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ITADAKI-頂-
PHASE-20
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――――とはいえ、運がないのは事実か……。
フィットさんに続いてこの人も強い。しれっと四回戦の方を空気扱いしてしまっているけども。
ブンディ・ダガーと蹴撃が止む事はなく、攻め立てられていく。
防戦一方のようにみえるけど――、
「うん、これは」
動きで確信を得るロールさん。
それに僕も続いて、
「サージャスさんは余裕ありますね」
――確かにザイオン氏は強い。でも、フィットさんの時に比べれば、表情に苦戦の色はない。
むしろ楽しんでいるようにも思える。
フィットさんの時も楽しんでいたけど、それ以上だ。
だからかな。試合開始時の気負ったものが、体から抜けている。
『おりゃぁぁ――――おりょ!?』
ザイオン氏が右足で踏み込もうとしている足場に、それよりも先にサージャスさんが距離を詰めて右足着地点に足払い。
『あらららららららら――――』
踏み込むための勢いがそのまま乗った事での大転倒。
ザイオン氏の体がよく転がる。
転がる。
転がる。
転がる――――。
危うく場外というところで、かろうじて止まるザイオン氏。
なるほど、上手く後ろに下がりながら、時宜を見定めて、ザイオン氏の場外落下による自滅を狙っていたようだね。
『このぉぉぉぉぉ』
本当に獣みたいだな……。
起き上がらずに、四足歩行でサージャスさんに向かっている。
対する方はやはり楽しげだ。
バカ正直に真っ直ぐ向かってくる相手に好感を抱いているようだ。
不死王さんみたいなバカ――――、もとい、脳筋……。どっちにしても馬鹿にした表現だな。
とにかく、挫けず前向きに向かってくる精神の人物が好きみたいだ。
足に力を込めて、サージャスさん自らも、接近のための一足飛び。
木刀の方がブンディ・ダガーよりリーチがあるのに、間合いをわざわざザイオン氏に合わせるんだからな。
サージャスさんも物好きだ。
「「「「おお!」」」」
見とれております。観衆の皆様、もれなく見とれております。
美少女二名がまるで闘技場をステージとして踊っているみたいだから。
武闘ではなく舞踏という方が似合う空間だ。
無軌道なザイオン氏の動きに合わせてあげているから、無軌道から無が取れたような動きに見える。
激情で躍動なザイオン氏と、粛然たる足運びのサージャスさん。
対極な動きが織りなすからこその美なのかもしれない。
『いだ!』
そんな中でも、サージャスさんが徐々に実力を見せてくる。
ブンディ・ダガーを振り切ったところを回避して、木刀の柄で額を小突いてみたり。
刺突を捌いて今度はデコピン。
額ばかりをピシピシと攻められ、動きを止めると、ザイオン氏はたまらず諸手で額を押さえてかがみ込む。
諸手に装備したままのブンディ・ダガーの現在が何ともシュールだ。
顔を起こすや、
『真面目にやりなよ!』
ダガーが顔を隠しているので、視線はサージャスさんとは交わらない。
『真面目だよ。楽しくって』
『楽しいとか言ってる時点で不真面目じゃん!』
褐色からでも分かる顔真っ赤。
それが愛らしいのか、サージャスさんは笑みを見せている。
「妹にしたい子だよね。ザイオンさん」
と、ロールさんも隣でザイオン氏を見て微笑んでいる。直情元気なところは、レインちゃんに似ているな。
『こうなったら』
お! 何かしら仕掛ける気かな?
