道の使い手を多く輩出している都市だ。
反面、若い頃から強力な魔法を使えることから、他を見下したりしちゃう問題児も結構いるとの噂。道徳も一緒に教えるべきだと思う。
「あれ? あの子は……」
なんですか整備長? 意味深な。
「丁寧な名乗り、痛み入る。我は魔王様より不死軍を預かる、ガルエロン・デ・ラマンディール。最近、愛する民達から、涙が名水百選と呼ばれる者である。そして、私はそれを非常に気に入っている」
急いで整備長から、口上を耳にするために、不死王さんに視線を戻した途端、最後が台無しな名乗りを耳にするはめになった……。
しかし、どうする。たった一人でこれだけの数を相手にする気なのだろうか?
伏兵がいるのかな?
それとも見下しちゃう問題児の方なのかな?
一人で十分とか思ってるのかな?
ここはまだ、整備局も入っていない状況。大魔法の使用も有りではある。倫理を逸脱する事になるだろうけど。
「行くぞ」
剣を横に寝かせるサージャスさん。見れば細剣も、どの町でも出回っている質の低い代物だ。
「炎加護」
鍔から剣身にそって切っ先までを食指と中指でなぞると、細剣が炎を纏う。瞬間、周辺に暖かい風が流れる。
サージャスさん魔法剣の使い手のようだ。
「それで剣のアドバンテージを得たとでも?」
ワイトさんもサージャスさんと同じ動作。
「猛毒加護」
紫色の霧が剣を纏う。いかにも毒々しい。ようやく名前とは違う、アンデットっぽい所作だ。
「行くぞと言っていたが、あえて言わせてもらう。こちらから行くぞ」
構えるとすぐに一直線に跳躍。
――しかし、ワイトさんが向けるショートソードは、サージャスさんの、二歩ほど手前で停止する。
「主?」
ワイトさんの両腕を不死王さんが止めていた。
大公様を含めた周囲の方々も、なぜに止めたのか疑問符が浮かんでいるようだ。
「せっかく、単身で来たのに多勢に無勢は卑怯である」
「しかし、これは戦い。卑怯であろうとも、万全を期すのが私の使命」
「大公殿の考えは理解出来ます。が、いかんのです」
「なにがです?」
「我が魂魄がいかんと言っとるのです!」
でたよ、熱血劇場だよ……。なんでこの方はアンデットなのに魂魄とか言うかな。いかん、いかん。気にしちゃ駄目だったな。この古都では……、
解決するのは双方の行動のみだ。
黙って、兵士の方々に守られながら、後ろから見ていよう。整備長は完全に野次馬モードだし。
「この戦い。名乗りを上げた、このガルエロンが受ける。手出し無用。これは統治者としての厳命である」
強く揺るがないとばかりのその声には誰も口を出す事はなく、ワイトさんも魔法を解いて、剣を鞘に収めて、不死王さんに一礼すると、静かに後方に下がっていった。
その早さは常人のものでないことは、常人の僕でも理解できた。
「さがって」
通り過ぎる時に、僕に向けられる言葉。
と、同時に外套から輝く物がちらりと見えた瞬間、それの正体が細剣であり、刺突する先端が狙っているのは不死王さんだった。
「やらせん」
ワイトのホーリー・ライムライトさんが、深紅のローブを派手になびかせて、細剣を、手にしたショートソードで払いのけた。
「ちっ」
強襲の失敗から、頭を覆うフードの奥から舌打ちが聞こえる。
「見事な攻めであったが、奇襲を仕掛けるならば、声を出すのはいただけん。覚悟という言葉は不要であったな。しかしながら、非戦闘員であるウィザースプーン殿への配慮の言葉は賞賛である」
擬音にするならピシャーンであろうか、天に真っ直ぐ伸びた姿勢で腕を組み、ワイトさんの後方で微動だにしないで、強襲を仕掛けた相手に語りかける不死王さん。
「この様な場で仕掛けてくるとは、その勇気は買ってやろう」
大公様、椅子から立ち上がり、不死王さんに負けないくらいの不動の姿勢で口を開くと、
「正体見せよ。我々は常に市井に兵を置き不審な者を探っているのだ。勇者なのだろう?」
継いで語る。
――――いや、うん。あのね……、大公様。勇者は不審者じゃないです…………。勇者は勇者です。
ばれていたかとばかりに、フード付きの外套を豪快に脱ぎ捨てる。
――ほほう、これは……、
「やっぱり、強襲なんて卑怯な手はボクには似合わないみたいだ」
快活のよい口調に似合う、活動的な亜麻色のショートカット。右手に細剣。鎧は何処の防具屋にでもあるような量産特化の革製。
お世辞にも魔王幹部に挑むような装備ではない。
だがしかし――――、
「ボクッ子か!」
「ボクッ子ですね!」
正直、装備なんて、そんな物はどうでもいい。問題なのは亜麻色の髪を持つ方が、男性ではなかったというところ。
革の鎧は胸部分で隆起しており、腰回りはヘソ出しの柳腰。
大きなアメジストカラーの瞳を持った可愛い女性であること。
そして、ボクッ子。これが重要なことなんだ。僕たちにとっては!
