拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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公務員が発掘冒険とか……

PHASE-17

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「随分と大荷物だね」
 僕の麻袋に興味津々のゴートさん。
 なので袋を開けて中身の携行食を見せた。

「奮発したね。ピート君が支払いを?」
 と、ゴートさん。

「そうですよ。あっ別に支払いとかは請求しませんから」
 ――……社交辞令です。
 本音は支払ってほしいです。
 今月も翌月も翌々月も、ジリ貧なんで……。

「そうはいかない。若い子に支払わせるのは申し訳ないから、ちゃんと出すよ」
 流石はゲイアードさんだ。僕がほしかった台詞を一言一句違わずに口にしてくれた。
 そして、その台詞に首肯してくれるゴートさん。
 これがうちの整備長なら【あ、ラッキー】てな感じで終わるからね。
 というか、このやり取りで思い出したけど、バッカスでおっさんの代金を立て替えてたのすっかり忘れてた。
 まあいいか、おっさんだもの。返ってこないよ。というより、忘れてるだろうな。
 
 それよりも――――だ。
 嘘ですよね?

「ゲイアードさん。その恰好ですか?」

「ああ」
 僕は動きやすいつなぎ姿に、演習で支給されて、森を駆け回っても悲鳴もあげないタフネスな半長靴。
 ゴートさんは警務局の兵服。元々が対暴に特化してる物だから、動きやすくて丈夫な作り。なので森の中でも問題ない。
 だけど、ゲイアードさんは……、
「本気ですよね」

「そうだよ」
 ――――スーツに、デスクワーク感丸出しの革靴。間違いなく泥とかで滑るやつだよ……。
 とてもこれからケルプト山の麓の森へと赴くとは思えない。
 なめきった恰好だ。
 デスクワークの方は、やはりその辺りの経験が無いからか、分かってないのかな?

「ところで移動はどうするんです? 歩きじゃないですよね?」
 流石にケルプト山まで歩きは御免こうむるとばかりに、渋面を作って、口を開くゴートさん。
 その体つきだと歩きは辛そうですよね。

 ――。

「お、いるな」

「移動手段が来ました」
 タモンさんが高速魔道車の運転席から顔を出す。

「どうも」

「おう、今回は大変だったな」
 降りてから、僕の後ろに立つ二人に頭を下げて挨拶を行いつつ、僕たちの状況に同情の声。

「ありがとうございます。ケルプト山までは大丈夫ですかね?」
「問題ないよ。新しい魔動力を積んでるからな。ここから余裕で往復出来る――はずだ」
「はずなんですね……」
「まだ王都外ではテストしてないからな。それも込みで頼む。なんなら付いていこうか?」
「いいですよ。研究に勤しんでください」
「悪いな」
 タモンさんも責任を感じているみたいだな。
 サージャスさんに貸してる装備の制作者で、クエストを名目に、試験運用の認可状を書いてくれたしな。
 悪く言うと共犯。だからこそ、責任を感じてるんだろう。
 あれのおかげで、サージャスさんの装備が差し押さえ対象外になってるから、ありがたいんですけどね。

「後これ」

「魔石ですか」
 勤労君シリーズだね。

「一応、戦闘は出来ないようになってるが、防衛はしてくれる」
 勤労君シリーズは人に害を加えないように、直接的に人や動物に対しての攻撃はオミットされている。
 防御力はピカイチだから活用させてもらいたい。
 でもさ……。

「今から行く場所で役に立ちますかね?」

「まあ無理だな! アハハハハハ――――」
 筋肉同様に豪快な笑いですね……。
 
 申し訳ないけど、最古参位エルダークラスを相手にしたら即破壊されるだろう。足止めとして活用させてもらうよ。
 犠牲にしてしまうから、心が痛むけど、無事に済んだら、必ず回収するからという思いを魔石に伝えるように握りしめて、ポーチに収納。

「そろそろ行きますか」
 とは言ってみるものの。目抜き通りに目を向ける――――。
 流石に見送りはないよな。
 ゲイアードさん助手席に乗っちゃったし、出発する気まんまんだな。
 ゴートさんも初めての乗り物という事もあって、ノリノリで後部座席に乗り込む。
 
 今頃、仕事が始まってるころだろうし、タモンさんだけか。
 ありがたいのは、城門の左右に立つ兵士の方が、笑顔で手を振ってくれてる事か。
 
 でもやっぱり、ちょっと寂しい…………。
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