無駄に後方転回の連続。
闘技場の反対側の端まで移動――――。
ああ……、回りすぎて足下フラフラじゃないか……。お馬鹿なのかな~。
会場も爆笑だ。
頭を強く左右に振ってから、姿勢を低くしている。
追撃をする事もなく、どんな技なのかと楽しみにしているサージャスさんは中央に立って眺めている。
『いくよ~』
駆け始めると、姿勢は更に低くなり、頭の位置はサージャスさんの膝くらいまで下がる。
そして、そこから跳躍。床を滑るような跳躍。
『穿刺突』
まるで、強弓から放たれた一本の矢のように、一直線にサージャスさんへと向かう。
フィットさんに続いてこの人も強い。しれっと四回戦の方を空気扱いしてしまっているけども。
ブンディ・ダガーと蹴撃が止む事はなく、攻め立てられていく。
防戦一方のようにみえるけど――、
「うん、これは」
動きで確信を得るロールさん。
それに僕も続いて、
「サージャスさんは余裕ありますね」
――確かにザイオン氏は強い。でも、フィットさんの時に比べれば、表情に苦戦の色はない。
むしろ楽しんでいるようにも思える。
フィットさんの時も楽しんでいたけど、それ以上だ。
だからかな。試合開始時の気負ったものが、体から抜けている。
『おりゃぁぁ――――おりょ!?』
ザイオン氏が右足で踏み込もうとしている足場に、それよりも先にサージャスさんが距離を詰めて右足着地点に足払い。
『あらららららららら――――』
踏み込むための勢いがそのまま乗った事での大転倒。
ザイオン氏の体がよく転がる。
転がる。
転がる。
転がる――――。
危うく場外というところで、かろうじて止まるザイオン氏。
なるほど、上手く後ろに下がりながら、時宜を見定めて、ザイオン氏の場外落下による自滅を狙っていたようだね。
『このぉぉぉぉぉ』
本当に獣みたいだな……。
起き上がらずに、四足歩行でサージャスさんに向かっている。
対する方はやはり楽しげだ。
バカ正直に真っ直ぐ向かってくる相手に好感を抱いているようだ。
不死王さんみたいなバカ――――、もとい、脳筋……。どっちにしても馬鹿にした表現だな。
とにかく、挫けず前向きに向かってくる精神の人物が好きみたいだ。
足に力を込めて、サージャスさん自らも、接近のための一足飛び。
木刀の方がブンディ・ダガーよりリーチがあるのに、間合いをわざわざザイオン氏に合わせるんだからな。
サージャスさんも物好きだ。
「「「「おお!」」」」
見とれております。観衆の皆様、もれなく見とれております。
美少女二名がまるで闘技場をステージとして踊っているみたいだから。
武闘ではなく舞踏という方が似合う空間だ。
無軌道なザイオン氏の動きに合わせてあげているから、無軌道から無が取れたような動きに見える。
激情で躍動なザイオン氏と、粛然たる足運びのサージャスさん。
対極な動きが織りなすからこその美なのかもしれない。
『いだ!』
そんな中でも、サージャスさんが徐々に実力を見せてくる。
ブンディ・ダガーを振り切ったところを回避して、木刀の柄で額を小突いてみたり。
刺突を捌いて今度はデコピン。
額ばかりをピシピシと攻められ、動きを止めると、ザイオン氏はたまらず諸手で額を押さえてかがみ込む。
諸手に装備したままのブンディ・ダガーの現在が何ともシュールだ。
顔を起こすや、
『真面目にやりなよ!』
ダガーが顔を隠しているので、視線はサージャスさんとは交わらない。
『真面目だよ。楽しくって』
『楽しいとか言ってる時点で不真面目じゃん!』
褐色からでも分かる顔真っ赤。
それが愛らしいのか、サージャスさんは笑みを見せている。
「妹にしたい子だよね。ザイオンさん」
と、ロールさんも隣でザイオン氏を見て微笑んでいる。直情元気なところは、レインちゃんに似ているな。
『こうなったら』
お! 何かしら仕掛ける気かな?
無駄に後方転回の連続。
闘技場の反対側の端まで移動――――。
ああ……、回りすぎて足下フラフラじゃないか……。お馬鹿なのかな~。
会場も爆笑だ。
頭を強く左右に振ってから、姿勢を低くしている。
追撃をする事もなく、どんな技なのかと楽しみにしているサージャスさんは中央に立って眺めている。
『いくよ~』
駆け始めると、姿勢は更に低くなり、頭の位置はサージャスさんの膝くらいまで下がる。
そして、そこから跳躍。床を滑るような跳躍。
『穿刺突』
まるで、強弓から放たれた一本の矢のように、一直線にサージャスさんへと向かう。
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