183 / 604
ITADAKI-頂-
PHASE-03
しおりを挟む
固唾を呑むとはこの事なのかな。緊張してきた。
散っていく参加者の方々に変わって、九つある闘技場の中央に、着物なのか袴なのか、二つの中間に位置しそうな服装で、腰に刀を帯びている美しい女性を先頭にして、楽団が上がってくる。
「雅楽だって。あの女に人は白拍子っていうらしいよ」
手にしているプログラム表を目にしてロールさんが教えてくれる。
どうやら、戦いを始める参加者たちの健闘を祈るための舞を行うそうだ。
――。
始めて耳にする音響。笙と呼ばれる笛みたいな楽器。
高い音色でよく響くけど、派手さはないと言うのが正直な感想。個人的な意見だと、パイプオルガンの高い音にも近いかな。笙のデザインもパイプオルガンのパイプ部分を手に持てるサイズにした感じにも見える。
音色から神々しさを感じられるけども、中央で優雅に舞う白拍子と呼ばれる美人の存在が加味となって、神聖な光景を作り出している。
ただ――。単純にこの音色に慣れてないのが原因なのか。この派手さがなくも、高い音色の心地よさが原因なのか。試合が始まる前に寝てしまいそうな……。
人をまどろみに誘うような独特な音色だ…………。
――。
「終わったよ」
「へあっ!?」
肩に何かが触れて驚いた。
ロールさんが僕の肩に手を当てたようだ。
――どうやら、完全に眠っていたらしい。白拍子に雅楽の演奏者の方々が闘技場から消えていた。
「涎、拭いてね」
「はい」
ワギョウ関係者いなくてよかった。寝るなんて不謹慎だからね。
お盆に乗ってる冷たいお茶を飲んで、目を覚ます。
目を合わせると、直ぐに馬鹿にされそうで嫌だから、素早く首を動かして隣の整備長を一瞥して状況確認。
一瞥してから今度は凝視に変わる僕。
――……寝てんじゃねえか。しかも僕と違って、畳の上に体を横にして堂々と寝てんじゃねえか。
本当に――、ワギョウ関係者がこの部屋にいなくてよかったよ。
「起こしてあげて」
ロールさんのご命令だ。
豪快にバチンとおっさんの臀部を叩いてやった。
「おっし!? なんだ!? 俺の城に敵襲か!」
どんな夢を見てたんだい?
そろそろ、第一試合が始まると説明してあげた。
体を起こして首を左右に動かしてる。小気味のいいポキポキ音が耳朶に届いてきた。
「おっ」
寝ぼけ眼をこすりつつ、下方の動きに整備長が欄干から身を乗り出す。
闘技場に第一試合の方々が歩んでいく。刀剣だけじゃなく、いろんな形の武器が見て取れる。長い棒はポールウエポンの代用かな。
鎌をモチーフにして、ロープで繋がったレモン大の革袋。中身は砂だろうか? 分銅の代わりだろう。
木刀、木剣にも種類がある。刀のデザインに、両刃剣の物。大きく歪曲した三日月みたいな作りのショーテルに似たのも有る。
これだけ制作して集めるのも大変だな。
ドレークさんみたいに持参してくれると、以外とありがたいだろうね。
――。
始まった。
知り合いはまだ出てこないから、見るのは僕たちのいる場所から見下ろして直ぐ手前の闘技場で相対する二人に目を向ける。
「両者、始め!」
よく通る、主審の方の声。
空に伸びた手が振り下ろされると、試合が始まる。
気合いの入った声が上がるかと思ったら、以外と静かに距離を詰めていく白い胴着の二名。
一人は片手用の木剣と、バックラータイプの木の盾。
相対する方は、自分の身長と同じくらいの長い棒。
胴着だけなんだよな……。
いくら利器ではないとはいえ、あんな物が頭に直撃したら死人でるな……。
「怖いね」
ロールさんも同じ事を考えてたのかな。
今日この日のために鍛えてきたとばかりの、鋭い眼光。
両者、ジリジリと足を動かして距離を縮めていく。
間合いのアドバンテージは、ポールウエポンタイプを手にする方である事くらい、素人の僕でも分かる。
遠心力を得るために、長い棒を勢いよく回転させ、振り下ろす時宜を窺う。
それを理解しているから、盾持ちの方は、それを如何に掻い潜って自分の間合いにしたいかといったところか。
目にしている闘技場に立つ二人の動きが止まる。
