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公務員が発掘冒険とか……
PHASE-13
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「完全に、避難誘導にかこつけての難癖ですよね」
先ほどの胸の内での考えを口に出す。
それに対して、ゲイアードさんは目を閉じて天井に顔を向ける。
なんだろうか、その通りだと暗に伝えてるのかな。
言葉にしてくれた方がありがたいんですけど――――。
ノムロのおっさんに注いだ時に、僕たちにも注いでくれていた紅茶は、冷め切ってしまっている。
でも、フルーティーな香りは冷めても鼻孔に届く。
流石は官庁。いい物を出してくれる。
サージャスさんがここで飲んでた時の表情が思い出される。
「入れ直そうか?」
天井を向いていた顔が僕に向けられる。
「いいですよ。もったいない」
「ウィザースプーン君に同じ」
ゴートさんと二人で冷めた紅茶をありがたくいただく。
うむ、冷えていてもしっかりとした味わいだ。
「ウィザースプーン君の言うように難癖だろうね」
答えてくれた。
「ゲイアードさん。ラストネーム面倒でしょ。ピートでいいですよ。ゴートさんも」
「分かった」
「了解したピート君。で、ゲイアードさん、どうします?」
「我々、公務員は、民から税を徴収した領主様の恩恵で生活が送れます」
やはり忠実に従うって事か……。
ここは王都、子爵様の恩恵なんてないけども、貴族様たちの横の繋がりで、僕たちだけでなく、同僚が嫌がらせを受ける可能性もあるからね。従うしかないよね。
下男であれだもの。主の性格はあれ以上だろうからね。
「じゃあ、パーティーはどうします?」
出来れば警務局から動員してもらいたいよね。
戦闘力に特化した方々が多ければ、それなりの対処も出来るというもの。
といっても、警務局の方々は対暴力の鎮圧や、官庁、各局の守衛、街中での事件の捜査が専門だからな……。
対モンスターは門外漢。対人鎮圧の柔術が、モンスター通用するわけないからね……。
そういうのは勇者さん達のような冒険者が専門だからな~。
でも、戦闘力を有した方々がいてくれると、戦いの素人である僕やゲイアードさんは、精神的にゆとりも出来る。
「この三人で行こうと思うんだが」
「え!?」
なに言ってんですかゲイアードさん。とんでもなく恐ろしい事を口にしてますよ。
聞き間違いかな?
「この三人ですか?」
「うん」
聞き間違いじゃなかった…………。
「ノムロ氏が言うように、本当に化石があるかを確認して、あるなら確保したいところだね。宝物は発見、確保で所有権を得る事が出来るのがこの大陸での冒険のルールだ」
「それは冒険者のルールでしょ」
「関係ないよ。我々にも権利はある。所有権さえ得られれば、後はそれを運び出すだけだ。それは子爵様の子飼いにでも任せればいい」
「でも、ケルプト山ですよ。頂上から麓に生息するのは最古参位のモンスターばかり。そこいらのモンスターの主を容易く倒してしまう力を有したのが、普通にうろついてますよ。そして、古くからカグラさんに付き従い、揺るがない忠誠を持った方々です。権利を得ても、無事に運び出せないでしょう」
「そうだね。ではまず、その炎竜王氏に連絡をしよう」
まずは話し合いだ。
同胞の亡骸を漁るってなると、首を縦に振るなんてないだろうけどね。
それに――――、気になる事もある。
ゲイアードさんの後に続いて連絡室へ――――、姿見サイズの魔石鏡の前に立つ僕たち。
――。
『直通で連絡とは珍しいですね。ゲイアード殿』
「あ! ンダガランさん」
『ピート殿? これは珍しい組み合わせですね』
健康的な褐色の肌に、深紅の髪。前髪で三つ編みを作って後ろに流したスタイルは相も変わらずお似合いです。
美人でありつつあどけなさもある顔立ち、大好きです。
でも、服装は露出が控えめなものだ。エルンさんの時は戦闘用で、普段は純白のローブを纏ってるのかな。
眼福ならじ。残念な気持ちである。
「炎竜王氏は?」
『カグラ様はご多忙でして、特に邪神様復活後は、御自ら各地を東奔西走しております』
それを耳にして、ゲイアードさんの横に立ってから、
「兵仗ですか?」
と、質問。
『ええ……行方を調べるのに苦労しています』
シスコンの部位を封じていた物はまだ見つかってないのか。
というか、アレにいちいち様付けするってどうよ。
