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公務員が発掘冒険とか……
PHASE-18
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「ピート君」
はい! その声を待ってました!!
「ロールさん」
「ごめん。ちょっと遅くなっちゃって」
見送りは嬉しいけど。
両手で持つそのバックはいただけませんよ。
「駄目ですからね! 付いてくるのは」
一緒に行くなんて言われたら困る。何かあったら、僕が一生消えない傷を心に残すよ。
先手打って、踏み留めるように強い語気で言ってあげる。
「分かってるよ……」
そんなに寂しそうな声を出されると、申し訳ないよ。
僕だって辛いんですから。
これから一週間くらいロールさんに会えないどころか、女っ気のない男三人での行動。苦行だ……。
「これ」
手にするバックを渡される。
いい匂いがする。
「行きのお弁当つくったから、皆さんで」
「ありがとうございます」
やったぜ! ロールさんのお弁当とか幸せすぎる。
この幸せ……、最後の晩餐とかじゃないよね。
「気をつけてね。私も連絡入れたけど、ンダガランさん、やっぱりいい顔してなかったから。カグラさんとは連絡そのものが取れなかったけど……」
「すみません。交友関係にヒビが入ってないですよね?」
「大丈夫だよ。だから、無事に帰ってきてね」
「はい!」
なんだろうか。気合いが入ってきたよ。不安が払拭されるような気分だ。【無事に帰ってきてね】とか、精神が高揚する台詞だ。
勇者になった気分だよ。
いつまでも待ってくれる一途な恋人と、旅立つ勇者のような関係。
帰ってきたら結婚やな! その後はワッショイ、ワッショイだな。
アハハハハハハ――――。
「痛いじゃないですか」
「にやける余裕はあるんだね」
頬を優しくつねられた。
幸せの痛みである。その気持ちのいい痛みをそのままに、いざ運転席へ――。
「無茶な運転はするなよ」
「大丈夫ですよ。運転は慣れてますから。安全運転で行ってきます」
「森の中での寝食で、体調崩さないでね」
「その辺はブートキャンプで経験してますから」
終始、気にかけてくれるロールさんの不安な気持ちを少しでも軽減させたいので、笑顔を維持する僕――――。
「出発進行」
「おお! いよいよか~」
ゴートさんの初体験から出る興奮した声を背に受けつつ、
「行ってきます」
車窓から手を出して振る。
南門を抜けてから、外の世界へ――。
後ろを見れば、見えなくなるまで手を振ってくれる二人。
頑張ってお役目を果たしてから、必ず帰ってこようと、固く心で誓う。
車内ではいい匂いが充満。
「早速いただこうか!」
「いやいや、そんなバカな」
「朝、食べてないからね。朝食にしようよ」
「僕も食べてないですから」
ゴートさんやめてください! そのふとめの体での発言は脅威でしかないですから。
僕が一番じゃなきゃ嫌なんです。
「ゴートさん。少し我慢を。途中で下車してから景色のいいところでいただきましょう。それに皆さんと言ってましたが、ジャイロスパイクさんはピート君のために作っているみたいですし」
「了解です……」
残念そうなゴートさん。
だが、流石はゲイアードさん。分かってますね。そう! 僕のために! こことっても重要。
そこを強調していただけると、僕は幸せ。
ついでにロールさんと僕の素晴らしい噂を広めていただきたいところだ。
――――。
――……広めていただくのは、不可能かな……。
なんだろうか、基本的にお二人とも喋らなくても平気なタイプなのかな?
お弁当の件の後から、一気に車内が森閑に包まれたよ……。
馬車とは違い、車窓からの流れていくような風景が新鮮なようで、それを堪能している二人の大人の姿がそこにはあった――――。
はい! その声を待ってました!!
「ロールさん」
「ごめん。ちょっと遅くなっちゃって」
見送りは嬉しいけど。
両手で持つそのバックはいただけませんよ。
「駄目ですからね! 付いてくるのは」
一緒に行くなんて言われたら困る。何かあったら、僕が一生消えない傷を心に残すよ。
先手打って、踏み留めるように強い語気で言ってあげる。
「分かってるよ……」
そんなに寂しそうな声を出されると、申し訳ないよ。
僕だって辛いんですから。
これから一週間くらいロールさんに会えないどころか、女っ気のない男三人での行動。苦行だ……。
「これ」
手にするバックを渡される。
いい匂いがする。
「行きのお弁当つくったから、皆さんで」
「ありがとうございます」
やったぜ! ロールさんのお弁当とか幸せすぎる。
この幸せ……、最後の晩餐とかじゃないよね。
「気をつけてね。私も連絡入れたけど、ンダガランさん、やっぱりいい顔してなかったから。カグラさんとは連絡そのものが取れなかったけど……」
「すみません。交友関係にヒビが入ってないですよね?」
「大丈夫だよ。だから、無事に帰ってきてね」
「はい!」
なんだろうか。気合いが入ってきたよ。不安が払拭されるような気分だ。【無事に帰ってきてね】とか、精神が高揚する台詞だ。
勇者になった気分だよ。
いつまでも待ってくれる一途な恋人と、旅立つ勇者のような関係。
帰ってきたら結婚やな! その後はワッショイ、ワッショイだな。
アハハハハハハ――――。
「痛いじゃないですか」
「にやける余裕はあるんだね」
頬を優しくつねられた。
幸せの痛みである。その気持ちのいい痛みをそのままに、いざ運転席へ――。
「無茶な運転はするなよ」
「大丈夫ですよ。運転は慣れてますから。安全運転で行ってきます」
「森の中での寝食で、体調崩さないでね」
「その辺はブートキャンプで経験してますから」
終始、気にかけてくれるロールさんの不安な気持ちを少しでも軽減させたいので、笑顔を維持する僕――――。
「出発進行」
「おお! いよいよか~」
ゴートさんの初体験から出る興奮した声を背に受けつつ、
「行ってきます」
車窓から手を出して振る。
南門を抜けてから、外の世界へ――。
後ろを見れば、見えなくなるまで手を振ってくれる二人。
頑張ってお役目を果たしてから、必ず帰ってこようと、固く心で誓う。
車内ではいい匂いが充満。
「早速いただこうか!」
「いやいや、そんなバカな」
「朝、食べてないからね。朝食にしようよ」
「僕も食べてないですから」
ゴートさんやめてください! そのふとめの体での発言は脅威でしかないですから。
僕が一番じゃなきゃ嫌なんです。
「ゴートさん。少し我慢を。途中で下車してから景色のいいところでいただきましょう。それに皆さんと言ってましたが、ジャイロスパイクさんはピート君のために作っているみたいですし」
「了解です……」
残念そうなゴートさん。
だが、流石はゲイアードさん。分かってますね。そう! 僕のために! こことっても重要。
そこを強調していただけると、僕は幸せ。
ついでにロールさんと僕の素晴らしい噂を広めていただきたいところだ。
――――。
――……広めていただくのは、不可能かな……。
なんだろうか、基本的にお二人とも喋らなくても平気なタイプなのかな?
お弁当の件の後から、一気に車内が森閑に包まれたよ……。
馬車とは違い、車窓からの流れていくような風景が新鮮なようで、それを堪能している二人の大人の姿がそこにはあった――――。
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