拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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ITADAKI-頂-

PHASE-47

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 ――――。
 
 ふう、熱くなった体にはよきお茶よ。

「ささ、こちらも」

「どうも」
 闘技場の側にある控え室では、お奉行様自らが、皆にお茶を振る舞ってくれる。
 冷たくないけど、熱くなく、ゴクゴクと飲みやすい。
 僕たちだけでなく、部下であるライゴウさんにも振る舞ってる。優しい上役である。

「ふむん」
 何がふむんだよ。頭の中は、ピンク色のムフフ――、でしょうよ。
 おいしい思いしたムッツリ氏に対して僕の視線は敵意むき出しのものになってしまっている。
 向ける先では腕組みをして、真剣な顔をして何かを考えているよ。

「どうしたんだ」
 すかさずドレークさんがドカリと横に座ってる。
 空になった湯飲みにお茶を注ぎつつ――、お酒じゃないんだから……。

「かたじけない」
 注いでもらったお茶を一口飲んでから、喉を潤したのか、
「考えておりました――――」
 と、語ろうとしている。

「何を?」
 差し支えなければと、胡座をかいた体でムツ氏へグイッと近づく。

「実戦を知っている方々との戦いを経て、自分がまだまだだと痛感させられました」

「よく言うぜ。俺は実戦ばかりだが、手痛く負けたぞ」

「あの戦いは、どちらが勝ってもおかしくない拮抗したものでした」
 今度はドレークさんの湯飲みにお茶を注ぎ返してる。

「いい戦いでしたけど、見てるこっちは血の気が引きました」

「ロール嬢を心配させ申し訳ない」
 会話に参加したロールさんに、ドレークさんは深々と頭を下げている。
 頭を下げてもまだロールさんより高さがあるんだもんな。そんな人に殴られてるんだもの、ムツ氏の言うように、どっちが勝ってもおかしくなかったね。
 ドレークさんの直撃を受けても、戦い続けることが出来た体力が、細身の体からは想像出来ないや。

「で、痛感して答えは出たんですか?」
 銀の髪のサイドテールをゆらしつつの発言に、
「出ました」
 強くしっかりとした返しと共に、なぜかサージャスさんを見ている。
 なんだおい。
 なんなんだ。その物思いにふけったような視線は? 許さないぞ! 恋愛的なものは絶対に!
 見つめる先では、ザイオン氏にべったりとされて若干、疲れた表情のサージャスさんがどうにかして距離を取りたがっている。
 周囲に視線を動かせば、
 エルンさんは同じ勇者としてサージャスさんと言葉を交わしたいようだけど、二人の邪魔をしては悪いとばかりに状況を眺めているだけ。
 整備長はライゴウさんと談笑しつつ、お奉行様もいるというのに、畳みに寝っ転がってる。
 ワギョウから素行の悪さが正式にクレームとして上がったら、局長に包み隠さず僕がワギョウの証人として報告しよう――――。

「よし!」
 何かを決心したかのようにつと立つと、ムツ氏が向かう先はサージャスさんの方向だ。
 また、一戦とか言いたいのか? それとも愛の告白か!? それなら許さないぞぉぉぉぉぉぉ!

「なに! なんの用!!」
 番犬の如く、犬歯を見せてガルルルルルルルル――――、とばかりに二人の間をザイオン氏が遮っている。
 いいぞ、番犬。
 門前払いだ、お帰り願え。

「いや、貴殿に用はない」
 バッサリと返すと、
「知ってるよ!」
 と、ザイオン氏の大音声。

「なんでしょう?」
 話が進まないと判断したのか、ザイオン氏をどけて、ムツ氏の話を聞く姿勢をつくるサージャスさん。

「お願いがあります」
 片膝付いて、目上に対するように恭しい所作と発言。
 それを受けるサージャスさんは困惑している。

「とりあえず、その体勢をどうにかして下さい」

「聞いていただきたい」

「はい、聞くので」
 かしこまられる程の存在ではないと、ムツ氏を立たせて、胡座を組んでもらっている。
 話が出来る状況を作ってから、
「では――――どうぞ」
 と、促すサージャスさん。

「小生を、サージャス殿のお供に加えてくれませぬか。無論、雑用から炊事など小生が行います」

「「「「は?」」」」
 皆で同じリアクション。
 何を言い出すのかな。今大会の覇者は?
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