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胎動
PHASE-15
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邪神、発言を断たれたので、完全に心が折れたのか、トボトボとした足取りで門を目指して歩いて行く。
グラドさん、一礼して、
「このたびは、大変ご迷惑をおかけしました」
そう言って、通り過ぎる人たちに指を指されながらクスクスと笑われている、白スーツで、崇拝の対象である邪神を、最高神祇官が如雨露片手に追いかけていく姿を見送る僕たち。
全員の目の形状は半眼といったところだろう。
「いや~迷惑だったな」
危機が去って――――、危機って程の事でもなかったけども、整備長がさも自分もはじめから皆といたよ感を出しながら、合流してくる。
「ボドリック局長、大丈夫ですか! これはいけない、埃が」
手で、局長の服の汚れを払ってますね。
媚び諂わせれば大陸随一だ。
「しかし、パルパーナに行く前に、根幹の存在に会えたのは良かったのかもな……」
と、いきなりの来訪に心身が疲れたのか、局長は嘆息を打って、局内の片付けをしなければと、重い足取りで戻っていき、整備長がそれを支えるようにして後に続いていった。
ああいう積み重ねが、上に進むルートの一つでもあるのかな~と、思うと、少しは見習わないといけないのかもしれない。
いかんせん。僕の場合、ああいう積み重ねよりも前に、心底なんかでツッコミいれるのが先になってしまっているからね。
へたして、それが口からこぼれたりしたら、出世が遠のくかもしれない。
「ありがとうございました」
「いえ、なにもされなくて何よりでした」
傾国が語らっている。白スーツを目にした野次馬さん達が、今度は二人に目を奪われている。
しかたないよね。美人だもの。見るよね。
さっきとちがって、笑顔でのやり取りだから、なおいいものだ。
僕も入ろうかな。どうしよう。周囲に羨ましがられるかも。
「邪神を封じていた兵仗って、何処に行ったんでしょうね?」
話題は、先ほどまで上がっていた物を使用してみる。
途端に、カグラさんの表情が曇った。なんか、ごめんなさい……。
「パンゲア様と、その信徒たちが関与していないのならば、誰がそれを手にしたかを徹底して探し出さなければなりません」
そんなに、眼光に力を宿らせてまで、決意を口にしなければいけない事なのだろうか?
だって、大昔、現魔王が戦女神だったころに大量生産しちゃったものでしょ? いくら伝説級の兵仗とはいえ、魔王が簡単に作り出すんだから、大した事じゃないんじゃないだろうかと思うのが、素人の考えなんだけど。
「では、これにて」
ええ! もう帰るのか……。
思い詰めてるし、そんなにやばい代物なのかな? 塚にあった兵仗って。
だとしたら、大量生産なんかしちゃ駄目だよね。魔王様……。
邪神復活で、ゴタゴタが絶えない感じになってきたな……。やっぱり寝かせたままの方が良かったと思うんだけど……。
まあ、昔はどうかしらないけども、今は、あんな感じの存在だし、現状では僕たちのような一般人の脅威にはなりそうにないところが救いかな。
ロールさんが言い聞かせれば、大人しくしてくれるだろう。あのシスコン邪神。
――て、その邪神だよ。
「どうして、邪神がここに来たと分かったんです?」
帰りそうになっていたカグラさんを引き留めて質問。
「残念な存在でも、元主なんで、封印を解かれれば、その残念な存在には気付きます」
なるほど、溢れる力とかを感知出来るのかな? 残念な存在……。本当にヒエラルキー底辺だな…………。
だとするとだよ。もう少し、気を配っても良いと思うんだよね。相手がカグラさんとはいえ、思っていた事を口にしてみる。
「なんで、復活前や、復活後に行動しなかったんです? 魔王さんが封印に協力した邪神ですよ? 解き放つ前に阻止しないなんて」
その言葉に、眉間に皺を作ってしまうカグラさん。
瞬間、ごめんなさいと、口にしそうになった。
「この事に関しては、申し訳ないと思っております。しかし、封印の管轄は勇者ギルド。まさか、こんなにも容易く封印塚を突破されるとは……」
勇者ギルドとは相対する存在だから、封印塚には近づけなかったのは当然か。大昔は共闘しても、今は敵対してるんだから。
語調から、阻止したかったという気持ちは、本物だと窺える。
となると、ギルドか……。
僕の中で、勇者ギルドに関しては、評価が凄く低くなっている。
サージャスさんに、支払金を丸投げした魔法使いの男に対しての制裁とか、結局のところ耳にもしない。
大公様の、勇者よりも、不死王さん贔屓になってしまうのも分かると再確認だ。
とはいえ、空回りだけど、エルンさん達は真面目だし。サージャスさんも健気で、一生懸命だ。
ヴィン海域のガチ勢だって、魔王軍との戦いでは、自分の命と矜持をもって戦ってるって有名。
一概に否定も出来ないからな~。
トップの方々が怠慢になって行ってるのかな? 勇者ギルドは……。
どこもそうだけど、上に行けば行くほど、保身に走るっていうのは、よく聞くし、よく起こる事だ。
勇者も例に漏れず――。なのかな……。
――今度こそとばかりに、カグラさん一礼して、僕たちの前から去って行った。
というか、なんで、戦女神が魔王になって、勇者達と敵対してるんだっけ? そんなの学舎の戦史でも学ばなかったな~。
