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ITADAKI-頂-
PHASE-39
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「運びます」
担架に乗せられ医療室へと静かに、そして足早に移動。
それにピート達も付き添う。
――――闘技場側に設けられた医療室では、回復魔法に秀でた専門家たちが待機していた。
寝かせるベッドには魔法陣が刻まれている。魔法ブーストの役割を果たすものである。
「一、二、三」
の、かけ声で、息を合わせてサージャスをベッドへと寝かせ、慎重に胴着を脱がせると、回復魔法および、外傷に薬を使用と、両面からの治療をはじめる。
「大丈夫でしょうか……」
「かなりの深手です。息があるのが奇跡です」
ピートはその返答に、鈍器で殴られるような衝撃を受ける。
【息があるのが奇跡】そこまでの重傷である彼女に対して何も出来ない無力な自分に歯がゆさを抱く。
(銃を持っていたら……)
こんな時に魔法弾の一つにあった回復の魔弾が一発あった。
どんな状態からも立ち上がらせる効果があるとの事だったから。サージャスが使用した治癒聖杯クラスのものであるに違いない。
「あの――――前戦でサージャスさんが使用していた回復魔法は?」
「無理を言わないでください。あの魔法を使用出来るのは限られています。我々は人数にものをいわせて治療に当たりますので!」
質問に対する返しは、語尾に進むにつれて荒さが増す。
話しかけられる行為が邪魔だと暗に告げていた。
理解すると、後は医療班に任せるしかないと、一礼して退室しようとしていたところで、
「すみません! 遅くなりました!」
と、勢いよく医療室の扉が開かれる。
大声に、集中して治療に当たる者たちは一斉に開かれる方向を睨み付けた。
「すみません……」
二度目の同様の台詞は睨まれた事で弱々しいものになり、加えて一歩後退する動作のおまけつき。
声の正体はエルンのパーティーメンバーである、僧侶のリム・ワインズであった。
僧侶然たるローブに身を包んだ彼女を目にしたピートは、
「どうしてここに?」
「フィットとエルンが決勝を見ていまして」
二人が敗退してからは、リムと、魔法使いのミリ―・チャイルドは、決勝を見る事はなく、デジマの街並みを堪能していたそうだったが、エルンの呼びかけに応じて、ここへと駆けつけてくれたそうである。
「そんなやり取りはいいから、さっさとやる事をやる!」
中々に室内に入らないリムの背中を押すのはフィット。
それに続くのがエルンとミリー。
「回復魔法は?」
「もちろん出来ますよ。僧侶ですよ」
「では、こちらに」
彼女の手を取り、ベッドまで引っ張るピート。
ンダガランとの戦いでは、結界魔法を使用して強力な攻撃を防ぐ活躍をしているのは、戦闘後の説明の中で理解もしているし、記録も取っている。
リムの実力なら問題ないと、サージャスの回復を彼女に託す。
「では――――――才女よ、癒やしの主の娘よ、慈愛に満ちし杯を傾けたまえ。大いにこぼれ出す恩恵を、伏せる者、仆れる者、弱者への無量の愛として、注ぎ与えたまえ」
詠唱を行うリムの杖が輝き、
「治癒聖杯」
二の句を継いで、サージャスと同様の魔法を唱える。
魔法を受ける少女の体を暖かな光が包む。ドレークの時と同じ光景。違いを挙げるならば、詠唱を口にしたか、無詠唱だったかくらいである。
――――額の傷口が綺麗に塞がっていき、腫れ上がった左手も元の大きさに戻っていく。
――。
「ん…………」
程なくして、サージャスの眉がピクリと反応する。
担架に乗せられ医療室へと静かに、そして足早に移動。
それにピート達も付き添う。
――――闘技場側に設けられた医療室では、回復魔法に秀でた専門家たちが待機していた。
寝かせるベッドには魔法陣が刻まれている。魔法ブーストの役割を果たすものである。
「一、二、三」
の、かけ声で、息を合わせてサージャスをベッドへと寝かせ、慎重に胴着を脱がせると、回復魔法および、外傷に薬を使用と、両面からの治療をはじめる。
「大丈夫でしょうか……」
「かなりの深手です。息があるのが奇跡です」
ピートはその返答に、鈍器で殴られるような衝撃を受ける。
【息があるのが奇跡】そこまでの重傷である彼女に対して何も出来ない無力な自分に歯がゆさを抱く。
(銃を持っていたら……)
こんな時に魔法弾の一つにあった回復の魔弾が一発あった。
どんな状態からも立ち上がらせる効果があるとの事だったから。サージャスが使用した治癒聖杯クラスのものであるに違いない。
「あの――――前戦でサージャスさんが使用していた回復魔法は?」
「無理を言わないでください。あの魔法を使用出来るのは限られています。我々は人数にものをいわせて治療に当たりますので!」
質問に対する返しは、語尾に進むにつれて荒さが増す。
話しかけられる行為が邪魔だと暗に告げていた。
理解すると、後は医療班に任せるしかないと、一礼して退室しようとしていたところで、
「すみません! 遅くなりました!」
と、勢いよく医療室の扉が開かれる。
大声に、集中して治療に当たる者たちは一斉に開かれる方向を睨み付けた。
「すみません……」
二度目の同様の台詞は睨まれた事で弱々しいものになり、加えて一歩後退する動作のおまけつき。
声の正体はエルンのパーティーメンバーである、僧侶のリム・ワインズであった。
僧侶然たるローブに身を包んだ彼女を目にしたピートは、
「どうしてここに?」
「フィットとエルンが決勝を見ていまして」
二人が敗退してからは、リムと、魔法使いのミリ―・チャイルドは、決勝を見る事はなく、デジマの街並みを堪能していたそうだったが、エルンの呼びかけに応じて、ここへと駆けつけてくれたそうである。
「そんなやり取りはいいから、さっさとやる事をやる!」
中々に室内に入らないリムの背中を押すのはフィット。
それに続くのがエルンとミリー。
「回復魔法は?」
「もちろん出来ますよ。僧侶ですよ」
「では、こちらに」
彼女の手を取り、ベッドまで引っ張るピート。
ンダガランとの戦いでは、結界魔法を使用して強力な攻撃を防ぐ活躍をしているのは、戦闘後の説明の中で理解もしているし、記録も取っている。
リムの実力なら問題ないと、サージャスの回復を彼女に託す。
「では――――――才女よ、癒やしの主の娘よ、慈愛に満ちし杯を傾けたまえ。大いにこぼれ出す恩恵を、伏せる者、仆れる者、弱者への無量の愛として、注ぎ与えたまえ」
詠唱を行うリムの杖が輝き、
「治癒聖杯」
二の句を継いで、サージャスと同様の魔法を唱える。
魔法を受ける少女の体を暖かな光が包む。ドレークの時と同じ光景。違いを挙げるならば、詠唱を口にしたか、無詠唱だったかくらいである。
――――額の傷口が綺麗に塞がっていき、腫れ上がった左手も元の大きさに戻っていく。
――。
「ん…………」
程なくして、サージャスの眉がピクリと反応する。
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