観衆も静かに見ているから、他の闘技場で行われている木製武器同士がぶつかり合う、カンッカンッという、耳心地のよい音が響いてくる。
やはりそこは派手な戦いを目にしたいと思うのが男の性。
静の状況よりも、動が活発な、別の闘技場に目が移ってしまうのは仕方の無い事。
「あ」
声を漏らしたロールさん。
視線を辿れば、戦いが終わっていた。
長棒を手にした男性が床に倒れていた。
呼吸がままならないのか、くの字になって苦しがっている。
「なに? どうなったんです」
「ちゃんと見とけよ」
と、おっさんに小馬鹿な感じで言われてイラッとしたけども、落ち着きなく他を見ていたのも事実なもんだから、言い返す事が出来なかったので、歯を軋らせる事しか出来なかった……。
現状を目にして理解出来るのは、立ってい方は左手に装備していた木の盾がなくなっていて、床に砕け落ちていた事くらい。
「一瞬だったよ」
――――整備長と違って、丁寧に教えてくれるロールさん。
長棒の間合いに入り込んだと同時に、回転させる荒々しい風切り音から繰り出された一撃に対して、間合いを詰めつつ盾で受け止めながら、遠心力から来る脅威の一撃の威力を殺すように受け流したそうだ。
その威力から、盾は砕けたそうだけど、致命的な一撃にはならず、木剣の胴打ちが直撃。
拳で見舞うレバーブローなんて比較にならない木剣からの一撃が肝臓に叩き込まれて、現在に至る。
その一瞬を見逃す僕の情けなさよ…………。
次こそは見逃さないようにしとかないとね。
倒れた方が運ばれていくと、次に闘技場の上に立とうとしているのは、ドレークさんだった。
白い胴着に褐色の体。左手でペチペチとのんきに頭を叩きながら闘技場の床に足を置く。
残った右手に持つ両刃斧を象った木斧を振り回しつつ中央に立つと、先に待っていた相対する存在を見下ろす。
その視線に対して、小柄で額が広く、顎に向かって細い、カマキリを思わせる目鼻立ちの男性は、双剣のスタイル。
体躯の差で負けているも、ドレークさんを見上げる視線は強い。
散っていく参加者の方々に変わって、九つある闘技場の中央に、着物なのか袴なのか、二つの中間に位置しそうな服装で、腰に刀を帯びている美しい女性を先頭にして、楽団が上がってくる。
「雅楽だって。あの女に人は白拍子っていうらしいよ」
手にしているプログラム表を目にしてロールさんが教えてくれる。
どうやら、戦いを始める参加者たちの健闘を祈るための舞を行うそうだ。
――。
始めて耳にする音響。笙と呼ばれる笛みたいな楽器。
高い音色でよく響くけど、派手さはないと言うのが正直な感想。個人的な意見だと、パイプオルガンの高い音にも近いかな。笙のデザインもパイプオルガンのパイプ部分を手に持てるサイズにした感じにも見える。
音色から神々しさを感じられるけども、中央で優雅に舞う白拍子と呼ばれる美人の存在が加味となって、神聖な光景を作り出している。
ただ――。単純にこの音色に慣れてないのが原因なのか。この派手さがなくも、高い音色の心地よさが原因なのか。試合が始まる前に寝てしまいそうな……。
人をまどろみに誘うような独特な音色だ…………。
――。
「終わったよ」
「へあっ!?」
肩に何かが触れて驚いた。
ロールさんが僕の肩に手を当てたようだ。
――どうやら、完全に眠っていたらしい。白拍子に雅楽の演奏者の方々が闘技場から消えていた。
「涎、拭いてね」
「はい」
ワギョウ関係者いなくてよかった。寝るなんて不謹慎だからね。
お盆に乗ってる冷たいお茶を飲んで、目を覚ます。
目を合わせると、直ぐに馬鹿にされそうで嫌だから、素早く首を動かして隣の整備長を一瞥して状況確認。
一瞥してから今度は凝視に変わる僕。
――……寝てんじゃねえか。しかも僕と違って、畳の上に体を横にして堂々と寝てんじゃねえか。
本当に――、ワギョウ関係者がこの部屋にいなくてよかったよ。
「起こしてあげて」
ロールさんのご命令だ。
豪快にバチンとおっさんの臀部を叩いてやった。
「おっし!? なんだ!? 俺の城に敵襲か!」
どんな夢を見てたんだい?
