拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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ITADAKI-頂-

PHASE-30

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「ボクとしては、ここまで来られた事で満足は――――」

「――しては駄目ですからね。参加した方々は、頂を目指しての事なんですから。その方々の為にも頂上を目指さないと」

「そうですね――――確かにその通りです。ここで満足とか言っては、競った人たちの侮辱にもなりますね」
 柔らかそうなホッペを諸手でパチンと叩いて気合いを入れ直してる。叩いた拍子にぷるぷるるんと弾む肌……。
 なんと若い肌なのか。とか、浮かぶ時点で、十代の考えからかけ離れたおっさんの思考だなと、ちょっと反省。

「調子に乗っていいですか」

「決勝で足下すくわれない程度なら」

「じゃあ――優勝したらご褒美いただけますか」
 きたコレ! この赤面しての言い方。
 ご褒美チュウ的なヤツだよ。もしかしたらそれ以上かもしれない。恋人ゲットの予感。
 美少女ボクッ子勇者様だよ。違反金が凄いけども、そんなもの曇るくらいの美少女だからね。
 チュウ以上となると、ワッショイワッショイからの明るい家族計画を考えないと。
 一人を愛するか、一夫多妻で平等に愛を配る貴族を目指すべきか!
 悩むところぞ。

 ――。

「ところで、ご褒美って何を所望で!」
 ――……失策! がっつきすぎだ。しかも自分で分かるくらいに鼻息が荒々しい。
 がわを攻めるって自分で心に誓ったのに!
 見ろピート! 少し後ろに下がってしまったぞピート! 愚かなりピート!!
 恋愛経験の無さが露呈してしまった……。
 落ち着けよ。まだチュウだと確定してもいないのに。ワッショイワッショイまで考えてるのが愚かな事よ。皮算用は回避だ!
 
 深呼吸をしてから、興奮を吐き出して、口に出さずに手を差し出して、欲する物を再度伺ってみる。

「えっとですね――――――いたっ!?」
 なんだ! この僕たちの幸せ空間を邪魔するのは誰ぞ!

「サージャス!」

「え、え!? ザイオンさん?」
 小麦色のバカがつくくらいの健康少女が、驀地してからサージャスさんにタックルのような抱きつきを見舞っていた。
 僕たちの間に入ってきたよ。
 境界線を越えてきやがって! しっぽり境界侵犯だぞ!! 衛兵! 衛兵はおらぬか! スクランブルぞ! ディスパッチぞ!
 いい感じのところで割って入る、在り来たりなのいらないから。
 お邪魔キャラとか流行らないよ。今時。
 Not Welcome. 
 門前払いだ。お帰り願いたい。
 いくら中々のわがままボディもってる可愛い子だからって、許してやるほど優しくないよ! 僕は!!

「あれ? あたい邪魔だった」
 でたよ……。お邪魔キャラ特有の常套句。
 それを言われるとさ、何も言えなくなるの。邪魔ですって素直に言うと、酷い人だと認識されて、サージャスさんの好感度下がるし。
 登場によって、こっちサイドのテンションも下がるから、そんな発言されたら、お互い気恥ずかしさが襲ってくるし。
 結果――――、進展もなくなるわけだよ……。
【how-to察しよう】なんて講習会を誰か開いてほしい。そして、そこで学んできてほしいよ。
 目を点にしやがって。疑問符を浮かべるんじゃないよ!

「しつこいようですが、頑張って下さいね」

「はい!」
 お互い何ともむずがゆい恥ずかしさを振り払う感じで、言葉をかわして誤魔化すだけだ……。

「ねえ、やっぱ邪魔だった?」

「うるさいよ!」
 このままだとサージャスさん、赤面状態が持続して、決勝をまともな精神で挑めないからね。
 ザイオン氏の首根っこを掴んでこの場からはそそくさと退散だ。
 心なしか掴んだ部分には力がこもってしまうよ。仕方ないよね!
 もう……。あのまま二人きりだったら、かなりの進展があったんじゃないのかな。そう思えると残念でしかない……。

「あ――」

「あれ? どうしました。ロールさん」

「会えたかな~と思って、探してたんだけど」
 無事に会えましたよ。
 この方が原因で、台無しでしたけども。中々の進展でした――と、しておきたい。
 うかうかしてると、ロールさん、サージャスさんとの差が開いていきますよ~。
 なんてね――。
 勘違い発言が痛いね僕。
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