そんなボクッ子に対して、僕よりも早く反応した整備長に、ボクッ子って先に言われたのが正直悔しい。僕が先駆けてボクッ子って言いたかった……。
「女の勇者か……とはいえ、この古都に足を踏み入れたとなれば、覚悟の程はできていよう」
大公様が右手を勢いよく前に出すと、それを合図に兵の皆さんが壁上に集まり、槍や剣を構える。
集まった一般の人々の避難も始まり、いまにも本格的な戦いが始まろうとしている。
――――……、
しかし、である。
いくら勇者とはいえ、女の子一人にこの布陣。しかも、槍や剣を装備する兵が、人で構成されて、避難に動いてるのがアンデットって……、どうよ?
逆でしょ、逆! なんで、人間側が勇者相手にやる気満々なの。どこまで大公様は現状のままでいたいの……。
判官贔屓ってのもなんだけど、ここは可愛い勇者さんを心の中で応援したい。
「我が名はサージャス・バレンタイン。クリネアの出自」
クリネアって魔術学で有名な大きな都市じゃないか。
魔王軍との戦いを定められた者は、幼少期から魔法を教わり、才能ある者は、年齢が十になる前に、大魔法まで至るとも聞いたことがある。
卓抜な魔道の使い手を多く輩出している都市だ。
反面、若い頃から強力な魔法を使えることから、他を見下したりしちゃう問題児も結構いるとの噂。道徳も一緒に教えるべきだと思う。
「あれ? あの子は……」
なんですか整備長? 意味深な。
「丁寧な名乗り、痛み入る。我は魔王様より不死軍を預かる、ガルエロン・デ・ラマンディール。最近、愛する民達から、涙が名水百選と呼ばれる者である。そして、私はそれを非常に気に入っている」
急いで整備長から、口上を耳にするために、不死王さんに視線を戻した途端、最後が台無しな名乗りを耳にするはめになった……。
しかし、どうする。たった一人でこれだけの数を相手にする気なのだろうか?
伏兵がいるのかな?
それとも見下しちゃう問題児の方なのかな?
一人で十分とか思ってるのかな?
ここはまだ、整備局も入っていない状況。大魔法の使用も有りではある。倫理を逸脱する事になるだろうけど。
「行くぞ」
剣を横に寝かせるサージャスさん。見れば細剣も、どの町でも出回っている質の低い代物だ。
「炎加護」
鍔から剣身にそって切っ先までを食指と中指でなぞると、細剣が炎を纏う。瞬間、周辺に暖かい風が流れる。
サージャスさん魔法剣の使い手のようだ。
「それで剣のアドバンテージを得たとでも?」
ワイトさんもサージャスさんと同じ動作。
「猛毒加護」
紫色の霧が剣を纏う。いかにも毒々しい。ようやく名前とは違う、アンデットっぽい所作だ。
「行くぞと言っていたが、あえて言わせてもらう。こちらから行くぞ」
構えるとすぐに一直線に跳躍。
――しかし、ワイトさんが向けるショートソードは、サージャスさんの、二歩ほど手前で停止する。
「主?」
ワイトさんの両腕を不死王さんが止めていた。
大公様を含めた周囲の方々も、なぜに止めたのか疑問符が浮かんでいるようだ。
「せっかく、単身で来たのに多勢に無勢は卑怯である」
「しかし、これは戦い。卑怯であろうとも、万全を期すのが私の使命」
「大公殿の考えは理解出来ます。が、いかんのです」
「なにがです?」
「我が魂魄がいかんと言っとるのです!」
でたよ、熱血劇場だよ……。なんでこの方はアンデットなのに魂魄とか言うかな。いかん、いかん。気にしちゃ駄目だったな。この古都では……、
解決するのは双方の行動のみだ。
黙って、兵士の方々に守られながら、後ろから見ていよう。整備長は完全に野次馬モードだし。
「この戦い。名乗りを上げた、このガルエロンが受ける。手出し無用。これは統治者としての厳命である」
強く揺るがないとばかりのその声には誰も口を出す事はなく、ワイトさんも魔法を解いて、剣を鞘に収めて、不死王さんに一礼すると、静かに後方に下がっていった。
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