そろそろ、第一試合が始まると説明してあげた。
体を起こして首を左右に動かしてる。小気味のいいポキポキ音が耳朶に届いてきた。
「おっ」
寝ぼけ眼をこすりつつ、下方の動きに整備長が欄干から身を乗り出す。
闘技場に第一試合の方々が歩んでいく。刀剣だけじゃなく、いろんな形の武器が見て取れる。長い棒はポールウエポンの代用かな。
鎌をモチーフにして、ロープで繋がったレモン大の革袋。中身は砂だろうか? 分銅の代わりだろう。
木刀、木剣にも種類がある。刀のデザインに、両刃剣の物。大きく歪曲した三日月みたいな作りのショーテルに似たのも有る。
これだけ制作して集めるのも大変だな。
ドレークさんみたいに持参してくれると、以外とありがたいだろうね。
――。
始まった。
知り合いはまだ出てこないから、見るのは僕たちのいる場所から見下ろして直ぐ手前の闘技場で相対する二人に目を向ける。
「両者、始め!」
よく通る、主審の方の声。
空に伸びた手が振り下ろされると、試合が始まる。
気合いの入った声が上がるかと思ったら、以外と静かに距離を詰めていく白い胴着の二名。
一人は片手用の木剣と、バックラータイプの木の盾。
相対する方は、自分の身長と同じくらいの長い棒。
胴着だけなんだよな……。
いくら利器ではないとはいえ、あんな物が頭に直撃したら死人でるな……。
「怖いね」
ロールさんも同じ事を考えてたのかな。
今日この日のために鍛えてきたとばかりの、鋭い眼光。
両者、ジリジリと足を動かして距離を縮めていく。
間合いのアドバンテージは、ポールウエポンタイプを手にする方である事くらい、素人の僕でも分かる。
遠心力を得るために、長い棒を勢いよく回転させ、振り下ろす時宜を窺う。
それを理解しているから、盾持ちの方は、それを如何に掻い潜って自分の間合いにしたいかといったところか。
目にしている闘技場に立つ二人の動きが止まる。
観衆も静かに見ているから、他の闘技場で行われている木製武器同士がぶつかり合う、カンッカンッという、耳心地のよい音が響いてくる。
やはりそこは派手な戦いを目にしたいと思うのが男の性。
静の状況よりも、動が活発な、別の闘技場に目が移ってしまうのは仕方の無い事。
「あ」
声を漏らしたロールさん。
視線を辿れば、戦いが終わっていた。
長棒を手にした男性が床に倒れていた。
呼吸がままならないのか、くの字になって苦しがっている。
「なに? どうなったんです」
「ちゃんと見とけよ」
と、おっさんに小馬鹿な感じで言われてイラッとしたけども、落ち着きなく他を見ていたのも事実なもんだから、言い返す事が出来なかったので、歯を軋らせる事しか出来なかった……。
現状を目にして理解出来るのは、立ってい方は左手に装備していた木の盾がなくなっていて、床に砕け落ちていた事くらい。
「一瞬だったよ」
――――整備長と違って、丁寧に教えてくれるロールさん。
長棒の間合いに入り込んだと同時に、回転させる荒々しい風切り音から繰り出された一撃に対して、間合いを詰めつつ盾で受け止めながら、遠心力から来る脅威の一撃の威力を殺すように受け流したそうだ。
その威力から、盾は砕けたそうだけど、致命的な一撃にはならず、木剣の胴打ちが直撃。
拳で見舞うレバーブローなんて比較にならない木剣からの一撃が肝臓に叩き込まれて、現在に至る。
その一瞬を見逃す僕の情けなさよ…………。
次こそは見逃さないようにしとかないとね。
倒れた方が運ばれていくと、次に闘技場の上に立とうとしているのは、ドレークさんだった。
白い胴着に褐色の体。左手でペチペチとのんきに頭を叩きながら闘技場の床に足を置く。
残った右手に持つ両刃斧を象った木斧を振り回しつつ中央に立つと、先に待っていた相対する存在を見下ろす。
その視線に対して、小柄で額が広く、顎に向かって細い、カマキリを思わせる目鼻立ちの男性は、双剣のスタイル。
体躯の差で負けているも、ドレークさんを見上げる視線は強い。
0
あなたにおすすめの小説
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる