拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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ITADAKI-頂-

PHASE-16

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「二日目。五回戦と六回戦。これにて予選トーナメントの幕引きだ」

「各ブロックの勝利者が決まるわけだね」

「で、明日が決勝」
 総当たり戦だ。最初の二人が不利。なんとかサージャスさんには二試合目からの参加になって頂きたいものだ。
 参加者の方々、シード権を嫌うとは言え、決勝まで来れば、怪我の方が懸念されるだろうからね。
 二試合目からの参加の方がアドバンテージを有するはずだ。
 その為にも、この予選を勝ち抜いてもらう為に、応援しないとな。
 
 闘技場は前日と違い変化している。
 九つあったものがスッキリとなく無くなっていて、代わりに昨日までの闘技場の広さの約三倍の闘技場が一つ存在。
 前日のも本日のも、魔法で作った物だったんだな。
 便利だな魔法。
 もはやここまで来ると、ご都合主義もビックリな利便性だよ。魔法って――。
 
 闘技場が一つだけという事で、本日から、一試合一試合の観戦になる。
 忙しなく見なくていいね。

『では――――大会二日目。第五回戦より始めさせて頂く。二日目参加者は将軍様に一礼を』
 お奉行様の声に従って、典雅な礼から二日目が始まる。
 
 
 
 さて――、二日目の初戦は、エルンさんに勝利して、気になる存在となったムツ氏か。
 対戦相手の名前は――――、コロ……、
「コロ氏か……」

「可愛い名前だよね」
 と、ロールさん。
 その横ではおっさんが一人腹を抱えて大笑いだ。
 まあ、わからんではない。
 ――――コロ氏。ドレークさんに負けないくらいの身長だ。
 でもって、横にも大きい巨漢の男性だ。
 一歩、足を前に出すだけで、ズンッって擬音が耳に届いてきそうだもの。
 
 顔は、表情が分からないくらいに濃い茶色のボサボサの髪に、胸元まで伸びたウェーブがかった髪と同色の髭。
 見えるのは、ギョロリとした大きな目と、カンパーニュみたいな丸いパンを彷彿させる鼻だけ。
 名前と風貌がまったくもって釣り合っていない。
 おっさん笑いすぎて、むせて苦しんでる……。

「ドワーフを巨人にした感じですね」

「手にしてるのも斧をモチーフにしてるしね」
 ドレークさんの手斧サイズとは違って、柄が長いバトルアックスタイプだ。
 あんな物で撲られたらひとたまりもない。
 木製とはいえ、重量級だ。僕のような常人では持つのもやっとといった感じ。
 完全に殺傷能力の高い物だろう。何処に当たっても致命傷だよ。下手な真剣より始末に負えない武器なんだけど……。

「いいのかな? あれ」

「ね~駄目ですよね」

「流石に許容範囲から逸脱しているように思えるよな……」
 僕たちのそんな思いなんて何するものぞとばかりに、主審の方が勢いよく手を空へと向けて、
「始めぃ」
 前日までと違って、胆力が違うのが声を聞くだけで分かる。拡声器なんてなくてもバッチリと会場どころか周辺にまで響いてるよ。
 
 試合の回戦が進むと、それに伴って主審の質も高くなるのかな。まあ、前日の方々も有能な方々なんだろうけども、右往左往も目立ったしな。
 ――特にサージャスさんとフィットさんの主審の女の子。これから立派になるんだろうけどね。

『「ぬぅあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ」』
 耳が壊れるよ……。
 まるで猛獣のような咆哮だ。
 魔石鏡と闘技場から二重になって聞こえてくるから、うるささに、ついつい耳を塞いでしまった。
 コロ氏の気概と共に放たれる一撃。
 ムツ氏の木刀では届かない、間合い外から迫る。
 力だけにステータス振り切ったの? とばかりの一撃は、木製とは思えないほどの一撃で、石材である床が大きく抉れた。

「なんで、あの斧は破損しないの?」
 近くで見れば、木斧もかけたり、ヒビが入ってるかもしれないだろうけど、遠目からだと変わりない。
 どれだけの質量なんだよ……。死ぬ、死ぬ。
 あんな物で撲るとか。ただの殺しあいとなるよ。
 四回戦までの相手となった方々の体を心配してしまうよ――。
 
 舞い上がる床から発生した粉塵の中で跳び上がる影。
 ムツ氏、あの凶悪な一撃は避けられたようだ。
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