失敗した、今聞けば良かった……。
今度、カグラさんに会った時にでも、聞いてみようかな。
グラドさん、一礼して、
「このたびは、大変ご迷惑をおかけしました」
そう言って、通り過ぎる人たちに指を指されながらクスクスと笑われている、白スーツで、崇拝の対象である邪神を、最高神祇官が如雨露片手に追いかけていく姿を見送る僕たち。
全員の目の形状は半眼といったところだろう。
「いや~迷惑だったな」
危機が去って――――、危機って程の事でもなかったけども、整備長がさも自分もはじめから皆といたよ感を出しながら、合流してくる。
「ボドリック局長、大丈夫ですか! これはいけない、埃が」
手で、局長の服の汚れを払ってますね。
媚び諂わせれば大陸随一だ。
「しかし、パルパーナに行く前に、根幹の存在に会えたのは良かったのかもな……」
と、いきなりの来訪に心身が疲れたのか、局長は嘆息を打って、局内の片付けをしなければと、重い足取りで戻っていき、整備長がそれを支えるようにして後に続いていった。
ああいう積み重ねが、上に進むルートの一つでもあるのかな~と、思うと、少しは見習わないといけないのかもしれない。
いかんせん。僕の場合、ああいう積み重ねよりも前に、心底なんかでツッコミいれるのが先になってしまっているからね。
へたして、それが口からこぼれたりしたら、出世が遠のくかもしれない。
「ありがとうございました」
「いえ、なにもされなくて何よりでした」
傾国が語らっている。白スーツを目にした野次馬さん達が、今度は二人に目を奪われている。
しかたないよね。美人だもの。見るよね。
さっきとちがって、笑顔でのやり取りだから、なおいいものだ。
僕も入ろうかな。どうしよう。周囲に羨ましがられるかも。
「邪神を封じていた兵仗って、何処に行ったんでしょうね?」
話題は、先ほどまで上がっていた物を使用してみる。
途端に、カグラさんの表情が曇った。なんか、ごめんなさい……。
「パンゲア様と、その信徒たちが関与していないのならば、誰がそれを手にしたかを徹底して探し出さなければなりません」
そんなに、眼光に力を宿らせてまで、決意を口にしなければいけない事なのだろうか?
だって、大昔、現魔王が戦女神だったころに大量生産しちゃったものでしょ? いくら伝説級の兵仗とはいえ、魔王が簡単に作り出すんだから、大した事じゃないんじゃないだろうかと思うのが、素人の考えなんだけど。
「では、これにて」
ええ! もう帰るのか……。
思い詰めてるし、そんなにやばい代物なのかな? 塚にあった兵仗って。
だとしたら、大量生産なんかしちゃ駄目だよね。魔王様……。
邪神復活で、ゴタゴタが絶えない感じになってきたな……。やっぱり寝かせたままの方が良かったと思うんだけど……。
まあ、昔はどうかしらないけども、今は、あんな感じの存在だし、現状では僕たちのような一般人の脅威にはなりそうにないところが救いかな。
ロールさんが言い聞かせれば、大人しくしてくれるだろう。あのシスコン邪神。
――て、その邪神だよ。
「どうして、邪神がここに来たと分かったんです?」
帰りそうになっていたカグラさんを引き留めて質問。
「残念な存在でも、元主なんで、封印を解かれれば、その残念な存在には気付きます」
なるほど、溢れる力とかを感知出来るのかな? 残念な存在……。本当にヒエラルキー底辺だな…………。
だとするとだよ。もう少し、気を配っても良いと思うんだよね。相手がカグラさんとはいえ、思っていた事を口にしてみる。
「なんで、復活前や、復活後に行動しなかったんです? 魔王さんが封印に協力した邪神ですよ? 解き放つ前に阻止しないなんて」
その言葉に、眉間に皺を作ってしまうカグラさん。
瞬間、ごめんなさいと、口にしそうになった。
「この事に関しては、申し訳ないと思っております。しかし、封印の管轄は勇者ギルド。まさか、こんなにも容易く封印塚を突破されるとは……」
勇者ギルドとは相対する存在だから、封印塚には近づけなかったのは当然か。大昔は共闘しても、今は敵対してるんだから。
語調から、阻止したかったという気持ちは、本物だと窺える。
となると、ギルドか……。
僕の中で、勇者ギルドに関しては、評価が凄く低くなっている。
サージャスさんに、支払金を丸投げした魔法使いの男に対しての制裁とか、結局のところ耳にもしない。
大公様の、勇者よりも、不死王さん贔屓になってしまうのも分かると再確認だ。
とはいえ、空回りだけど、エルンさん達は真面目だし。サージャスさんも健気で、一生懸命だ。
ヴィン海域のガチ勢だって、魔王軍との戦いでは、自分の命と矜持をもって戦ってるって有名。
一概に否定も出来ないからな~。
トップの方々が怠慢になって行ってるのかな? 勇者ギルドは……。
どこもそうだけど、上に行けば行くほど、保身に走るっていうのは、よく聞くし、よく起こる事だ。
勇者も例に漏れず――。なのかな……。
――今度こそとばかりに、カグラさん一礼して、僕たちの前から去って行った。
というか、なんで、戦女神が魔王になって、勇者達と敵対してるんだっけ? そんなの学舎の戦史でも学ばなかったな~。
失敗した、今聞けば良かった……。
今度、カグラさんに会った時にでも、聞いてみようかな。
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