残念な神ですよアレ。
やっぱり、忌み嫌っていても、そこは様をつけるんだな~。
先ほどの胸の内での考えを口に出す。
それに対して、ゲイアードさんは目を閉じて天井に顔を向ける。
なんだろうか、その通りだと暗に伝えてるのかな。
言葉にしてくれた方がありがたいんですけど――――。
ノムロのおっさんに注いだ時に、僕たちにも注いでくれていた紅茶は、冷め切ってしまっている。
でも、フルーティーな香りは冷めても鼻孔に届く。
流石は官庁。いい物を出してくれる。
サージャスさんがここで飲んでた時の表情が思い出される。
「入れ直そうか?」
天井を向いていた顔が僕に向けられる。
「いいですよ。もったいない」
「ウィザースプーン君に同じ」
ゴートさんと二人で冷めた紅茶をありがたくいただく。
うむ、冷えていてもしっかりとした味わいだ。
「ウィザースプーン君の言うように難癖だろうね」
答えてくれた。
「ゲイアードさん。ラストネーム面倒でしょ。ピートでいいですよ。ゴートさんも」
「分かった」
「了解したピート君。で、ゲイアードさん、どうします?」
「我々、公務員は、民から税を徴収した領主様の恩恵で生活が送れます」
やはり忠実に従うって事か……。
ここは王都、子爵様の恩恵なんてないけども、貴族様たちの横の繋がりで、僕たちだけでなく、同僚が嫌がらせを受ける可能性もあるからね。従うしかないよね。
下男であれだもの。主の性格はあれ以上だろうからね。
「じゃあ、パーティーはどうします?」
出来れば警務局から動員してもらいたいよね。
戦闘力に特化した方々が多ければ、それなりの対処も出来るというもの。
といっても、警務局の方々は対暴力の鎮圧や、官庁、各局の守衛、街中での事件の捜査が専門だからな……。
対モンスターは門外漢。対人鎮圧の柔術が、モンスター通用するわけないからね……。
そういうのは勇者さん達のような冒険者が専門だからな~。
でも、戦闘力を有した方々がいてくれると、戦いの素人である僕やゲイアードさんは、精神的にゆとりも出来る。
「この三人で行こうと思うんだが」
「え!?」
なに言ってんですかゲイアードさん。とんでもなく恐ろしい事を口にしてますよ。
聞き間違いかな?
「この三人ですか?」
「うん」
聞き間違いじゃなかった…………。
「ノムロ氏が言うように、本当に化石があるかを確認して、あるなら確保したいところだね。宝物は発見、確保で所有権を得る事が出来るのがこの大陸での冒険のルールだ」
「それは冒険者のルールでしょ」
「関係ないよ。我々にも権利はある。所有権さえ得られれば、後はそれを運び出すだけだ。それは子爵様の子飼いにでも任せればいい」
「でも、ケルプト山ですよ。頂上から麓に生息するのは最古参位のモンスターばかり。そこいらのモンスターの主を容易く倒してしまう力を有したのが、普通にうろついてますよ。そして、古くからカグラさんに付き従い、揺るがない忠誠を持った方々です。権利を得ても、無事に運び出せないでしょう」
「そうだね。ではまず、その炎竜王氏に連絡をしよう」
まずは話し合いだ。
同胞の亡骸を漁るってなると、首を縦に振るなんてないだろうけどね。
それに――――、気になる事もある。
ゲイアードさんの後に続いて連絡室へ――――、姿見サイズの魔石鏡の前に立つ僕たち。
――。
『直通で連絡とは珍しいですね。ゲイアード殿』
「あ! ンダガランさん」
『ピート殿? これは珍しい組み合わせですね』
健康的な褐色の肌に、深紅の髪。前髪で三つ編みを作って後ろに流したスタイルは相も変わらずお似合いです。
美人でありつつあどけなさもある顔立ち、大好きです。
でも、服装は露出が控えめなものだ。エルンさんの時は戦闘用で、普段は純白のローブを纏ってるのかな。
眼福ならじ。残念な気持ちである。
「炎竜王氏は?」
『カグラ様はご多忙でして、特に邪神様復活後は、御自ら各地を東奔西走しております』
それを耳にして、ゲイアードさんの横に立ってから、
「兵仗ですか?」
と、質問。
『ええ……行方を調べるのに苦労しています』
シスコンの部位を封じていた物はまだ見つかってないのか。
というか、アレにいちいち様付けするってどうよ。
残念な神ですよアレ。
やっぱり、忌み嫌っていても、そこは様をつけるんだな~。
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