拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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異文化

PHASE-07

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 交易を行う事で、国々の付き合いを深め、互いの文化を手にして、よりよい国の発展を目指したいという事で、始めにデジマが誕生。
 その後、剣術試合である-頂-をITADAKI-頂-と変更して国際的なものとし、これから僕たちの住まう大陸とのさらなる結びつきを強めるために、役所を造らせてもらい。更なる交易と、ワギョウ内で起こった問題を共に対処していく事で、よい関係を恒久的に築き上げていく。
 進捗状況は、ITADAKI-頂-のグローバル化までだ。
 本日から、役所建設のための地固め。ここから一気に加速させたい。
 もちろん、文化の押しつけは無しだ。それをやると侵略に発展してしまい、戦争になってしまう恐れがある。双方の友好と利益を第一。
 正直な話し、鎖国は困る。
 閉鎖的だと、そこでは何をやっているのかと、不安を抱いてもしまう者も現れる。
 もしかしたら、大陸で過激な事を考えている連中が、この国に潜伏しているのでは? と、いらぬ憶測も生まれる。
 もし本当に、過激派が鎖国を利用して、潜伏しているとなっても、大陸関係者が、ワギョウ国内での直接捜査は、勇者御一行でもない限り、行動する事は出来ない。
 その辺りは、両国間の協議で解決していくしかない。協力体制の構築は、今後の上の方々の差配しだいか……。

「悪いようにはなりますまい」
 と、お奉行は言ってくれる。
 大陸の文化がデジマを通って入ってくる事で、総合的に見れば、ワギョウは技術が遅れていると痛感させられているそうで、技術を取り込んで、追いつけ追い越せの考えが、上の方でも占めてきているそうだ。
 双方がともに良い刺激を受けて、発展していく事はいいことだ。
 役所を設けて、困った事が生じても、このお奉行と、奉行所の方々なら、助力を願い出れば、応えてくれるだろう。
 
 ――――。

 慣れない座り方をして、足がしびれてしまった……。
 動けるようになるまで苦労した。

「では、ピート殿の足も良くなったという事で、再び私が案内を」
 お持たせして、申し訳ありませんでした。
 なんで、整備長もロールさんも平気なんだろうか?
 僕だけが足がしびれてるって……、なんかしびれないコツとか有るのかな?
 お奉行に挨拶をしてから、茶室を後にし、ライゴウさんと合流。

「これから、どちらへ?」
 
「異人街へと向かいます」
 ワギョウに貿易などで滞在する大陸の方々のために、デジマの一角には専用の街を建設してくれているとの事。
 ありがたい事だ。
 役所なども、その異人街に建設するそうで、今から下見といったところだ。

「また、駕籠ですか?」
 質問してみると、
「それも良いですが――――どうでしょう。歩いてデジマの市井を見て回るのは」
 ライゴウさんの提案に、真っ先に賛成するように首肯したのがロールさん。

「ぜひ見て回りたいです」
 首肯に遅れて、口に出しての賛成だ。ノリノリである。
 良いんだけども、暑いからな~。
 ここの暑さはゲンジ砂漠とは違う暑さだ。
 高温多湿。湿度も高いから、蒸されている感じだ。蒸し料理の食材の気分が体験出来る。
 
 奉行所から出て、川沿いを歩きながら、異人街へと足を進める。
 川のおかげか、涼の恩恵が得られるのはありがたい。
 
 船頭さんが水棹みさおを巧みに使って、小舟を進めている。荷物だけじゃなく、人を乗せている小舟もある。
 あれで移動すれば、ゆっくりと市井も眺められるし、楽そうだ。
 なにより、涼しそうだし。
 
 水路がとても発展している。王都は馬車なんかの移動のために、石畳の道が多くを占めている陸路の移動だけど、ここでは水路を使っての移動の方が早そうだ。
 
 人が一塊になって待っている場所に目を向ける。
 船着場か。要所要所に設ける事で、そこでの乗り降りを行って、移動を円滑にしているようだ。

「しかし今日は暑いですね。僕たちちょっと前まで雪山にも行ってたんで、特にそう思ってしまうんですかね?」

「ほう、雪山ですか。整備局員の方々かたがた方々ほうぼうに移動して、大変なようですな」

「本来はそんなに出張ってないんですけどね」
 あえて、頼りないって事だけは伝えてはあげなかったよ。イーロン整備局の方々。身内の恥を他国にまで知られたくないからね。
 
 ――しかし、暑い……。砂利道も舗装という面では悪いものではないけども、石畳になれていると、歩きにくい。
 整備長、つなぎは上半身部分まで脱いでる。
 ロールさんも暑そうだけど、流石にみっともないからか、上着は脱がない。
 周囲が職場の仲間達ばかりなら、整備長と同じように脱ぐんだろうけど、知らない方々の目にさらされるのは嫌だもんね。
 僕としては、つなぎから解放されてまろび出るお胸様を眺めたいけども――。
 異人街以外では、中々に僕たちのような存在は珍しいようで、市井の方々の視線を一身に受けてしまう。
 特にロールさんが――――。
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